小学3年生の頃の話。
休日も仕事で忙しい"くすぐり拷問師"の母が、珍しく土日休みの時があった。土曜日の夜、夕食の席で思いきっておねだりをしてみる。
「ねぇねぇ!明日どこか連れてってよ!一緒にお出かけしよ!!」
「うん、いいよ!どこ行きたい?」
てっきり断られるとダメ元でのおねがいだったけれど、あっさり了承されて何だか拍子抜けしてしまった。
自分から言い出たものの、どこへ行きたいのか思い付かない……う~ん、どこかいいところはないかなぁ…
少し悩んでいると、代わりにお姉ちゃんが提案を出す。
「ねぇママ!最近デパートに"くすぐりお化け屋敷"っていうのができたんだって!私それに行ってみたい!」
「へ~そんなのできたんだ!じゃあそこにする?」
「お、お化け屋敷……」
「あら、もしかして怖いのかな?お留守番してる?」
「こ、怖くないし!!お化けなんていないし!」
「じゃあお化け屋敷も平気だよね~?」
「ぅっ…へ、平気だもん…!」
お姉ちゃんに上手く誘導され、結局明日はお化け屋敷へ行くことに話がまとまった。
正直少し怖い思いはあるけれど、お姉ちゃんと一緒であれば大丈夫だろうという気持ち。
それに、本当にお化けなんているわけないし…もしかしたらそんなに怖くないかもしれない。
期待と不安で、布団に入っても中々寝付けない夜を過ごしていた。
**
「…すぅ…んんっ……んんっっ…!?」
「ほら、早く起きなさい!こちょこちょこちょこちょ~♪」
「んんっっぁぁぁっひゃひぃぃっ!?ぁぁぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁっな、なにっっ!?ぁぁぁぁぁっね、姉ちゃんひゃめてぇぇぇっぁぁぁぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁっ!!!」
足の裏からとてつもないくすぐったさを感じて慌てて起きようとするも、膝の上に馬乗りされていて起きれない…!
仰向けでひぃひぃ身をよじって朝から笑い狂わされて起こされてしまった。
「っはぁっ…はぁっ…し、死ぬかと思った…」
「手加減してるんだから死ぬわけないでしょ~、ほら、早く起きないならこちょこちょの続きしちゃうよ~?」
「ひぃぃっ!?わ、わかった!起きるからぁぁっもうあっち行ってよぉぉっ!」
「せっかく起こしてあげたのに、なにその言い方?まぁいいや。早く降りて来なかったらお仕置きだからね!」
ようやくお姉ちゃんは部屋から出ていった。
3歳上で小学6年生のお姉ちゃんは、最近身長も伸びて力も強くなり、くすぐりの腕前もかなり上達していて絶対に勝てないし逆らえない…
お仕置きはごめんだと思い、ベッドから起きて顔を洗いに向かった。
**
朝ごはんは家で食べて、母とお姉ちゃんと久しぶりに3人でお出かけ。お姉ちゃんは普段着ないようなワンピースなんかを着て、気合いを入れてお洒落をしているようだった。
大人っぽさと子供っぽさの混じったような表情のお姉ちゃんはいつもより数倍楽しそう。
"くすぐりお化け屋敷"の話は、そう言えば先週教室で誰か話していたことを今になって思い出していた。
『怖いお化けに捕まると死ぬほどこちょこちょされる』
そんなことを言っていたような気がする。
捕まらなければいいだけの話…怖くない…怖くない…
「あれ~さっきから顔が暗いけど、やっぱりお化け屋敷怖いんじゃないの~?」
「ち、ちがうし!怖くないし!」
「ふふっ♪そうだよね~?後で私に泣きついてきても知らないからね」
「そんなことしないし!!」
「はいはい、そこまでにして、とりあえずお昼食べよっか!」
デパートに着いて、まずはお昼ごはんを食べるべくレストラン街へとやって来た。
洋食のお店に入り、"お子さまランチ"と"メロンソーダ"を注文した。お姉ちゃんには「やっぱりまだ子供だね♪」と笑われたけれど、フン!と顔を背けて言い返さなかった。
丁度お昼時で、テーブル席には家族連れが多くいた。
「お待たせしました~♪こちらお子さまランチです♪」
注文した料理やドリンクがテーブルの上に並べられていく。
「じゃあ食べようか♪いただきます」
「いただきます!」
ケチャップでスマイルの描かれたオムライス。ハンバーグやエビフライ、小さなプリンまで付いている!
夢のようなプレートに思わず涎が垂れてしまった。
「あんた涎垂れてるよ?拭いてあげよっかー?」
「い、いいって!自分で拭けるもん!」
隣に座っているお姉ちゃんにニヤニヤからかわれてしまう。
気を取り直してオムライスから食べてみると、ふわっとした卵と少しバターの風味がするまろやかなケチャップライスがよく合っていて美味しい!
「…美味しい!」
「ふふっ、よかったね♪」
目の前にいる母は、じっと食べている姿を見つめながら優しく微笑んでいるように見えた。
**
食事を終えて少し休憩した後、いよいよ今日一番の目的である"お化け屋敷"へと向かう。
館内の案内図を見ると、どうやら屋上に期間限定で作られているようだ。
屋上に出てみると、よく晴れてカラッと気持ちの良い陽射しと冷たい秋風が頬を掠めていく。
『お化け屋敷にお越しの皆様~!列の最後尾はこちらです!』
お化け屋敷の前にはかなりの人が並んでいた。
結構待ちそうだなぁ…
「何か飲み物買ってこよっか?並んで待ってて!」
「うん!ありがとうママ!じゃあ並ぼっか♪」
「うん……」
お姉ちゃんに手を繋がれて列に並ぶ。
恥ずかしくて離そうとしたけど、「こうしてた方が安心できるでしょ?」と離してくれなかった。
少しずつではあるけれど列は進んでいく。
外観は、まるでハロウィンの不気味な洋風の家をイメージしたかのような建物になっている……ん……?
「…お姉ちゃん、何か変な声聞こえない?」
「え、ちょっとやめてよ~、私を怖がらせようとしてるの?」
「え…あ、き、気のせいかな…」
微かに、建物の中から沢山の甲高い笑い声や悲鳴が聞こえてきたような気がした。
「お待たせ、はい、とりあえず水買ってきたよ」
「ありがとう!」
母も戻ってきて、ペットボトルの水を飲んで少し深呼吸。
入口に近付いていくにつれて、少しずつ恐怖も増してくる。しまいには、自分からお姉ちゃんの手を握って腕に抱きついて甘えてしまう始末だった。
「んっ、よしよし、そんなに怖いんだ?大丈夫だよ~私がついてるからね!」
「……うん……」
並び始めてから小一時間。
ようやく建物入口までやってきた。
『こちら小学6年生までのお子さまのみ入場できます!…小3と小6のお子さまですね~♪ではごゆっくり…』
薄暗い建物の中へ、お姉ちゃんにぎゅっと抱きついたまま半ば目を閉じて歩いていく。
「…結構暗いから、足下気をつけてね」
「う、うん……」
ゆっくり、ゆっくりと慎重に歩くお姉ちゃんに併せて進んでいくと……
「……ひぃぃっ!?」
「な、なに!?どうしたの?」
「い、今何かに首の後ろ撫でられた…!」
羽根のようなもので一瞬だけ首を撫でられた感触があり、くすぐったくてゾクゾクと身悶えて力も抜けてしまう。
「だ、大丈夫だから…私に掴まっててね」
よしよしとお姉ちゃんに頭を撫でられ、ほんの少しだけ安心してしまう。
怖くて足がすくむ…。
早くここから出たい…その一心でゆっくりと不気味な廊下を歩いていると、左右にいくつか扉が見えてきた。
何だか嫌な予感がする…そう思った瞬間、薄暗い照明が消えて完全に真っ暗になってしまう。
「ひっっ!?うわっっー!?お、お姉ちゃん~!ひゃぁぁぁっあはっ!?ぁぁぁった、たすけてぇぇっぁぁぁっ!!」
「や、やめてぇぇっはなしてぇぇっー!」
白い手袋をはめた沢山の"手"が見え、羽交い締めにされてこちょこちょとくすぐられながら抱き締められてどこかへと連行されてしまう。
助けを求めるもくすぐったさに邪魔をされて笑い声しか出せず、部屋の奥へと閉じ込められてしまった。
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「あひひっ!?や、やめてよぉぉっぁぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁっや、やめてぇぇった、たすけてぇぇっ!!」
「こちょこちょこちょこちょ~♪ほらほら、くすぐられたくなかったら大人しくしてなさいっ!」
両手を万歳した状態で大人の女性に押さえつけられ、腕の上に座られて首筋や腋の窪みを執拗にこちょこちょとくすぐられてしまう。
"悪魔"のようなメイクとコスプレをした女性や、脚を露出したエッチな格好のお姉さん達に両足も押さえつけられながら全身容赦なくこちょこちょくすぐられ、情けなくひぃひぃ笑い狂わされてしまう。
見ず知らずの年上の女性に力で押さえつけられてくすぐられ、くすぐったさと恐怖でパニックになって必死に手足に力を入れて抵抗してしまう。
「こらっ!暴れない暴れない!」
「悪い子にはこちょこちょの刑でちゅよ~♪」
「やめてほしい?やめなーい♪こちょこちょこちょ」
「いひゃぁぁぁぁっひゃめでぇぇっぁぁぁぁっごめんなざぃぃぃぃっぁぁぁぁっやだぁぁぁったすけでぇぇっお、お姉ちゃんたすけてぇぇぇぇっぁぁぁぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっあはははははははははは!!!」
「ふふっ♪もっと大きな声で助けを呼ばないと、お姉ちゃん助けに来てくれないよ~?」
「まあ、この部屋防音だからいくら叫んでも外には聞こえないんだけどね♪」
泣いて涎を垂らしてひぃひぃと情けなく笑い狂っている顔を覗き込まれながらねちねちとこちょこちょされ続ける。
多少苦しくなって咳き込んでいると、優しくゾクゾクとするようなソフトタッチのくすぐりで悶えさせられて感度を高められ、しばらくすると急に激しくこちょこちょされておかしくなるくらい笑わされてしまう。
「も、もういいでしょぉぉっや、やめろってばぁぁぁっぁぁぁっし、しつこぃぃっぁぁぁぁぁっばかぁぁぁぁぁっへんたぃぃぃっぁぁぁぁぁっあはははははははははは!!」
「あ~そんなこと言っちゃうんだ?」
「自分の立場分かってないのかしら?可哀想だからそろそろやめてあげようかな~と思ってたのに…これはしっかりお仕置きが必要みたいね~♪」
執拗なこちょこちょに我慢できなくて、ついつい家の中でお姉ちゃんに反抗するような口調で生意気なことを言ってしまったことをすぐさま後悔してごめんなさいするも手遅れだった。
服の中に手を入れられ、敏感な素肌を滑りの良い手袋越しにこしょこしょと素早くくすぐられる。腋の窪みや乳首、お腹や脇腹までもぞもぞと器用な指先が這いまわっておかしくなっちゃうくらい笑い狂わされる。
「私たちもくすぐってあげるね♪」
「足の裏こちょこちょこちょ~♪」
履いていた靴を脱がされて、靴下越しに敏感な土踏まずをこちょこちょと撫でられる。
あまりのくすぐったさに足をバタバタさせようとするも、膝の上に乗られて関節を押さえられてしまえば全く抵抗できなくなってしまう。
いつまでくすぐられるのだろう…
お姉ちゃんは一体どこにいるのだろう…
もうすっかり顔は涙や涎でぐしゃぐしゃになり、いつ終わるのかも分からないこちょこちょに身も心も限界が近付き始めた頃……
バタン!と勢いよく扉が開いた音がした。
「お、弟を離しなさいっ!!」
「っはぁっ…お、お姉ちゃん……っ!」
何やら手にピカピカと光り輝いている剣のような物を掲げている。
「うわぁぁっ!今日のところは勘弁してあげる!」
「ふふっ、またね~坊や♡」
その光を見た女性達は、あっという間にどこかへ退散して行った。お姉ちゃんが自分の元へと駆け寄ってくる。
「だ、大丈夫だった!?すごい汗かいてるけど…」
「し、死ぬかと思った…ふぇぇんお姉ちゃん……!」
「よしよし、もう大丈夫だからね♪さ、早く帰ろ!」
部屋の奥にあった別の扉が開き、外の光が漏れている。
お姉ちゃんに肩を借りながら満身創痍といった状態で、無事に"くすぐりお化け屋敷"から脱出することができたのだった。
**
母と合流すると、「だ、大丈夫!?なにがあったの?」とかなり心配をされた。
着ていた服は汗で濡れて、半泣きでお姉ちゃんにべったりとくっついて離れない。
「分からないけど…多分めちゃくちゃくすぐられてたんだと思う…」
「ぅぅっ…ぐすっ……だ、大丈夫だから…」
段々と恐怖よりも恥ずかしさの方が勝ってきて、必死に気丈に振る舞うので精一杯だった。
その後はせっかくのお出かけを楽しむ余裕も体力もなく、真っ直ぐ家に帰宅してすぐお風呂に入ってシャワーを浴びた。
少しだけ部屋でお昼寝をして、夕食の時にはすっかり元気になっていた。お姉ちゃんはかなり心配していた様子だったけれど、「もう全然平気!」と返していた。
明日は学校だし、今日は早く寝ようと思い21時頃布団に入って寝ようとすると…
「…ねぇ、もう寝ちゃった?」
「お姉ちゃん……?」
部屋の扉が開いて、お姉ちゃんがベッドの上に乗ってきた。
どうしたのだろう…まさか…またこちょこちょしに来たんじゃないかと身構えていると、布団の中に入り込んでぎゅーっと背後から抱き締められてしまった。
「なっ!?ね、姉ちゃん何してんの…?」
「一人で寝るの怖いんじゃないかな~と思って。特別に今日だけは一緒に寝てあげるね」
「い、いいよ…怖くないし…ひゃっ!?」
「一緒に寝るって言うまでこちょこちょして寝かしつけられたいの?」
「わ、わかったからぁぁっ…」
「ふふっ、素直じゃないんだから。おやすみ♪」
「お、おやすみなさい…」
普段と違って妙に優しいお姉ちゃんに、違う意味の怖さを感じてしまう…。下手に反抗したら余計にくすぐられそうだし、大人しく眠ることにした。
**……………
「んんっ……暑い……」
「すぅ……すぅ……」
今何時だろう…まだ月灯りが見える…
ぎゅっと足で絡みつかれ、お姉ちゃんに密着されて動けない。吐息が首の後ろに当たって少しくすぐったい。
離れようとすると、ぎゅっと力が入って脱け出せない。
仕方ない…もう一眠りしようと目を閉じた時、背後から微かに寝言が聞こえてきた。
『……もう絶対…ひとりにしないから…』
続きのお話

**某社企画部にて 「あ~んいいアイデアが思いつかないよぉぉぉ!」 「落ち着いてください課長、うるさいですよ?」 「うるさいっ!?ひどいっ!課長に向かって!」 頭を悩ませているのは、最近課長となったばかりの若手女性社員だった。政府から『小学生向けにアトラクション要素を含むくすぐり教育を行える施設を作る...