小学4年生になる4月1日のこと。
今日は朝起きてからワクワクとした気分に満ち溢れていた。
母が"くすぐり拷問師"の職に就いていることから、我が家では昔から「嘘をつく」ことは厳禁だ。
ほんの少し些細な嘘をつこうものなら、お姉ちゃんや母にお仕置き部屋へ連行されて徹底的にくすぐられて泣いて反省するまでやめてもらえない……
だけど、今日だけはまだ嘘をついても許される可能性がある。エイプリルフールだし、きっとお姉ちゃんも笑って許してくれる!
顔を洗い、食卓に行くと中学の制服に着替えたお姉ちゃんが席に座っていた。
「おはよう、お姉ちゃん!」
「…?おはよう。どうしたの?ニヤニヤして?私の顔に何かついてる?」
「実は…くすぐり効かなくなったんだ!だからお姉ちゃんのこちょこちょなんて効かないよーだっ!」
「……そう。ほら、早く朝ごはん食べなよ?冷めるよ?」
「え……あ、はい………」
思いの外そっけない態度で流され、逆にどうしようかと戸惑ってしまう。もう少しびっくりするかと思っていたけれど…もしかして、嘘の内容が悪かったのだろうか…
そうだ!今日学校に行ったら幼なじみにも同じ事を言って試してみよう。朝ごはんを食べて身支度を整え、街道の桜を見ながら小学校へと登校していた。
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4年生になっても幼なじみと同じクラスで隣の席。
基本的にクラス替えもペア替えも無く、新しい学年になって教室が変わっても見慣れた光景に見える。
「おはよーー!!今日から4年生だよ!私がビシバシこちょこちょして躾してあげるから、覚悟してね♡」
「あの…その話なんだけどさ…」
「ん?どうしたのー?」
隣の席にいる幼なじみに、ひとまずお姉ちゃんについたのと同じ嘘を話してみることに。
「実は…こちょこちょが全く効かなくなった!」
「へ~??そうなんだぁ?じゃあ試してみないとねぇ?」
「え、あ、あれ……いやっ、ちがっ、ほ、ほんとだから…」
ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべながら、指をワキワキさせてゆっくりとこちらに近づいてくる幼なじみ。
思わず尻餅をついて後退りするも、あっさりと壁際に追い込まれて馬乗りされてマウントポジションを取られて上から見下ろされてしまう。
「はい、捕まえた~♪で?何だっけ?こちょこちょ効かないって言ったよね?じゃあどうして逃げようとしたのかな?おかしいよね?効かないんだったら平気なはずだよね?」
「いや…そ、それはその……」
理詰めで問われると何も言い返せなくなり、思わず顔を背けてしまう。
しかし、その態度がよくないと言わんばかりに首筋に指を添えられ…
「ほぉら、こちょこちょこちょこちょ~♪」
「っっひゃっっ!?ぁぁぁっあははっっちょっ、や、やめてっっっぁぁぁぁっっあははははははだめっっぁぁぁぁっひゃらぁぁぁっくひゅぐっひゃぃぃっぁぁぁぁぁぁっあはははははははははははははは!!!!」
「あれ~?こちょこちょ効かないんだよね?それなのに情けなく笑っちゃってはずかちいね~♪子供の遊びなのに我慢できないんだもんね?」
「ぁぁぁっう、うるひゃぃぃっぁぁぁぁっぁぁぁぁっあははははははははは!!!こ、こんなの余裕だしっっ!!ぁぁぁぁぁぁっへ、下手なこちょこちょなんて効かないぃぃっぁぁぁぁぁぁっあはははははやめてぇぇっっ!!!」
「へぇ~…そっかぁ?そんなこと言うんだぁ?じゃあこのままずーっとおかしくなっちゃうまで徹底的にこちょこちょしてあげるんだからね!後で泣いて謝ってもしらないから!」
