「えぇ~? 爪楊枝でこの2つの半球体がくっつかないようにするだけでたくさんお金がもらえるでちか? やるでちっ!」
Added 2019-12-15 14:21:34 +0000 UTC◇デーモン・コアとは◇
プルトニウムの臨界実験で使われるプルトニウム塊のこと。
半球同士がくっつかないようにマイナスドライバーをさしこんでどのぐらい近づけたら臨界に達するのかの実験だが、
うっかりくっつけると死ぬ。気をつけよう。
◇
ちい「先払いで一晩10まんえんって聞いたから二つ返事でおっけーしちゃったでちけど……
ひまでちねえ……
そうだっ! ちいの分身にまかせてちいはお家に変えるでち~っと」
ぽんっ
ちいA「じゃあ後はよろしくでち、ちいはお家でみんなと遊ぶでち」
ちいB「いやお前がやるでち、ちいが家に帰って遊ぶでち」
ちいC「二人が言い争ってる間にちいが帰るでち」
ちいD「思うんでちけどみんなでつまようじ抑えている必要なくないでち?」
ちいE「そうでち。みんなで抑えているのはおかしいでち。むしろみんなで一緒に帰ったらよくないでちか?」
ちいF「それ名案でち~! じゃあ、みんなで離すでち~!」
カチっ
キュイイイイイイイイイ(辺り一面が青白い光に包まれる)
◇◇◇
ちい「ううん……はっ! こ、ここはどこでち? ちいは!?」
小町「毎度ご利用ありがとうございます、小町の渡し船サービスでございま~す」
ちい「そっか……ちいは死んでしまったでちか……えっ死んだでち!? そんな!?」
小町「そのへんで浮かんでたのを乗っけただけだからあたいは詳しくは知らないけど、
まあ死んだんじゃない?」
ちい「うう……まだみんなといっぱい遊びたかったでち……うっうっ」
小町「幸い三途の川は向こう岸につくまで時間がかかるからね。積もる話は同じ死者同士どうぞどうぞ~」
??「ほらほら泣かないで、飴ちゃん食べる?」
ちい「食べるでち~! ん、あ、でもお金が……こんどのくりすますでプレゼントに使おうと思ってたお金しかないでち……」
??「お金なんて要らないよ! そっかあ、プレゼントは自分で買う派なのか~」
ちい「違うでち! ちいはこれでも”おねえさん”で”センパイ”なんでち!
だから、このお金は付喪神の新入りの後輩のためのお金なんでち……だったんでち……うえぇぇ~~~ん!」
??「よしよし~いいこいいこ~」
ちい「びえぇぇ~~~……ぐずうっ、うえぇぇ……ずずずびびびびっ!
ふう、飴ちゃんのつつみ紙で鼻を噛んだらすっきりしたでち。
おねえさんは生前はどんなことしてたでちー?」
??「切り替え早いね? うーん、私はね……まあ友達とゆるーく暮らしてある日ぽっくりと、って感じかな」
ちい「そうなんでちか……お友達と会えないのは悲しくなるでちね……」
??「そうだね~……でも時々思うんだ。私は友達のことを唯一無二の親友だと思っていたけれど……
あの子にとって私はどうだったんだろう、って」
ちい「ええ? そんなの絶対友達だと思ってるでちよ!
なんならおねえさんが居なくなった後もずっとお姉さんのことを覚えているでちよ!」
??「君、見たこともないのにすごい自信満々に言えるね? まあ、そうだと良いなって私も思ってるよ」
ちい「ぜえったい、ぜっったいそうでち。友達ってそういうものなんでち。
お互いがお互いを友達だって信じているから、友情は永遠なんでち。
疑ったりなんかしちゃだめでち……
……でも、ちいのことを友達だと思ってくれるみんなとはもう会えないでち……
うえぇぇぇ~~~~~~~~」
??「ああもう泣かないで~ほらいないいないばー!」
ちい「……びえぇぇぇ~~~~ん!!!! せめてプレゼントを渡してからしにたかったでちいいいいい!
ごべんなざいいいいいいい!」
??「よしよし……はいハンカチ。
そうだ、そのプレゼントを渡したい君の友達について教えて?
どんな子なの? 君とよりもちっちゃい子なのかな?」
ちい「じゅべべべべ! ふう、んとねーちいより背が高くってー、ちいと同じ付喪神でぇー、
髪も白くてお肌もうるつや美白のたまご肌でぇー、でもすごく優しいでちー、あと寂しがりや」
??「なるほど……もっと聞かせてほしいな!」
ちい「その子と知り合ったのはつい最近なんでちけどー……”せと”つながりでエジプトのわるーい神様に体を乗っ取られたり~乗っ取られなかったり~」
??「わぁお。随分と破天荒な毎日を送ってるんだねぇ」
ちい「まあ苦節折々色々あって、今はちいたち妖土真宗の一員としてがんばっているでち。
ちなみに年功序列制なのでちいより背が高くても後輩でち。慈悲はない」
??「そっかあ……妖土真宗ってのはちいちゃんみたいな、いい子がいっぱいいるところ?」
ちい「上人様はすっごく頼れるカリスマでち~! ひかり子はちょっとおかしいけど、まあ優しい子なんでち。
珠烏ちゃんと居ると毎日が楽しいでち。乱々はムードメーカーって感じで場が明るくなるでち。
んまあー? ちいが? いちばん気配りができて甲斐性があって面倒見が良いのは否定できないでちけどぉ~?」
??「うんうん。君がとっても友達思いで、君の友達もとっても友達思いなんだね。
そっか……安心した」
小町「毎度ご利用ありがとうございました、小町の渡し船サービスでございま~す。
ほら彼岸についたよ。渡し賃がわりのお土産話も聞かせてもらったよ。さあ行きな」
ちい「ありがとおでちー!」
??「……」
小町「おっと、あんたの渡し賃はまだだ」
??「うーん、実を言うと私一文無しでえ~……そうだ!
この子の分を私の分として貰ってくれない?」
ちい「え? それはだめでちよだってちいはこれから閻魔様のとこにいくでち……」
??「実を言うと私、結構腕力には自信があってね。えいっ」ぶんっ
ちい「う、うわあああああああ!」ひゅるるるっキラーン
??「ばいばーい! 達者で生きろよー!
で、死神さん。これでいいでしょ」
小町「いいのか? んん? でも三途の川に浮いてた漂流物を拾っただけだし元の持ち主のところに帰るだけって考えたらそれでいいのか?
あーんめんどくさいしいいや。でも閻魔様の前では隠し事なんて出来ないからね」
??「ふふふ。別に隠そうってわけじゃあないのよ。
ただ……そう、”今は語るべきときではない”ってね」
◇◇◇
ちい「はっ!!! こ、ここは……ちいの部屋(りすぽーんちぃてん)!
やっぱり死んでたでちぃ……はぁ~びっくりした。もー怪しいバイトは二度と御免でちな。
……クリスマスは再来週……結局何をあげるか決まってないでち……
…………
物じゃなくて、みんなとの思い出づくりに使うのもいいかもしれないでちね。
例えば美味しいものを食べに行くとか……
今日の新聞の折込チラシにいい感じの……む! この【恐怖!怪異が出るペンション】なんか良いでちね……! 料理も美味しそう!
そぉときまれば予約でちー! みんなでたのしいくりすますぱーちーでちー!
そして、ちいの奇妙な冒険をみんなに聞いてもらってぇ……
ちいの新しいお友達のことも、みんなに覚えていて貰うでち。
ちょっとしかお話できなかったけれど、美味しい飴ちゃんをくれたすてきなおねえさんのこと、
ちいはぜえったい、ぜえったいに忘れないでち……!」
その後、ちいちゃんは朝ごはんを食べる頃には夢の内容をすっかり忘れていたのだが、
夢の中のおとぎ話(まったくもって事実無根のフィクション)なのだから、仕方がないね。
◇夢オチEND◇