「あ~今日も楽しかったね~♪いっぱい食べて遊んだ気がするね~♪」
「うん……」
「ん~?もしかしてまだ拗ねてるの~?」
ホテルの部屋へと戻り、なぜだかまた少しだけ気分が落ちていた。
やっぱりどう考えても今日はやり過ぎだった気がする…。
「別に拗ねてはないけど…ただ、お姉ちゃんちょっとやり過ぎだと思って…」
「まだそんなこと言っちゃって~、じゃあ今から電話して、直接伝えてみたら?私が電話かけてあげるよ♪」
「あっ、えっ!?」
お姉ちゃんに電話をかけ始める幼馴染み。
どうやら早速繋がったようだ。
「あ、もしもし~♪さっきはご馳走さまでした!いえいえ、楽しかったです~♪ちょっと伝えたいことがあるみたいで~、電話代わりますねっ!」
問答無用でスマホを渡され、お姉ちゃんと話すことに。
「もしもし…お姉ちゃん…」
『どうかしたの?私に伝えたいことがあるの?』
優しい声色のお姉ちゃん。
意を決して思っていることを伝えることにした。
「や、やっぱりホテルでのあれはやり過ぎだって!ひどい…!本気でつらかったから…!!」
『…そう、ごめんなさい。私も正直、少しやり過ぎたかなって反省してるの。だからお詫びに明日お昼ご飯好きなとこ連れてってあげるから許して?ね?』
「なっ!?いやそんな…栞じゃあるまいし食べ物で機嫌良くなるなんて…でもまあ…わかった……」
『ふふっ♪じゃあそういうことでよろしくね。栞ちゃんに電話代わってくれる?』
電話を渡して、その後明日の予定についてしばらく話をしているようだった。
電話が切れた後…
「ねぇ、ところでさっきさあ、私が食べ物で機嫌良くなるとか言ってなかった?」
「んんっ!?き、気のせい気のせい!」
「…まあ、今回はそういうことにしといてあげる!」
「ふぅ…ありがとう」
少し気分も晴れて、その後はお風呂に入ってゆったりと部屋で過ごしていた。明日も朝ごはんはホテルの朝食バイキングがあるため、日付が変わる前には布団の中に入り眠りについたのだった。
**
次の日の朝は目覚まし無しで自然と目が覚めた。
ホテルのベッドの寝心地にも慣れ、ぐっすりと元気になった気分だ。
「ねぇねぇ、パンとお刺身って合うのかなー?」
「どうだろう?生のお魚だと合わなさそうだけど…」
「そうだよね~…あっ、トースターあるからパンの上にサーモン乗せて焼いてみよ~♪」
流石に普通の海鮮丼は飽きてきたのだろうか?
パンとお刺身を組み合わせたり和洋折衷な料理を取ってきてテーブルの上に並べている幼馴染み。
自分はせっかくなので、今日もご飯の上にお刺身を乗せて海鮮丼を作って食べることにした。
「ほら見て見て~!何か美味しそうなのできた!」
幼馴染みが意気揚々と持ってきたトーストは、サーモンやマヨネーズが乗ってこんがりと焼かれていた。
「美味しそう~!後でやってみようかな」
「絶対美味しいよ!まだ食べてないけど!いただきま~す…ん~おいちい~♪」
本当に美味しそうに食べている幼馴染みを見ながら、何気なくお姉ちゃんは今どうしているのかと考えていた。
腹八分目くらいに朝食を済ませて部屋に戻る。
チェックアウトは11時の予定だ。
何だかあっという間に旅行が終わってしまうようで、少しだけ物悲しい気持ちになる。
「いや~いいホテルだったね~♪また来たいね~♪今度は雪降ってる時に来てみたいよね!雪だるま作れるのかな?」
「作れるよきっと。また来ようね」
窓の外を眺めていると、遠くに時計台が見えることに気が付いた。過ごしやすい秋の北海道は、今日もよく晴れている。
**
身支度や軽い片付けを済ませていよいよホテルの部屋を出る。ホテルのロビーから外に出ると、私服姿のお姉ちゃんが待っていた。
「お姉ちゃん…その…」
「うん。昨日はごめんね?だから約束通り、今日は私に甘えていいよ。」
「いや、そんな約束じゃなかったじゃん!!」
「ふふっ♪冗談はさておいて、お昼は空港で食べましょうか。何か希望はある?」
「う~ん…ラーメンは昨日食べたし…あ、スープカレーまだ食べてない!」
「じゃあカレーにしましょうか。ほら、タクシーで行こうね」
ホテルの前に停まっていたタクシーのトランクに荷物を入れて、後部座席の方に幼馴染みと座る。
「香織さんはもしかして、土日もお休みですかー?」
「いいえ、明日は雑務で仕事だけど、日曜日は休みになると思うわ。」
「えぇ~!お疲れ様ですぅ~…」
「ふふっ、ありがとう♪」
お姉ちゃんも、昔の母と同じようにくすぐり拷問師としてほぼ毎日仕事に勤しんでいる。
何だか子供時代の頃がずっと遠くに感じられるほど、すっかりと大人びて余裕のある風格を身に纏っていた。
タクシーは渋滞無く道路を走っていき、お昼前に新千歳空港へと戻ってきた。
「香織さんすみません、タクシー代まで出してもらっちゃって…」
「一応こう見えて社会人だから気にしないで♪さて、じゃあとりあえずお昼ご飯にしよっか。スープカレーでいいのよね?」
「うん、スープカレーがいい」
空港のレストラン街へ行ってみると、丁度すぐに入れそうなスープカレーのお店があった。
3人で入店してテーブル席へ。
お姉ちゃんは野菜カレーを。
幼馴染みはチキンカレーを。
自分は角煮カレーを注文してみた。
「楽しみだね~♪私達、北海道来てから海鮮ばかり食べてた気がするもんね」
「昨日は味噌ラーメンとかジンギスカン食べたでしょ~。あとソフトクリームも!」
「そう言えばそうだね~♪香織さんは何食べたんですか~?」
「私はまともに北海道らしいもの食べたの昨日のジンギスカンが初めてかな…?初日は仕事で夜遅くてコンビニのご飯をホテルで食べたんだけど、結構美味しかったよ。ご当地のコンビニって感じで。」
「ふぇぇ~、じゃあまたお休みが合えばみんなで旅行しましょうよ!次はあかねぇねも一緒で!」
「そうね♪茜は元気にしてるの?」
「ん~、今年から社会人で何だか忙しそうですけど、元気にしてます!たまに私に『こちょこちょマッサージして~』っておねだりしてくるの♪」
「ふふっ、そうなんだ~。茜にもお土産買ってあげようかしら?」
しばらくして、スープカレーが3人前到着。
熱々で湯気が立っている。
具沢山で美味しそう!
「じゃあ冷めないうちに食べましょうか。」
「いただきまーす!」
「いただきます!」
文字通りスープのようなカレーを飲んでみると、程よい辛さで美味しい!もう少し寒くなってきた冬に食べるとさらに美味しく感じる気がした。
「ん~おいひい~!チキンほろほろしてる~!」
「栞ちゃん本当に美味しそうに食べるよね♪テレビのアナウンサーとかに向いてるんじゃない?」
「え~ほんとですか~♪そんな~褒めすぎですよ~香織さん~♪」
ニコニコと和やかに食事が進み、店を出る頃には身体も温まりポカポカとした気分だった。
乗車予定まで少し時間があるうちに、お土産コーナーへ行くことに。
「ねぇお姉ちゃん、お姉ちゃんってチョコ好き?」
「ん~?好きだけど、どうかしたの?」
「いや…その…昨日白い恋人パークでお姉ちゃんにお土産買ったから好きかな~と思って…」
「あら、私にお土産買ってくれたんだ~?ふふっ、ありがとう♪帰ったら有り難く頂くね。」
隣に並んだお姉ちゃんによしよしと頭を撫でられ、不覚にも照れてしまった。
「は、恥ずかしいから…」
「恥ずかしいんだ~?いいの?私に甘やかしてもらえる機会なんてもう二度と無いかもしれないよ?」
「ぅっ……じゃあ……甘える……」
「ふふっ♪最初から素直にそう言えばいいのに。ほら、あんたにも何かお土産買ってあげる。選んできていいよ?」
「え、いいの?」
「うん。ただしお菓子とか食べ物にしてね?」
何だか小さな子供扱いをされているようで恥ずかしい…。
だけど、お姉ちゃんが優しい時に目一杯甘えてみるのも悪くないかもしれないと思い、じゃがいものキャラが描かれている美味しそうなお菓子を手に取りお姉ちゃんに渡していた。
**
別行動でお土産を見ていた幼馴染みと合流。
飛行機に乗る前に、席を3人掛けのところへと変更をしていた。
保安検査を済ませて帰りの便に乗る。
「私窓際ね~♪」
「私は通路側だから、真ん中座ってね?」
「え、えぇっ…」
右に幼馴染み、左にお姉ちゃんに挟まれる形で座ることになり、少しだけ恥ずかしさを感じる。
シートベルトを締めた後…
「ひゃっ!?」
「飛行機だから、静かにできるよね?」
「そうそう、声出しちゃ駄目だからね~♪」
「んひぃぃっ!?な、なにひてんの……」
左右から阿吽の呼吸のようにして脇腹をつつかれ、服を捲り上げられて服の中に手を入れられて左右から優しくソフトにくすぐられていく。
CAさんに目で助けを求めるも、微笑ましそうに見つめ返されただけだった。
まさかこのまま到着までくすぐられ続けるんじゃ…そう嫌な予感がしたけれど、無事に的中することに。
左右から肩に頭を乗せられ、他の人が見れば逆ハーレムに見えるのかもしれない。
くすぐったい指先に、発狂するくらいゾクゾクとさせられながらの甘やかしを受けるのであった。
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