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菊津里市立妄想研究所
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定期報告会・9月号

こんばんは。「暑さも寒さもお彼岸まで」と言いますが、お彼岸真っ只中だった先週の土日に30度を下回り始めましたので、たしかにお彼岸までだ…と思いつつも、25度以上の夏日を「涼しくなった」とは言えないんじゃないかと思う今日このごろです。

でも確かに最近は空気がほの冷たく、日差しさえなければちょいと過ごしやすい季節になってきたのかな? と思わせますね。気象的には「秋」とは言えないような気温帯ではありますが、暑さに慣れた身からするともう秋を感じさせる空気だと感じます。

毎年この時期になるとこんなこと言ってる気がしますね。

新作情報

新作は執筆が続いております。実は収録も少し始まりました。1日8時間ほどスタジオを確保して「1万文字録れればいいですね〜」と呑気なことを言っていたところ、いつものこじらせを発揮して4,500文字しか録り終えずに収録を終えたりしています。平常運行です。

特に新規でお伝えすることもない新作情報です。新作のテーマやコンセプトは特に変わらず、そして収録に差し当たっても変わることなくやっています。

ただ、今回は収録に際して、演技ということを考えるきっかけを得られましたね。

演技にはいくつも種類があります。舞台演技、映画やドラマの俳優演技、吹き替え、ナレーション、アニメ、ゲーム、そして音声作品。すべて声を使う演技という面では同じことですが、実はそれぞれ求められるものが異なっているというのが面白い話です。

そして音声作品ひとつ取ってみても、その中に抑揚や感情をしっかりと表現する演技もあれば、ナチュラル(実演系)の演技もありますよね。もちろんもっと別の方向性もあると思います。演技というのはとても幅の広いものです。

音声作品で主流となっているのはナチュラル系、実演系と呼ばれるものです。『実演系』と言われると、どうしても音声作品のジャンルとして「実演」というのがあるのでイメージが引っ張られますが、そもそも声優や俳優は法律的には「実演家」と呼ばれる職業でして、実演という言葉そのものに「実際に行為をする」と言った意味はないんです。ここでいう『実演系』というのは、「演者そのものがそもそも持っているパーソナルな感情表現を使って行うお芝居」を指します。原義的な「演技」とは違うので、こういうお芝居のことを「『演技』じゃない」と表する演者も中にはいらっしゃいます。が、ご存知のどおり、ナチュラル系(実演系)は音声作品の界隈ではもはや主流となっている演技スタイルですね。

さて、新作についてです。

新作は前からお話してるように「学校」を舞台にしたものです。現実に即した雰囲気・空気感の中でキャラクターと過ごします。「学校」を舞台としたものは皆さん全員が必ず共感できるものです。全部は共感できないとしても、「教室」だとか「放送室」だとか「体育館」などという単語を説明無しで理解してもらえる程度には共感度は高い舞台設定ですよね。その舞台設定を現実に即せば即すほど、キャラクターの存在もよりリアルに、よりナチュラルにしていかないと舞台設定から浮いてしまいます。でないと「これは創作物だ」っていう印象が強くなってしまう。だから、新作では「自然な演技、ナチュラルな演技」が求められました。

それでも、新作では「自分は出会ったことないけど、いたかもしれないような個性ある子」というキャラクターのため、ナチュラル系に振り切った演技とはならないよう、個性を付け足したりしています。

抑揚をつけすぎるとアニメ演技っぽくなる。かといって抑揚を落としちゃ、キャラクターの魅力は減ってしまう。抑揚を落とすと演技としての表現も落とすことになるので、そこには「演者の個性」しか残らなくなってしまう。それでは『キャラクター』にならない。なので、「どこで抑揚をつける」のか。そして「どこで抑揚をなくす」のか。そこにこだわって収録していっています。


アニメやゲームの演技でいえば、キャラクターにはわかりやすい表情がついています。喜怒哀楽がはっきりと見えている。だからこそ、それに合わせるように喜怒哀楽をはっきりとつけた演技をしないと絵が浮いてしまってキャラクターと声が乖離してしまう。アニメやゲームの演技が感情表現はっきりとしているのはそういった理由もあると聞いたことがあります。

でも、音声作品には「顔」がありません。視覚情報はないんです。

より現実とリンクしやすい音声作品はリアルに寄せた演技が合うとされていると思いますが、じゃあリアルで人と話すときにそんなにはっきりと感情を示すのか、ということ。結構複合的な感情が入り混じってるんじゃないでしょうか。

「ここはお願いしている台詞だけど、『断られてるかも』と思っているのか、『断られるはずがない』と思っているのか、『断られるはずがないけど、万が一断られたら怖い』と思っているのかで読み方が変わる」

とかそういう……。


ていうことをエンジニアさんたちが演技指導談として話されているのを聞きながら知ったような口でFANBOXに書く男です。すみません。

その道のプロの人は、こういうことを演技を聞いた瞬間すぐに口に出して説明してリテイク指示されるのですごいなと思っています。僕ら制作者は、なんとなく感性として「いまの読み方はイメージと違ったな」「あまりいい演技じゃなかったな」というのはわかるんですが、具体的に何がどう悪かったのか、そしてどう読んでくれたらよかったのかを瞬時に口に出せる人はそう多くないと思います。なんとなくはわかるんですけどね。

それは褒めるときにもいえます。

「すごい演技だ!」「いまのよかった!」

収録現場でよく口にする言葉です。

でも、具体的にどうよかったのか? どう感じたからよかったのか? キャラクターの心情と照り合わせてどうなのか? あまりそこまで掘り下げて説明できなかったりします。自分が作り上げたキャラクターなので、「いまの合ってた」「いやなんか違う」というのはわかるんですけどね…。まだまだ経験が足りません。必死に自分なりに「この子はこういうキャラクターで、いまこう思ってたから、こう読んでほしかった」というふうに理屈として伝えられるように頑張っています。理屈っぽいリテイクが嫌われることもあるので世知辛いですが。


今月は御高説を垂れてすみません。演技って奥深ェ〜〜〜! って思うことがいまの自分の流行りなので。すみません。

また来月にはもっと色んなものがお披露目できるといいですね。イラストとか、ボイスとか。

それでは、また。


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