節分の日、今日はお昼頃から家に幼馴染の一家が遊びに来て一緒に手巻き寿司パーティーをする予定だ。
くすぐり拷問師の母も仕事は休みで、午前中母とお姉ちゃんと3人で近くのスーパーへ食材を買いに出掛けていた。
「ほら、はぐれないように手繋ご?」
「や、やだよ恥ずかしい!」
「言うこと聞けるよね?」
「ぅぅっ…」
小学4年生になっても、まるで低学年のように子供扱いをされて恥ずかしい気持ちだ。
だけど、反抗したり言うこと聞かなかったら家に帰って死ぬほどこちょこちょされてお仕置きされるのが目に見えているため、渋々お姉ちゃんと手を繋いで店内を回っていると…
「あれ!?おはよー!お姉ちゃんと手を繋いで仲良しさんだね~?」
「げっ…!?いや、違うし!!」
見覚えのある幼馴染と、その姉と母に店内でばったりと遭遇し、慌ててお姉ちゃんの手を振りほどこうとするも、しっかりと手は握られたまま離してくれなかった。
「じゃあ私も手を繋いであげる♪あかねぇねも繋ごうよ!」
「ん~、ほら、横並びになると他のお客さんの迷惑だから」
「あ、そっか!じゃあ密着しちゃえ~♪」
「や、やめろよぉぉ近いって!」
右腕を取られ恋人繋ぎのようにべったりとくっつかれてしまう。
「あらあら、仲が良いのね~♪ふふっ♪かわいいね」
周りのお客さんや、栞のお母さんにまでニヤニヤと笑われている気がして顔を真っ赤にしてしまう。
お姉ちゃんは離れ、茜さんと前を歩いていた。
「二人は何か食べたい具材ある~?」
母に聞かれ、幼馴染が元気よく食べたい食材を挙げていく。
「わたしマグロがいいー!あと玉子焼きー!あといくらとサーモンと~」
「おっけ~!玉子焼きは家で作ろうね」
買い物籠の中は次々と食材でいっぱいに。
お会計を終えて手分けして袋を持ち、車に乗せてそのまま皆で家に帰る流れに。
「お腹すいた~…ちょっとこちょこちょさせてよ!」
「な、なんでよ!やめっっひゃっっぁぁぁっあははははははははは!!!だめだってぇぇっぁぁぁぁっあははははは!!くひゅぐっひゃぃぃっぁぁぁぁぁっあははははは!!」
なぜか分からないけどいきなり幼馴染に首筋をこちょこちょとくすぐられて車の中で足をバタバタさせてひぃひぃ笑い悶えてしまう。
「こらっ!暴れないの!静かにしなさい!」
「だってぇぇっくひゅぐられてるから無理ぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっあははははははは!!お姉ちゃん助けてよぉぉ!」
お姉ちゃんに注意されるが、全く助けてくれる気配はない。最終的には母の「もうすぐ家着くからそこまでにしなさい!」という声で叱られ、ようやく手を止めてくれた。
「ごめんなさい~…」
「後で2人まとめてお仕置きしちゃおっかな~♪」
「な、なんで僕まで……」
茜さんに指をワキワキ見せつけられてゾクゾクと身体が震えてしまう。"くすぐり調教師"の母親に育てられている幼馴染と茜さんのくすぐりは、うちと違って恐怖ではないけれど絶対に逆らえないような力を持っているように感じる。
**
買い物へ出る前にご飯は炊いていて、帰る頃には丁度炊き上がっていた。
お姉ちゃんと茜さんは酢飯を作り、母達はお刺身を切ったり玉子焼きを作っていた。
幼馴染と僕は取り皿やコップをテーブルに運んだり簡単なお手伝いをしていた。
「よしっ、大体こんなもんかな!」
「酢飯もできたよ!」
「わーい!!美味しそうー!」
「じゃあパーティー始めよっか!皆何飲む~?」
幼馴染と隣同士で椅子に座り、飲み物をグラスに注いでいく。
「じゃあ節分パーティーに、乾杯♪」
「かんぱーい!」
カンカンとグラスを合わせて冷たいお茶を飲む。
目の前の大皿にはマグロやサーモン、甘海老、玉子、炒めた牛肉など色んな具材が並び、どれにしようかと悩んでしまう。
「あかねぇねサーモンとってー!」
「どれくらい~?」
「いっぱい!」
「3切れくらいにしとこうね~」
幼馴染を見習って、反対側に座っているお姉ちゃんに甘えてみる。
「お姉ちゃんサーモンとって!…ください……」
「うん、いいよ♪ほかに欲しいものある?」
「えっと…あとは大丈夫…です…」
生意気だと後でお仕置きされそうだと思い、結局は敬語になってしまった。だけど、今日は皆がいる場だからかいつもより格段にお姉ちゃんも優しいと感じる。
「何か巻き巻きするの楽しいね~♪毎日したいよね!いただきまーす!ん~…おいひい!」
「こーら!食べながら喋らないの!」
「ごめんなひゃ~い」
普段とは違う賑やかな雰囲気の食卓に、楽しい時間が流れていく。気付けば用意していた具材もお米も海苔も無くなり、何だかお腹いっぱいで眠たくなってきた。
「ごちそうさまでした~!ふぁぁ眠くなってきた~…」
「リビングで寝てていいよ」
幼馴染とリビングへ行き、コタツに入って横になる。
ぽかぽかとして眠気が限界になり、いつの間にか寝落ちしてしまっていた。
**
「__ほら、おきて!おきてー!こちょこちょこちょ」
「んん、んひっっ!?ひゃぁぁっあはははははは!!や、やめっっぁぁぁっんぁぁぁっあはははははは!?な、なに!」
幼馴染に首筋を容赦なくこちょこちょとくすぐられて起こされ、ジタバタと暴れてコタツから脱け出してしまう。
「ねぇ、誰もいないの!何か机の上に豆と置き手紙だけあったの!ほら来て!!」
「え、えぇ~…」
手を引っ張られてダイニングへ向かうと、食器は片付けられて確かに誰もいない。
小袋があり、節分の豆まき用の豆が入っている。
隣にはメッセージカードが添えられ、鬼の絵と共に「鬼に襲われないように気を付けてね♡」と書かれていた。
「ど、どうしよ~!ママもねぇねも鬼にさらわれちゃったのかな~?」
「そんなわけ……ひっ!?」
玄関の方だろうか?
バタン!と勢いよく扉が開いたような音が聞こえ、複数の足音がする…!
「悪い子はいねぇかーーー!!」
「ひぃぃぃっお、鬼ーー!!!」
「うわぁぁっ!!逃げろーー!!」
「あ、こら!待ちなさい!!!」
鬼のお面をつけた母やお姉ちゃん、幼馴染の姉や母に指をワキワキされながら追いかけられる。
出口は塞がれて徐々に追い詰められ、これでもかと豆を投げつけてみるも…
「そんなの効かないな~?」
「ひどいことする子ね、お仕置きしてあげる♡」
「ひぃぃっや、やめっっ、うわぁぁっ!?」
幼馴染の母にぎゅーっと抱き付かれ、そのままゆっくりと床に押し倒されてしまう。両手首を掴まれて万歳させられ、両腕をピンと伸ばした状態で上に乗られて顔は柔らかい太ももで挟み込まれて動けない。
「ほぉら、もう逃げられないからな~?」
母は腰の辺りに馬乗りして、程よく体重をかけながら見せつけるようにくすぐったい指をワキワキこちょこちょと動かしている。
すぐ近くから、幼馴染の笑い声が聞こえてきた。
「や、やめっっきゃはっっぁぁぁっあはははははは!!だめだめぇぇっぁぁぁっくひゅぐったいよぉぉっぁぁぁっあはははははははは!!ごめんなさーい!!」
「こちょこちょこちょこちょ~♪ほらほら、逃げないともっともーっとくすぐったくするよ~?」
茜さんとお姉ちゃんの2人がかりでくすぐられているようで、笑い声を聞いているだけで身体がムズムズとくすぐったくなってしまう…
「ひゃぁっ!?や、やめっっ…!」
「こっちも始めましょうか♪ほぉら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょ~♡」
「服の中に手を入れてこちょこちょの刑~!」
「ぁぁっっっ!?いひゃぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁぁぁあははははははははは!!!!ぁぁぁっひゃめてーーー!ぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっごめんなざぃぃぃぃぃっぁぁぁぁぁぁっあはははははははははははは!!!!」
首筋を10本の指で包み込むようにこしょこしょと執拗にくすぐられ、服の中に侵入した母の指先が腋の下から脇腹にかけて何度もこちょこちょと素早く往復され責められる。
くすぐりの"プロ"である大人の女性2人に押さえつけられて無防備な身体をねちねちとこちょこちょされ、一瞬にして心が折れてひぃひぃ笑い狂って叫んでごめんなさいしてしまう。
「あらあら、もうごめんなさいしちゃうの?男の子なのに恥ずかしいね、悔しいね♪」
「せっかくだからもっと反抗してみなよ?思ってること何でも言っていいよ」
あまりのくすぐったさにパニックになって、言われるがままに反抗的な言葉を必死に考えて口から出してしまった。
「ぁぁぁっお、鬼ぃぃぃっい、意地悪ぅぅっぁぁぁっあはははははははは!!あ、悪魔ぁぁぁぁっっっぁぁぁっ!!」
ピタッ、とくすぐっていた指先が止まる。
いつでもくすぐりを再開できると言わんばかりに、首筋と腋の下に指先は添えられたままで、ゾクゾクとしながら今のうちに必死に呼吸を整える。
「香織~、ちょっとお仕置きするの手伝ってくれる?」
「茜もおいで♪一緒に"躾"してあげようね♪」
「ひっ…!や、やだやだっ…やめてぇぇ…!!」
自由な足をバタバタとさせて暴れていると、お姉ちゃんと茜さんは膝の上に馬乗りして1本ずつ押さえつけ、靴下を脱がされて足裏に指を添えられる。
「あ~くすぐったかった~!もう!助けてくれないなんてひどい!私もお仕置きしてあげる!」
「えぇっ!?無理だってぇぇ助けてよぉぉ!!」
さっきまでくすぐられていた幼馴染も加勢して、ニヤニヤと顔を覗き込まれる。
「や、やめてぇっ…お願い…!な、何でもするからぁ…や、やだっ…いやぁっっ!ひっっっ!?ぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁっあははははははははははは!!!!いひゃぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁだめぇぇぇぇっぁぁぁぁぁぁっぁじぬぅぅぅっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあははははははははごめんなざぃぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあははははははははは!!!!」
首筋、腋の下、脇腹、足の裏を一斉に情け容赦なくこちょこちょされ、半ば白眼を剥いてひぃひぃと涎を垂らして情けなく笑い狂ってごめんなさいしてしまう。
必死に腕や足に力を入れて抵抗しようにも、多勢に無勢で押さえつけられてしまえば非力な小学生の力では全くといっていいほど抵抗できず、されるがままに弱いところをねちねちとくすぐられ続ける。
「ふふっ♪こちょこちょこちょこちょ~♪こうやって皆でくすぐるのも楽しいね~♡ねぇねぇ、今どんな気持ち?こちょこちょしてもらえて幸せだよね~?」
「いひゃぁぁぁぁぁっじぬぅぅっぁぁくるじぃぃぃっぁぁぁぁぁぁやめてぇぇぇっぁぁぁぁっぁぁぁっあはははははははははははは!!お、お願いだからぁぁぁぁっー!」
「え~なにそれ!私にくすぐられるの嬉しくないって言うの?じゃあ嬉しくなるまでずーっとこちょこちょの刑にして躾してあげるんだからね!」
「ひぃぃぃっっそんなぁぁぁぁっお、鬼さんごめんなさぁぁぁぁぃぃ!!!!」
頭の中真っ白で必死にごめんなさいを繰り返し、息絶え絶えぐったりとなるまでくすぐられ続けてようやく解放された頃には今にも気絶しそうな有り様だった。
「あ~楽しかった~♪」
「じゃあ私たちはそろそろお暇しようかしら♪今日はありがとうね」
「またいつでも遊びに来て!」
お姉ちゃんの肩を借りてフラフラと立ちながらお見送り。豆まきでは鬼に勝てないし、こちょこちょには絶対勝てないし逆らえないのだと思い知らされた節分パーティーだった。