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駄菓子屋のハロウィン

うちの祖母は駄菓子屋を経営している。

夕方になると、近所の小学生達がよくお菓子を買いに来てくれるのだと祖母はいつも嬉しそうに話していた。


最近ではハロウィンに向けて店の中を飾り付けたいらしく、私も手伝ってカボチャやお化けのポップをあちこちに張り付けたり吊るしたりしていた。


そんな矢先、祖母は体調を崩してしまった。

医者に診てもらうと、「季節性の風邪」ということでそこまで重いものではないらしい。


「ごめんねぇ…すぐ治すからねぇ」と祖母は看病している母や私に呟いていた。


祖母の体調が戻るまでの間、私が駄菓子屋の店番をすることになった。


平日は学校が終わるとすぐに帰って、私服に着替えて駄菓子屋を開ける。とはいえやることはそれほど多くはない。


店の掃除をしたり、小学生が来たら適当に相手をしたりレジをしたり…


のんびりと椅子に座ってお客を待っていると…


「おばあちゃーん!…じゃない!?若返った!?」


「お~いらっしゃーい…タクヤ君だっけ?」


小学低学年の男の子が1人お店にやってきた。

よく学校終わりに駄菓子屋に来る常連で、おばあちゃんからもよく話を聞いていた。


「お姉ちゃんだれ!?まさか…ハロウィンの魔女!?」


「誰が魔女だー!…いや、そうだよ。私はこの駄菓子屋のこわーい魔女だよ?どう?恐い?」


「全然恐くない!お姉ちゃん急にどうしたの?頭でも打った?」


カウンターの下でぎゅっと握り拳を作ってしまったが、もう片方の手で必死に堪える。


最近の小学生は口が達者なようだ…

まともに相手をしていたら疲れてしまう。


「ほらほら、今おばあちゃん体調崩してて私が店番してるの。分かったら早くお菓子でも買って帰りなよ」


「そうなの!?早く良くなるといいね!」


「お、おう…おばあちゃんに伝えとくよ」


キラキラとした純粋な子供の眼で見つめられて、思わずたじろいでしまう。


その後、タクヤ君は目を輝かせながら「うわーい!ハロウィンのカボチャだ!」とか「お化けもお菓子で食べるのかな~?」とか声に出して反応しながら店内をあちこちと物色していた。


微笑ましい光景だ…。

おばあちゃんが楽しそうに駄菓子屋を経営している理由が分かったような気がした。


「あ、そうだ…!」と何かを思い付いた様子で再び私のところに向かってくるタクヤ君。


「ねぇねぇお姉ちゃん!」


「ん~?どうしたの?」


「ふふふ、とりっくおあとりーと!!お菓子くれないとイタズラしてやる!!」


指をワキワキ動かしているタクヤ君。

そう言えばハロウィンってそんなイベントだったかと、今さらながら思い出した。


どうしようかな…おまけで何かお菓子をあげてもいいか…いや、さすがに無料で渡すわけにはいかないか…


「だーめっ!ちゃんとお金出して買いなさい!そしたらオマケしてあげなくもないよ?」


「う~ん…けちんぼ!」


「こらっ!誰がけちんぼだー!」


怒ったフリをして立ち上がり、カウンターから出るとタクヤ君は「きゃっきゃっ!」と笑いながら走って逃げようとしていた。


狭い店内で走るのは危ない…脚の長さで女子高生の私に勝てる筈もなかろうに。あっさりと捕獲して首根っこを掴む。


「うわー離せ~魔女にやられるー!」


「うるさい子だな~!お仕置きしてやる!」


思いきって私は店の扉を締め、"閉店"の札を吊るしておく。


「ほら、こっちに来なさい!」


「や、やめろーー!!」


容易く抱きかかえながら店の奥へと上がらせる。

靴を脱がせ、ランドセルを下ろさせて畳の上に連行した。


「お姉ちゃんなにするつもりだー!!」


「ん~…トリック・オア・トリート、かな♪ほらほら、反省してごめんなさいしないとイタズラしちゃうぞ~♪」


「ごめんなさいとか言うわけないし!ばーかっ!!」


「へ~…そんなこと言うんだぁ?じゃあお仕置き決定ね♡」


タクヤ君の両手を万歳させ、腕の上に馬乗りして太ももで顔を挟み込むような形で人力拘束をする。


この期に及んで必死にジタバタと逃げようとしているが、いくら男の子といえども小学生のか弱い力では私から逃げることは叶わないだろう。


足をジタバタさせて何度も畳に打ち付けたり、腰をくねらせてはいるが無駄な抵抗をしている。


「ほらほら、頑張って逃げないとお姉ちゃんがイタズラしちゃうぞ~♪」


「ひぃぃっ!?ま、まさか…だ、だめだってー!それはやだーー!たすけてー!」


目の前で指をワキワキさせてみると、今から何をされるのか気付いたようで必死に命乞いを始めるタクヤ君。


その姿を見ていると、ついつい私の中に眠ったいたドS心に火が付いてしまう。


無様な反応をしっかりと楽しんだ後…

おもむろに腋の下に指を這わせて薄い服越しに「こちょこちょこちょこちょー!」と全力でくすぐり倒していく。


「んひぃぃぃっっ!?ぁぁあぁぁぁっ!?くひひひっ!!くしゅぐっだぃぃぃぃっぁぁぁぁっぎゃぁぁぁっあはははははははははははははは!!!!だ、だめぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁっや、やめてぇぇぇぇっぁぁぁぁぁぁっあははははははははははははははははははははは!!!!」


「こちょこちょこちょこちょ~♪ほらほら、くしゅぐったいね~?お菓子くれるまでおかしくなるまでこちょこちょイタズラしてあげよっか~?」


「ひぃぃぃっむりぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっあははははははははははははははは!!!いひゃぁぁぁぁっだめぇぇぇっご、ごめんなざぃぃぃぃっぁぁぁぁっあははははははは!!!!」


あんだけ生意気だったタクヤ君は、どうやらこちょこちょに相当弱いようで1分も経たないうちに早くもごめんなさいをして心が折れ始める。


しかし、ここでやめてしまうのは面白くない…。


私に魔女だとか何だとか散々生意気なこと言われたことも含めて、しっかりとお仕置きして躾をしてあげないといけない。


「ねぇ、さっき私に魔女だとか言ったよね?ごめんなさいは?」


「ひぃぃぃっご、ごめんなざぃぃぃっぁぁぁぁぁっお、お姉ちゃんごめんなざぃぃぃぃっぁぁぁぁぁっあはははははははははははははは!!!も、もうだめぇぇぇっぁぁぁぁぁっじぬぅぅっぅぁぁぁぁぁっあははははははははは!!」


「え~?男の子だったらもっと我慢できるよね~?我慢できないの?恥ずかしいね?」


大きく口を開けて目にはうっすらと涙を浮かべて情けなく笑い狂っているタクヤ君の顔をしっかりと太ももで挟み込みながらニヤニヤ顔を覗き込んであげると、恥ずかしそうにぎゅっと目を閉じてしまった。


その行為に、(ふ~ん、まだ私に反抗する余裕があるんだ…)と心の中で呟いてしまう。


ちょっと腋の窪みに指を添えてバラバラに動かしているだけなのに、今にも死にそうなくらいにひぃひぃと笑ってしまうのはどんな気持ちなのだろう?


もしかしたら、歳上のお姉さんにいじめられたいからわざと私に生意気なこと言ってきたのかもしれない。


そう考えると、可愛く見えてきてもっともっといじめてあげなくなり、指先も素早くこちょこちょと動いていく。


喉や首筋を包み込むようにして指を添えて、指の腹でこしょこしょこしょ~♪と撫でてみる。


「んひぃぃぃっぁぁぁぁっんひぃぃぃっそ、それだめぇぇぇっぁぁぁぁっきつぃぃぃぃっぁぁぁぁぁっんぁぁぁぁぁっあはははははははは!!ご、ごめんなざぃぃぃぃっ!!」


「ふふっ♪こちょこちょこちょこちょ~♪くすぐりの魔女を怒らせるからこんな目に遇うんだぞ~?やめてほしい?」


「や、やめでぇぇぇっぁぁぁぁっあはははははははいひゃぁぁぁぁゆるじでぇぇぇっぁぁぁぁっあはははははは!!」


「じゃあ二度と私に生意気なこと言わない?」


「い、言わないぃぃっぁぁぁぁっいわないからぁぁぁっ!」


「じゃあさ、『世界一美人で可愛いお姉ちゃんにこちょこちょされて嬉しいです。これから毎日くすぐってください』っておねだりしてみてよ?そしたら考えてあげる」


段々と私も調子に乗ってきて、小学生相手に意地悪が止まらない。さっきのセリフを言うまでやめないよ~?と顔を覗き込みながら首筋や腋の下を執拗にくすぐり続けていると、ひぃひぃ苦しそうに顔を真っ赤にしながら復唱し始める。


「ぁぁぁぁっせ、せかいいち美人なおねぇちゃんぅっんぁぁぁぁっま、毎日こちょこちょじでくださぃぃぃっぁぁぁっぁぁぁぁっい、言ったからぁぁぁぁぁぁっあはははははは!」


「ん~何か違うくない?やり直し!…って言いたいところだけど、この辺で勘弁してあげよう」


「っはぁっ…はぁっ…はぁっ…げほっ、ごほっ……はぁっ…」


そろそろ可哀想に思えてきたので、パッと指を離してあげるとぐったりと息絶え絶えになり、服がはだけて細いお腹が見えているが、ピクピクと痙攣しているのが見えた。


もう顔は涎や涙でぐちゃぐちゃの恥ずかしい姿になっており、ぐったりと畳の上で荒い呼吸を整えることに必死なようだった。


「あ、そうだ。今日のこと誰かに話したら…また限界までこちょこちょのお仕置きしてあげるからね?」


「ひぃぃっ!?い、言わないからぁぁぁっそれだめぇ!」


最後にトドメとばかりに目の前で指をワキワキ動かしてあげると、完全に私に逆らえなくなって大人しく言うことを聞いてくれた。


数分後、体力が回復して帰ろうとするタクヤ君に、10円のお菓子をまるで賄賂かのように手渡してから家に帰した。


「また来てね♪」と私が優しく微笑むと、少しだけ頬を赤らめたようにうつむきながら「あ、明日も来る…!」と言ってくれた。


可愛い…可愛すぎる♡


明日はどうやっていじめてあげようかと考えながら、19時くらいまで店番をして妄想を膨らませていたのだった。


**

次の日のこと。昨日と同じく学校が終わり家に帰宅。

私服を着替えに部屋へと向かう際、母に呼び止められた。


「ねぇ、あんた昨日変なことしてないよね?」


「へ?変なこと??してないけど…」


「そう…?うちの駄菓子屋から甲高い笑い声がするけど、店は閉まってたって近所の人から聞いたんだけど…まぁいいわ。」


「ふ~ん…」と平静を装って答えたものの、内心ではかなり焦って心臓がバクバクと高鳴っていた。


流石に昨日のあれはやり過ぎだったかと少し反省。


今日はタクヤ君が来ても、何食わぬ顔で接客をしとこう…。そう思いながら軽く掃除をしてお店を開ける。


夕方過ぎ、タクヤ君は今日も来てくれた。


「あ!お、お姉ちゃん…!」


「おーいらっしゃーい。」


何だかモジモジとしている様子だ。

店内を物色して、10円のお菓子を1つ手に取って私に小銭と一緒に手渡してきた。


「あの…そのお菓子あげる!だからその……」


「え?私にくれるの??」


何か言いたそうにしているタクヤ君。

静かにじっくりと口を開くのを待ってあげる。


すぅ…と息を吸って深呼吸している。

そして、意を決めたように私の顔を見つめている。


「今日もこ、こちょこちょしてください!」


「ん~……そうだなぁ……」


最初は断るつもりだったけれど、こんなにも真剣におねだりしてくれるなら断るのも可哀想。


子供らしく、"子供の遊び"で譲歩してあげることにした。


「いいよ♪一本橋こちょこちょ1回だけしてあげる♡」

駄菓子屋のハロウィン

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