子供の頃からお姉ちゃんのくすぐりには勝てない。いや、そもそも"勝負"という土俵にすら上げてもらえない。
3歳上のお姉ちゃんには知力でも運動神経でも体格でも勝てず、さらには合気道を習っていて文字通り手も足も出ずに組伏せられて悪いことをしたり少しでも反抗しようものなら泣いてごめんなさいするまで徹底的にこちょこちょとくすぐられて躾をされる。
その度にくすぐりには弱くなると共に、お姉ちゃんには絶対に勝てないし逆らえないのだという恐怖も深くなっていった。
しかし、中学生になった頃から段々と背が伸び始めて力も少し強くなった気がする。
高校生になったお姉ちゃんは"くすぐり拷問師"になるために勉強や習い事に忙しく、昔よりは毎日理不尽にこちょこちょされることも少なくなっていった。
そうして月日が流れて気付けば自分も中学2年生になり、少しずつ"しつけ"られていた日々を忘れて反抗期が芽生え始める。
さすがに"くすぐり拷問師"として働いている母の前では生意気な態度や反抗なんて恐くてできないけれど、母がいない日に少しずつお姉ちゃんに対して生意気な態度を取るようになっていった。
「あんまり調子に乗ってると後で酷い目に遇うのは自分だからね?」とお姉ちゃんに嗜められても、「そんな酷い目なんて起こるわけないし!ばーか!」と調子に乗って言い返してしまう。
しかし、意外にもお姉ちゃんはそれに対して起こることはなく、「忠告はしたから。…もし次、反抗的な態度が直ってなかったら"再教育"してあげるから覚悟してなさい」と冷たい表情で宣言されて思わず震えていた手を後ろに隠してしまった。
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ある日のこと。今日は休日の日曜日で、母は用事で出掛けていて家にはお姉ちゃんと二人きり。
リビングのソファーでだらだら過ごしていると、2階からお姉ちゃんが降りてきた音が聞こえた。
そうだ…!こっそりイタズラを仕掛けてみよう。
咄嗟にあることを思い付いてソファーの陰に身を隠す。
タイミングを見計らってお姉ちゃんに後ろからこっそり近付いて、不意打ちでこちょこちょしてみたらどんな反応をするのか試してみたくなった。
まずは亀のように背中を丸めて身を隠していると…
「ねぇ、何してんの…?」
「うわぁぁっ!?………ぁっ……」
いきなり頭上からお姉ちゃんの声が聞こえて身体をビクビク震わせて飛び上がるほど驚いてしまった。
「ねぇ、どうせまた変なこと考えてたんでしょ?私に何かイタズラでもしようとした?」
「何で分かるんだよ!…あっ……ちがっ…」
「ふふっ♪ほんと分かりやすいよね~。そうやって私にくすぐられたいんでしょ?正直に言っておねだりしてみなよ?」
ニヤニヤと優しくお姉ちゃんに見つめられ、悔しさと恥ずかしさで反射的に反抗的な態度を取ってしまう。
「だ、誰がお前なんかにそんなこと言うかよ!ばーかっ!ドS暴力意地悪女!!」
…言った瞬間に後悔した。
お姉ちゃんの表情がすーっと氷のように冷たくなり、指をワキワキと見せつけられる。
「ぁっ…い、いやっ、その……」
「私にそんなこと言えるなんて。いい度胸してるね。ご褒美あげる。ほら、こっちに来なさい」
続きのお話
