小学3年生の頃の話。
7月の下旬。夏休みが始まるまで後1日ほど。
何をして遊ぼうかと幼馴染みと一緒に話をしていたが、当然楽しいことばかりではなく、夏休みの宿題が立ちはだかる。
夏休み前日の今日は午前中で学校が終わる。
授業の代わりに、夏休みの宿題である算数や国語のドリル、自由研究や読書感想文の用紙が配られていく。
もう見ているだけでお腹いっぱいになる気持ちだったが、先生は「もう一枚大事な宿題についての紙を配るからね♪」と言い出した。
手元にまわってきた紙は、カレンダー…?
表題には「夏休みのくすぐりスキンシップ♪」と書かれている。
「せんせ~このプリントなんですかー?」
「今から説明するからちゃんと聞いてね~♪夏休みの間も、皆さんにはしっかりとこちょこちょされて躾られる義務があります。という訳で、女の子も男の子も毎日しっかりとくすぐられて沢山笑ってくださいね♪スキンシップという意味合いも兼ねて、できれば母親や姉、妹など女性の親族に自分からくすぐりをお願いしてください。どうしても厳しいようであれば、街にあるくすぐり施設で働いている女性にお願いをしてください♪ちなみに女の子は毎日1分以上、男の子は10分以上くすぐってもらってカレンダーのところにサインしてもらってね♪何か質問ある人~?」
「はーい!」と、前の方に座っているヤンチャな男の子から手が挙がる。
「ほんとに毎日くすぐられないといけないんですかー?くすぐられてない日があったらどうなるのー?」
「もし、夏休み期間中に1日でもくすぐられていない日があったら代わりに私が徹底的にこちょこちょしてお仕置きします。私に死ぬほどくすぐられたいならやって来なくても構いませんけど…手加減はしませんしどうなっても知らないよ?」
「ひっ!?ご、ごめんなさいわかりました……」
担任の先生はいつも優しいけれど、怒ると恐いしかなりくすぐりも上手だ。もしあの先生に本気で10分もくすぐられたら、多分おしっこ漏らして気絶してしまう気がする…
「では他に質問ある人は…」
「はーい!!」
「栞ちゃん何かな?」
隣の席にいる幼馴染みが挙手をして立ち上がる。
「夏休みの間、私がパートナーを毎日こちょこちょしてスキンシップするのは有りですか!」
「ぇっ!?」
「ん~…今回の課題はあくまでも家庭内でのスキンシップを目的としているから、カレンダーにはカウントできないかな♪でも、毎日会ってこちょこちょできるのであれば沢山くすぐってスキンシップをしてもらって大丈夫ですよ♪」
「はーい!分かりました!」
「ぇぇっ……」
「何?嫌そうな顔した??ふふっ、夏休み毎日私と遊ぼうね~?」
指をこちょこちょワキワキされながらニッコリと顔を覗き込まれてしまう。
ということは、もしかすると毎日家の中では母や姉にくすぐられ、外では幼馴染みにくすぐられる生活を送ることになるのだろうか……
ゾクゾクと身が震えて寒気がしてきた…
「はい、じゃあ他に質問が無いようであれば解散♪皆、楽しい夏休みを過ごすんだぞ~♪」
こうして学校が終わり、お昼頃に解散。
いよいよ明日から夏休みだけど、毎年くすぐられることからは絶対に逃げられないと思うと…今一歩開放的な気分にはなれないまま帰路についたのであった。
**
昨日はお昼頃家に帰ってのんびりと過ごした。
当然同じ学校に通っているお姉ちゃんも、今日から夏休みだ。小学6年生になったお姉ちゃんは、最近また身長も伸びて力も強くなった上に、幼い頃から習っている合気道の腕もかなり伸びていると母から聞いた。
それだけではない。
「くすぐり拷問師」の娘であるお姉ちゃんも、かなりこちょこちょが上手い。クラスの女子よりも…下手をしたら先生と並ぶくらいに上手い。
そんなお姉ちゃんに、自分から"お願い"をしてこちょこちょされるのは恐怖と悔しさやら恥ずかしさで昨日中々言い出せずにいた。
母は泊まり掛けの仕事のため今日も家に居ない。
後は家政婦の麗さんがいるけれど……昨日こっそりと相談をしたら、
『ご親族とのスキンシップを目的とした宿題なのであれば、やはりお母様やお姉様にお願いしてください』と取り付く島もなく断られてしまった。
とはいっても、宿題をしない訳にはいかないし……。
意を決して、朝食の後お姉ちゃんに相談することにした。
「あ、あの…お姉ちゃん…相談があるんだけど」
「あら、珍しいね?なあに?どうしたのかな?」
今のところ機嫌が良さそうなお姉ちゃんだ。
こっそりと手元に用意していたプリントを手渡してみる。
「なにこれ?夏休みの宿題?」
「うん、その…毎日親族の女性に10分以上くすぐられてサインもらわないといけなくて…だから、その…こ、こちょこちょしてください…!!」
顔を赤らめてもじもじしながらお願いをしてみる。
お姉ちゃんは、凄く驚いたような顔をした後、優しい笑みを浮かべていた。
「ふ~ん…そういうことね♪もちろん、いいよ♪じゃあ早速こちょこちょしてあげるからおいで♪」
「あ、ありがとう…!」
リビングに行って、ソファーの上に寝転がるように促される。仰向けで寝転ぶと…
「じゃあ今からこちょこちょしてあげるから、万歳して?」
「わかった……」
いつもはお姉ちゃんに無理やり押さえつけられて人力拘束でくすぐられているから、自分から万歳して無防備な体勢になるのはかなり恥ずかしい気持ちだった。
恐る恐る両腕を頭の上へとあげていくと…
「こちょこちょこちょ~♪」
「ひゃっ!?い、意地悪ぅ…」
「そんなこと言うならくすぐってあげないよ?」
「ご、ごめんなさぃ…」
目の前で指をワキワキ動かされながら「こちょこちょ」言われるだけでもくすぐったくて反応してしまった。
お姉ちゃんにニヤニヤと顔を覗き込まれながら、万歳して腋の下が無防備な格好になる。
「そのまま動かないでね?じゃあ今から10分こちょこちょしてあげるから♪まずは…首筋こちょこちょ~♪」
「ひゃっ!?んぁぁぁっひゃめっ、ひゃぁぁぁっんぁぁっだめぇぇっぁぁぁっぁぁぁっあはっ!!しんどぃぃっ!!」
10本の指先で首筋を包み込まれ、優しくこしょこしょとくすぐられてしまう。ゾクゾクと力が抜けるようなくすぐったい感覚に、必死に堪えようとするも笑い声が口から漏れてしまう。
「まだまだ始まったばっかだよ?ほぉら、がんばれがんばれ~♪」
「んぁぁぁっくひゅぐったいってばぁぁぁっあはっ!!ぁぁぁぁぁっがまんできなぃぃっぁぁぁっあはっぁぁぁっ!!」
頑張って万歳をキープしたまま、足をもじもじ腰をクネクネさせて何とか耐えようとしてみる。
お姉ちゃんはそんな姿を見て、妖しい笑みを浮かべていた。
「あんた見てるともっといじめてあげたくなってきた♪じゃあそろそろ…腋の下こちょこちょこちょ~♪」
「ひゃぁぁぁぁっ!?あひっっ!?ぎゃぁぁぁぁっあはっ!!ぁぁぁぁぁぁっだめぇぇぇっぁぁぁぁっやめてやめでぇぇぇっぁぁぁぁぁぁっぎ、ギブぅぅっぁぁぁぁぁぁっくひゅぐっだぃぃぃぃっぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ねぇ、私の指挟まっちゃったんだけど、そんなにくすぐって欲しいのかな?可愛いね♪こちょこちょこちょ~」
腋の窪みを容赦なくこちょこちょとくすぐられた瞬間、条件反射的に腕を下ろしてピッチリと脇を閉じてしまった。
しかし、お姉ちゃんの指は腋のくすぐったいところを捉え続けて離さない。くすぐったくて情けなく笑い狂っていると…
「ほら、万歳しなさい!腕下ろしてる間は時間カウントしてあげないよ?」
「そんなぁぁっ!?いひゃぁぁぁっむりぃぃぃっ万歳できなぃぃぃっぁぁぁぁっゆるしてぇぇぇっ!!!」
「じゃあ腕下ろせないように押さえつけてくださいっておねだりしてごらん?」
「う、腕おざえてくだざぃぃぃっぁぁぁぁぁっお願いしますぅぅっぁぁぁぁぁぁっあはっぁぁぁっ!!!」
自分から情けなくおなだりさせられて、ソファーからカーペットの床の上に寝転がされる。
両腕は再び万歳させられて、腕の上にしっかりとお姉ちゃんが馬乗りして顔も太ももで挟み込まれて固定されてしまう。
この体勢になってしまえば絶対逃げられないし、何よりも顔を覗き込まれてしまうのがとてつもなく恥ずかしい…
「ほら、スキンシップでしょ?ちゃんと私の目を見なさい。」
「ぅっ…ぅん…恥ずかしいからぁ……」
「恥ずかしいね?じゃあ恥ずかしさなんて気にしていられなくなるくらいこちょこちょしてあげようね♪」
「ひっ!?…ま、まって…!心の準備が…いひゃっ!?ぎゃぁぁぁぁぁっあはっ!!ぁぁぁぁぁぁっひゃめっ!!いひゃぁぁぁぁぁぁっじぬぅぅっぁぁぁぁぁっくひゅぐっだぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははははははは!!!!」
薄いシャツの上から腋の下を死ぬほどこちょこちょされる。今度はどんなに頑張ってもガードできなくて、くすぐったくて敏感なところをされるがままにねちねちと責め続けられる。
腋の下だけではなく、首筋を不意打ちでこしょこしょと撫でてきたり、腕を伸ばして脇腹をもみもみと掴むようにしてくすぐられる。
腋の下から脇腹にかけて何度も左右から往復するようにこちょこちょされると、ひぃひぃ泣いて涎を垂らして足をバタバタとさせながら情けなく笑い狂わされてしまう。
「ほぉら、こちょこちょこちょこちょ~♪後8分くらいは残ってるかな?頑張れ頑張れ~♪」
「いひゃぁぁぁっな、長いってぇぇぇっぁぁぁぁぁっむりぃぃぃっもうむりぃぃっお、おかひくなるぅぅっぁぁぁぁぁぁっあはっ!!くひゅぐっだぃぃぃっぁぁぁぁぁっお、おかじくなっちゃぅぅっぁぁぁぁぁぁぁぁっははははははははははははははははは!!!!!」
1秒でも長くてつらいこちょこちょが、後8分も残っていると聞いた時にはもう絶望で目の前が真っ暗になりそうだった。
顔は涙や涎でぐちゃぐちゃになって、必死に足をジタバタさせても腕に力を入れても当然逃げられない。
されるがままに、愉しそうなお姉ちゃんにこちょこちょされておかしくなりそうだった。
ようやく10分経過してくすぐっていた指が離れる。
「…っはぁっ、はぁっ、げほっ、ごほっ……し、しぬ…死ぬかと思った……」
「流石に私も手加減してるし、絶対に気絶はさせないから大丈夫安心していいよ♪今日のところはこの辺でおしまいかな。よしよし、よく頑張ったね♪」
「ぅぁっ…ん、んん…」
お姉ちゃんに優しく頭を撫でられながらニッコリと顔を覗き込まれる。くすぐられている時は地獄のように苦しかったのに、いざ終わってみれば少し物足りないような気持ちになるのが不思議だ。
夏休み初日は、無事にお姉ちゃんからサインをもらうことができた。だけど、まだ一ヶ月以上毎日これが続くと思うと…
**
夏休み2日目には、母が仕事から帰ってきた。
お昼頃に帰宅してそのまま仮眠をするといって部屋に行ってしまった。
今日もお姉ちゃんに宿題のためくすぐってもらおうとお願いするも、「今日はママがいるから、夜にお願いしてみたら?」と断られてしまう。
当然、お姉ちゃんよりも母の方が何百倍もくすぐりが上手いし恥ずかしさを感じる。
その上今日は幼馴染みと遊ぶ約束をしているので、きっと昼間からたくさんくすぐられるだろう……
帰ってからも、夜に宿題のためくすぐられるとなると……
「体力、持つのかな……」
もしかしたらスキンシップに加えて夏休みでもくすぐられる体力を向上させるための宿題なのかもしれない。
出掛ける前からゾクゾクと震え疲れ果ててしまうような気分を味わいながら、幼馴染みの家へと遊びに行くのだった。