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土装番
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素人スカウト企画 機械の女性の淫らな姿 1話先行公開版

 アンドロイド、そしてサイボーグとなるための度合い自由な機械化手術が浸透して幾十年。  ごく一般的な生活にまで浸透した機械達は、今や隣を見れば該当するものがいると言っても過言ではないほどのものとなった。  中身に金属部品が詰まっていても、肉の塊が詰まっていても、それはただの個性と変わらない。  人と機械が芯まで溶け込む。そんな垣根の無い時代が訪れていた。  そして当然、人間にしか味わえない体験、機械にしか味わえない体験というものもそれぞれ存在する。  そのどちらを選ぶかは、まさしくその人次第。そして自己責任である。 * * *  都内某所。とあるなんの変哲もない清潔な外観をしたビルの一室。  そこそこに広い空間に、壁に隣接するように設置されたダブルベッドとその周辺をカバーするように敷かれた絨毯というそこそこにシンプルなグラデーション。  その反対側には、まるで別世界のような、撮影機材や何に使うかわからないようなものまで、様々な機器が備えられていた。  そんな一つの場所に二つの世界が同居しているような空間では、度々あるジャンルの映像作品が撮影されている。  この日も、その作品の収録が行われようとしていた。 「今日はありがとね、私達の撮影に参加してもらって」 「いいのいいの! あたしこういうの、やってみたかったんだよねー」  ベッドを椅子のようにして座る、スカートの短い高校の制服を着用した一人の少女。  光沢を帯びているようなつやつやとした、汗一つかく気配もない綺麗な白い肌に、黒くさらさらとしたセミロングヘアー、大人へと成長している雰囲気が漏れながらも学生的な感じが溢れる整ったアイドル的容姿。  制服の下からやや目立つように盛り上がる胸と、両脚を合わせていることによってぶつかりあい形が小さく変わっている太もも。その奥に小さく見える白い下着。  下着と太ももの間は、汗というよりもまた別の水分で蒸れているような様相を見せる。  清楚という言葉が形になったような、男の心をえぐる程に射抜く容姿とは裏腹に、その言動はやや遊んている感じを出していた。 「それじゃあ、まずは名前を教えて?」  彼女の正面に立つスーツを着た女性が、一つ一つ質問をぶつけていく。 「はい! 私の名前は……西元真織です。あっ、もちろん偽名ね」 「身長と年齢と……あと、測ってたらスリーサイズも」 「えっと、身長は165で、B83W59H83でーす」 「いいカスタマイズしてるじゃない。それで、街中じゃああなたの身体の構成しか聞いてなかったけど……真織ちゃんはアンドロイド? それともサイボーグ?」 「それって重要なの?」 「ええ、とっても。私達がスカウトしてるのは所謂生身の無い、100%機械の人だけだけど、それでもそこから製造所で生まれたか、人間のお腹から産まれてその後機械になったかで需要も全然違うのよ。それがこの作品のジャンルなの」  中身がちぐはぐな一室で行われていた撮影とは、機械女性のみに焦点を当てた18禁の映像作品。所謂アダルトビデオだった。  街中での声かけ、または応募によって素人から選出。その人物に様々なOK、NGを撮影前に、時にはインタビュー中に質問し、それの内容に沿っていかがわしい映像を撮影していく。  それが、この作品の内容である。  ギャランティは女優の容姿タイプ、プレイ内容、出生等のいくつもの要素によって変動し、過激であればある程にその価格は上がっていく。  作品内容によっては当人のアイデンティティにも関わる物も存在するため、破格のギャラを支払われることもある。  しかしそれを行おうというものはほんの一部。だがそれだけのディープな需要が存在しているのである。  今回撮影される、偽名、西元真織もその一人。  彼女は映像内でインタビューを行っている、元人間の女性スタッフ、米澤亜希子によって街なかでスカウトされ、そのまま撮影所へと向かっていったのだった。 「ふーん……そうなんだ。知らなかった」  話しかけた場所からスタジオまで距離が近かった為、道中での説明を最後まで終えられず、その上真織側の事情もあるために撮影内での質問にシフトすることとなった。  その経緯もあって、真織は初めて出生による需要の違いというものを知った。 「まあ、私はアンドロイドよ。工場で一から生まれたの」 「あらそう、アンドロイドね……それじゃあ、設定年齢と実年齢は?」 「あっ、そういうの聞いてくるんだ……設定年齢は17歳で、実年齢はまだ稼働から2年よ」 「それじゃあ、あなたの人生は高校からのスタートってことなのね」 「そういうこと! だから人間やサイボーグの同級生と昔の話になると、あまり話に入れなかったりするの」  一見重い内容に聞こえる話を、当たり前のように明るく話す真織。  亜希子も同様に、その話題から深く広げずに話を続ける。  「結構軽そうな雰囲気してるけど……そういう人格なの?」 「うーんっと…………いつもはこういう人格じゃないんだけど、遊びたくなった時に変更する……みたいな? ほら、明るく軽い方が細かいこと気にしないし!」  自分には現在のそれとはまた違う人格が存在することを示唆する真織。  そこに興味が湧いた亜希子は、さらに掘り下げてみることにした。 「いつもはどんななの?」 「いつもは……どういったらいいかわかんないけど、優等生的な? 悪いことせず真面目に品行方正っていうか……」 「あ、それじゃあ、その見た目通りに清楚な委員長タイプとか?」 「そうそうそれ! 話がわかるー!」  人格という個人個人のアイデンティティをアクセサリ程度に考えている価値観のもと、楽しく人格タイプトークを繰り広げる二人。   「じゃあちょっとその人格動かしてもらうとかはできる?」 「えー、そしたら私だってバレちゃわない? それに、そっちの人格だと撮影すら嫌になると思うし」 「大丈夫。この映像は配信する際には厳重なプロテクトがかかってるから。それに、キリのいいところで遠隔操作してあげるからさ」  現在の彼女と本来の彼女のギャップを押さえるために頼み込む亜希子。  それだけちゃんとしているならと、真織はちょっとだけ不満そうな表情を見せ、それからふっと無表情になった。 「人格データを変更しました。…………あの、これでいいですか……?」  それまで明るく奔放に振る舞っていた真織は、突然目を細めて戸惑い怯えているよう仕草を見せ始めた。  発される声もトーンは落ち着きながらもどこか怯えているような雰囲気があり、カメラからも目を逸らしていた。 「あら、中々いいじゃない。むしろ見た目的には確かにそっちが似合ってるし、ユーザーの心も掴めると思うわ」 「あ、あの……な、なんだからものすごく恥ずかしくなってきたので……帰っていいですか? 私、こういうビデオに出るの…………外部からの信号を受信。人格データを変更します……」  真織が事前に言っていた通り、下を向き視線をきょろきょろと動かし始め、顔を赤らめながら撮影の中止を求め始めた。  亜希子は遠隔操作から擬似人格を変更し、それまでのちゃらく軽い人格へと引き戻した。  真織の表情は再びぱっと明るくなる。 「やっぱりそんな風に感じちゃうよね。だからこういう時はこの人格の方が楽かなー」 「いっつもそうやって使い分けてるの?」 「ううん、今の人格を使うのはほんっとうにたまに。嫌なことがあった時に、憂さ晴らしと気分転換に起動するくらい。よかったら起動ログ確認する?」 「いえ、大丈夫よありがとう。でも、ギャップすごいわね……」 「自分でもそう思うかなー。真面目に学習して、汚い言葉を使わず礼節を弁えて…………みんなのお手本となるように、お淑やかに振る舞っていますから」  一度目を閉じて少しの間を置き、両手をスカートに覆われた太股の上に置く。  そして、真織は本来の自分を真似た透き通るような声色で喋り、空色の如き綺麗な笑顔で首をちょっと傾けた。  まさしく清楚という属性を形にした理想の様相。  惚れ惚れして思わずCPUを熱くしてしまった亜希子は、脳内で滞った処理を完了してから次の句を発した。 「すごいわね……学校じゃ人気者でしょ?」 「視線は捕捉できるかなー。でも、通常の時はそこまで気にしないようにしてる。まだ好きだって思った人もいないしね」  まさしく意図的な二重人格と言えるのだろうか、つい2、3分前とは真逆の協力的な言動を見せる真織。  そういう姿勢はとてもありがたいと思いながら、亜希子は撮影に関する本題を切り出した。 「じゃあ、本題に入るわね。単刀直入に聞くけど、どこまで行けるか教えて?」 「どこまで……って言うと?」 「配信環境の性質上ね、とってもディープな物をたくさん揃えているの。もちろん普通なプレイも可能よ。たとえば……」  亜希子がチェック項目を記したファイルを電子頭脳内に送信する。  そこには、日常ではまず殆ど耳にしないであろう内容がたくさん並んでいた。 「破損プレイ……電子ドラッグ……ハッキング……人格改竄……破損プレイっていうのは?」 「私達って、ボディが損傷する度に、人間と同様の感覚を覚えたりリアクションをするための痛覚信号が存在するでしょ? それを全部快楽信号に変換して、壊れれば壊れる程気持ちよくなるようにするの」  短い人生だが、基礎知識や一般文化のデータベースにも載っていなかった退廃的なので行為を耳にして、思わず口をあんぐりとさせながら興味を抱く真織。 「そんなのがあるんだ……」 「もちろん、本番に入る前に全データのバックアップを取るから、何が不慮の事故があってもちゃんと復旧できるわ。それは保障します。それで、どれをする? リクエストも多少は受け付けるし、全部真織さんの要望に任せるわ」  言うなれば人間で言う一度死ぬことに近いプレイすら行う作品では、きちんとアフターケアも整えられている。  使い捨てで壊れたら即スクラップなどということはせず、手厚い保障で女優の身を整え、元の生活へと返してあげる。  それが亜希子達のポリシーであった。 「うーん、明日も学校あるし……それじゃ、このオナニーと後頭部開放と……あと外部刺激とエラー誘発でお願いしようかな」 「OK。それじゃあこれから機材準備するから、その間にバックアップ取るわね」  本番前の準備はほぼ全て整った。あとは自分が行う性的行為をカメラに残すだけである。  今の人格ではとても乗り気でいるため、早くしたいなーとすら思っている真織。  果たしてどれだけ気持ちよくなることができるのだろうか。スタッフによって首筋の端子からストレージに繋がるケーブルに接続され、バックアップを取る。  その間、周囲はインタビュー時よりも慌ただしく動く。  これからの撮影に期待を懐きながら、真織はカメラに目線を合わせ続けていた。 * * *  バックアップの取得が終わり、残りの撮影準備をしているその最中。  これから常時反応や記憶を記録する為にストレージとの無線接続を行い、本番を待っていた真織。  後方に次々とその為の機材が設置され、期待が膨らんでいくが、ちょっとだけ暇になってきた上に、早くえっちなことがしたいと思考していたこともあって、カメラに向けて妖しい視線を送る。  こっそりと下着を脱ぎ、ベッドの上に置く。そして、ちらっとスカートを捲り、その奥に控えた人工の生殖器を見せつけた。  陰毛や毛穴一つないとても綺麗な陰部。真織は見せびらかすように指で弄り始めた。 「ん…………ん…………あっ…………」  感情値を少しだけ弄り、性感を高めつつ大きな声を出さないようにして優しく自慰を続ける真織。  カメラを動かしていたスタッフは一瞬戸惑ったが、亜希子からのそのまま続けてのサインに従って映し続けた。 「は……あ…………っ…………ん…………」  マイクにギリギリ拾えるかという小ささで、くちゅくちゅといやらしい水音が鳴り始める。  スカートの下で淫らに動く肉壁と指。喘ぎ声と共に表情も蕩け始め、真織は座っているベッドの上にぽたぽたと愛液をこぼし始めた。 「ねえ真織ちゃん、内容液は変えなくてもいい? 制服について渇いちゃうと面倒じゃない?」  撮影以降の生活に気を使った亜希子のアドバイス。  自慰行為に処理を集中させていた真織は、少しだけ遅れて顔を向け、発言内容を整理して返答した。 「あ…………っ…………そ、そうね…………は……あっ…………変えてもら……っ……ても…………ああっ……」  手淫を一切止めることなく、真織はその好意に甘えて人工愛液を取り替えることにした。  彼女自身は問題なく正常に動作しているが、その様子はまるで単純な愛玩人形のようにも見える。 「じゃあ、ちょっとここ開けるわね」  承諾を聞き入れた亜希子は、早速真織の側へと移動する。  カメラに写されるオナニーに耽る女性型の学生アンドロイドの隣に現れたのは、スーツ姿の20代前半程の容姿を持った容姿端麗な女性だった。  服の下からははっきりと盛り上がるように大きな乳房が主張し、引き締まった体型と見るものを欲情させるような太ももと美脚。  画面内には、華やかかつ色欲に満ちた空間が出来上がっていた。  亜希子はスカートとシャツの狭間に手を付け、それぞれを捲り、または下げる。  スカートが下に移動すると、弄り続けていた女性器が影の中に隠れてしまった。 「ねえ真織ちゃん、女性器ユニットを前面にせり出してくれる?」 「は…………ん…………わ、わかった…………わ…………女性器ユニットをパージします」  息を荒くしながら色っぽい声で要望に答えた直後、真織の表情はふっと無くなり、発情していた面影がどこにもない淡々とした声でシステムメッセージを発した。  直後、股間からかちゃっと肉らしさの無い音が鳴り、とても小さな駆動音と共に、スカートをめくり上げながら割れ目が再び白日の下に曝け出された。  自慰を続けていた影響か、身体から明らかに離れた位置にあるにも関わらず、その陰部はひくひくと生きているようにうごめいている。 「こ、これで……いいですか……ぁ…………?」 「ええ。それじゃ、今から中身を入れ替えるわね。オナニーはそのまま続けていいわよ。えっと、真織ちゃんの仕様だと……」  亜希子はバックアップの情報から真織の構造図を読み取り、愛液タンクの位置と取り外し方を確認する。  その間にも真織は、せり出した女性器ユニットにスカートがはらりと被さるという倒錯的な姿のまま、いつもとは違う位置にある陰部を再び弄り始めた。 「ああっ……っ…………は………あ……ん…………」  日常で行われる手淫よりも、どこか感情値に、擬似人格に強く訴えかけてくる背徳感。  割れ目とぽっかりと空いた股間の間に現れた肉筒とそれらを支える配線や機構。それに触れる布がこそばゆく、そしていけないことしているという感覚。  亜希子による作業が進められている間にも、性感と快楽信号に反応して、接続された管から愛液が通り、作り物の肉から飛び出す。  いつも行われている動作のはずなのに、今日この時はとびきり気持ちいい。  亜希子が腹部に触れているのを邪魔しないようにしながらも、真織は小さく右に左に身体をよじらせ、溢れる淫欲を誤魔化した。  学生の意匠である布の下では、ピンク色の筒が快楽に合わせて揺れ動く。 「ここに指を入れて、それで引っ張る……と」  淫靡な喘ぎ声を聞きながら、亜希子はへそに指を突っ込み、軽く関節を曲げて引っ張り上げた。  神経系を通していないのか、へその中を弄られても真織が感じている様子は一切なかった。  人間の皮膚を模した表面を貼り付けられたパネルの下からは、女性器ユニットと繋がる小さなタンク、そして膣から伸びる管が繋がったタンクが姿を現した。  現行で稼働していることを証明するように、無色透明の液体が吸い上げられ、管の中を移動している姿がはっきりと見える。  亜希子はその動作に構わず、タンクの接続を切った。  繋がりを失った管がぷらんと垂れる。 「ああっ! ん……はや体液タンクがパージされました。く……ぅ…………準備……まだ……ぁ………? あっ…………」  途中でシステムメッセージが割り込みながら、次の行程を懇願し始める真織。  今でさえ初めての状況での自慰に興奮しているのに、この先どんな快感が待っているのかと思うと電子頭脳が熱くなる。  擬似人格が荒ぶりながら、クリトリスを弄る手がだんだん激しくなる。 「待ってて真織ちゃん。今取り替えるから」  亜希子は手に取ったタンクを運び、残存した無色透明の人工体液を全て流しに捨ててしまう。  そして、水道の蛇口を捻り、どこにでも通っている水道水を注ぎ始めた。  興奮が途切れない間に戻り、再び接続する。  容器の中身は、先程よりも液体の挙動がわかりやすくさらさらしている。 「ああっ…………も、もっと……早く……ほし体液タンクが接続されました。いの…………あんっ……」  再び感情豊かな言動と無感情な言動が混ざり合う。  膣からこぼれる液体は、どろっと粘ついたものからさらさらとした普通の水へと切り替わった。  亜希子は腹部のパネルを元に戻し、待ってましたと言わんばかりに次の工程に入った。 「ふふ、それじゃあお待ちかね。電子頭脳への刺激を始めるわね。その前に……これ、膣内に挿入してもらってもいい? ほら、やっぱりオナニーだけじゃ味気ないし」  亜希子はスタッフに指示を送り、ある道具を渡してもらう。  それは所謂ディルドだった。 「は……ぁん…………いいわ…………も、物足りなく……あっ…………なってきたところだもの…………ああっ! あんっ…………」  断る理由もなかった真織は、早速そのセラミックで作られた作り物の一物を、樹脂で作られた造り物の膣へと挿入した。  スカートの下の肉筒が、棒の形に合わせて盛り上がる。  肉壁の動作が棒に合わせて咥えるようにいやらしく動作し始める。 「あっ、あっ、あっ…………きもち……いい…………ああっ!」  左手で握り、いやらしい水音をたてながら奥へ奥へと突いていく。  股間の支えが無い女性器ユニットは、その動作に合わせてぐらぐらと揺れ動いた。  真織には、膣に咥えた一物をどのように気持ちよく刺激するかというプログラムはまだ組み込まれていない。  今彼女が行っているのは、搭載されている知識から導き出したそれらしい動作である。  そんな様子を、亜希子は舐めるような視線で見つめていた。 「初々しい動作ね……まさしくその為の挙動が組み込まれてないって感じの。セクサロイドじゃないんだし、そういうものよね」  性的な目的の為に作られたアンドロイドではなく、人間と同様に日常を過ごし生活する女性型アンドロイドが、カメラの前で機械にしか出来ないような行為と、人間らしい卑猥な仕草を見せるというやや歪んだ欲望。  それを見て興奮するものがいるからこそ、需要と供給が満たされる。亜希子もその一人である。  そんななんでもない学生の機械脳に悪戯できるということに内心わくわくしながら、早速真織の後頭部を開放した。 「だめ……ああんっ! つ、突いて、突かれるのきもちいい……こんな電子頭脳を開放しました。にきもちいいなんて…………はああっ!」  毛髪が植え付けられた人工頭皮が張り付けられた頭部が左右に開き、中から人間の脳の形に大まかに似せられた電子頭脳が曝け出された。  その電子部品の塊に、西元真織という存在の全てが詰まっている。 「これが、真織ちゃんの脳です。ここに彼女の思い出や感情が詰まってるんですよ」  亜希子は瞳のレンズを収縮させ、フェチズムを煽り立てるような映像を自らの脳に保存する。  視界に写る光景は、現在行われている撮影の一つに含まれる。  さらに続けて、バックアップを取ったばかりの首筋の端子に、別の端末機器から伸びるケーブルを接続する。  これで全ての準備は整った。 「さ、もうすぐ本番よ。真織ちゃん、今の調子はどう?」 「あんっ! あっ! はああ…………あはあっ! ち、調子……ぃ……だ、大丈夫……です……こ、こんな道具……使ってのオナニーが……き、きもちいいなんて……し、しら………はあんっ!」  ディルドを使用した自慰が予想以上に気持ちよかったのか、本番の刺激プレイとエラー誘発に入る前に、すっかりと快楽の虜になってしまっていた真織。  だが出来上がっているからこそ、逆に丁度いい状態なのかもしれない。もう間もなく彼女は、機械にしか味わえない快楽を浴びるのだから。  割れ目の排出口からだらだらと水を垂れ流し、床の上にぽたぽたと水溜りを作っていく。 「淫乱なアンドロイドね……そんな娘には、ちょっとお仕置きしないとね」  妖しい笑みを浮かべ、微小な駆動音を鳴らす電子頭脳を見つめる。  亜希子は待ち侘びたと言わんばかりに、そっと長い付け爪の人差し指を彼女の中枢に置く。  そして、一回コツンと少しだけ強めに攻撃した。  撮影スタジオ中に、小さなノック音が響き渡る。 「だ、だめ……ぇ…………こ、こうしていた……ひぎっ!? …………???」  与えられた道具、環境、状態で最高のオナニーに耽っていた真織の脳に、突如全身が弾けるような快感が襲ってきた。  人間らしく頬を緩ませながら恍惚な感覚に浸っていた彼女に発生した、得も言われぬ未体験の感覚。  真織は全身をビクンと震わせ、目を見開き一時的に固まった。  理解の出来ない、しかし感覚こそ違うものの手淫をするよりも何倍もきもちいい。  反応への処理を行っていると、今度は接続した端末からジャンクデータが送信され始めた。と同時に、さらにこんこんと頻度を増やして電脳を叩く。 「ぎっ! ああっ、がっ……ええエラー……ふふ不明な不明な……あひいっ!? こここれはこれは何?? ねねね、ねえ、ねエ? 私私私に何が起きてききききもちいいいい!?」  真織の動作や思考を司る箇所にエラーが発生し始め、表情が消えては蕩け、消えては蕩けを繰り返す。  先程まで柔らかかった全身の挙動はかくかくとぎこちないものとなり滑らかに陰部をいじっていた手も、指があらぬ方向へと曲がり始める。 「どう、自分の核を刺激される感覚は。とっても気持ちいいでしょ?」 「は、は、はい。わわ私、こんな、こんなの初めて……ぇ……あっ、あっ、あ…………不明。わわ私ここ壊れ壊されるれてるの?」  かんかんと金属音が鳴る度、快楽信号が全身に響き渡る。  人間で言うならば他殺行為に等しいそれが、今の彼女には快感を発生させる行為として与えられている  絶えず垂れ流しになっていた女性器ユニットからの水道水が、ぷしゅぷしゅと歯切れが悪くなり、ディルドを咥えた膣がぶるぶると電動式オナホのように震える。 「壊れてはいるけど、身体は壊さないから大丈夫よ。でも、内蔵データは多少破損するかもしれないわ。でも、その為のバックアップだから安心して」 「は、はい、わかったわ、了承、わかった、わ。でもこんなこんなにきもちいいななな……エラー、エラー」  かろうじて亜希子の優しい囁きに返答するが、システムの音声と擬似人格が発する言葉がごちゃまぜになり、壊れたスピーカーのようになっている。  細かな制御がうまくいかなくなっているのか、口の端から人工唾液がだらんとだらしなくこぼれる。 「ふふ、もうすくイカせてあげるから、そしたら撮影終了よ。今のあなたはとっても可愛くて綺麗だから、ずっとオナニーしてていいのよ」 「嬉しい……ししししたいしたいしたい……する、するをします。わかりました。あっ、あっ、あはあっ! あーーーー」  与えられた指示通り、真織は優等生のような綺麗な姿勢でディルドを掴み、正確な動作で腕を前後させる。  不規則にがくんと震え、淡々と自慰をし続けるその姿は、まるで型落ちの機械人形のよう。  正面を向いた真織の前に指を起き、左右に揺らしてみると、真っ直ぐとカメラの方を向いた瞳が動く気配はない。  僅かな刺激でここまで壊れることは予想外だと、亜希子は訝しんだ。 「まさか、たったこれだけでここまで壊れちゃうなんて……意外とセキュリティが甘いのかしら? それとも耐久性が……」  それらしく原因を考察するが、亜希子の股間には滲み出た人工愛液のシミ、スーツの下から固く立ち上がった乳首の山が浮き出ていた。  彼女が外部からの刺激により崩れていく様を見ているうちに密かに発情し、それが身体の機能に現れていたのだった。 「……まあいっか。それじゃ、後は真織ちゃんがイッちゃうまで、優しくしてあげるからね」  原因究明の思考を中断し、亜希子は撮影へと意識を集中させる。  赤ちゃんに触れるように電子頭脳を優しく撫でながら、絶えず雑多なデータを送信し続け、服の上から胸を揉みほぐす。  生まれてまだ5年すら立っていない女子高生の身体に、未経験の悦楽が同時に与えられる。 「あはっ! は、あ、はああ……ん……あんっ、不明なファイルががが、あつい……冷却をををを、だめえっ! あっ…………ああアっ! こんなに、こコこんなにこわ壊れレれるのが快感なんてえええ……」  口頭ではノイズ混じりの感情豊かな音声と、淡々としたメッセージがぐちゃぐちゃに混ざり合っているが、表情は一貫してマネキンのような無表情を保っている。  ディルドを咥えたままの膣は水道水の潮を噴き、ピンク色の肉に似つかわしくない機械音をたてながら、さらなる性感を求めて押し込められるディルドに吸着する。  刺激され続けたクリトリスはぴくぴくと跳ね、残された人間らしさを表していた。 「あっ、はあんっ! あっ、ああっ! だ、だめえっ! あ、頭ががががか、あああついあついのののの! 不要なファイルをささ削除削除削除、もっとししてしてして、いいイク! 快楽信号がわわ私私が溶けちちちゃう! イクうううううう!!」  膨大な快楽信号とエラーに押し流された真織は、絶頂の瞬間に仮面のように綺麗な顔を、直線的な動作で真上に向け、ぐりんと白目を剥いた。  直後、規則的に全身をびくん、びくんと痙攣させ、膣からディルドを水と一緒にでろっと吐き出す。  しばらくすると、真織はその動作を一時的に停止。ぴくりとも動かなくなった。 「あら、止まっちゃいましたね。真織ちゃん? まだ稼働してる?」  停止していることをわかっていながら、亜希子はわざとらしくカメラにアピールしつつ、人形の頭を扱うように頭を正面に動かし、白目を剥いた目を動かす。  左目だけ瞳の部分を露わにするが、いくら触れても反応する様子はない。どうやら完全にフリーズしてしまったらしい。 「ご覧の通り、真織ちゃんは快感のあまりフリーズしてしまいました。おそらくこの後復帰しても、挙動は壊れたままでしょう。初めての破損体験なだけあって、とっても気持ちよさそうでしたね。それではこれから復旧作業に入りますので、この後の元に戻った彼女の声をお楽しみくださいね」  一旦映像の区切りをつけ、撮影を終了させる亜希子。  直後、手慣れた足取りで修復スタッフが停止した真織の周囲へと現れる。  スタッフは全員女性かつ、機械化または純粋なアンドロイドばかりであった。中には、本来の性別が男性だった者も在籍している。   「さ、急いでお願いね。彼女は普通の日常に早く戻らないといけないんだから」  専門職ではなく一般人のスカウトであるため、そのケアは迅速かつ丁寧にしなければならない。  スタッフがは停止した真織をベッドの上に寝かせ、電子頭脳の調整やメンテナンスを手早く実行し始めた。 「真織ちゃん、いい姿を見せてくれたわね……このまま帰っちゃうのがもったいないくらい…………ええ、ほんとに」  専門知識の無い亜希子は、その様子をじっと見つめながら、撮影中に交わした行為を思い出して股間を濡らしていた。  彼女の欲望を満たしながら実益も兼ねる。機械の女性の色んな面が好きだからこそ造った仕事、そしてレーベル。  亜希子はこの現場にて、誰よりも心の底から愉しみ喜んでいた。 * * * 「今日はありがとね、真織ちゃん。今の気分はどう?」 「ええ、なんだか生まれ変わったみたいにスッキリしてるわ! 世の中にあんなプレイがあるなんて……」  フリーズ状態から復旧し、何事も無かったかのように万全の状態へと戻った真織。  スタジオの玄関付近にて、未だカメラを回された状態で別れのやり取りを交わす。 「こういう気持ちいい行為やその道の人でないとまず触れないから、仕方ないわ。もしまたやりたかったらいつでも言ってね。自分だけでやってうっかり破損すると危険だし」 「そうするわ。こんなにいいことあるんなら、もっと早く知れてれば……」 「すっかり淫乱になっちゃったわね」 「この人格だといつもそうよ。それじゃ、今日はありがとうございました!」  カメラの前で手を振り笑顔を撒き、真織はそのままスタジオから去っていった。  都会の一角にある隠れた天国から、一気に現実に引き戻されような感覚。目の前にはいつも見るようなビル群の光景が写っている。 「なんだか、夢を見てたみたい……」  非日常的な快楽体験を思い出し、じゅっと改めて補充し直してくれた人工愛液が染みだす。  またいつかしたいなと思いながら、真織の脳裏にふと一つの疑問が浮かんだ。 「そういえば、私のバックアップってどうするんだろ」  真織という個人のアイデンティティ全てを構成するデータ群の扱い。果たして削除してくれているのだろうかと考えた。 「……まあ、これだけケアしてくれたし、ちゃんとしてくれてるよね」  徹頭徹尾きっちりとケアしてくれたこともあって、真織の中ではすっかりと亜希子達のことを信頼できる集団だと認識していた。  そんな相手ならば懸念する必要は無いだろうと、行為に満足しきった顔で人格を変更しつつ、ギャラが払われる日時を心待ちにしながらビルから去っていった。  その一方、スタジオでは撮影終了からの清掃に入っていた。 「はい皆さんお疲れ様! 今日の撮影はこれで全部だから、それぞれ機材戻したら帰っていいわよ。後始末は私がやっておくから」  中心人物の亜希子が皆に指示を与え、それぞれに整理をするように促す。  その間に亜希子は、ストレージ内に残された真織のバックアップデータを覗き、にやにやと笑みを浮かべていた。 「……なかなかの上玉ね。こういう清楚タイプな学生って需要あるから、プレミアムサービスにはうってつけ……」 「亜希子さん、撮影データはまたクラウドに送っときますか?」 「ええ、そうして。編集は私がやるわ」 「亜希子さんほんとなんでもやりますね。たまには休んでくださいよ」 「私にはこの撮影が休みみたいなもんよ。いいからとっととやっちゃって」  スタッフと冗談混じりに会話をしつつ、じっくりとデータを吟味する亜希子。  そんな彼女の股間は、撮影時よりもじんわりと湿気を帯び始めていた。 「あと、二人くらいかしらね……ふふっ」


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