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土装番
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幻想的なテーマパークの秘密 1話先行公開版

 テクノロジーの飛躍的な進歩によって開発された、人間そっくりの機械人形、アンドロイド。  その能力は年月を経るごとに向上し、現在では人間と全く見分けのつかない程の性能を保持するまでに技術は進化した。  それに連なりサイボーグ技術も発展。誰もが金さえ積めば、肉体を捨てて全身機械へと置き換えられる世界となっていた。  だが、全てが完全に人間に近づいた、または超えたというわけではない。  自律的な行動こそ可能ではあるものの、工場で製造されたモノでも、人間から生まれ変わったモノでも、どちらもプログラム通りに行動していることには変わりない。  サイボーグの場合は、多少純粋なアンドロイドよりも人間味を帯びた自律性を形成しているが、根本の部分が機械へと置き換わってる為に、外的要因によって思わぬ影響を与えられることも少なくない。  しかしそれでも、機械工学によって人間世界の幸福度は確実に上昇していた。  それは、人々の脳内にある夢想を現実とする可能性に包まれていたからである。 * * * 「ようこそテイルスランドへ! テイルスランドは午前10:00から午後22:00まで開園しております。私達の住む現代世界から離れた、幻想の異世界を心行くまでお楽しみください!!」  壮大かつ神秘的にデザインされた門を入場ゲートとして備えた入り口周辺に響き渡る、女性のアナウンス。  ここは、とある首都圏の人工島に建設された一大テーマパーク『テイルスランド』。  パーク内で働く従業員は全員、機械の身体を持つアンドロイドと生身の無いサイボーグで統一されており、それらはこの施設内にて、プログラムされたファンタジー世界に準じる役割を演じている。 「ねえ、お二人はどこから来たの?」 「俺は彩玉からですね」 「あたしも!」 「うーむ、聞いたことのない地名だけど、さぞや良い場所なんでしょうね。お二人の眼はとっても輝いてるもの」  テイルスランドをデートスポットとして選んでやってきた男女カップル二人に、先端に紅く輝く水晶を嵌め込んだ杖を持った、魔女のスタッフが近づき話しかけてくる。  当然このスタッフもアンドロイドであり、彼女は今『辺境の地にて隠れて暮らす、若き魔女』というロールを行っている。  彼女ももちろん工場にて製造された存在だが、本人は組み込まれた設定の出身だと認識しており、挙げられた地名も本当に知らないというように口にしている。  そんな彼女は、話しかけた相手の雰囲気、表情、声色を分析し、それに応じて良い未来が起こるという、占い結果のようなことを言う役割を担っている。いわば動くおみくじのようなものである。 「ちょっと、あなたの顔を見せてくれないかしら?」 「ほら、見てもらいなって」 「えー何言われるか怖いー! それじゃあちょっとだけね」 「ふむふむ……最近やや疲れることがありましたね?」 「えっ、なんでわかるの!?」 「こんなナリでも魔女ですから。けど、彼と一緒にいることでそれが和らいでますね」  溢れる恋心と、可愛らしい顔が目の前に近づけられ、赤面する女性。  それを聞いている彼氏側も、なんだか照れくさくなり始めた。 「私が見えるのはここまでですが、この辺りはとってもいい場所ですから、もっと二人で楽しめると思いますよ! それじゃ、今日は二人の時間を楽しんでね!」  そう言って魔女スタッフは、頭を下げてから微笑みを見せ、その場から去っていった。 「ねえやばくない? 本当に魔法とか使われてるみたいだったんだけど!」 「そういう設定なんだろうけど、それでもすげえな……よし、どうしようかと思ったけど、今日はパーっと遊ぼうか!」 「そうするー!!」  まさしく魔法じみた分析とそれに合わせた発言と行動によって感情を煽られ、カップルの楽しみはさらに引き上げられていった。  このようにテイルスランドは、無数のファンタジー的世界観と、それに合わせたこの世界の住人とも言うべき機械のスタッフによって組み上げられており、まさしく人工都市の中に存在する人工異世界とも言える、最高の非日常体験娯楽施設だった。 「おい待て! 逃げるんじゃないこの盗賊め!!」 「バーカ、誰が捕まってやるもんですか!」  カップルがいた場所とはまた別のエリア。ファンタジー的中世ヨーロッパをイメージした、ノスタルジックなショッピング街にて、元気に走り逃げていく、獣耳を生やした露出度の高い軽装の女盗賊が、鎧を来た二人の兵士に追いかけられていた。  テイルズランド内では、時々住人によるハプニングが無作為に発生し、映像作品やゲーム、漫画内で起こるような出来事の体験者になることができる。  それらに事前告知などはなく、完全なランダムエンカウントとなっており、それに遭遇した客はちょっとだけ運がいいと言われていた。  兵士達は剣を抜くような素振りを見せながらも、客達に危害をくわえないように無意識下でちゃんと避けつつ盗賊を追う。  同様に盗賊も、すばしっこく駆けていきながらも、道中の人間とぶつからないようにきちんとコースを計算しつつ走っている。  あくまでリアリティを重視した来訪者へのパフォーマンス。スタッフ達はそれが本当の出来事だと認識しながらも、安全への配慮はきちんと組み込まれていた。 「どいつもこいつもトロいわね。さ、とっとと商品売っ払って…………きゃあっ!?」  舌を出してバカにしつつ、逃げ切れるという確信を抱きながら駆け抜けようとしたその時、一人の屈強な男によってあっさりと抱えられ捕まった。 「盗みとは感心しないな。商品にはちゃんと金は払わないとな」 「ちょっと、離しなさいよ!! 離せったらぁ!!」  この男はスタッフの一人ではなく、来場者の一人である。  テイルスランドのランダムイベントは、ただ観客としていられるだけでなく、自らの意思でその世界に参加し、演者となることができる。  腹を肩に乗せられ抱えられた女盗賊は、ぽかぽかと暴れて抵抗を見せるが、その力も捕縛した人物が人間だった場合は、その相手の体格や体力を判定し、痛くない程度の出力で抗ってみせる。  自ら異世界の出来事に飛び込んできてくれた客に対しての、さらなる没入感を生み出すための演出プログラムである。 「いやあすみません、ご協力感謝します! その肉体に違わず、相当な実力をお持ちですね」 「ははっ、犯罪者が相手なら、容赦するわけにはいきませんから」 「ふんっ、いつか絶対に仕返ししてやるわよ」 「ほら、つべこべ言わず来るんだ」  非常に悔しそうな顔で不貞腐れた女盗賊は二人の衛士によって捕縛され、最後まで悪態をつきながらその場から去っていった。   「あれ見て、盗賊ですって。うちもいつの間にか空き巣に入られたとか無いか不安になってきたわね……」 「ちょっと大丈夫? 確かこの間、フレイムゴーレムから最上級の炎鉱石取ってきたって言ってたじゃない? あれすごい額するんでしょ?」 「そうなのよね……厳重に多重結界も張ってるから大丈夫なはずだけど。まあ、あの程度の盗賊ぐらいなら解けるわけないもの」 「言われてみればそうね。心配して損しちゃった」 「そんなことないわ。案じてくれてありがと」  そのイベントの一部始終を見ていた、友人同士という設定の女戦士と魔法戦士。  来場者が視線を送っていない時や、誰もいない場所でも、リアリティを出すためにスタッフ同士による会話が行われている。  このような徹底したこだわりはテイルスランド全体に行き届いており、どこにいても現代のどこでもない異世界の没入感を味わわせてくれる最高の娯楽施設として開業して間もなく話題となり、全国各地から無数の人々を引き寄せることとなった。 * * * 「お疲れさまでしたー!」 「バイバイ佳苗ちゃん、また明日ねー!」  閉園後、元人間である一部スタッフは、通常時は簡易メンテナンスと勤務時にインストールされる専用擬似人格のロック解除を受け、元の一般人として現代の空間へと帰っていった。  それ以外のアンドロイドスタッフは、異世界の住人設定を保持したままそれぞれの建物内へと、まさしく生活を再現するように戻っていく。  建物内は、来場客が入室することが出来る場所以外は非常に簡素なモノとなっており、大抵は中を覗けないように窓は完全に締め切られている。  そんな場所に入っていくアンドロイド達は、そこを本当の自分達の家だと認識しながら、明日を迎えるために設定に従い入っていった。 「今日も賑やかでよかったわねミラ」 「そうね。でもアンナ、旅の人にぶつかってたけど大丈夫?」 「大丈夫よ。ちょっとたまにふらついたりするけど問題な…………」  内壁まけ世界観に合わせられた、テーブルや椅子も何もない室内で、メモリに記録されたこの日の出来事を回想し、会話を形成する二体の姉妹設定の一般人アンドロイド。  家族の楽しい会話を交わして、明日も良い一日にしようというような雰囲気が生まれつつあったその時、二人の動作は突然時が止まったように、遠隔操作によって電源を切られ停止した。  表情は喋る動作の途中で口を開いたまま動かなくなり、細かな仕草や姿勢もその時の状態でストップし、瞳の光も消失し、まさしくとても精巧な人形のように見える。  それから数分後、メンテナンス役を受け持ったスタッフと、その支援を行う女性型アンドロイドが、修理機材と共に地下に通じている階段から姿を現した。  それらはファンタジー的な格好はしておらず、見分けが付きやすいように現代的な格好に身を包んでいる。 「これより簡易メンテナンスを行います」  スタッフ達は、停止したアンナとミラの衣服を全て脱がし、ラブドールの関節を動かすように四肢の位置を変えて気をつけの姿勢へと切り替える。  来場客には見られないにも関わらず、柔らかくそして形良く作られた乳房に、精巧に作られた陰部が姿を現し、それまでの生きた人間のような雰囲気から一転、展示品のような人形らしさが溢れ出した。 「登録機体0047、0081の状態確認を行います。外観への損傷は見られません」  ゆっくりとワレモノを扱うような手付きで、全裸のミラを冷たい床に仰向けの姿勢で寝かせ、一方のアンナは上半身を起こした状態で座らせる。  ぽかんと喋りの途中で開いたままの口に指をかけ、後頭部の髪を握り、軽く後ろへと引っ張る。  すると、小さな扉のようにして開いた頭の奥から、接続ポートが備えられた電子頭脳が姿を現した。  スタッフはアンナの電子頭脳に首筋から伸ばしたケーブルを接続し、システムチェックを行い、不具合の有無を確認する。 「右脚部に損傷を確認。パーツ交換を行います」  遠隔操作によって、艶めかしい右脚の付け根から継ぎ目が表れ、かちゃっと無機質な音が鳴る。  アンナの右脚は機械の断面を晒しながらころんと転がり、あっさりと外れてしまった。  人間ならば泣き叫びそうな事態でも、女性型の機械人形は仮面のような空虚で楽しげな顔のまま、一切の反応を示さない。  そして、一体のアンドロイドが予備パーツを持ち運び、新しい部品として、それまで着けていたものと寸分違わぬ造形の右脚を装着した。 「登録機体0081のシステムチェックを行います」  ミラにも同様に、淡々としたシステムチェックを行うスタッフ。  このような作業は、客のいなくなったテイルスランド中で同時期に行われている。  他のエンターテイメント施設と同様に、彼女達住人も一つの施設機材として扱われ、開演中に来場者を冷めさせないように、万全の体制と状態を常に保つように整備点検に気を遣う。  世界観を保つ為の努力以外にも、それを形成する演者への状態改善を怠らない姿勢も、テイルスランドの人気の秘密であった。  しかし、そんな夢と魔法を現実にしたエンターテイメントな楽園には、一部の者にしか知られていない裏の顔が存在した。 * * * 「テイルスランドは、間もなく閉園のお時間となります。皆様がこの世界にいられるまであと僅か。異世界の記憶を心に留めて、気をつけてお帰りください。またのお越しをお待ちしております」  出入り口から発され、ランド中に響き渡る閉園のアナウンス。  思う存分一人で、家族で、友人同士で、彼女彼氏と楽しんだ人々が、自分の家を目指して帰らなければならない時。  名残惜しそうに、または晴れやかに手ぶらやお土産で持って帰宅する人々。  本来であれば、閉園時間に合わせて帰宅するというのは至極当然の常識。しかしこの日は、道を照らす明かりが街灯やランド内の光、淡い月明かり程度になったにも関わらず、所々に人の姿が見え隠れしていた。  普通の人々は最高の体験を元に早めの思い出話や回想をしながら去っていく上に、大抵の人が暗がりにいたために、思考の中に入ることすらなかった。  そして、訪れた閉園時間。テイルスランド内に客が一人もいなくなり、このまま次の開演時間を待つ…………かと思われた。  異世界の姿を披露する相手がいないにも関わらず、まるで誰かを待っているように園内で稼働し続けるスタッフ達。  三十分後、入口周辺で何かを待つ人々が持つ携帯端末に、テイルスランド側からの音声通知が発された。 「大変お待たせいたしました。これよりシークレット会員限定のミッドナイトワールドを開園いたします」  その音声は、入場口にて何度も響き渡っていた、女性のアナウンスと全く同じ声。  パンフレットや公式のホームページ、各種旅行案内サイトには一切掲載されていない隠された楽しみが始まろうとしていた。 「ミッドナイトワールドは、通常時のテイルスランドと何ら代わりはありません。しかし、大きく違うところは、この世界の住人は皆様に対して一切の反応を示さず、さらには『どんなこと』をしても良いという点となります。服を脱がせても、犯しても、殴っても、四肢を外しても、壊しても。終了時刻の間までであれば何をしても構いません」  園内の世界観を造るスタッフに、人間が一体もいないというのは、これが大きな理由であった。  いくらでも内部データを含めた複製品が作成でき、次回開演までに修理が間に合わずとも、コピーを稼働させれば問題ない。  そのような機械面は、全て地上には表出せず、巨大な地下空間によって処理されるために表沙汰になることもない。  ファンタジー世界を舞台にした、モラルも何もかも吐き捨てられる無法空間。それが、テイルスランドの裏の顔だった。 「それではシークレット会員の皆様。どうぞ思う存分、己の欲望を開放し、心ゆくまで異世界を堪能してください」  その言葉と同時に、テイルスランドの入場口が再び開放され、周辺で待ち侘びていた会員達が、一斉に中へとなだれ込んできた。  門の奥はまさしく日が落ちた伝統的なヨーロッパ的風景の街という雰囲気だが、夜にも関わらず日中と変わらないような明るさが作られ、住民を演じるアンドロイド達も堂々と練り歩いている。  本来であれば、地下へ戻り簡易メンテナンスを受けている時間だが、ミッドナイトワールドのために組み込まれたプログラムに従って稼働し続けている。  それにアンドロイドやサイボーグ達は疑問を抱くことなく、通常業務と同様に自らをこの世界の住人と認識していた。  現実がどのように動いているのかも自覚できない間に、テイルスランド中にこの日の為に欲望を溜め込んできた人間達が走り散らばっていく。 「今日の報酬はまずまずだったな……もうちょっと」 「いたいた。やっぱこの娘お気に入りなんだよな」  その中の一人の男が、所々肌を晒した装いの、やや筋肉質気味に整った女戦士の方へと近づく。  女戦士はクエスト完了による報酬受諾帰りという設定なのか、ぶつぶつとそれらしい文句を言いながら街なかを歩いていく。  そんな彼女に真正面からぶつかり、冷たく硬い地面の上に押し倒し、次々と装備を脱がせて綺麗な作り物の裸体を空気に晒した。 「割のいいし……事を」  このサービスの為に精巧に作られた女性器に、己のいきり立った一物を挿入すると、女戦士は一瞬台詞が詰まりながら全身を震わせ、滑りを良くするために組み込まれた人工愛液を排出した。  女戦士の表情は歩いていた時と変わらず、何も起きていないかのように喋り続けている。  男が激しく腰を揺らす度、されるがままにその勢いと揺れによって女体が動く。   「紹介っ、しっ……てもらわなきゃ。割にあわ……ないな」  膣を突かれる度に、女戦士の身体には快楽信号が発信される。  だが、彼女達の電子頭脳にはそれを正しく処理する機能は搭載されておらず、ただのノイズやエラーとしか認識できず、処理落ちや不具合が発生する。  ほぼ完璧に人間の形を成していながら、生物的な営みへの反応が備わっていないアンドロイド達は、今の自分にぶつけられている欲望を知覚できないまま、組み込まれた設定を忠実に、純粋に発露し続けていた。 「ああ……気持ちいい……すき……やわらかい…………」 「今日も異常無しと。私の眼が光るうちは、この街の…………平和は崩させはしない」  ある一人の女性は、中性的で凛々しい女騎士の鎧を脱がして押し倒し、ふくよかな胸を重ねてクッションにしながら抱きついた。  自分のことを認識していなくても、その空気と感触を密着して体感できればそれでいいと言わんばかりに貪っていく。  女騎士は、女性の方向へ視線を向けていながら、目の前の人物ではない何処かを見ているような、魂の無い生気に満ちた瞳で、その作られた姿を崩さず喋り続けた。  己の中で煮詰められた欲望をここぞとばかりに発揮する人々。  人間を喜ばせる為に見た目良く作られた機械人形達を遊び道具にして、テイルスランド内は開園時とはまた別の意味で激しい盛り上がりを見せた。  ランド内に設けられたある露天通り。そこでは生の果物やテーマに合わせたストリートフード、お土産を扱った店舗が無数に揃えられている。 「いらっしゃい! こちら軽くて使いやすい装備からアクセサリーまでなんでも揃ってますよー! 練習にも良し実戦にも良し! どうぞご覧くださーい!」  そこでお土産品店舗を担当する女性型アンドロイドのサラは、日中と同じように客引きの声掛けを行っていた。  サラサラとした金色のロングヘアーに、長身のモデル体形についたやや大きめな二つの山。そして幼さが残る18歳前後を思わせる可愛らしい顔立ち。  普段ならばそんな魅力的なアイドル的容姿と、ハートに刺さるような声に無数の来場客が引き寄せられていくが、今の彼女は誰も通らない通りに向かって元気よく、他店舗のアンドロイドと同様に声を出している。  まるでそこに誰かが通っているかのように、虚空へ向かって喋り続けている。 「あの娘、サラって言うのか。へへ、いいもん作ったよな……昼も楽しんだなら、夜も思う存分やらねえとな」  そんなサラのことを気に入った客が一人、彼女の方へとずかずか欲望の溢れる歩き方で近づいていく。  彼の名前は洋輔。テイルスランドの常連客であり、ミッドナイトワールドの時間を楽しむのはこれで二度目という人物である。  彼は昼の時間に一度来客しており、その時新しく稼働していたサラに情動を抱いたのであった。  彼女をなんでもしていいという文字通りにめちゃくちゃにできるなら、是非ともそうさせてもらいたいと考え、今回こうして参加したのであった。 「触ってみてもいいですよ! こちらの商品は手にとってもらうと良さがわかりますから! 冒険のお供に是非、おひとついかがですか?」  間近まで見知らぬ男に近寄られても、反応する挙動一つ見せず、商品の向こうばかり見つめて元気に喋り続けるサラ。  これだけ人間らしい見た目をしながら、違和感の残る行動を見せている様が情欲を掻き立てる。  洋輔はサラの肩を掴み、無理矢理自分の方へと向けさせる。 「こちらで扱っているアクセサリーは魔法によって作られています。だからこんなに綺麗にたくさん作れるんですよ!」  他のアンドロイドと同様、視界を男の身体一つで遮られていても、その向こう側を見ているかのような目線を向け続けているサラ。  洋輔は下半身を脱ぎ、勃ち上がった性器を空気に晒し、一気にサラの衣服を無理矢理脱がせていった。  夜に露わになる、輝かんばかりの健康的な人工の白い肌。その感触は、人肌以上の気持ちよさを実感させる。 「こんなにエロい身体に作るとか、いいとこだよなぁ本当にここはよ」  全身をべたべたと舐るように触れても、嫌がる声をあげないどころか、客寄せ時の笑顔をずっと絶やさずにいるサラ。  そして、情欲のブレーキが効かなくなり始めた洋輔は、その場でサラを押し倒して強引に肉棒を人工の膣へ挿入していった。 「いらっし……ゃい! こちら軽くて使いやす……い装備からア……クセサリーまで」  強引な挿入から快楽信号が発生し、それを処理できないサラの言動にエラーと遅延が発生する。  販売員として製造された彼女は、他のアンドロイドよりも比較的低い性能で作られているために、通常時にはちゃんと稼働できていてもこのようなイレギュラーな用途には弱く、すぐに処理落ちやおかしな挙動を起こしてしまう。  洋輔が腰を振り、人工膣を激しく突かれている間、サラは体内の人工愛液タンクからだらだらと挙動に反応して液を排出し、かたかたと表情や全身を痙攣させながら、相変わらずの快活な声で接客音声を発し続けていた。 「こんなんですぐに濡れるとか、とんだ淫乱ロボットだなおい」 「なんで、でも揃ってますよー! 練習ににににも良し、実戦…………にも良し!」  零れそうで柔らかな胸を掴んで揉みしだき、激しいキスを度々交わしては、ぐちゅぐちゅと淫靡な音が鳴るほどに責め立てる洋輔。  チープながらも膣肉の締め付ける動作と、喉奥のスピーカーから発される明瞭ながら狂い始めている状況にそぐわない音声が興奮をさらに掻き立てる。   「こちらの、こちらの商品は手に手に手にとっ…………て、も、らえると」 「はぁ……はぁ…………うっ……そろそろ…………は……はぁ……うっっ……!」  機械人形に向けた一言と噛み合わない台詞が交差し続けながら身体を貪り続け、性感の絶頂に達した洋輔は、その機械の膣に己の欲望を容赦無く次々と撃ち込んでいった。  避妊具も何もない生でのやり取りだが、子宮を持たず受精することも無いアンドロイドにはなんの抵抗もなく、サラも現在自分が性玩具として扱われていることなど認識すらしていない。  未だにお客さんを呼び込んでいる最中だと思っている。 「まだ遊び足りねえな…………なんせ、この日の為に溜め込んできたんだからな」  待ちに待ったこの日、一回の楽しみでは物足りない。せっかくの壊しても犯してもどんなことをしてもいい遊び道具なのだから、もう少し楽しんでみたい。  洋輔はサラの身体を仰向けの状態からうつ伏せに無理矢理切り替え、尻を突き出させる。 「チッ、なんだよこっちの穴はねえのか」  趣向を変えてアナルセックスを楽しもうと考えていた矢先、形よく欲を引き出させるような尻の谷間の先には、人間に通常備わっている穴が開けられておらず、つるつるとした肌色の面が存在しているだけだった。  テイルスランドのアンドロイドには、それぞれ女性器ユニットのみ、アナル実装型、またはその両方が無いタイプが存在している。  サラは通常のセックス能力のみが備え付けられた、比較的廉価版とも言えるタイプだった。  興醒めと言わんばかりに溜息をついた洋輔。もっと何か楽しめないかと考えていたその時、露店に出された商品に視線が移った。 「こいつでも突っ込んでみるか」  サラが笑顔で提供していた商品。テイルスランドのロゴと映像作品内で登場した紋章が刻まれた木の棒や木刀、お土産品のペンライトなど、彼女で遊ぶにはうってつけの道具が無数に取り揃えられている。  洋輔は木の棒を一本手に取り、ごりごりと穴のない尻に擦りつけて見せた後、もう一度仰向けにして女性器ユニットに挿入した。 「いらっしししし、いらっしゃい! こちら…………かかかか軽くて使いやすい、使いやすい」  膣の広さよりもやや太めな硬い棒が雑に突っ込まれ、がんがんとついていく度にサラの身体が震え、胸が揺れ、がっくん、がっくんと機械的に痙攣する。  笑顔を絶やさず動作不良を起こしながらも、客寄せの台詞を喋る扇情的な姿に、洋輔の肉棒は再び張るように元気を取り戻した。 「こうしてみると、ただの出来のいいラブドールにしか見えねえな……へへ」  人工愛液と精液の混ざった液体がこびりついた木の棒をずるっと引き抜き、再び肉棒を突っ込み、前後し始めた洋輔。  やや強引な扱いをしたためか、膣肉として造られたシリコンが僅かに緩くなっているが、気持ちよさは変わらず何度も何度も突いていく。 「練し練習にも良し実戦にも良し! ど…………うぞご覧く、ださーい!」  ただ男の欲望の赴くままに身体を扱われ続ける、性能の低いサラ。  どこにもいない客に向けた言い文句を、エラーと遅延による崩れを含みながらも健気に喋り続け、彼女はそのまま本来の稼働目的とは違う形で弄ばれ続けた。 「そろそろこいつも飽きてきたな……まだ時間あるし、次に良さそうなの探すか。けど、結構良かったな……」  サラの身体を自分の想像の限りに使い尽くし、彼女とはまた別の新たなアンドロイドをもて遊びたくなってきた洋輔は、軽くサラの手で一物についた液を拭き取り、お礼も言うことなくその場を去っていった。 「こちら…………で、扱っていは魔法によ、っ、て作られて…………います。だからここここんなに綺麗にたくさん作れ作れるんですよ!」  冷たく硬い地面の上で、全裸で野晒しにされたサラは、滑らかだった両手や首の動作も簡単に作られた小さなロボットのようなかくかくとした緩慢な動作になり、両手両足は不自然な動きで揺れている。  どろりと精液の溢れる女性器ユニットには、木の棒や木刀、その他売店の売り物が無数に突っ込まれており、シリコンの膣は無理矢理押し拡げられながらも、挿入されたそれを機械的に咥え、無数の棒がぐらぐらと動いていた。  既に使われた彼女に目をつける者もおらず、サラはこのままミッドナイトワールドが終了するまでの間、ずっとその女体を夜空へ向けて晒したまま、客寄せの言葉を喋り動き続けた。  その姿には、完璧なまでに造られた人間らしい造形の面影は無く、不具合によって不自然さを表したアンドロイドの壊れた様があるだけだった。 * * * 「いらっしゃーい! こちら軽くて使いやすい装備からアクセサリーまで、なんでも揃ってますよー!」  一夜の乱れた夜が終わった次の日。  人々が抱く無限の欲望の捌け口にされた機械人形達は全て地下へと格納、洗浄修理され、代わりにバックアップデータを搭載された同一容姿の機体が、テイルスランドに投入された。  サラも当然例外ではなく、到底人間らしい扱いではない一方的な性行為を受けた深夜の出来事など無かったかのように、明るく元気に振る舞っていた。  通りすがる海外からの観光客や複数人でやってきた若者達に笑顔を見せて手を振っては、商品の売り込みを入力されたプログラムに従って行い続ける。 「これくださーい! 二本!」 「はーい! これに目をつけるなんていい目してるね! これをどう使うのかな?」 「お母さんを守るんだよ! 二人で!」 「そうなんだー、かっこいいね! 私の店の武器を持てば怖いものなしだね!」  子供の目線に合わせるようにして膝を曲げ、必然と胸が強調される姿勢になりながら、屈託のない自然な笑顔で木刀を手渡すサラ。  相手方の容姿や言動に合わせた言葉を引き出し、まさしくファンタジー世界の店員的雰囲気を引き出しながら接客する姿は、まさしくアクターと言っても過言ではなかった。  その一方、徹底的に穢されたかつてのサラは、テイルスランドの地下にて四肢を取り外され、膣内を高圧洗浄にて機械的に洗われていた。  体液のこびりつく体表面や口内、四肢に専用の洗浄液を吹きかけられ、特注のブラシにて流れ作業の如く自動的にクリーニングされる。  無気力に開かれた人形的な口に掃除道具が突っ込まれ、シリコンが傷つけられない程度の出力で冷たく磨かれていく。  体表面や膣内の洗浄が終了すると、後頭部が開かれ電子頭脳の調整が行われる。  息もせず自律稼働もしていない状態のまま、上下左右バラバラに眼球が動かされ、何かを喋っているように口が意味のない動作を行い、膣部がひくひくと奇妙な動作を行う。  内部のフォルダ整理が行われると、彼女達は改めて組み立てが行われ、次の動作の時まで格納庫へと仕舞われる。  表側の華やかで幻想的な世界の裏に広がる、金属の質感に染まった真逆の光景。  テイルスランドの世界観を作り上げるために造られた機械人形達は、こうして今日も、明日もそれからも人々を喜ばせ、真実なる虚構の世界で動き続ける。

Comments

大人から子供までみんなが楽しめる楽園!

土装番

オトナの楽園でいいですね!

R.G


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