二人のアオイ 機械同士の性行為 2
Added 2019-05-28 10:24:39 +0000 UTC「どこからどうしてあげようかしら……いきなり性器からいじってあげてもいいけど、それじゃあ早すぎてその後が続かなそうね。んー、でも、私達は何をやっても気持ちよくなれるけど、自由さに際限がないのも困っちゃうわね……」 葵と碧は、何をしても恍惚な気分になることができる。 通常の性交はもちろん、叩かれ罵られるようなSMプレイ、退廃的な自損行為、全てが彼女達の快楽の糧となる。 人間であれば命すら危ういような、良くて欠損状態になるような行為でも、人間では無くなった二体には、無数に行われた行為の一つでしかない。 壊れたら修理すればいいし、パーソナルデータが破損したならバックアップから復活すればいい。 今の彼女達に死という概念はまず存在しない。それにたどり着くような行為でさえも、ただの見世物や快楽に繋がる現象でしかない。 それ故に、超がつくほどの万能快楽機である碧は、悩みに悩むこととなっていた。 「…………そうだ、ちょっとずつ、ちょっとずつ葵のことを壊していっちゃお。今までに無いくらいにゆっくりと、形を捻じ曲げるくらいに」 そうして、ポーズを取ったまま無表情で動かない葵の側で演算を続けていた碧に、ようやく結論が出た。 それは少しずつ遊びを入れながら壊していき、その反応を楽しもうというシンプルなもの。 途中、いくつかの設定変更や操作を加えては戻して、彼女の機械として従順な反応も楽しみつつ、壊される程に快楽に溺れていく姿をレンズで捉える。 そんな光景を想定しただけで子宮ユニットの疼きが止まらない。 確定したならば、すぐに実行に移すほかない。碧は、背中を少し反らせて色気に満ち溢れた体型を強調する姿勢のままマネキンのように動かない葵の背中に回り、ねっとりと腕や背中を撫で始めた。 人体のように皮脂や汗も分泌せず、余計なシミや産毛もない完璧な素肌。 触る度にその心地よい感触がセンサーを通して電子頭脳を刺激する。 「ふふ、私は記憶をコピーされただけの純粋なロボットだけど……私の素材を加工して作られた葵はどう感じてるのかしら」 ラブドールの関節を動かすように肩を動かし、両腕を後方へと向けて固定させる。 されるがままに身体を操作されるその姿には、かつての人間らしい面影は形以外どこにも見られない。 さらに大きな胸を強調するような、元気な娘が走り出すイメージを想起させるポーズとなった葵の手を、碧は恋人繋ぎのようにして愛おしそうに握る。 ぎゅっと人格データの出力通り、感情を煽るように触れているが、葵は握り返すことすらしない。 じっと白い空間を見つめたままで、無という言葉がよく似合う。 「人格エミュレート切ってるから当たり前だけどぉ……こんなにしても反応しないなんて、オリジナルは本当にシステムに忠実ね」 最も機械的な性質に近い碧が言えたことでは無いが、ぴくりとも言い返さないことをいいことに人間だと思いこんでいる彼女への皮肉をぶつける。 当然今は、海の中に声を叫ぶようなもの。返事など返ってくるはずもない。 それをわかってて、碧はいたずらに笑い、そっと右手で葵の右中指を握った。 「そんな私のことを無視しちゃう冷たい葵には…………こうしちゃうわ」 碧は出力を上げて指を無理やり力を加え、本来の想定された駆動域を超えて無理やり折り曲げてしまった。 小さな金属の異音と、ゴムのように伸びていく皮膜と共に、中指が手の甲へと届くまでに動いてしまった。 何をされても小さな声一つ上げなかった葵。しかし、身体を僅かにぴくっと反応し、レンズが収縮を繰り返す。 「右中指が破損しました。損傷軽微。右腕部の動作に支障なし」 身体に発生したダメージに電子頭脳が反応したのか、人格エミュレートが稼働していない葵は淡々とその状態を虚空に向けて報告した。 骨を折るという激痛を伴う行為のはずなのに、損傷軽微と平然と言えてしまうところが、なんともシステムに支配された非人間らしさを感じさせる。 「報告するだけ。損傷も軽微かぁ……ふふ、指が折れてるなんて、普通なら泣いちゃうくらい痛いわよ? 私も、そういう動作しちゃうだろうし」 本来の葵ならばどのような反応をするだろうか。そもそも彼女の人格でなくとも、人間なら悲鳴を上げて指を握り、その場でのたうち回って泣いているだろう。 そのくらいのことは碧にもよくわかる。彼女の人格をコピーされているのだから。 そんなごく当たり前の反応すら見せない彼女がなんとも愛おしい。人肌色をした偽物の皮を被った機械人形という言葉が自分よりもよく似合っている。 面白くなり始めた碧は、次々と右手を、分別のつかない子供のように壊し始めた。 「右人差し指が破損しました。損傷軽微。右薬指が破損しまし、右親指が破損しました」 人差し指を同じように折り曲げ、薬指を真横に折り曲げ、親指を捻って快音を響かせる。 乾いた音が静かな空間に鳴り響く度、葵の全身が小さく反応した。痛みを覚えて揺れているのではなく、壊されることを電子頭脳が快感に感じているのだ。 未だ後方に固定されたまま、芸術品のようだった葵の美しい指がボロボロになった。 皮膚は千切れ、血の流れない内部機構を曝け出す。 「どう葵、右手の指は動く?」 「…………右親指のみ稼働可能です。直ちに修理を行ってください。正常なパフォーマンスを行えない可能性があります」 とても機械らしい堅苦しさがこびりついた「とても痛いから早く直して」というメッセージ。 それとは裏腹に、葵の女性器ユニットからはぽたりと愛液が雫を生み出していた。 それまでの行為よりも性的な刺激が足りていないのか、無言の絶頂には至らず、作り物のクリトリスがひくひくと揺れる程度に収まっている。 葵と碧は、壊れる程に性器から発される快感に匹敵する、もしくはそれを大幅に上回る快楽信号を得ることができる。 元人間に備えられるにはあまりにも退廃的な仕様だが、それが彼女達の存在意義でもある。 やはり指だけではジャブ程度にしかならないかと、一応想定通りではありながら、碧は思考を巡らせる。 そして、五秒も経たないうちに碧は次の手に移った。 「あれだけ生殖器やアナルで気持ちよくなってたんだから、これだけじゃまだ足りないわよね。左手はもう少し壊してあげる」 自分と99%同一の相手に行うには、傍から見ればなんとも奇妙な光景にちがい無い。 碧はそれが好きで仕方ない。葵に歪んだ愛情を持つように設定されているからである。 「さ、葵はもっと壊れて気持ちよくなりましょ。ゆっくりゆっくり、だんだん自分の形が崩れていって、でもそれがとっても快感。葵も、私も、外から見てる人達もそれを望んでるの」 催眠音声のような心地よい声色と周波数で、胸が潰れる程に密着しながら耳元で囁く碧。 今のただ音を聞いて判別するだけの葵相手には意味のない行為だということは承知している。 これは、ただ碧の人格データが昂ぶるための、所謂ルーチンのようなものである。 「葵、どう? 手がきもちいい?」 恋人繋ぎで固定した左手を、ゆっくり、ゆっくりと怪物のような力を入れて回転させて捻じ曲げながら握り潰していく。 金属の悲鳴が鳴り、手首の皮膚が裂け、手のひらが少しずつみしみしと潰れていく。 その異音に合わせるかのように、葵の身体がびくん、びくんと規則的に痙攣し始めた。 人工の肌越しに、葵の内部機構が動作を激しくしているのが感じられる。それが碧にとっては極上の嬌声だった。 そして、 「左手が破損しました。動作不能と判断。直ちに修理を行ってください」 「そんな普通の報告しちゃって……性感帯でもないのに手が気持ちいいんでしょ? 素直に言ってみてよ」 人格エミュレートが切られているからそのような形での発言しかできないことをわかっていながら、いたずらに碧は今の興奮を言葉にするように煽った。 「………? ……?? 現在当機体には過度の快楽信号が発生しています。発信源は右手及び左手。破損度の高い左手からの信号が、電子頭脳への強い影響を及ぼしています」 柔軟性に欠けた質問からの間。そして瞳の奥を激しく大小させ、中枢を熱くさせながらようやく回答する葵。 その声に一切の感情は見られないが、背後からの碧視点でもわかる程に、股間からぽたぽたと体液をこぼしていた。 ちょっと回り込めばわかることだが、はたして彼女は今、どんな状態で快楽信号を処理しているのだろうと思考すると、身体中が熱く沸き上がる。 こうなれば、ちまちまと考えるよりも大きな電子的性感を与えてあげたくなると、碧は一気に葵の両腕を破壊してしまうことに決めた。 「こんなにボロボロになっちゃって……でも、気持ちよさそう……今の葵は私の操り人形だから、してもらうことはできないのよね」 自分を壊しているのに自分が壊れることができない、ほぼ同一人物でありながら他人であるという倒錯したジレンマが、人格データに発生する。 新たに組み込まれた設定と本来の性格が組み合わさった結果の反応だが、それが新たな状況を作り出す。 「これで手を動かせなくなっちゃうけど、どうせ修理されるし、気持ちよくなれるからいいわよね……ふふっ」 退廃的な思考のもと、碧は先程潰したばかりの両手を握り直す。 左と右で損傷の具合は歴然だが、内部が空気へ晒されているのは同じだった。 そして、碧は掴んだその壊れかけのパーツを、出力を上げて笑顔で潰し始めた。 みしみしと軋む音、ぽろぽろとこぼれ落ちる人の形を創る部品、剥き出しになったパーツが当たり抉れる碧の手のひら。 ぴくぴくと痙攣しては、両手をがたがた激しく震わせる姿を見て、そして壊せば壊す程に、碧の性欲が強まっていく。 元々その過ぎる程に整い、情欲を湧き上がらせる体型をしていた葵だが、破損度が上昇する度に身に纏う色気がさらに引き立っているように感じられた。 そんな状況に思わず、碧は股間から愛液を垂らしてしまった。 「あはっ……まだ私には何もしてくれてないのに、熱くなってきちゃった……ふふ、それじゃあこれ……でっ」 碧は既に原型を留めていない、人間の手だった残骸を強く握り、ぐりっと無理矢理手首を回転させた。 無数の配線が断線し、金属骨格が歪に捻じれ千切れる。 未だポーズを取ったままの葵は、両手が身体から離れた瞬間、跳ねるように前進を震わせ、声もあげずに胸から乳液と、陰部から人工愛液をとろとろと垂れ流した。 「あーあ、これで何も掴めなくなっちゃったわね。そんな葵も可愛いけど……」 失われた手首の断面が、ばちばちとショートを起こす。無表情にも関わらず、その動作はうめき声を形にしたかのような様相だった。 「こんなんじゃまだまだ足りないわよね。ねっ、葵?」 「両手首からの信号が途絶ししししました。至急メンテナンスを行ってください。」 自身の状況に合致した正しいメッセージを発する葵。その中で、音飛びのように声が痙攣したのを確認した碧は、鉄面皮の裏側で快楽に浸り、よがっているのだと認識した。 「そっか。やっぱり私達には気持ちいいわよね。次はもっと良くしてあげる。今回の葵はされるがままになる運命なんだから、腕なんてあってもただの性具にしかならないでしょ?」 そういって碧は、両手で葵の腕を包み、頬擦りをしてその感触を頬に味わいながら、撫でては爪で食い込ませ、軽く噛んだりした。 自分のオリジナルに対する変態的な愛情と性欲をぶつける碧だが、これは彼女はそうプログラムされた結果によるもの。 もっと葵を愛してあげたい。自身の玩具であるオリジナルを、自覚できない愛玩人形であるオリジナルを幸福感で満たしてあげたい。 今回の碧は、起動前に愛情を通常時よりも高くなるようにセッティングされたため、ややオーバーにも感じる振る舞いすらも見せるようになっていた。 そして、ずっと抱くように触れていた腕を、碧は二の腕から思いっきりへし折ってしまった。 皮膚はしわを造りながら内側の破損した機構を強調し、重く鈍い異音を響かせる。 無抵抗の葵は、扇情的なポーズのままかたかたと震え、さらに液を放出する。 「あは……とってもいい姿してる……こんなになっても何も言わないなんて、葵ったら……」 動かすことのできない第二の関節ができあがり、折れた腕をぷらりと揺らす。 オリジナルが自分にされるがままになっていくごとに、次々と邪な感情が湧き上がってくる。 まだまだ壊してあげたい、もっと気持ちよくしてあげたい。まだこんなものじゃ足りない。 破損した後のリアクションを問う前に、碧はもう一本の腕も勢い良く折ってしまった。 「どう葵? 気持ちいい……? 今の破損状況を報告しながら言ってみて?」 背中と密着し、両肩を握りながら耳元で囁く碧。 痛みを感じることなく、レンズを激しく収縮させて震える葵は、その命令に答えた。 「右腕部、左腕部がはそ、破損しています。ただちにしし、修理を、修理を行ってください。このままでは動作に重大な重大な支障を…………はい。現在在、当機体には膨大なかかか快楽信号が……」 感情の起伏や一切ない基礎人格にすら影響が及ぶ程の快感と処理が、葵の電子頭脳に襲いかかっている。 腕を壊すという暴力行為で、これだけ機械的にポーズ固定と報告の命令を遂行しながらよがる姿が愛おしくて愛おしくて仕方がない。 思わずつられて愛液を垂らしてしまった碧は、感情値の衝動に任せて両腕を完全にもぎ取ってしまった。 「発生してしてしていますすす。左腕せせ接続接続部、右腕左腕接続部が破損破損破損。信号が検出されまされまままま……???」 ぴくぴく震える、言動が狂うだけで一見無反応のように見える葵の全身だが、快楽信号と同調して駆動する女性器ユニットは何度もぐにぐにと欲求を満たすように動き、眼球も瞳が小刻みに震えている。 電子頭脳の処理能力をフルに使っているからか、小さな駆動音も頭部や体内から聞こえてくる。 その機械的な喘ぎ声は、身体を密着させている碧が一番感じ取っていた。 「腕が無くなっても悲鳴一つ上げない健気な葵……もう大好き……ん……ぅ……」 栓が壊れたように体液を垂れ流す葵の正面に周り、優しく抱き寄せて、ぽかんと開いたままの唇を重ねて舌を捩じ込んだ碧。 機械的な愛欲のやり取りから、人間的、肉体的な交わし合いを行い、自分立ちがどんな形をしているかということを再認識する。 人工唾液によって湿った無味無臭の口内を共有し、同じ液、同じ形の舌、唇から発生する感情値を味わう。 「こんなにしてるのに、ちっとも声すら返してくれないの。私がそう操作したとはいえ、寂しいけどそこが可愛い……」 ラブドールを相手にしているような一方的な行為。 彼女達の出自からすれば、立場が逆であることの方がしっくりくるのかもしれないが、元人間であるというその根源が、人形扱いされている葵には重要な商品価値なのである。 「……そろそろ戻してあげよっかな」 冷たく淡々とした返信ばかりなのに、身体は正直に狂い気持ちよくなっている姿が蠱惑的で楽しかった。 しかしそろそろまた違う姿を、葵の人格エミュレートが示す快感の姿を味わいたいなと、碧は思い始めた。 ばちばちとショートする両腕の断面を放置したまま、碧は無線操作によって改めて人格を起動した。 「外部からのめめ命令を命令を受信しました。動作の停止を解除。人格エミュれれれレートを開始します」 システムメッセージすら覚束ない様子の葵。その一言の後、彼女の表情は少しだけ柔らかさを取り戻し始めた。 だが間もなく、絶頂に達したような声を上げて膝を突き、床に倒れて震え始めた。 「あああああああああっっ!! いいいきなりいきなり何がおおきて起きてるの?? なんだか腕が肩がきききもちよくておかしくなりそうううううう」 断面の駆動部をきゅいきゅいと動かしながら、自分が排出した擬似体液の上で芋虫のようにくねる葵。 悩ましげに両足を伸ばしては擦り合わせ、縮こまり太ももを重ねる。 うつ伏せになっては尻を突き出しようにして腰を上げて震え、仰向けになって大きく仰け反って全身を痙攣させる。 その度に母乳が溢れる大きな乳房は、潰れて形を変えては扇情的に揺れ、見るものを誘惑しているような挙動を見せた。 その横で、宿主を失った葵の両腕は、残存した電気の影響か、時折ぴくりと指が動いていた。 「人格エミュレートしてるとまたかわいいわ……ねえ葵、葵は人間なの?」 「何を何を何をいい言ってる言ってるの? 当たり前じじゃない? 私はにんげ人間だし、どうみても人間じゃない?? へへへ変な変な碧?」 両腕が千切られ、そこから血の一滴も流れず、身体中から体液を流しながら、激痛に顔を歪めず、むしろ蕩けるような表情で嬌声を上げている姿を見て、人間と思うものはいないだろう。 それでも葵は、自身を人間と設定されている限りは人間だと思い込み続ける。かつては本当に人だったにも関わらず。 「そうね、葵は人間よね。ふふっ……あら、体液が出なくなってる?」 そんな滑稽なオリジナルの姿を楽しんでいると、葵から放出される体液の出が悪くなっていることに気づいた。 女性器や乳首から、ぷしゅっ、ぷしゅっと空になる直前のスプレーのように愛液や乳液を出している。 まさしく間もなく残量が無くなるという合図でもあった。 「まだまだ本番はこれからなのに、もうこんなに吐き出しちゃうなんて。葵ったら本当に淫乱なんだから。私もだけど」 葵に向けた言葉は、まず自分にも返ってくるし、自身もそうであるとちゃんと自覚している碧。 やりたい行為がまだ残っているのに、体液が無くてはその気分もやや削がれる。 碧は無線通信によって予備体液を発注する。と同時に、これをお楽しみに組み込んでしまおうかと思いついた。 自分達にとっては、メンテナンスや充填作業等の修復はまさしくセックスやオナニーと同等かそれ以上の価値を持つ。 いつもは他者の手によって、電源を切られた状態で行われる為に記憶にも残らないが、今回は壊れるまでの長い愛情行為。それに組み込めば、身体の奥底から快楽信号を味わえる。 水しぶきをあげてひくひくと痙攣する葵の腹部を優しく、そしていやらしく触りながら、碧はどこまで気持ちよく壊れられるだろうかと、終わりへの想いを馳せた。