二人のアオイ 液体に寄生された金属人形 2
Added 2021-02-02 18:26:40 +0000 UTC「それじゃあまずは……手始めに右手を振ってみて」 「かしこまりました。が、よろしいのですか? そのような碧、いいぃぃ……力が入らな簡単な命令で」 「最初だからね。簡易的なものでも見てみたいのよ。私は葵が操られてるってだけでも、疼いてくるんだから……」 「かしこまりました。では、命令通りに操作します」 やや拍子抜けとも言える最初の指示だが、MA01はそれに従い、右腕を上げてゆっくりと手を振った。 強制的な動作だからか、右腕の動作はとても規則的かつ一定で、受付アンドロイドを思わせるような雰囲気を醸し出している。 そんな整然とした動作ながらも、葵の表情はずっと蕩けたままで、彼女自身の状態と右腕の動きの立ち位置がまるで一致していない。 何気ない動作でも現れる不自然さが、碧の人格データを刺激する。 碧は、振り続けている右手に自分の左手を重ねる。 衝動のままに軽くキスすると、非常に近い距離で顔を合わせたまま、MA01に新たな質問をぶつける。 「ところでMA01、今こうして対話はしてるけど、あなたと話している間は葵の集音ユニットは無効化されるのかしら?」 「基本設定ではそうなっております。しかし、設定の変更を行って頂ければ、集音機能を復活させることも可能です」 「なるほどね……」 再び唇同士が重なりそうなくらい、眼球奥のレンズの動作がよく見える程の距離。 目の前で恍惚に染まっている葵を見ながら、葵に話しかけてはいない。 喋っている内容も聞こえず、何かを喋っているようだが、処理能力が快楽信号に割かれて解読ができない。 さらには、電子頭脳が液体金属に侵食されてパフォーマンスも低下している。 より操り人形らしくなったか葵に対して、碧は聴覚を復活させないまま、手を離して次の命令を下した。 「次は……右手を前に伸ばして、腕関節まで適当に内部を破壊して」 「かしこまりました。右腕関節部葵ぃ……あっ……な、なななにを言ってるの言ってるのよ……までの内部破壊を行いますもっとキスして欲しいわ……」 目の前で自分の身体を破壊すると宣言しているのに、愛する碧との情事に認識と感情値を傾ける葵。 口を動かしているのに何も聞こえない。不自然かつ不安を覚えるはずの状況でも、システム内の優先度が人格データにも適用される。 自ら一歩乗り出し、碧に抱きつこうとしたその時、伸ばされたままの右腕が突如微小な痙攣を起こし始めた。 これらは自身の視覚にもはっきりと確認できている事象。 思考処理がほんのわずかに葵から反れた直後、右手首が人工皮膚と共に強引に捻れ始めた。 「葵い、い……右手がな、なんだか変なほほ方向に動い動いててて、一体何がおきききておきて……ぇ……」 樹脂で造られた皮膚が無数の微小な裂け目を作り、カクカクと抵抗を示しながら手首が異音を立てて回っていく。 そして、本来不可能な360度の回転を起こし、ぶちぶちと手首の人工皮膚が千切れ、金属骨格が大きく歪んでしまった。 「ひぎああっ!! 手首がまま回ってて、あっ、ななにこれれこれぇ……右手が気持ちいいなんて、なんて……ぇ……私の右手がなななんだか、とととても……あんっ!」 いくつかの配線も断裂し、切れ目からは血の一滴も無い内部機構が顔を覗かせている。 人間ならば、痛みや衝撃から泣き叫ぶような光景だが、葵の人格データは戸惑いを示しつつも、悲鳴を上げるどころか嬌声を叫んだ。 本来発生しない場所から引き起こされた性感に、クリトリスをひくひくさせながらじんわりと人工愛液を滲ませる。 続けて、MA01は手首と関節の間を歪めさせ、折れ曲がった金属骨格の角部分を人工皮膚の下から突き出させた。 「おおかおかしいわね? 右腕私のうう右腕部は、どどどうなってるの? こんなに私なにもしししてなしてななな……あああっっ!! 右腕部にじじ重大な破損を確認。直ちに部品の交換をおお行ってくくださくださ……損傷報告が取り消されました」 異音を鳴らし、ぐちゃぐちゃに形を変える右腕。 ところどころに生まれた人工皮膚の裂け目から、わずかに血ではなく液体金属が滲み出るのが見えた。 胸や股間のような性器ではなく、腕からの快楽信号が人間らしくなく、ただでさえ予期せぬ負荷が与えられている電子頭脳にさらなる混乱を与える。 くしゃっと潰れたストローのような姿になった腕に、葵は無表情に変わりながらシステムメッセージを発する。 目の前には碧が視界いっぱいに入っているが、その視線はまるで碧を見ていないかのよう。 取り換えを推奨される程の状態だが、MA01がシステムに介入し、強制的に損傷報告を中断させた。 「認識改竄と共に、水樹葵の動作を一時停止させました」 「自律的にそういうことまでしてくれるのね。反応もしないの?」 メッセージを最後に、ぴくりとも動かなくなった葵。 ズタズタに折れて歪んだ右腕を突き出したまま、無表情で立ち尽くしている姿は、まるでキョンシーのなり損ないのようにも見える。 よく見ると、眼球ユニット奥の光は点灯したままで、MA01の言う通りただの一時停止状態らしい。 そんなより人形らしい姿を見ると、余計いたずらしてみたくなる。 碧は、停止している葵の両胸を鷲掴みにし、乳首を指で捏ねくり回しながら揉みしだいた。 「全部私に返ってくるからアレだけど、改めてとても人形らしいわね……ラブドールって言った方が正確かしら」 マシュマロのような柔らかな感触と歪み方で、そそられる姿をあられもなく晒す葵。 どうやら一時停止していてもセンサーからの信号処理は継続しているらしく、揉んで刺激するごとに、ピンク色の乳首が固く変化し、突き出ていた。 「オリジナルなのに、純粋な機械な私よりも人形みたいなんだから……」 性感反応だけを見せて、リアクション一つ起こさない葵に、人格データが発する思いの丈をぶつける碧。 ゆっくりと押し倒すように、マネキンのようになったオリジナルを仰向けの体勢にして、その上に碧が覆う様な形を作る。 碧の大きな両乳房が真下を向き、興奮によって勃ち上がった乳首が、ピンと張っている葵の乳房に今にも当たりそうになっている。 それでも壊れた右腕を突き出したまま無表情のままの葵に、興奮の反応がさらに高まっていく。 「MA01、今はあなたが、葵の色んな動作を強制的に起こせるんでしょう?」 「はい。水樹葵の全動作を制御可能です」 「それだったら、胸から乳液の排出もできる?」 「可能です。リクエストと解釈し、排出を開始します」 直後、葵の乳頭からとろとろと白い乳液が溢れ出す。 排出されている間、葵の全身はぴくっ、ぴくっ、と無表情のまま背中が仰け反っている。 碧にとっても何度も見てきた光景だが、その卑猥な姿はいつ視界に入れても興奮が収まらない。 ストローから逆流したような噴き出し方で、趣向を凝らしたジュースサーバーの如く液の漏れ出す乳首に触れたその時、突如乳液が噴水の如く飛び出し始めた。 葵の全身が大きく仰け反り、股間から人工愛液の潮を噴き出しながら四方八方に乳液を撒き散らす。 それでも葵の表情は仮面のように変わらないが、電子頭脳に負荷が大きくかかっているのか、人形が頭を揺らされているように眼球ユニットがカタカタと震えていた。 「ちょっ、MA01! 噴出量を抑えて!」 まさかここまで出すとは思っていなかった碧は、オリジナルから出た液の味をちゃっかりと味わいながら、MA01に調整命令を下した。 返答の声もなく、乳内から小さな駆動音を鳴らしつつ、少しずつ人間にはありえない噴出量が収まっていく。 まさしく道具らしい噴乳が一旦鳴りを潜めた後の葵は、身体中に自身の乳液が顔や上半身について降り掛かっていた。 右目の眼球にも付着しているが、葵は瞬き一つする気配もなく、ずっと天井をレンズに捉え続けている。 「乳液の排出量を制限しました。やりすぎだったでしょうか」 「そうね……葵の人間らしくない姿が見られたのは嬉しいけど、今は大丈夫よ」 「申し訳ありません。今後の為に学習致します。乳液の残存量が残り15%以下となっております。乳液の補充を推奨します」 かくん、かくん、と余韻に浸るように震える葵の身体。 起動時に満タンまで溜められていたそれを殆ど吐き出してしまい、まもなく液切れになると報告するMA01。 機械らしい姿を晒したのは素晴らしいものだったが、まだまだ愉しみたい気持ちが強い碧は、無線通信から予備乳液を取り寄せた。 仰向けの葵の側、真っ白で継ぎ目のない床から穴が現れ、真っ暗な闇の底から乳液がいっぱいに詰められたボトルが顔を出した。 床が閉じ、碧をそれを取ってキャップを取り、ぽかんとわずかに開かれている口に捩じ込んだ。 顎を上げ、人工皮膚の感触にちょっとだけ浸りつつどくどくと体液となる白濁液を流し込んでいった。 「乳液の補充を確認。現在水樹葵の機体動作が一時停止している為、私が動作サポートを行います」 最低限のシステム動作以外は停止している葵に代わり、乳液タンク周りを動作させるMA01。 淡々と注ぎ込まれた乳液は開かれた口内で蓄積され、口端から限界を超えた分の液がつつ……と垂れている。 いっぱいに溜め込まれていても、げほっとむせたり吐き出したりもしない。 まるでゴムの容器のように、注がれた液体をただ受け入れるだけ。 見るものが見れば、虚ろな瞳で大きく開かれた口に白い液が溜まっている姿は、情欲を掻き立てられるものがあるだろう。 そんないかにもセクサロイドらしい姿を無自覚に碧に晒していた葵。 MA01によって体内機構を稼働させられ、ゆっくりとそのかさが低くなっていった。 「ちょっとこんなキスもありかもね……んん……」 完全に補充されないうちに、碧は唇を重ね、乳液の中から溺れた舌を、人工唾液に濡れた舌を自在に動かして引っ張り出した。 水位が低くなる中で、舌部の味覚センサーに人工の味を感じながら唇を重ねて舌を擦れさせる碧。 ちゃぷちゃぷと、本来キス中になり得ない音が鳴る。 葵からのレスポンスは一切無かったが、MA01が気を利かせて舌を動作させ、互いに絡ませあった。 口内の乳液が無くなっても、二体の口づけは気分のままに続いていく。 「んん……む……ぅ……MA01が……動かしてくれてるのね……あっ……んん……ありがとね……んむ……ぅ……」 「乳液タンクの補充が完了しました。排出を行いますか?」 「んぅ……ちょっと待って……あんっ…………もう少し……こうしていたいの……」 「かしこまりました」 まるでラブドール相手に性欲をぶつけているような光景だが、つい先程まで自我を持っているように動いているのをしっかりと確認している。 オリジナルに、設定された情愛をぶつけたくて仕方がない。 これからもっと、快楽信号を共有しあい、機能停止するまで壊れ続けるが、今は肉体的快感を独りよがりでも感じたい。 全身を重ねて同じ素材の人工皮膚の感触を感じつつ、まっとうに人間的行為に耽り続け、葵の口内は碧の人工唾液に塗り替えられていった。 満足したと口を離すと、舌と舌の間に唾液の糸が引いていく。 どれだけ愛情をぶつけても、今の葵からは何も反応は返ってこない。 だがそれがとても心地良い。彼女の機械人形らしさがよく伝わってくる。 それが嬉しく、色っぽくてたまらず、人工愛液がじんわりと染み出していた。 「ふう。ふふ……オリジナルを性玩具みたいに扱うの、いつやってもクセになっちゃうわね……MA01、いつでも動かせる?」 「はい。ご自由に命令をどうぞ」 「それじゃあ改めて……あんっ……乳液を排出して……それから、両脚を反転させて、私の下半身を固定して……」 「かしこまりました」 濡れた割れ目を軽くいじり、インスタントに快楽信号を受けて喘ぐ碧。 命令を受けてMA01は出力を抑えて、勃ったままの乳首からとろとろと補充されたばかりの液を垂らす。 直後、視界に写らない碧の後方から、右腕の時と同様に金属がねじ曲がる音が鳴り始めた。 両脚で固定する為、MA01は葵の両膝を180度回転させる。 ぶちぶちと少しずつ人工皮膚が断裂し、裂け目を作りながらふくらはぎが天井を向く。 両足の変形から生じるエラーが快楽信号となり、葵の下半身がびくんと跳ね上がった。 快感から両足がピンと張り、動作が乱れている足の指が、地面にくっつく。 人格データに反映されないまま、ただただ快楽信号のみが電子頭脳に与えられていく。 破損箇所やエラーが積み上がっても、碧に玩具にされ続ける葵は、ただ基本システムの通りに反応を起こすのみだった。 「液体金属に操作されるって、どんな感覚なのかしらね……葵の様子を見てると、とても気持ちよさそう……」 だが、感情的反応を見せていなくても、密着した人工皮膚から伝わる微振動や、耳に入る細かいながらも激しくなった駆動音が、喘ぎ声のようにリアクションを伝える。 そして、葵の両脚は本来とは逆側に曲がり、蜘蛛のように碧の下半身を捉えた。 「では、水樹葵へのテスト終了後、碧へのテストを追加で実行しますか?」 「それもいいかもね……んん…………」 そうしてみたい、というような少し曖昧な返事を残し、葵の乳首を咥えて胸に顔を埋める碧。 固くなった乳首を甘噛しつつ、乳頭をぺろぺろと舐めながら、先程味わったばかりの乳液を飲み込んでいく。 「んん……んぐ……ぅ……ん……あっ……う…………やっぱり……同じ乳液でも……ぉ…………胸から飲むほうが……あっ…………美味しく感じるわ……あんっ…………」 成分内容は一切変わっておらず、ボトルからか出たか胸から出たかの違いでしかない。 どちらも液体を収める無機物から排出された白い乳液。 それでも、葵の柔らかく色気に満ちた大きな胸から排出されたという情報が、碧の人格データをよりポジティブに刺激した。 キスの時に味わった液を、美味しそうな声を出して自分の中に溜め込む碧。 稼働時点で満タンだった乳液タンクに追加で注がれ、容量オーバーとなったそれが、碧の乳からだらだらと漏れ始めていく。 「んん……あんっ……タンクが満タンに……なっちゃったわ……あっ……は……あっ……私の乳液と……葵の乳液が混ざって……ぇ……あっ…………ふふ……柔らかくてきもちいいわ……葵の胸……私も同じだけど、葵だから気持ちいいの……」 柔らかな胸の感触が、電子頭脳にピンク色の刺激を伝える。 人格データがもっと絡み合いたいと、欲望の処理を発露させる。碧は身体を動かし、再び葵の顔に位置を合わせた。 逆方向に曲がった両足によって固定されていたが、MA01が葵の動作を察知してそれを緩めた。 「あっ……ん……ここまで好き勝手に愉しんでも……あんっ……眉一つ動かないんだもの……は……あっ……あんっ! 可愛いわ葵……自分が寄生されてるなんて……思考もできないんだから……ああんっ!!」 ぐちゃぐちゃな右腕を突き出した姿勢から、未だ両足しか変わっていない姿が、より人形らしさを引き立てて興奮させてくれる。 ちょうど顔が向き合うと、お互いの乳首がぶつかり擦れ合い、タンク内の乳液が乳輪や乳部分へと降りかかった。 同じ素材、同じ形状の胸から排出される、全く同じ液体。 溢れる快感に、思考が気持ちよくかき乱されながら、碧は両手で頬に触れる。 「葵の頬……柔らかい……私も同じだけど、やっぱり葵のがいいわ……こんなこと言っても……あんっ! 今の葵には届かないけど……んぅ…………」 ガラス玉も同然の葵の瞳に写る、自分自身のコピー。 何をされても動かない彼女には、どれだけ愛の言葉や好意をぶつけても、一切返ってこない。 停止状態にあり、無自覚に寄生された液体金属に動かされている今、自身の状態やどれだけ情愛行為をぶつけられたのかもわからない。 碧は、再び衝動のままにキスを重ね、ほんのりと残った乳液の味を乾いた舌に感じながら、一旦身体を起き上がらせた。 「MA01、葵の腕を修復……して。完全じゃなくて……あっ……簡易的でもいいわ。それから、自身の損傷が視界に入っても、完全に認識できないようにして」 「かしこまりました」 両乳房に残る快楽信号の余韻を感じながら、これからのプレイに備えさせる碧。 自分の乳を下から持ち上げ、しとしとと未だ溢れる乳液を再び体内に含んでいく。 その間にも、葵の右腕はメキ、ギギ、と金属の重い音を鳴らし、歪みに歪んだ形状を無理やり元の形に近づけられていった。 形こそ戻されてはいるが、金属骨格や内部機構を覆う人工皮膚には無数の裂け目や穴が生まれており、人間にはありえない不自然なシワも発生している。 血の一滴も流れていなくても、葵はそれをおかしいと思考することもない。 その場しのぎの修復を確認すると、碧は体位を変えて69の体勢を作った。 葵と碧、それぞれの視界に、同型の女性器ユニットがまじまじと入り込むを MA01は、両脚で碧の肩を固定し、体位が乱れぬ配慮をした。 「女性器ユニットを外さないまま、こうやって見つめるのは珍しいわね……繋がったままのも卑猥で……感じてきちゃう……ん……MA01、ちゃんと私の言う通りにするのよ……?」 「もちろんです。現在の私は、水樹碧に従うことが最優先命令です」 快楽信号を処理し、ひくひくと動く割れ目が、誘っているようにも感じる碧。 口内に人工唾液を含ませつつ、さらなる快感と愛欲を求めて、碧はそっと女性器に両手で触れた。