「こーらっ!健斗!またあんたは家でだらだらして~!少しは勉強するとか女の子と遊びに行くとかしなさいよ!」
「え~やだよめんどくさ~い。」
「全くもう…!そんなこと言ってると__」
……また母親が何かぐちぐちと言っているが、ヘッドホンを付け直してネットゲームを再開する。
小学校中学校と、毎日無理やり学校に行かされた反動から、高校1年生になった今は半ば引きこもりのような生活を送っていた。
学校へは平日1,2日はサボって休む。
学校へ行くとしても、大体は寝坊して昼過ぎから登校している。
小学生の頃、政府の教育方針だか何だか知らないけれど、隣の席に座っている女子に毎日のようにこちょこちょされて、嫌だと泣きながら訴えてもやめてもらえなかった苦い記憶がある。いくら親や教師に訴えても誰も気持ちを理解してもらえず、中学に行っても女子にくすぐられる日々に嫌気が刺して半ば女性と関わるのがトラウマになっていた。
今日もこのままずっとゲームをして過ごそうと思っていたのだが、無理やりヘッドホンを取られてしまった。
流石に親でもイライラとする。
「おいっ!何すんだよクソババ……え……?」
「こんばんは、健斗くん♡」
「ぁ……だ、誰……ですか……?」
勢い良く椅子から立ち上がり、そのまま力なくへなへなと再び椅子に座り直してしまう。
その情けない姿を見て、美人なお姉さんにクスクスと笑われてしまった。
警察……?いや、どこかの制服だろうか……?
何をしに来たのだろう。
僕に何の用があって……まさか………
「女性恐怖症とは聞いていたけど…そんなに怖がらなくても大丈夫だよ?健斗くんが素直に大人しく私の言うことを聞いてくれるなら私も優しく接してあげるからね~♪」
「や…やだっ……!!か、帰ってください……」
「ん~それはできないかな~?健斗くんは私と一緒に"くすぐり施設"へと来てもらいます♪しばらくの間"治療"も兼ねて泊まり込みで生活してもらうからね♪着替えや歯ブラシ何かは向こうで用意してあるから、そのまま手ぶらで大丈夫だから行こっか♪」
「こ…断ったら…?」
「断れると思ってる?」
ガクガクと怯えている僕の顔を覗き込んでくるお姉さん。口元は笑っているけれど、眼は冷たいままだった。
あ…怖い…………。
情けないことに、腰が抜けてしまったように立てないまま今にも泣きそうな顔をしてしまう。
「ふふっ♪ほらほら、立てる?大丈夫かな~?生まれたての小鹿みたいに足震えてるけど…?」
「ぁっ……や、やだぁ…」
「やだじゃないでしょ?そんなワガママばっかり言ってたらお姉さんそろそろ怒っちゃうからね?」
手を握られて、無理やり立たされるものの脚が震えて歩けない…。このまま"くすぐり施設"へと連行されるのだろうか…
そしたらきっと毎日…女性にくすぐられる…
ゾクッと、昔のトラウマがよみがえってきてしまう。
お姉さんが油断している隙に…逃げるなら今しかない…!
「う、うわぁぁぁぁっ!!!!」
「あ、こらっ!!暴れるな!待ちなさい!!」
続きのお話
