今日から9月に入っても、まだ大学は夏休み期間だ。少し涼しくなってきた頃、幼馴染みと二人で旅行に行く計画を立てていた。
「ねぇ~どこ行く~?やっぱり旅行と言えば海か山だよね~♪あ、温泉もいいかも…う~ん悩んじゃうね~?」
俺の部屋に上がり込み、ベッドの上でゴロゴロしながら旅行雑誌を眺めている幼馴染み。
うつ伏せになって足をパタパタと動かしている無防備な姿に思わずイタズラをしたくなって、静かにお尻の上辺りに馬乗りしてみる。
「うわっ!?びっくりした~!なあに?マッサージでもしてくれるの~?」
「マッサージされたいんだ?じゃあ思いっきり笑っ身体の疲れが取れるやつしてあげるよ!」
「あひゃっ!?ちょ、や、やめなってばっぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁぁっだめだめぇぇぇっぁぁぁぁっやめてぇぇっぁぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははははは!!!」
してはいけないと頭では分かっていても、ついつい手を脇腹に添えてこちょこちょもみもみと薄い服の上からくすぐりまくっていた。
「ほらほら、ごめんなさいは?」
「なんでよぉぉっぁぁぁっわ、私何もしてないでしょぉぉっぁぁぁぁっちょ、ほんとに怒るよ!!」
「うわっ!?ぁっ…やばっ……」
馬乗りしていた筈が簡単に起き上がられて脱出され、逆にベッドへと押し倒されてうつ伏せにされる。
両腕は身体の側面に付けた気を付けの状態で、脚で挟み込まれるようにして背中に馬乗りされて逃げられない。
「あ、あの~…ごめん…怒ってる…?」
「いーや、ぜ~んぜん怒ってないけど??さっき"マッサージ"してくれたお礼をしてあげるから覚悟してね?」
「ひっ!?お、お手柔らかに……ひゃっ!?…だ、だめっ…ぁぁぁっあはっ…ぅぁぁぁっ…ひゃっ…ぁぁぁぁっあはっ!!ぁぁぁぁぁっごめっ、ごめんなざぃぃっぁぁぁぁぁっだめっぁぁぁぁぁぁぁっひゃめでぇぇっぁぁぁぁっ!!!」
「こちょこちょこちょ~♪私のことくすぐったらどうなるのか、大学生になってもまだ分かんないんだもんねー?じゃあしっかり身体に刻み込んであげるからちゃんと覚えようね~?」
「ぎゃぁぁぁっあはっぁぁぁや、やっぱり怒ってるじゃんっ!!ぁぁぁぁっごめんってばぁぁぁぁっ!!!!」
10本の器用な指先で首の後ろや側面をこちょこちょと余すところ無く責められ、耳元で囁かれてひぃひぃ笑い悶えてしまう。
ベッドの上で足をバタバタさせて暴れるもたいした抵抗にはならず、されるがままに一方的にこちょこちょされて泣いてごめんないすることしか許されない体勢だ。
背中に馬乗りされて肺を圧迫されると、逃げられない恐怖とくすぐったさと苦しさで速攻で降参させられてしまう。
「ぁぁぁぁっごめんなざぃぃっぁぁぁぁも、もうしませんからぁぁぁぁぁっぁぁぁっや、やめでぇぇっぁぁぁっ!!」
「ん~?何をもうしないのかなぁ?ちゃんとハッキリ教えてくれる?」
「も、もうこちょこちょじまぜんからぁぁぁぁぁぁっごめんなざぃぃぃっぁぁぁぁぁぁっ!!」
「そんな笑いながら謝られても誠意が伝わらないな~♪お仕置き…と言いたいところだけど、今日のところは勘弁してあげるね♪」
「…っはぁっ、はぁっ…はぁっ……し、ひぬ……」
「ふふ~っ♪一生私のこちょこちょには勝てないし逆らえないんだから、ちゃんとよく覚えといてね♪」
「ぐっ………わ、分かりました……」
悔しくて言い返したい気持ちをぐっと堪えて大人になる。ようやく馬乗りから解放されて、仰向けで寝転がる。
「で、何の話だっけ…あ、旅行の行き先希望無いなら私が決めちゃうよ~?」
「ん…行きたいとこあるの?」
「うん♪北海道行きたい~♪」
旅行雑誌のページを開き目の前に見せられる。
"秋の北海道グルメ旅"という特集のようで、美味しそうな食べ物の写真が並んでいる。
「味噌ラーメン…海鮮丼…ソフトクリーム!ほら、きっと今なら涼しくて過ごしやすくて最高のはず!平日だったらきっと飛行機も安いし行こうよ~♪」
片手をワキワキ見せつけられながら動かされると、「わかった行こう!」と答えるより他に無かった。
「やった~♪じゃあ具体的な計画立てるから、いつまでも寝てないで起きて~♪」
「誰のせいだと…ごめっ、何も言ってないっぁぁぁぁっいひゃぁぁぁぁっこ、こちょこちょひゃめでぇぇっ!!!」
息絶え絶えぐったりするまでくすぐられ、少し休憩して話し合いをしてを繰り返していた。
来週の平日。2泊3日で札幌を観光することに決まった。早速、飛行機やホテルも押さえて準備万端。
旅行の日程が近付くにつれて、段々と楽しみな気持ちでいっぱいになっていた、
**
旅行当日のこと。
いつもより数時間早く起こされ、出掛ける準備を手早く済ませて空港へと向かっていた。
「楽しみだね~♪今日天気も良くて絶好のフライト日和だね~♪」
「ふぁぁっ…うん……そうだねぇ……」
まだ眠くて半ば夢の中に意識が飛んでた気がする…
飛行機は10時発の便を予約しているが、8時には空港に着く予定だ。
「ねぇ~朝ごはん何食べる~?やっぱり旅立つ前に日本食たべとく??」
「海外旅行じゃないんだから……」
「ね~まだ眠いの?さては昨日夜更かしした??」
「し、してない……」
「いいんだよ?飛行機乗るまでの時間たっぷりこちょこちょして起こしてあげても?」
「ひっ!?お、起きた起きた!おはよう!!いや~いい朝だねぇ…あははっ……」
ピタッ、と服の上から脇腹に指を添えられただけで身体がくすぐったさを察知して一気に目が覚めてしまった。
「やっと起きてくれたんだ~♪…次、うとうとしながら私の話を聞いてたらどうなってもしらないからね?」
「ご、ごめんなさぃ……」
「ふふっ、分かればよろしい♪」
旅行と言えども、普段と一切変わらない様子で幼馴染みの尻に敷かれている気分だ…。
そうこうしている内に最寄りの空港へとたどり着いた。平日ど真ん中ということもあり、人はそれほど多くない。
まだ時間に余裕があるので、朝から開いている和食を食べられるお店へと行ってみた。並びも無く入店し、テーブル席へと案内される。
ご飯やお味噌汁、鮭の塩焼きという朝ごはんを、どうしても飛行機に乗る前に食べたいのだという幼馴染み。
「銀鮭の塩焼き定食2つお願いしま~す♪以上で」
「かしこまりました♪」
定食が届くまでの間、冷たいお茶で喉を潤す。
もう9月とはいえ、晴れている内は少し暑さを感じる。
「北海道楽しみだね~♪美味しいのいっぱい食べようね♪」
ニコニコと無邪気に微笑んでいる姿に、不覚にも癒される。
「お待たせしました~銀鮭定食です~♪」
「はーい、ありがとうございます~♪」
「じゃあ食べよっか、いただきます!」
「いただきまーす♪」
ご飯やお味噌汁、副菜も豊富な定食で見るからに美味しそう。少し値は張るものの、味は美味しく朝からペロリと完食してしまった。
「美味しかったね~やっぱり旅の前は和食だね~♪」
「ね~美味しかった!そろそろ搭乗1時間前だし、保安検査受けよっか」
「ん、そうしよっか♪」
空港での保安検査は、国内線の場合は簡単な手荷物検査で終わる。特に問題もなく通り抜け、少し時間を潰すことに。
「暇だから何かお土産見てみようよ~♪こっちこっち~」
幼馴染みに手を握られて近くにあったお土産屋を覗いてみる。お菓子やレトルト食品、空港のマスコットキャラのぬいぐるみなどが売られていた。
ドリンクの棚から水と蓋付きの缶コーヒーを手に取ってお買い物。
飛行機も遅れなく運航しているようで、程なくして搭乗口へと歩いていく。
「いよいよだね~ワクワクしちゃうね~♪」
「気持ちは分かる!」
普通席の窓際2列。
行きの便は幼馴染みが窓際の席に。
帰りは自分が窓際の席に座るということで話をしていた。
手荷物を上に入れて、シートに座ってベルトを付ける。
横を通る綺麗なCAさんに目を奪われていると、不意に横腹をさわさわと撫でられて変な声が漏れてしまう。
「うひっ!?」
「ねぇ~、次そんな顔して他の女の子見てたら許さないからね?」
「ご、ごめんなさぃ……」
時間になると、飛行機はゆっくりと滑走路を動き始める。
徐々にスピードを上げてゆっくりと地上から離れていくところを、幼馴染みと一緒に窓から眺めていた。
無事に機体は上空へ。
北海道までは大体1時間30分程で到着する見込みだ。
機体が安定してからしばらくはぼんやりと外を眺めていたが、段々と睡魔が襲ってきて到着までの間少しだけ仮眠を取ることにした。
**
(当機はまもなく~到着いたします~)
「ん………んん…」
「ほら、起きて?もうすぐ到着だよ♪」
機内のアナウンスと共に、隣からも幼馴染みに声をかけられて起こされる。
もういつの間にか到着予定時刻となり、ゆっくりと機体が高度を下げていた。
ほんの少しだけドキドキとしたけれど、飛行機は無事に滑走路の上をゆっくりと走っていく。
やがてもう一度アナウンスが入り、前の方から乗客達が降りていくようだ。
ベルトを外して荷物を取り出して久々に立ち上がって地上を歩くような感覚。
飛行機から降りて空港のロビーへとたどり着いた。
「ん~!着いた~♪北海道だよ~♪ねぇねぇ、写真撮ってよ!あ、一緒に撮ろ!ほら、こっちきて!」
せっなくなので北海道だと分かるような案内看板の前で記念撮影。何枚か写真を撮ってから、お昼を食べに向かうことに。
新千歳空港から札幌駅まで、電車で約40分。
到着する頃には丁度お昼時の時間だった。
「すごーい!札幌着いたね~結構涼しくて過ごしやすいね!」
「うん!いい天気だしよかったね!」
カラッとした秋晴れの空気が心地良い。
観光するにしても最高の天気だった。
「じゃあ早速…お昼食べに行こっか♪」
「空いてるといいけど…」
北海道に来て一発目の食事は駅近の回転寿司へ。
さすがは人気店のようで、少し待ちそうだ。
「せっかくここまで来たのだから」ということで、発券機で整理券を取って時間を潰す。
ようやく店内へ入る頃には二人ともお腹がペコペコだった。
「やっと入れた~!さてさて、とりあえず食べたいもの頼んでいこっか~♪」
マグロやサーモン、とろにしん、すじこの軍艦など、色々と注文して食べたけれどどれもほっぺたが落ちるくらいに美味しかった。
「ん~♡ひあわせ~おいひいね~♡」
美味しそうにお寿司を頬張る幼馴染みの食べる姿も可愛らしい。2人で結構お腹いっぱいになるまで食べたけれど、お会計はそれほど高くないと感じる程だった。
「あ~美味しかった~♪余はもう満足じゃ…さて、デザート何食べる??」
「んえっ!?まだ食べるの??」
"デザートは別腹"ということで、その後は雑誌に乗っていたソフトクリームを売っているお店に来てみた。
地下にあるお洒落なカフェのようなお店で、名物の十勝牛乳ソフトを頼んでみる。
ひとくち食べてみると…
「んっ、滑らかで美味しい!」
「ほんとだ~♪割と甘さ控えめって感じだけど美味しいね」
口当たりなめらかで、サイズも食後には丁度良い大きさだった。デザートを食べ終えると、そろそろホテルへチェックインできる時間に近付いていた。
食後の運動も兼ねてぼちぼちと歩きながら、ホテルへ向かうのであった。
続きのお話

予約していたビジネスホテルへと15時過ぎにチェックイン。鍵を受け取って部屋に入ると、ようやく少し肩の荷が下りたような心持ちがした。 シングルベッドが2つある部屋。 幼馴染みは早速荷物を下ろすと、「わーい!」と言ってベッドの上へとダイビングジャンプして遊んでいた。 「ふぁぁ、何か眠くなっちゃったかも~…私...