【リクエスト】美しく残酷な世界で
Added 2022-10-12 09:00:05 +0000 UTC注意:この作品は「進撃の巨人」のネタバレをうっすら含みます! 原作未読、アニメの続きを待っている方は、ご自身の判断で 引き返してください! 橙色の明かりにうっすらと照らし出された五歩四方ほどの狭い密室には大きめの寝台以外にはなにもない。 壁は石造りで、煉瓦を積み上げたのではなく、塗り固められたような質感だ。 天井から降り注ぐ光は燭台のものではないようで、微かにも揺らがない。 照明具の光と同質の仕掛けなのか、塗り固められた壁に光る文字が浮かんでいる。 「満足するまで性行為をしなければ出られない部屋」 その文字を見ながら、調査兵団のジャケットを羽織ったミカサ・アッカーマンは眉間に皺を寄せていた。 状況を確認しようと肩までの黒髪を揺らしながら室内をくまなく見まわすものの、一面壁のその部屋には出入口はない。 天井も床も、同質の石造り。 空気が通る隙間すら見当たらなかった。 彼女は、ふぅと溜息を吐いて、傍らにいる自分以外の人物に視線を向ける。 そこには彼女よりも少し長身で、艶やかな黒髪を短く切りそろえた女性が立っていた。 調査兵団の濃緑のコートを羽織っていて、頬には、見覚えのある傷跡が残っている。 「いったい、何が起こっているの…?」 ミカサが、恐る恐るそう口にする。 「…この現象がなんなのかは分からない。でも、どうすれば良いのかは知っている」 戸惑いを隠しきれないミカサに比べると、彼女はほとんど感情の揺らぎをみせることなく、平坦に落ち着いていた。 「…何をすればいいの?」 「そこに書いてあることをする」 ミカサの問いに、彼女は壁に浮かび上がった文字に頭を振りながら答える。 それを聞いたミカサは、表情が歪めた。 「…何か、別の方法があるはず…」 「無駄…。ここに来るのは二度目だけど、以前に来た時は、何をしても出られなかった」 「二度目…?」 「そう、一度目は、ちょうどあなたと同じくらいの歳頃のとき。そのときの私もあなたのように納得ができなくて、壁を壊そうとしたけどできなかった。この壁は巨人の硬質化によく似ている…すくなくとも、ここにあるもので破壊できるようなものじゃない」 その言葉に、ミカサは微かに頭痛を覚える。 表面上、否定したいと思っていた目の前の人物の正体に、それ以外の納得がいく説明を見つけられない。 目の前の女性は、自分自身だ。 しかも、おそらく、自分が生きていたよりも先の時間の… 「…851年。壁外調査で海を見て、本部に戻った翌日だったはず」 しかしミカサは、察しがついていたにも関わらず、彼女の言葉に驚愕する。 自分が最後に記憶しているのは、彼女が言った通り、壁外調査から帰還した翌日だった。 宿舎で夕食を取った後、自室に戻った際に、まるで寝入ってしまうように意識が途絶え、気付けばこの場所に居た。 「…あなたは、どこから…?」 「…私は、854年」 「三年先の、私…」 ミカサは、そう口にして改めて彼女を眺める。 現在の自分よりも僅かに長身で、いっそう鍛え上げられた肉体。 纏っている雰囲気も、熟練の兵士のそれだ。 しかし、彼女の表情からは悲しみと後悔が感じ取れるように思えた。 「…似たような体験をしたことがあるの、覚えてる?」 今度は彼女がミカサに語り掛けてくる。 その言葉に、ミカサはふと、幼い日の出来事を思い出した。 「…覚えてる…シガンシナに居たころに会った、あの催眠術師…」 「そう…『世界は残酷なんだから…』」 彼女の言葉に、ミカサは息を飲んで頷いた。 幼い頃、シガンシナ区の市街地で自分に声を掛けて来た道化師がいた。 その男に「催眠」を掛けられたミカサは、声を聞いたのだ。 それが誰からの言葉だったのか、無意識に考えることを避けていたが、彼女には実感があった。 自分を焚きつけ、望みをかなえるために手段を選ぶな、と主張するその声の主は、未来の自分だったのではないか… 「…たぶん、この出来事も、根本的には同じなのだと思う」 言葉を失っていたミカサに、彼女は静かに告げた。 ミカサは痛む頭に手を添えて、いつの間にか浅くなっていた呼吸を整える。 気持ちを落ち着かせて、冷静に思考を巡らせたミカサは、彼女の言葉に合点する感覚を覚えた。 幼い頃のことだけではない。 その後も何度か、彼女は「体験したことのない現実」を見ることがあった。 「起きるはずだった未来」の出来事が脳裏に浮かび上がる経験もあった。 それがどうしてなのかは知る由もないが…今の状況が、そのことと無関係であるとは思えなかった。 「説明はできないけど…何が起きているのかは、分かった」 ただし、目の前に未来の自分がいることと、壁に浮かんだ指示に従うのとは別の話である。 ミカサは頭を切り替えると、部屋に置いてあった寝台を目一杯蹴り付けた。 鈍い音がして、木製の枠組みが壊れる。 バラバラになった枠組みの端材を手に取った。 「とにかく、ここから出ないと」 ミカサは手にした端材で壁を殴りつけた。 ガツン、という鈍い衝撃があって、端材を握っていた腕ごと弾き返される。 それでもミカサは繰り返し壁を殴り付けた。 そんな様子を、もう一人のミカサは壊れた寝台の上に乗ったままになっていたマットレスに腰を下ろしてジッと見つめている。 しかし、ミカサの強靭な身体能力と持久力をもってしても、壁には傷一つ付くことはなく、しばらくしてミカサは玉の汗を浮かべながら、その場にペタンと座り込む。 「覚悟が決まったのなら、服を脱いで」 そんな彼女の背中に、未来のミカサがそう言葉を掛ける。 それを聞いたミカサは、キっと眉を吊り上げて未来の自分の胸倉をつかんだ。 「…あなたと性行為なんてしない!」 「…それ以外に方法はない」 「私はエレンの物!他の誰にも、触れさせたりなんかしない!」 「あなたの気持ちは分かる。でも、そうする他にない」 未来のミカサが、ギロリと鋭い視線でミカサを睨み付けた。 「他の誰かや自分自身を犠牲にしないといけないこともある…世界は、そういう風にできている」 その言葉に、ミカサはガクリと膝を落とす。 知っていたはずだった。 幼いころから。 大切なものを守るために、自分の想いを遂げるために、すべてを捧げると心に決めたはずだった。 そんな自分に、まだ捨てなければならないものが残っていた。 それはエレンのためのものでもあった。 仮にエレンがそれを望んでいなくても、エレンのために守っていたいと信じていたものだった。 「…コレを使うの…?」 ミカサは、そう言って自分の下腹部を擦る。 「使う。そうしなければ、ここから出れない。エレンを守ることもできない」 未来のミカサは静かに、自身の内面を隠しながら、諭すように彼女に告げた。 ミカサは膝を着いたまま、ジッと石造りの床を見つめている。 未来のミカサはそんな彼女の決断を、ただただ黙って待っていた。 どれくらいの沈黙が続いたか、ミカサが目に涙を溜めながら顔をあげる。 「…分かった」 その言葉に、未来のミカサはコクリと頷いた。 未来のミカサは、何一つ気にする様子もなく、着ていた服を脱ぎ始める。 それを見たミカサも、羞恥心を覚えながら兵団の制服を脱ぎ去った。 二人の鍛え上げられた肉体があらわになる。 全裸になった二人の股の間には、普段の彼女の体にはない器官、男性器によく似た、いわゆるふたなりが備えられていた。 「どうしてこんなものが…」 この部屋に来てから、その存在を感じてはいた。 しかし、実際に目視で確認してしまうと、戸惑いが湧いてくる。 「それも、分からない」 未来のミカサはそう言いながら腕を伸ばし、ミカサをマットレスの上へと引き寄せた。 促されるようにしてマットレスの上に倒れ込んだミカサは涙を浮かべながら、怯えた表情で未来の自分を見つめた。 未来のミカサは、そんな彼女にゆっくりと圧し掛かっていく。 不意にビクリ、と体を震わせた彼女は、 「…待って」 と未来のミカサの体を両腕で押しとどめた。 「…どうかした?」 未来のミカサは、不思議そうな表情で、過去の自分を見下ろす。 体つきに似合わず、身を縮こまらせて微かに震える彼女は、掠れる程小さな声で囁いた。 「…初めてだから、優しくしてほしい…」 そんな言葉に、未来のミカサの表情が一瞬、柔らかく解れた。 彼女はミカサの髪を優しく撫で、無用な警戒心を抱かせないようにそっと身を重ねると、その耳元に口を寄せる。 「大丈夫、安心して。怖がらなくて良い」 その言葉は、それまでの彼女のものとは、少し違って聞こえた。 ほんのわずかに、柔らかく温もりが感じられる。 その声色に僅かに緊張感が緩んだミカサは、全身のこわばりが解けたように感じた。 未来のミカサは、過去のミカサにそっと唇を重ねた。 微かに触れ合わせてから、ミカサの反応をうかがいつつ、少しずつ啄むように接触面を増やしていく。 過去のミカサの目から、ハラと一筋の涙がこぼれた。 その意味を、その思いを、未来のミカサは知っていた。 彼女は唇を離し、彼女の涙をそっと拭う。 「…大丈夫、気にすることはない。今のは…自分の唇を少し舐めただけ」 二筋目の涙をこぼしながら、ミカサはコクっとうなずいた。 その様子を見ながら、未来のミカサは自身の胸に去来する想いに僅かながらに驚いていた。 長い間機能していなかった感情が緩やかに溶けていくのが感じられる。 経験のない体験と喪失感に震える過去の自分に健気さと、純粋さと、可愛らしさを覚えていた。 そして、三年前、初めてこの部屋に閉じ込められたときに未来の自分が何を思い、何を感じていたのかが理解される。 ミカサはかつて自身がされたように彼女に接してあげたいと、そう感じた。 ミカサはそっと体勢を崩して、過去の自分の隣にそっと横たわる。 上から圧し掛かられるよりは、恐怖感が少なくて済むはずだ。 側面から彼女を抱き寄せたミカサは、泣いている子供をあやすように髪を撫でつける。 腕の中で、過去の自分の緊張が、また少し溶けたように感じられた。 「未来の私は、優しい…」 掠れた声が聞こえる。 「無理やり手籠めにするような趣味はない…それだったら、とっくにエレンを襲っている」 ミカサがそう返すと、彼女は僅かに笑みを浮かべた。 彼女は甘えるようにして、ミカサの首元に顔を埋める。 「…懐かしい匂いがする」 彼女の言葉に、ミカサも彼女の髪に鼻先を埋めた。 彼女の言葉の通り懐かしい香りがして、胸の内が解れていくような心地がする。 遠い記憶の片隅に、心当たりがあった。 「…そう思う」 ミカサはそうとだけ応じると、過去の自分を見下ろした。 彼女もまたミカサを見上げている。 そっと唇を近づけると、彼女の方も目を閉じ、ミカサを受け入れるように首を逸らせた。 ほとんど見た目の変わらない唇が重なる。 啄むように何度か触れ合い、徐々に密着していく。 ミカサは、僅かに開いた唇の隙間から、彼女の口内に舌を侵入させた。 舌先が触れ合い、ほんの一瞬、彼女が怯えたように舌を引っ込める。 しかし、ほどなくして、恐る恐る伸びて来た舌が、ミカサの舌に改めて触れた。 唇と同じように、ゆっくりと少しずつ触れ合わせていく。 未来のミカサは優しく、過去のミカサは探るように、舌同士を絡ませた。 「んっ…」 不意に、過去のミカサの喉の奥から声が漏れた。 未来のミカサはとっさに唇を離す。 「大丈夫…?」 「…問題ない、できる」 微かに頬を紅潮させた過去のミカサが、そう答えて頷いた。 そして、未来のミカサのふたなりに手を伸ばす。 しかし、その手を未来のミカサはサッと捕まえた。 未経験の彼女にいきなり自分のふたなりを挿入するわけにはいかない。 まずは先に自分が彼女を受け入れようと、そう決める。 「…なに?」 「…私が先に見本をみせる」 そう言うと彼女は、ミカサの手を自分の秘所へと導き、自分はミカサのふたなりに手を添えた。 彼女はミカサのふたなりを軽く上下にさすり上げる。 そのとたん、ミカサが微かに腰を震わせ 「んっ…」 っと声を漏らせた。 そんな彼女の様子を確かめながら、ミカサはさらにふたなりを撫でつけていく。 「くっ…んっ…」 ミカサは微かに喘ぎ声をあげながら、すがるように未来のミカサに身を寄せた。 背筋をゾクゾクと撫でられているような快感に耐えながら、彼女は未来の自分の秘所にあてられた指先を、円を描くように動かす。 男性器を迎え入れたことはないが自慰の経験はあり、勝手はそれとなく理解していた。 ほどなくしてぬめった体液が漏れ始め、微かな水音を伴いだす。 二人の体は熱を帯び、吐息は浅く心臓の脈動は強くなり始めていた。 「んっ…ふぅっ…」 「くっ…んんっ…」 未来のミカサは愛しむように、過去のミカサは探るように、互いの膣口とふたなりを刺激し合う。 触れ合う程に高まる快感に、二人は互いの筋肉質な体にしがみ付いていた腕に力がこもる。 ふたなりの先端からはとめどなくカウパーが零れ、秘所は愛液に溢れて柔らかに解れていた。 「…そろそろ、大丈夫」 未来のミカサが静かにそう告げると、過去のミカサの手を引く。 それに促されるように、過去のミカサは未来の自分に圧し掛かった。 未来のミカサは脚を開いて、過去の自分の体を受け入れる。 ふたなりの先端がミカサの股間に当てがわれた。 「……違う、そこじゃない」 「……ごめんなさい」 ほんの少しだけ表情を曇らせた過去のミカサに、未来のミカサは微かに笑みを漏らす。 彼女はそっと手を伸ばし、ふたなりを入り口の正しい位置に導いた。 「ここ」 未来のミカサの言葉に、過去のミカサはコクっとうなずく。 しかし、彼女は一向に腰を前に動かさない。 未来のミカサは、過去のミカサの体が震えていることに気が付いた。 「…怖い?」 「…違う…胸がドキドキして…」 未来のミカサはその言葉に驚く。 かつての自分もこんなことを口にしたのだろうか? ドキドキするなんて、自分がそんなに可愛らしい言葉を使うとは思ってもみなかった。 未来のミカサは、過去のミカサの腰に脚を絡めると、そっと自分の方へ引き寄せる。 過去のミカサのふたなりが、水音を立てて未来のミカサの膣内へと侵入していく。 「んっ……狭いっ…」 過去のミカサは、自身のふたなりを締め付ける未来の自分の膣内に苦悶の表情を浮かべた。 エレンを守るために鍛え上げられた肉体は、どの部位であってもおろそかにはされていない。 その締め付けと、愛液に濡れた膣内の体温は、手淫を施される程度の快感とは比べるまでもなかった。 一方で、未来のミカサは、自身のふたなりが侵入してくる痛みに耐えていた。 膣内に受け入れるのは二度目。 一度目は三年前、未来の自分にふたなりを挿入されたときだ。 それ以後、誰かと性交渉をした経験はない。 そのためか、初めてしたときほどではないにせよ、裂けるような感覚が彼女を襲っていた。 「…痛む?」 そんな彼女の様子に違和感を覚えたのか、過去のミカサがそう尋ねる。 「……いいえ、平気。少し刺激が強いだけ…」 痛むとは言えなかった。 その言葉は、過去の自分を不安にさせるだろう。 それを彼女は望んではいない。 「…動いてくれて構わない」 「…う、動く…?」 「…そう、中を往復させるように」 未来のミカサはそう言いながら、ゆっくりと腰をくねらせた。 僅かな痛みを覚えるものの、それを上回る快感が染み渡る。 一方で、過去のミカサは言葉を失っていた。 たった一度、ふたなりと膣内が擦れ合っただけで、彼女はふたなりが溶け落ちてしまうのではないかと思う程の快感を覚え、心臓がさらに高鳴る。 そして、未来の自分に促されるがまま、慣れない腰つきながらも、ゆっくりとしかし確実に、ピストン運動を始めた。 「んっ…くっ…んんっ」 「んんっ…あっ…くぅっ」 唇を噛みしめて快感に耐える二人の喉の奥から、微かな喘声が漏れる。 膣内へと出入りを繰り返すふたなりが擦れる水音の方が大きく聞こえるほどの微かな声だった。 しかし、二人はその発声の大きさに反して、鍛え上げられた筋肉によって締め付けられる快感と、それを押し広げて抽挿される快感に、頭の芯がジンジンと脈打つのが感じられる程に気持ちを高ぶらせていた。 「あっ…んんっ…」 ふたなりを挿し入れていた過去のミカサが、声を漏らして快感に身を強張らせて背を丸める。 未来のミカサはそんな彼女の腕を引くようにして自分に上体を預けさせた。 体を重ねた二人は、互いの体に腕を回す。 まるで愛しい相手と番うように互いをきつく抱きしめながら、二人は腰をくねらせた。 未来のミカサが唇を噛みしめながら見上げると、頬を赤らめ、眉間にしわを寄せるまだ微かに幼さを残した自分がいる。 ふと、彼女もまた未来のミカサに視線を向けた。 二人の視線がぶつかる。 まるでそれが何かの合図であったかのように、二人は唇を重ねた。 快感によって高ぶった感情に突き動かされ、熱く舌を絡め合う。 互いの体に回した腕には一層力がこもり、互いの体温を感じ合う。 東洋の血を引く彼女達の艶やかな黒髪が混じり合うように、二人には互いの境界が曖昧になっているようにさえ感じられた。 「あっ…くぅぅっ!!!」 不意に、過去のミカサの喉の奥から声が漏れた。 次の瞬間、彼女は本能的に腰を前に突き出しながら全身を強張らせた。 臀部から下腹部へと熱感がこみ上げ、ふたなりを突き通すよう駆け抜ける。 「んっ…くっ…あっ…」 過去のミカサは何度か腰を跳ね上げながら、未来の自分の膣奥に体液を放出する。 未来のミカサは彼女の腰に脚を絡めてそれを受け入れた。 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」 脱力し息を荒げて未来のミカサに体を預けていた過去のミカサが、震える体を起き上がらせる。 彼女は未来の自分を気遣わしげな瞳で見つめた。 「…大丈夫?」 「…ええ、大丈夫、問題ない」 過去の自分から投げかけられた未来のミカサは静かにそう答え、それから 「…心地よかった」 と付け加える。 性的な刺激による快感もあったが、彼女はその言葉を選択した。 過去のミカサには、その言葉の意味が理解できた。 「…その気持ちは分かる気がする…」 彼女はそう答えるとふぅ、と息を整え、ふたなりを抜いてマットレスに横たわった。 そして、未来の自分に手を伸ばす。 「…覚悟はできてる」 その言葉に、未来のミカサはうなずいた。 彼女は過去の自分の広げた脚の間に腰を沈めると、ふたなりの先端を膣口に押し当てる。 上体を過去の自分に重ねた彼女は、耳元で囁いた。 「…しがみ付いていた方がいい」 過去のミカサはそれを聞いて、未来の自分に腕を回す。 それを確かめた未来のミカサはゆっくりと、しかくためらうことなくふたなりを彼女の中へと挿し入れた。 「んっ…!くぅっ…!!!」 過去のミカサが呻いた。 裂けるような鋭い痛みが走り、思わず全身に力がこもる。 肋骨が砕けてしまいそうなほどの力で締め付けられた未来のミカサは、そんな過去の自分の健気さに、胸を打たれたような感覚を覚えていた。 未来のミカサはそのまましばらく、過去の自分を優しく抱きしめながら、彼女が落ち着くのを待った。 しばらくして、彼女の体に回されていた腕から力が抜ける。 見下ろすと、過去の自分が再び目に涙を浮かべていた。 破瓜の痛みだけではない。 彼女は今、深い喪失の中にいるはずだ。 それを放置して次へは進めない。 未来のミカサは、最初にそうしたように、彼女の頬と目元を指先で拭う。 そんな未来の自分の優しさに甘えるように、過去のミカサはその首元に顔を埋めた。 それからほどなくして、過去のミカサは顔をあげ、ふぅ、と大きく息を吐く。 その目にはほんの僅かに力強さが戻っている。 「痛みは?」 「…もう、それほどでもない」 「…それなら、少し動いても平気?」 未来のミカサは過去のミカサの頭を撫でてやりながらそう尋ねる。 コクリとうなずく彼女を確認してから、未来のミカサはゆっくりと抽挿を始めた。 「んっ……くっ……!」 未来のミカサが腰を動かすと、過去のミカサの表情が苦悶に歪んだ 痛みがあるのだろうということは承知で、彼女は尚も腰をゆっくりと動かす。 刺激が増え、愛液の量が増した方が痛みが軽くなることは、身をもって分かっていた。 未来のミカサは腰を動かしながら、彼女の胸に触れ、唇を重ねる。 次第に彼女の顔からは苦し気な様子が薄れ、頬が紅潮してくるのが分かった。 「はぁっ…んんっ…」 熱い吐息をつきながら、未来のミカサの動きに合わせてゆっくりと腰を動かし始める。 未来のミカサもまた、彼女の腰の動きに合わせるようにして、抽挿を繰り返す。 ただでさえ鍛え上げられている上に、初めて外部からの侵入を許した膣は硬く狭い。 それが、未来のミカサのふたなりを否応なく刺激する。 「はっ……んっ……あっ……」 少しずつ確実に、未来のミカサの腰の動きは早くなっていく。 それに呼応するように、過去のミカサの声にも艶が混ざり始めた。 「あっ……はぁっ…んんっ」 「んくっ…はぁっ…んんっ」 先ほどまでは少し収まっていた熱が再びこみ上げ、二人の体をドクドクと駆け巡る。 動くたびに溢れ出る快感と、説明のつかない一体感に言い知れぬ喜びを感じ始めていた、二人は言葉を交わすように腰を動かした。 「あぁっ……!はぁ……んんっ……!」 不意に、過去のミカサが声をあげた。 彼女の膣内が未来のミカサのふたなりを搾り取るかのように締まり始める。 その刺激に、未来のミカサは自分の腰が砕けていくのを感じた。 「くっ…ダメっ…」 小さな声でそう呟いた彼女は、過去の自分の最奥に先端を押し付ける。 次の瞬間、ビクンと腰が震え、快感がこみ上げてふたなりを熱が突き抜けた。 「あっ…んくっ!!!」 過去のミカサの最奥に、未来のミカサの体液が噴出する。 その刺激が引き金となり、過去のミカサも体を震わせた。 「くぅっ…はぁっ!!!」 下腹部の筋肉が痙攣し、腰がひとりでに跳ね上がる。 押し寄せる快感の波に、二人はビクビクと全身を震わせながら、互いの体を強く抱きしめ合った。 「はぁっ……はぁっ……」 しばらくの間、荒い呼吸音だけが部屋に響いていた。 やがて、過去のミカサの膣から、ズルリと未来のミカサのふたなりが引き抜かれる。 その動きに、過去のミカサが小さく喘いだ。 二人はそのまま、寄り添うようにしてマットレスに横たわる。 「一つ聞きたいことがある」 呼吸を整えながら、ポツリと過去のミカサが口を開いた。 「質問に寄る」 未来のミカサがそう応じると、過去のミカサはすこしためらってから 「三年後、みんなは無事でいる?」 と尋ねた。 その質問に対する答えは、すでに決まっている。 「心配は要らない。あなたは、あなたが後悔しない選択をすればいい…間違っていたとしても、あなたはやり直せる」 それはかつてどこかで聞いた言葉だった。 聞いたというより、脳裏に響いて来たというのが正しいのかもしれない。 三年前に未来の自分から聞かされたときよりもさらに前のことだ。 でも、過去の自分にはそれで伝わる。 未来のミカサは、そのことを知っていた。 「…分かった」 彼女はそうとだけ言うと、ふぅ、と大きく息を吐く。 それから 「もう一つだけ」 「どんなこと?」 「…まだ、出られないの…?」 その言葉に、今度は未来のミカサが溜息を吐いた。 「なに…?」 その様子に、過去のミカサが不審がる。 「壁の文字を読み直して」 そう言われた彼女は、寝転がりながら壁に光る文字に目を向けた。 「満足するまで性行為をしなければ出られない部屋」 そこには相変わらず、その文面が浮かんでいる。 「私達は…体力がありすぎた」 未来のミカサが額に手を当てながら言った。 過去のミカサは、その言葉の意味を考え、ほどなくして一つの答えに辿り着く。 「まだ足りない…?」 「そういうことになる…」 「…三年前は、どれくらいだったの…?」 「…回数は覚えていない…疲れ果てて寝入るまで続けなきゃいけない」 その言葉に、過去のミカサは一瞬茫然とする。 互いの体力が尽きるまで交わり続けるのだとしたら、あと何度、あの快感を味わう必要があるのだろう? そう考えると気疲れを覚えるようにも感じられたが、同時にそれほど大きな抵抗を覚えない自分がいることにも気が付いた。 彼女と一緒にいることで、悪い気分になることはない。 「…そう」 過去のミカサは静かに相槌を打つと、未来のミカサの手を握り、もう一方の手でふたなりを撫でつけた。 「…慣れたから、次は少し乱暴でも構わない」 彼女の言葉に、未来のミカサは苦笑いを浮かべる。 「…そういう趣味はないと言ったはず」 それを聞いた過去にミカサは、年齢相応のあどけない笑顔を浮かべて見せた。 二人は、どちらからともなく唇を重ねる。 それから二人は、時間の流れも感じられないこの密室で、疲れ切るまで交わり続けた。 疲れて寝入ってしまう刹那、未来のミカサは抱きしめた過去のミカサの髪を撫でつける。 これから彼女を待っているのは、受け入れがたい現実だ。 受け入れがたい選択を強いられ、受け入れがたい喪失を経験する。 そんな世界を生き抜くために、過去の自分には、未来の自分からの思いやりや励ましが必要だった。 そして喪失を経験した未来の自分が、必要としていたものだった。 彼女は、途切れそうな意識を手繰り寄せて、過去の自分に囁く。 「いってらっしゃい、ミカサ…エレンを、お願い」