甘い香りが残る教室の中。
ガチャリ、と後ろ手で扉の鍵を締めた音が聞こえる。
彼女達に見つかってしまった時点で、僕はすっかりと抵抗する気力も逃げる気力も無くしていた。
「コイツ…最低!!本当キモい!!」
縄から解放され、急いで身を隠しながら制服を着ている女の子。
自分がくすぐられて興奮している恥ずかしい姿を男に覗き見され、怒りが治まらないような状況であった。
「まぁ美香、落ち着いて。ね?後でたっぷりと仕返ししていいから。」
「い、いやっ、違うんだって!たまたま通りかかって…」
「は?呆れた。この期に及んでまだ言い訳するんだ?こんな人気の無い後者に、帰宅部のあんたがたまたま来る用事なんて有るわけないよね?まさか…私たちのこと付けてきたの?何で?正直に答えなさい!!」
…いつも優しい彼女が、こんなにまで怒っている姿を見るのは初めてだった。あまりの気迫と恐怖で、尻餅を着いたまま教室の端へと後退りしてしまう。
そんな僕の様子を、心底蔑んだ眼で見下ろしながらじっくりと距離を詰めていく彼女。
コツン、と背中にコンクリートの硬い感触。
もはや、逃げられる場所は無かった。
「なに?喋れないの?それに、逃げるってことはやましいことがあるってこと?…はぁ。もういいよ。反省してないなら。死ぬ程お仕置きして分からせてあげる。」
「ひっ!?い、いやっ…ごめっ、ごめん許してよぉ…」
足首を持たれ、ズルズルと教室の中央へと引き摺られていく。
「美香、コイツ押さえつけといて。」
「は~い!!…こらっ!!大人しくしろよ!!」
両手を万歳させられ、腕の上に乗られて馬乗りされて押さえつけられる。
その間に、委員長は縄を手に準備して膝の上に馬乗りして足首を縛っていく。数分もしない内に、足の先から太ももまで、ぎっちりと揃えた状態で身動き取れないくらいに縛られて固定されてしまった。
上半身は、着ていた制服のシャツを無理やり剥ぎ取られ、肌着のシャツまで脱がされて裸にされてしまう。
両手を真っ直ぐ万歳した状態で2人がかりで力ずくで押さえつけられて、手首や腕を縄でしっかりと縛られる。
パンツ一丁の恥ずかしい姿で両手両足を揃えた真っ直ぐの状態で縛られ、腰の辺りに委員長に馬乗りされる。
そして、両腕は美香ちゃんに上に乗られて体重をかけてお尻と太ももで固定されてしまった。
「これでもう逃げられないよ?どう?女の子に捕まって縛られて押さえつけられる気分は?悔しい?恥ずかしい?…興奮してるとか言ったら許さないからね。」
「こいつ…!何ニヤニヤしてんの?マジでキモい!女の子がトラウマになるまで徹底的にお仕置きしてやる!!」
…もう、何を言っても言わなくても火に油を注ぐ状況だった。半ば諦めるように、目を閉じて顔を背けてしまう。
しかし、彼女はそんな姿を見て静かに怒りを強める。
「は?何黙って反抗してんの?もういいよ。今謝れば少し優しくしてあげようと思ったけど、そんなの必要ないんだよね?じゃあお望み通り…くすぐり殺してあげよっか。」
「奈月様賛成です!!覚悟しなさいよ?」
ピタッ、と腋の下、脇腹にそれぞれ指が添えられる。
まだそれだけなのに、全身が思わずゾクッと身震いしてしまうようなくすぐったい感覚に支配される…。
「ほら、こちょこちょこちょこちょ~」
「こちょこちょ!!こちょこちょこちょ~!!」
「ひっ!?ぎゃぁっひゃぁっ!?あはっ!!ぁぁっぁぁっあはははははははははははは!!ぎゃぁぁっひゃめぇぇっぁぁぁぁぅぁぁぁぅあははははははは!!!やめっ、ひゃめでぇぇっぁぁぁっ!!!」
生まれて初めての凄絶なくすぐったさ。
子供の頃、幼稚園で友達や先生にくすぐられた事はあったが、服を脱がされて肌を露出した状態で、さらに抵抗できないように縄で縛られて馬乗りされて一方的にこちょこちょと弱いところを責められたのは初めてだった。
正直、女の子がくすぐられて気持ち良さそうに悶えている姿を覗いていて、気持ち良い行為なのかもしれないと期待していた。
しかし、いざ自分がくすぐられてみるとそんな甘い幻想は吹き飛んでいき、暴力的なまでのくすぐったさに一気に呼吸困難になるほど笑い狂わされてしまう。
「どう?くすぐったいね?悪いけど、手加減するつもりは一切無いから。このまま笑い死ぬまで責めてあげよっか?」
「いひゃぁぁっぁぁぁっぁぁっ!!やめっ、あはぁぁっあはははははげほっ、ごほっ、じぬぅぅっぁぁっくしゅぐっだぃぃっぁぁぁっだ、誰かたずけてぇぇっぁぁぁぁっ!!」
脇腹に指を添えて、くすぐったいツボを指先で揺らすようにもみもみとくすぐられる。時折、爪を立ててお腹の表面やお臍をこしょこしょと撫でるように責められ、また脇腹を揉み込むようにして指先が無防備な身体を蹂躙する。
息ができなくなる程のくすぐったさ…
目は笑っていないけれど、ニヤニヤと獲物をいたぶるようにしてくすぐっている委員長の顔を見て、トラウマになってしまう程ゾクゾクとした恐怖が全身を貫く。
「こちょこちょ~♪ほらほら、どう?ごめんなさいは?てか、男だったらこれくらい我慢しなよ?情けない。助けなんて誰も来ないから安心して馬鹿みたいに笑いなよ?」
顔を柔らかい太ももで挟まれて固定され、顔を覗き込まれながらねちねちと腋の下のくすぐったい窪みをこちょこちょされる。
強制的に万歳させられて、くすぐったくて1秒だって我慢できない腋の下をねちねちと執拗にこちょこちょされ、頭がおかしくなりそうなくらい笑い狂わされる。
頭を振ってくすぐったさを紛らわそうにも、太ももに力を入れてぎゅーっと頭を固定されて押さえつけられる。
そして、反抗したお仕置きとばかりに喉仏や首筋を10本の指でこしょこしょと撫でられくすぐられる。
女の子2人係でのくすぐりに、抵抗すら許されず情けなくひぃひぃと涙が出て口元からは自然と涎が垂れ落ちてしまう。
「子供じゃないんだから、ちょっとは我慢してみなよ?涎垂らして情けないね?恥ずかしいね?あ、言っとくけど気絶寸前まで一切手加減してあげないから。」
「ぎゃぁぁっぁぁっひゃらぁぁっぁぁっぁぁっあはははははははははははは!!あひぃぃっひぃぃっごめんなしゃぃぃぃっぁぁぁぁっくしゅぐっだぃぃぃっぁぁっげほっ、ごほっ、ぁぁぁっお、おかひくなるぅぅぁぁじぬぅぅっぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁっあははははははははははははは!!」
「ふふっ♪いい気味ね。ほらもっと恥ずかしい声で笑い泣け!!必死に情けなく命乞いしてみなよ!」
子供の遊びのレベルを越えて、本気で息が苦しくなってきた……強制的に肺の空気を搾り取られ、酸欠で段々頭もぼーっとしてくる……
もはや、自分が何を言っているのかも分からなくなって、彼女達の声も遠くなって………
「一旦ストップ」
「……はぁっ…はぁっ…はぁっ…げほっごほっ…っっはぁっ…はぁっ……はぁっ……」
意識が落ちかけた時、ようやく執拗にくすぐっていた指が身体から離れていった。
必死に。酸素を貪るようにして呼吸を整える。
笑い疲れてすっかり暴れる体力も無くなり、まるでトライアスロンをした後のように全身汗だくになっていた…
「うわっ…ねぇ~汗かきすぎじゃない?触りたくないんだけど…」
「私サテン手袋持ってるから、取ってくるね。それ使っていいよ。」
フッ…と腰の辺りが軽くなる。
鞄からガサゴソと何かを探す音が聞こえる…。
数十秒後、戻ってきた彼女の手には2つの手袋が握られていた。1つを女の子に手渡し、もう1つは自分の手へとはめていく。
「この手袋、触り心地良いですね~♪これでくすぐられたらヤバいだろうね~?」
目の前で指をワキワキとしながら、シルバーの手袋を見せつけられる。
「滑りが良くなって死ぬほどくすぐったいと思うよ。美香にも今度これでくすぐってあげる。」
「も、もうやめっ、ひゃぅっっ!?」
馬乗りされた彼女に、すーっとお腹を人差し指で撫でられる。たったそれだけなのに、これまで経験した以上のくすぐったさが全身を貫いた。
「さて…本題だけど。君は何でこの校舎に来たの?私たちのこと狙ってた?何で覗きしてたの?いつから?全部正直に白状しないと…どうなるか、分かるよね?」
ピタッ、と脇腹に指を添えられて尋問される。
腋の下にもツルツルとした指が添えられ、恐怖で無意識の内に身体が震えてしまう…
「そ、それは…その…たまたま…2人がどこに行くのか気になって……」
「は?何それ。私たちが気になってたからこっそり後を付けて覗きしてました~ってこと?」
半分怒っていて半分引いてるような眼で顔を見下ろされる。
委員長の方から、呆れたような溜め息が聞こえてきた。
「そう。もういいよ。真面目に聞いた私が馬鹿だった。とにかく、今日見たこと誰かに話したら…その時は本気でくすぐり殺すから。…分かったら返事は?」
「ひっ!?は、はい…わ、分かりましたからぁぁ」
地獄のようなくすぐったさを思い出して、恐怖でガクガクと歯が震える。しかし、本当にくすぐったい地獄はまだこれからだった。
「よろしい。じゃあ、今日見た記憶全部忘れるくらい徹底的にくすぐってあげる。女の子にくすぐられるのがトラウマになるまで笑い狂わせてあげるね?」
「ぇ…や、やめてお願いだから……な、奈月さんひゃめっ、ひっ!?ぎゃぁぁぁぁっぁぁっあはははははははははははひはははははははははは!!いぎゃぁぁぁっひゃぁぁぁっじぬぅぅぁぁぁぁっあはははははははははははは!!ひぃぃひゃめでぇぇっぁぁぁっくひゅぐっだぃぃぅぁぁぁぁっお、おかじくなるぅぅぅぁぁぁぁっ!!!!!」
「気安く私の下の名前呼ばないで!!そんなにくすぐり殺されたいの?」
滑りの良い手袋を身につけ、脇腹にあるくすぐったいツボをこれでもかとグリグリもみもみと刺激される。
力を入れられても痛みは無く、死を覚悟してしまう程の地獄のようなくすぐったさを強制させられる。
「本当に何であんた何かが奈月様の名前を口に出せるわけ!?身の程をわきまえなさいよ!!二度と女の子に話しかけられなくなるまで徹底的にくすぐってやる!!」
しっかりと体重をかけて腕の上に馬乗りし直して、腋の下を素早くこちょこちょとほじくるように責められる。窪みにある薄い皮膚を揺らすようにしてツボをくすぐり、手袋で摩擦0の指先でカリカリこちょこちょ!と頭がおかしくなるほどのくすぐったさを送り込まれる。
黙って覗きをしてしまった自分に非があるとはいえ、このままだと本当に彼女達にくすぐり殺されるかもしれない…
顔は恐怖で歪み、涙や涎でぐしゃぐしゃになりながら情けなく必死に許しを乞う。
「ひぃぃっひゃめでぇぇっぁぁぁっぁぁっあはははははははははははははははははははははは!!じぬぅぅぁぁぁっごめんなじゃぃぃっぁぁぁっゆるじてくださぃぃぃっぁぁぁっぼ、ぼくが悪かったですぅぅぁぁっげほっ、ごほっ、くるしぃぃい、息できないからぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
恥も男としてのプライドも全部捨てて、女の子に泣き笑いながらひぃひぃとごめんなさいしてしまう。
しかし、それでもくすぐっている指先は止まることはなく、さらに激しく身体中を駆け巡っていく。
「ふふっ♪いい気味ね?苦しい?くすぐったい?でも、これは全部君が悪いんだよ?そうだ。あんたの情けない姿、スマホで録画しといてあげよっか♪美香、悪いけどコイツ撮影しといてくれる?」
「は~い!……準備できました!」
視線を上げると、スマホのカメラを構えながらニヤニヤと自分を見下ろし、片手間に腋の下をこちょこちょとくすぐっていた。
「これから私の言うことを復唱しなさい?『僕は女の子に覗きをして、くすぐられてお仕置きされている変態です。二度と女の子に逆らわない従順なくすぐり奴隷になると誓います。』ほら、早く言いな?」
委員長に腋の下と首筋を器用な指先でねちねちとこちょこちょされながら、じっくりと顔を見下ろされる。
くすぐったくて苦しくて、恥ずかしくて悔しくて頭の中が真っ白になりそうで…
何も考えられずに復唱してしまう。
「ひぃぃっぎゃぁっぼ、僕は覗きをしてぇっぁぁっお、お仕置きされてる変態ですぅぅぁぁぁっぁぁっあははははは!!に、二度と女の子にぃぃっひぃぃっさ、ざからいませんからぁぁぁっ、く、くすぐり奴隷になりますぅぅぁぁぁっい、言ったぁぁぁぁっ言ったからゆるじてくだざぃぃっぁぁぁぁっ!!!」
「ねぇ、何か違うんだけど。最初からやり直し…と言いたいところだけど、これくらいで勘弁してあげる。」
「ふふっ♪あんたの恥ずかしい姿、バッチリカメラに収めたから。これでもう二度と逆らえなくなったね?」
ようやくくすぐっていた指が離れ、必死に呼吸を整える。
地獄のようなくすぐったさから、これでようやく解放される…と思いきや、「きゃぁぁっ!」という委員長の悲鳴が教室の中に鳴り響く。
「…ねぇ、あんた。何でくすぐられて勃起してるわけ?まさか…本当に変態だったの?そういう趣味?キモいんだけど」
「はぁっ…そ、それは…ち、ちがっ!変態じゃない…ひゃぅっぁんっぁっ!!」
パンツの上からさわさわとおちんちんの裏筋をくすぐられ、思わず喘ぎ声を出してしまった。
そんな趣味なんてこれまで一度も無かったし、興奮する余裕なんて無かった。
きっと…生命の危機で身体が子孫を残そうと生理的に反応しただけだ…そうに違いない…
「コイツ…最低…!!もう絶対に許さないんだから!!そんなにくすぐられるのが好きなら、お望み通り死ぬまでくすぐってやる!!」
「ひっ!?ちがっ、誤解だからっぁぁっひゃめでぇぇっぁぁぁぁっあはははははははははははははは!!ひぃぃぃっも、もうくしゅぐりはやらぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁっぎゃぁぁぁぁっぁぁっあはははははははははははははははははは!!」
すっかり敏感になった首筋や腋の下、乳首の周りにまで指を這わせて情け容赦なくこちょこちょとくすぐられる。
再び襲いかかってきた暴力的なくすぐったさの前に身体が恐怖してしまうが、一向にモノは萎える気配が無かった。
「女の子にお仕置きされてくすぐられて興奮する変態には、もっときついお仕置きが必要ってことだよね。」
委員長は立ち上がると、縛られた足首を持って股の間に足裏を捩じ込んでくる。
そして…ブルブルブル!!!
と小刻みに振動させて裏筋を踏みつけるように刺激する。
「ひぎゃぁぁっ!?ぁぁぁぁっそ、それひゃめぇぇっんんっ!!むぐっ!!!んんんっー!!!?んんっ!? 」
「マジで笑い声すらキモいから口塞いであげる。感謝しなよ?へんたいさん?」
フッと腕が一瞬軽くなったかと思ったが、顔の上が暗くなりむにゅっとした柔らかくて重い感触がのし掛かる。
蒸れた女の子の下着の感触を顔に感じて、興奮する間も無く一気に呼吸困難へと突き落とされる。
「こちょこちょこちょこちょ!!!あんっ、こらっ!笑い声がくすぐったいだろ!!」
「美香ったら大胆ね~?でもそんなことしたらご褒美になっちゃうんじゃない?」
「いいんです!!女の子がトラウマになるまで徹底的に苦しめてくすぐってやらないと、きっと治らないですよ!」
委員長にブルブルと容赦なく電気あんまされながら、これまで触られていなかった足の裏も片手でこちょこちょとくすぐられる。
上半身では顔面騎乗されながら無防備な首筋や腋の下、脇腹にまで手を伸ばして容赦なくこちょこちょされてしまう。
(くすぐったいくすぐったい…!!)
そして…股関を容赦なく襲う電気あんまの快感によって、絶頂へと近付いていき…
「んんっ!!!!んんっ!!!んっんぁぁぁっ!!!」
ビュルルルルルル♡ピュッ♡ビュルッ…♡
身体が大きくビクンビクンと跳ね上がり、パンツの中で思いっきり射精してしまった。
「きゃっ!?コイツまさか射精したの?私の靴下汚れたんだけどどう責任取るつもり?もう絶対許さないから。」
「くすぐられてイクなんて…マジで救いようないよね?このまま空っぽになって気絶するまでずーっとくすぐってあげるから、覚悟してなよ?」
イッてもくすぐりは止めてもらえず、口を塞がれたまま容赦なくこちょこちょこちょ…
下半身では、足を左右で交代させながらイッたばかりの敏感なアソコを容赦なく足裏で踏まれて刺激され、強制的に勃起させられてしまう。
あまりの快感とくすぐったさに、本当に頭がぼーっとなって目の前が真っ白になってしまう…
「んんんっ!!?んんっ!!んっんぁぁぁっ!!んむっ!」
ピュルルルル♡ビュルッ♡ピュッ…♡
連続して2度、3度と射精させられ、くすぐられ…
段々と彼女達の声も遠くなり、僕はようやく"気絶すること"を許されたのだった…。
**
…どれくらい気を失っていたのだろうか…。
「ぅっ…うぅん……あれ……」
目を開けると、真っ暗闇が広がる空間。
そうだ…彼女達にくすぐられて……
喉が渇いた…筋肉痛…。
どうやら、腕や足を縛っていた縄から解放されていた。
この教室…電気が付かないのだろうか…
明かりを求めて、教室の床を這いつくばって自分のスマホを探す。あった…。
時刻は…20時を過ぎていた。
こんな時間まで校舎に残っていることがバレたら叱られてしまう…早く帰らないと…。
制服を急いで身にまとい、鞄をもって教室を跡にする。
廊下へ出ると、一段と静けさと暗闇が際立った。
夜の学校。ここの校舎には幽霊が出るという噂を思い出し、一気に背筋が凍る。
心なしか…誰かの視線を感じたような……。
駄目だ。考えるだけでどんどん怖くなってくる。
足早に校舎の出口まで降りて、こっそりと学校の裏口から帰ったのだった。
**
帰宅すると、いつもより遅い時間に帰ったことを親に少し怒られてしまった。
夕食を食べてお風呂に入り、明日の準備をしようと通学鞄を開けてみる。
「あれ…?何か入ってる……」
白い封筒だ。
恐る恐る開けてみると、
"今日の出来事を誰かに話したら、録画した映像ばら蒔くから。"と書いてあった。
きっと、委員長の文字だ…
未だに身体に残っている、ゾクゾクとしたくすぐったさと苦しさ…少しの快感を思い出してしまう…。
嫌な記憶を振り切るように、早めに布団に入って眠ることにした。
**
次の日。少しだけ学校に行くのが憂鬱であった。
昨日の放課後の出来事は、もしかしたら夢なんじゃないか。
そういった可能性を信じたかったが、脇腹に残る筋肉痛によって嫌でも記憶を蘇えらせる。
始業時間の10分前くらい。
普段よりも遅く、教室へと入る。
「おはよ~……あれ……」
あれ……なぜだろう。
僕が教室に入ると、一気にみんなの冷たい視線を感じる。
クスクス…ヒソヒソ…
と、僕の顔をチラチラ見ながら噂話されている気がする。
チラッと委員長の姿を探してしまうが、教室にはいないようだった。
薄気味の悪いまま、午前中が過ぎて昼休みになる。
昼ごはんを食べようとした時、席の周りに4人の女子が集まってきた…昨日の昼休みに、1人の女の子をくすぐっていた4人だ。
「ねぇあんたさ、奈月から聞いたんだけどマジなの?」
「え…な、なにが…?」
「とぼけなくていいからさ~。もうみんな知ってるよ?あんたが覗きをしてくすぐられて興奮するド変態だってこと。そういう目で女子のこといつも見てたんでしょ?」
…気づけば、自分の周りをクラスの女子ほぼ全員が取り囲んでいた。委員長を除いて…。
何で…まさか…バラされたのか……?
突然、後ろからガシッと腕を羽交い締めにされて教室の後ろまで引き摺られていく。
「なっ!?やめっ、やめてっ…!」
「うるさい!大人しくしろよ変態!!」
力ずくで腕や足を押さえつけられると、いくら男子とはいえ抵抗することもできずに大の字で教室の床に押さえつけられてしまった。
両腕、両足首を1本ずつ女子に馬乗りされて押さえつけられる。
「変態にはお仕置きが必要だよね?みんな~死ぬほどくすぐっちゃえ!! 」
「な、何で…やめっ、やめっ!!ぁぁっぎゃぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁあっあははははははははははははははは!!ひぃぃいやぁぁぁぁっぁぁぁぁっも、もうやめでぇぇぇっぁぁぁぁぁっくしゅぐったいのは勘弁じでぇぇっぁぁぁっ!!」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~♪
と、獲物をいたぶるように10人以上の女子に押さえつけられて全身をこちょこちょとくすぐられる。
くすぐったくて抵抗しようと力を入れるも、しっかりと体重をかけて馬乗りされて押さえつけられ、お仕置きとばかりに容赦なく弱いところを責められる。
「コイツマジでくすぐり弱いんだ~♪美香くすぐるより楽しいかも♪ありがとうね、委員長さん?」
リーダー格の女子が、教室の窓際の席で読書をしている彼女へと話しかける。
何で…何でこんなことに……
「ぁぁった、たずけでぇぇぇっぁぁぁぁっぁぁっ!!い、委員長たずけでぇぇぇっぁぁぁぁっんぐっ!!んんっ!!」
「気安く彼女に話かけないで?次やったら…本当にくすぐり殺すよ?」
また顔の上に重みを感じ、口を塞がれてしまう。
この声…美香…さん……
「美香ったら怖~い♪よっぽどコイツに恨みがあるのね」
「こんな優しい子怒らせるなんて、あんたよっぽど悪いことしたんだね?これから毎日毎日。放課後もくすぐってあげるから。」
こうして、昼休みが終わる直前までクラスの女子達に集団でこちょこちょされていた…。
ようやく解放された頃には、すっかりと虫の息になっていた。
それから、放課後はクラスの女子4人組に目を付けられ、空き教室や彼女達の家に呼び出されて死ぬほどくすぐられる日々が続いていた。
あの日以来、委員長の顔を見ることすら許されていない。
何気ない好意を寄せて、彼女達の秘め事を除いてしまったばっかりに…。
禁忌を犯してしまった代償は、あまりにも重くて苦しくて辛くて、身も焼き焦がれる程に辛辣であった。