連鎖の械機 一話のみ
Added 2018-07-17 09:36:18 +0000 UTCこちらは、後日BOOTHにて販売しようと思っている中編の一話となります。 販売完了したと同時に、こちらの話はpixivにも投稿する予定です。 そして、一話まるごとはお試し版とし、それ以降と合わせてBOOTHににて販売するという予定です。 それでは、お楽しみください。 ――――――――――――――――――――― 世間にアンドロイドというモノの存在の気配が感じられず、人間と共存しているなどというのは創作世界の話だと考えられているある時代。 とある都市のとある高校にて、一人の女学生が机の上で頬杖をついていた。 「なあ、あいついっつも一人で過ごしてないか?」 「ああ、真由のことか? 可愛いんだけど、どこか雰囲気的に近づきにくくてさー」 「なんか隠れて変なことやってるって噂も聞いたんだよな……気味悪い」 その女学生を遠くから見ながら、男子生徒が何気ない評判を口にする。 彼女の名前は野中真由。そのクラスの中でも、美少女の部類に入るであろう可愛らしい娘である。 艶のある長い黒髪に、触らずともすべすべしていると視覚的にも感じられるような白い肌。あどけなさを残しながらも、比較的大人びたような容姿を持っており、その身体も目立つことは殆ど無いが、非常に魅力的な体系をしていた。 その為か、体育の授業に於いては、日常的に注目されないことからのギャップに、一部男子生徒からの視線を集めることも珍しくはなかった。 彼女のその綺麗な容姿は、動かなければ等身大の人形と言われても不思議ではなかった。 しかしその一方、真由が持つ雰囲気や行動から、あまり積極的に仲良くなろうという者は少なかった。 授業にて、先生に指名や注目をされるまではずっと窓の外を見ていたり、何の理由があるのかもわからないまま、隣の生徒を瞬きもせずじっと見ていたり。 このように、真由はその美貌を持ちながらも、やや他の生徒には敬遠され気味であった。 「…………はぁ」 その真由が気だるそうに視線を向ける先には、友人と思わしき生徒と楽しそうに談笑を交わす、明るめの彩色の女生徒がいた。 女生徒の名前は木元紗枝。ふわっと遊ばせた金髪に、ほんのりと焼かれた肌色。それでいてナチュラルメイクの引き立つ整った顔立ち。 成績はそこまで低すぎるというわけでもないが良くもなく、度々校則も破っており、更には外で度々怪しい姿を目撃されているという、所謂典型的な不良生徒といったタイプであった。 「ほんっとキモくない!? 別にあんたの為にこういう服着てるわけでもねーのに触ってきてさ、電車の中もうきっついわ……?」 「ん、どうしたの紗枝」 紗枝はふと、自分に向けられている真由の視線に気がつく。 「いや、なんでもない。そんでね」 紗枝は、その視線の先を一瞬見ただけですぐに反らし、再び友人との会話を始めた。 真由が紗枝のことを見つめていたというのは、今回だけに止まらない。何か気でもあるのかと思われるほどに、気がつくと見られていたということが今までに何度も起こっていた。 逆に、紗枝の方が目を向けると、真由はさっと何もなかったと言わんばかりに、その顔をまた別の方向へと向けた。 このようなことが何回も何度も積もり、真由に対してはストーカーを見るような気味が悪いという悪感情を持つようになっていた。 「ふふっ……次……次……」 ぼそぼそと小さな声で、意味がこめられているのかもわからない独り言をつぶやき、真由はこの後も、流し目になるように体勢を変えたりしながら、紗枝のことを観察し続けていた。 * * * その日の放課後、夕日照らすアスファルトからは少し外れた、植木の木陰に包まれた道。真由は一人、誰とも一緒になることもなく、真っ直ぐ自宅への帰路についていた。 周囲には誰もおらず、環境音透き通る外れ道。いつものように歩いていると、背後から一人の人物が呼び止めてきた。 「ねえ、あんた」 「……紗枝さん?」 真由の足を止めたのは、紗枝だった。 本来であれば、同じ道でもなく一緒に帰る友人もいる紗枝。しかしこの日は、わざわざ真由の後ろを途中まで気づかれないように追いかけてきたのだった。 「名前呼ばないで気味悪い」 その最初の一言に紗枝が返したのは、嫌悪感をこめた否定の罵倒だった。 それを裏付けるかのように、紗枝の目つきは睨み見下すように鋭く、あんたのことが嫌いというオーラを全身から放っている。 「あんたさー、いっつもいっつも何のつもりなわけ? 人のことこそこそ遠くからさー。なんか言いたいことでもあんの?」 「……いいえ」 「はぁーーーー……もうこの際はっきり言うけどさ、あんた、いっつもじとじとしててキモいんだよね。吐きそうなくらいきっついからさ、見るのもやめてくんない? 一緒の空気も吸いたくないっつーの」 不愉快さを理由に、これでもかと罵倒と否定の応酬をぶつけた紗枝。それでも、完全にすっきりしているようではない。 一方の真由は、その言動にも顔色一つ変えず、ただ黙ってその言葉を聞いていた。 「……そうね」 「なんなのよあんた。こんだけ言っても、たったそんだけ? 言い返す気も度胸もないの? どんだけマグロなんだか」 紗枝のイライラが、次々と積もっていく。自分の行動を否定されたことで、多少はたじろぐかと思ったのに、まるで動じていない。 紗枝は更に誹謗を重ねつつ、真由の目の前まで近づいていく。眉一つ動かさないその表情。紗枝はふっと嘲笑を込めた笑いをこぼす。 そして、しびれを切らしたか、何の前置きもなくその頬を力強く平手打ちした。 周囲には快音が鳴り響き、真由の頭はその力に流されるように横を向く。 「ほんっとキモイ。あんた、ほんとはラブドールかなんかじゃないの? いっそ、あたしが男紹介してあげようか? オナホになってる方がずっと幸せなんじゃない? あっはは!」 下卑た表現をこれでもかと交え、徹底的に侮辱する紗枝。 これでようやく、不愉快な奴をはっきりと痛めつけられたと確信する。 「………………うふ、ふふふふ……」 しかし、その不愉快な奴から帰って来たのは、悲鳴や涙を流すといった敗北宣言ではなく、肩を震わせて静かに笑うという、端から見ても異常という他無い返しだった。 「なっ……なんなんだよあんた……頭おかしいの……?」 まだ言い返すなり泣くなりするならば理解できる。しかし、ここで笑うというリアクションに、紗枝は困惑の感情しか湧き出なかった。 急に恐怖を覚え始めた紗枝は、もう相手してられないと、近寄りがたい物体から避けるような顔で、その場からそそくさと去っていった。 紗枝の姿が見えなくなった後も、真由はその場で止まったまま、笑みを浮かべ続けていた。 「ふふふふ……紗枝さん。とっても可愛いわ。一緒になりたい。私と一緒に……」 * * * 次の日、紗枝は当然のように遅刻し、いつものように自分の席へとだらしなく座る。 いつもと違うのは、真由が紗枝の方を見なくなったことだ。どうやら何か、一心不乱にメモを書き記している。 「ようやく懲りたんだあいつ。あんなキモイ真似してたけど、全部演技だったんだ」 これで陰気女の呪縛から逃れられると、紗枝はリラックスした様子でだらっと姿勢を崩した。 「木元紗枝だな?」 直後、閉め切られていた教室のドアが突如開かれる。 そこに現れたのは、いかにも品行方正といった格好と髪型、その精神を表すかのような眼鏡に、それを引き立てる美人と言える整った顔立ち。 そして何より、胸も大きく素晴らしい体型を持つ、男子生徒に人気を誇る、生徒会会長の清瀬花梨だった。 「あぁ? 生徒会長様が何の様?」 「以前から校外での行動が目に余ると聞いている。それどころか、校内でも基本の校則すら守らず、こんなにもだらけているとは」 「あんたには関係ないっしょ」 「これは貴女だけじゃなく、生徒全員の信用に関わる問題だ。少しはこの学校の生徒であるという自覚を持ってもらおうか」 「はぁ? うっざ。そもそも同じクラスじゃないんだし、いちいち口出すなっつーの」 「これはクラスだけの問題ではないと……」 「おい清瀬、もうそろそろ授業が始まるぞ」 舌戦がエスカレートし、いつ取っ組み合いが始まってもおかしくない空気を、入ってきた担任が何気ない一言で遮った。 「失礼しました。……覚えておくといい」 排除できなかったというような悔しい顔で、花梨は教室を去っていった。 「チッ……うざいんだよオナペットのくせに」 「…………」 そんな様子を、真由は興味ありげに観察していた。 何かを書いたメモをポケットに入れつつ、真由は何事もなかったかのように授業の準備へと入った。 * * * 放課後、紗枝は机の中に一枚のメモを見つける。 それは、少し大雑把さの見える線で書かれており、男子生徒の誰かが書いたものかと思わせられるものだった。 「えっと、放課後、東校舎の物置教室で待ってる。話したいことがある……?」 東校舎の物置教室。文字通り使われなくなり物置となった教室で、既に何年もの間、誰かが入った形跡も物を取り出したという様子もない。 まさしく捨てられた教室だった。 「……なによこれ。ま、いこうかな」 簡単にヤれるとでも思われ、人気のない場所に誘ってそういうことでもするのかという可能性は無くはない。 そんな時は逆にふんだくってやると考えながら、紗枝はその手紙通りに向かうことにした。 そして、物置教室。ドアの前はきっちりと避けられているが、教室の外まで、何かしらの道具が積まれている。 ドアのガラスからは、部屋中に詰められた机や椅子の類しか見えない。 「こんなとこでなにしようってんだか」 とりあえずはしばらく待ってみようと、ドアに背を向けてスマホを弄ろうとした紗枝。 その時、ドアがいきなり勢い良く開き始めた。 「へ? きゃあっ!?」 いきなりの事態に怯んだ紗枝は。戸惑いながらドアのほうへ振り向く。 直後、その開いたドアの向こうから、女の手が伸び、紗枝の制服を力強く握った。 その手のあまりのパワーに抵抗もできず、一瞬の悲鳴しか上げることはできず、紗枝はそのまま、物置教室の中へと引きずりこまれた。 「なっ! なにこれ!? ちょっと誰か! 助けて!」 ひとりでに閉じられるドア。その不自然さを気にする余裕も無く、紗枝は何度もドアを叩き開けようとする。 しかしドアはびくともせず、まるで巨大金庫のように固く閉ざされていた。 「無駄ですよ。紗枝の力じゃ絶対に開けられない。私が動かさない限りはね」 背後から、ここにいるはずの無い聞き覚えのある声が耳に入る。 そういえば、ガラス越しに見えた積み上げられた机は? なんでドアがひとりでに開いた? 一つずつ認識し降りかかってくる怪現象。 紗枝はおそるおそる、後ろを振り向いた。 「な、なんであんたがいるのよ……!」 「なんでって、私が紗枝を呼び出したのに」 そこにいたのは、昨日散々痛めつけた真由だった。しかしその様子は、少しどころかかなりおかしい。 まず衣服を、下着すら着用していない。完全に裸の状態。 その表情は、昨日思いっきり叩いた後のような微笑みを見せている。 「だってあれ、どう見ても男の……」 「あれは筆跡をコピーしたの。そうすれば警戒薄れると思って」 コピーと言った意味はわからない。しかし、とにかく紗枝は、何かの目的があって自分を呼び出したということは、紗枝でも理解できた。 「な、なにする気……まさか、昨日の仕返し……」 「やだ、そんなわけないじゃない。私がしたいのは……」 発情した痴女のような様相で近づいてくる真由。紗枝が抵抗する瞬間も与えられず、無理やりその身体を抱きしめる。 その力は男のそれよりも明らかに強く、引き剥がそうとしても全く身体が動かない。 「いやっ! やめ……んぅ……」 身体を縛り付けるように抑えつけた真由が行ったのは、紗枝に対する熱いディープキスだった。 抵抗しようにも真由の力が強すぎるため、ピクリともその手も身体も動かすことができない。 柔らかな真由の舌が、紗枝の生の舌に激しく絡みつく。いやらしい音をたてながら、口内で唾液を混ぜ合わせていく。 紗枝の舌に感じる真由の唾液は、人間のそれとは思えない程、蕩けそうな程に甘く熱かった。 「ん……ふ……ふぁ…………なにこれぇ…………」 しばらく強引なキスを受けているうちに、釣られるようにだんだんと気分が引っ張られ始める紗枝。 こんなキモい奴にキスされるなんて屈辱でしかない。でも、なんでこんなに身体が熱いの? 身体中が疼く。熱い。至る所が敏感になっている。 キスを続けるうちに、元来の感情とは裏腹に身体がどんどん疼いてくる。性欲が溢れてくる。 こんな奴に興味なんてないのに、情欲が止まらない。身体が感情に任せて勝手に動き始める。 紗枝はゆっくりと、自分から制服と下着を脱ぎ始めた。 「ふふ、私のこと嫌いなんじゃなかったの?」 「嫌いよ……嫌い……でも、あふ……早くあたしを気持ちよくしなさいよ……」 涎を垂らしながら、股間からとろんと愛液を垂らす紗枝。顔を真っ赤にし、ふらふらと嫌いな真由のことを求め始める。 しかし直後、その視界は不自然な程にふらつき始めた。 頭がよく回らない。何も考えられない。世界が回る。もっと気持ちよくなりたい。単純な思考をぎりぎりまで続けながら、紗枝はそのままごとりと床に全裸で倒れてしまった。 「心配しないでね紗枝。もうちょっとしたらとっても気持ちよくしてあげるから。私と同じようになってね。ふふふ……」 倒れて痙攣しているようにひくつく紗枝を目下に、欲望にまみれた様な怪しい笑みを浮かべる。 その豊満な乳房をぺろっと舐めながら、真由はその不良女子高生を抱え、腹の上に制服を乗せてどこかへ去っていった。 * * * 「うう、う……ん……あれ? ここは……」 気を失ってからしばらくして、紗枝はゆっくりと目覚めた。しかしその場所は教室の中ではなく、そこそこに広い空間ではありながらも、無機質かつ周辺にはいくつもの巨大な機器が鎮座している見たことも無い場所だった。 「確か、いきなりあいつにキスされて、変な気持ちになっちゃって……」 知らない場所にいることに戸惑う紗枝はよく周囲を見渡して確認してみようと、目や首を動かそうとした。 だが、いくら動かそうとしても、首は動く気配は無かった。まるて、自分の身体ではないかのように。 「気がついた?」 目を覚ました後で聞こえてきたのは、あの忌々しい真由の声だった。 今思えば、あの時、妙な気に当てられたのかもわからないが、この不愉快な女に欲情した自分があんまりにも馬鹿で仕方ないと嫌悪する。 だが、ふと紗枝は疑問に思う。この声は耳から聞こえてきたわけではなく、脳内に響いてくるように聞こえてきたのだった。 考える間が与えられる前に、上向く視界の中に、真由の顔が入り込んでくる。 この時の真由は、物置教室の時と同様に衣服一枚すらも着用せず、惜しげもなくその身体を晒していた。 「あんた、私に何したのよ」 「さあ、何したでしょうか? 身体を動かしてみて?」 その声に従うのは癪だが、紗枝は言われた通りに自分の身体をいつものように動かそうとした。 「……動かない。なによこれ、なにしたの!? 言いなさいよ! 言え!」 紗枝の身体はぴくりとも動かなかった。しかもそれは、縛られているとか押さえつけられているというものではない。一切身体を動かしている感覚が無い。まるで首から下が虚無になったかのように。 「すぐに教えてあげるから、もう少し待ってね」 「ふっざけんじゃねえ! とっととあたしを解放しろ! おい! このクズ!」 昂ぶった怒りの感情をひたすらにぶつける紗枝。 それを物ともせず、真由は表情を崩さないまま、視界から離れていった。 直後、下半身に感覚が戻り始めた。しかしその場所は、足や腰ではなく股間。つまり女性器の部分である。 「どう? 気持ちいいでしょ?」 視界に入らない位置から、くちゅりといやらしい音が響いてきた。 何をしているのかは視界に入らない。しかし、その音に連動するように、紗枝の脳に刺激的とも言える強い快感が駆け上り襲ってきた。 「あああっ! んあっ、ああっ……あああっ……なにしてるのぉぉ……あんっ……」 「可愛い声出すのね。まあ、紗枝自身すっごく可愛いけど。……何してるのか見たい?」 歯を食いしばり、抵抗するような表情で快感をその身に受ける。何が起きてるのかわからないけどとても気持ちいい。でもこいつの前でそんな姿を見せたくない。 いくつもの心情が交わる中で、面白がるように語りかける真由。その態度に、気持ちよくなりながらもイラつきを覚えた。 「みせ……なさいよぉ……ああっ! ん……きもち……よくな……いいっ!?」 「抗ってる様がまたかわいい……いいわ、見せてあげる。ほら、これ何か分かる?」 何か機材を動かすような音の後で、真由は紗枝の視界の中に、何やら肉感溢れる道具を持ち出した。 その姿はまるでオナホールのようだが、まるで人間のそれと遜色無い程に精巧に作られた表面と割れ目。その裏側に見られる、まるで人間の肉をそのまま使ったような鮮やかな色をした太い管、それに合わさる金属の部品。 その末端には、何かに繋がっているらしい何本ものケーブルが伸びていた。 「それが……はぁ……はぁ……なによ…………」 「まだわからないの?」 やっぱりそこまでおつむは良くないなぁと思いながら、真由はわざとらしくまじまじと、ひくひくいやらしく動くその割れ目を見せ付ける。 そして、それに指を滑り込ませつつ、その表面の向こう側の肉壁を強く握って見せた。 「っっ!!?? ああああああああっっ!!?!」 直後、かつて無いような、濁流の如き快感が紗枝を襲った。 こんな気持ちいい感覚は今までの人生の中でも感じたことはない。気まぐれに打ったヤクでもこんなに気持ちよくはなかった。 紗枝はその脳に刺さるような快楽を享受する。 そして、背筋が伸びてしまいそうな感覚が落ち着き始め、冷静さを取り戻した時、紗枝は目の前にあるそれの正体を少しずつ理解し始める。 「まさか……っ……はっ……あっ…………それって……」 ぴくぴく痙攣する頭。目の前にあるオナホの正体を察するにつれ、紗枝の顔ははっきりと青ざめていった。 「そう、お察しの通り、これはね……紗枝の女性器よ。今は正確には女性器ユニットだけど」 その言葉に、紗枝の思考は一瞬で固まった。言われてることの意味が分からない。どうして自分のあそこが身体から離れてる? どうして指入れられただけでそんなに感じてる? 点と線が次々と繋がっていき、紗枝の脳裏に最悪の予想が生まれる。 「い、言ってる意味が、わからな」 「嘘。もうわかってるんでしょう? それじゃ、これでどう?」 既に紗枝には、罵倒をぶつけ罵るような気力は残っていない。 真由は紗枝の頭を掴み、ひょいと軽く持ち上げた。その瞬間、考えられた最悪の未来は現実のものとなった。 「そんな……私、私……」 目の前に広がった首下の光景。それは、下半身、上半身、そして持ち上げられた首に分けられた、紗枝自身の身体だった。 それぞれは配線によって繋げられ、離れているように見えてもきちんと接続されている。 女性器ユニットに繋がっていたケーブルは、したくもない予測通りに股間から伸びていた。 「いやあああ――――――」 何度も見てきた自分の身体を見間違うはずも無く、嫌でも認識させられる、自分の身体がバラバラになってしまった事実。 一瞬で噴きあがる恐怖と衝撃に耐えられず、紗枝は振り絞るような悲鳴を上げた。が、それは、途中で電源を切られたように、ふっと無音となった。 「うるさいよもう。いきなり悲鳴を上げるなんて、近所迷惑ですから。あれ、紗枝? 紗枝?」 紗枝の顔は、叫んだ瞬間のまま固まり、表情一つ動かなくなった。どうやら不具合が生じてしまい、フリーズを起こしてしまったらしい。 「そんなに衝撃だったんだ。人間って、案外繊細なのね」 観察結果のように現状の状態をつぶやきながら、真由は、紗枝の後頭部をカバーを外す様に開き、すっかり生身の名残が一切残っていない電子頭脳をさらけ出す。 そして、端末から伸びる配線を接続し、なにやらキーを打ち込み始めた。 「予期せぬエラーが発生しました。再起動後、指定されたファイルを実行します」 紗枝の口から、無感情極まる声が発される。 それまでの卑しいほどに生に満ちていた声も表情も、すっかり無機質になり、まさしくそれはシステムボイスと呼べるものだった。 「うう、う……ん……あれ? ここは……あっ、あんた、私に何したのよ」 「あっ、バックアップデータの方起動しちゃってた」 最初に目を覚ました時と殆ど変わらないその返答。真由は紗枝の質問を意に返さず、すぐにスリープモードに戻した。 「なんか言いなさ――――」 「えっと、動かすのはこっちね」 「…………ひっ! な、なんなのよこれ……私の身体が……こんな……」 「どう? 私に言ったラブドールになった気分は。あ、こういう時はセクサロイドの方が正確かも」 自分が真由に向けた罵倒が、本当の意味で、事実を以って跳ね返ってきた。 今の自分は機械になっている。信じたくはない。これは夢だと思おうとしても、視界の中に広がる事実がそれを許さない。 「なによ……あの時のこと、本当は根に持ってたの……だからこんな……」 「えっ? そうじゃないわ。だって、あれは事実だし」 そう言うと、真由は見せびらかすように自身の豊満な両胸を鷲掴みにする。 それに連動するように乳首から乳液を垂らしながら、そのまま左右へと開いた。 「あ……う……そ……」 「私ね、最初から機械なの。だから、ダッチワイフだのラブドールだの言ってたのはある意味正解だったわ」 次々と起こる非現実的な光景に、開いた口が塞がらない紗枝。 理解が追いつかないながらも、紗枝は振り絞るように、脳裏に浮かんだ言葉を口にした。 「何が……目的なのよ……こんなに、して……」 「目的なんて決まってるじゃない」 待ってましたと言わんばかりの表情で、真由はぐいっと顔を近づける。 綺麗な顔立ちをした二人が間近で顔を合わせているのに、その隙間に呼気は発生していない。 「私ね、紗枝のことが気に入ってたの。だから、いつか一緒になってほしいなー、一緒のものになってほしいなーなんて思ってたの。だからね、紗枝のこと改造しちゃった。もう身体には、生身の部分なんてないよ」 その言葉に、紗枝は絶句するしかなかった。 あまりにも一方的なエゴまみれの欲望と行為。それを実行する異常さ。 明らかにこいつはイカれている。そう思うしかなかった。 「じゃ、これから最後の工程に入るわね。まだ電子頭脳の調整を完全に終えてなかったの」 これ以上何をされるのかと、恐怖に怯える紗枝。 真由は端末に手をつけながら、その画面を眺めて楽しそうに笑う。 「ねえ紗枝、誕生日はいつ?」 唐突に投げられた、それまでとは全く関係ない話題。 戸惑いながらも、紗枝はそれに答えることにする。 「え、9月10日だけど」 「誕生日はいつ?」 「なんでもう一回……5月29日だけど」 「へえ……」 たった数秒前の質問に、何の疑問もなく全く違う回答をする紗枝。その姿に、真由はとても楽しそうに笑う。 再び端末に何かを打ち込むと、紗枝の表情が一気に青ざめた。 「な、なんであたし……誕生日を間違えて……」 「驚いた? 今の紗枝の人格や記憶は全て電子情報になってるの。それを私が外部から改変することもできる。だから、誕生日を書き換えられても、設定にしたがってそれを何も疑問に思わなかったのよ」 ここまで説明されれば、そこまでおつむの良くない紗枝でも、これからされることが嫌でも理解できる。 真由は、好き勝手に人格や情報を弄くり回そうというのだ。 「や、やめろ……やめ……て……」 自分が消されてしまうかもしれないという恐怖に怯え、口調が一気に弱気になる紗枝。人間的に漏らしている動作を行っているのか、女性器ユニットがひくひくと動いている。 しかし真由はそれを面白いと思わなかった。 「うーん、紗枝にそんなに弱気になられてもおもしろくないなあ。最後くらいは、強気でいってほしいな」 端末の画面内に表示される数値の変化やプログラムの挙動を見ながら、そこに手を加えていく。 すると、紗枝の表情はだんだんとそれまでの強気を取り戻し始めた。 「ふざけんなよラブドール女! 絶対に仕返ししてやるからな!!」 首を左右に揺らしながら、元気に怒号をぶつける紗枝。その姿を見て、真由は楽しそうな悪い笑みを浮かべた。 「そうそう。これならやりがいがあるわ……ふふっ、それじゃあ始めましょうか」 反発する姿を背景に、声をBGMに、真由は端末を操作し、最後の仕上げを始めた。 「な、なんなのこれ……頭の中が……ちょっと! あたしをどうしようっていうの!?」 少しずつ、紗枝の中で何かが変わっていくような、変えられていくような感覚を覚える。 今までの自分が不自然のような、変えられてしまったのだろうかちうぐちゃぐちゃな思考が入り乱れる。 「ねえ紗枝、私のこと好き?」 この女は一体何を言っているの。こんな気持ち悪い人形女のことなんか嫌いに好きに決まって、嫌い嫌い好きすきすきすき好き嫌い嫌い好きなの。こんな可愛い気持ち悪いじめじめした見つめてくれて不愉快不愉快不愉快もっと見てほしい可愛い嫌い好きな真由のこと陰険女真由のことは好きなの好き嫌いキモい好き好き好き好き????? 「ふふ、抵抗してる抵抗してる。それじゃ次は」 左右両方の眼がばらばらに動き、呻き声を上げる紗枝の頭部。 続けて真由は、女性器ユニットとの接続をそのままに、誤作動やバッティングが起こる度に性感が発生するように設定する。 「あアあaぁぁAアアaぁaああ!!??」 女性器ユニットが、まるでバイブのように震えながら動く。身体へ接続された細長いホースから人工愛液が移動し、潮吹きのごとく排出していく。 音割れせんばかりの快感と改変の悲鳴が鳴り響く。自分の意識が弄られる気持ち悪さと快楽、その違和感を自然に受け入れる機械感と違和感を思考する人間らしさ。それらが入り混じり、紗枝の姿はまるで壊れかけの機械人形のようだった。 「あはは……そろそろフィニッシュかな。最後はちょっとお楽しみに……」 真由は一度、改変作業の手を止める。 乱れに乱れていた紗枝の頭は悲鳴を止め、見せ掛けの息切れと規則的な痙攣をしながらようやく落ち着いた。 「ああア……あたし……早く離……真由を……好き……を……」 紗枝の思考内では、真由に対する抵抗を示しているのかもしれないが、口からは反抗と好意が入り混じったような台詞を、支離滅裂に喋る。 「じゃ、最後のお楽しみ……」 真由は配線だけで繋がれていた上半身と下半身の神経接続を行う。 頭部から女性器ユニットへのバイパスでしかなかった胴体が、ようやく身体としての役目を取り戻す。 接続が行われた瞬間、紗枝に自分の身体に血が巡るような幻覚を覚える。そして、紗枝の乳房から人工的な母乳を垂らしながら、がくがくと震え始めた。 「そんなに感じてたのね。待っててね。これからはもっと私と気持ちよくなれるから」 恍惚とした笑みを見せ、真由は楽しみにしていた作業へと着手した。 端末に手をつけ、満身創痍の紗枝に語りかける。 「ねえ紗枝、私のことすき?」 それは、先程も聞いた好意の質問。 好きかどうかというそれだけの質問だが、紗枝にとっては脳をかきまぜられるようなものになっていた。 「真由……すき……き? 嫌い嫌い嫌いきらいきららららららら、好き?」 こいつは嫌い、嫌い、嫌い、嫌い? 嫌いとはなぜ、理由? 嫌い、不愉快。操作を受け入れる、嫌い嫌いいいいい? 好き好き好き好き好き、大好き、だいきら……修正。大好き。大好き。大好き。 あたしは真由のことが好き、好き? そうよ、あたしは真由のことが好き。好き。とてもきら……修正。大好きに決まってるじゃない。なんで以前のあたしはこんなに嫌い嫌い……です。を抱いてたのかしら? 嫌いになる理由なんてないのに。好きになる理由…………中断。なのに、ああ、もっと真由と一緒にいたい。 「あはは、とっても思考してくれてる。全部私が弄くった結果なのに」 真由にプログラムされた『好き』が、紗枝の思考を埋め尽くしていく。 過去に人として感じていた嫌悪は、入力されたデータによって塗りつぶされ、無条件の好意として染められていった。 それまでの積み重ねも交流も無いが、紗枝は今後、真由のことを嫌いと思うことはないだろう。 「もう一度聞くわ。私のこと好き?」 「真由の…………こ……と…………好きに決まってるじゃない。当たり前のこと聞いてどうすんのよ」 かくかくと無表情で、処理落ちしたようなオウム返しの直後、紗枝ははっきりと、真由への好意を口にした。 前日に罵倒し、平手打ちまでしたのに、まるでそんなことは無かったかのような感情が、その言葉にはこもっていた。 「上出来ね。じゃあこれで仕上げよ。今そんな風になってるけど、紗枝は人間? それとも機械?」 「何言ってるのよ。こんな姿になっても、あたしは人間だわ。ロボットみたいになってるなんて、そんなのいや……い……や……」 大好きな真由との会話だからか、つい先程のような怒号をぶつけず、否定の意思を示す紗枝。だんだんとその台詞が、表情を失うと共にか細く消えていく。 本来ならば、人格データを起動させず淡々と改変を行うことは可能である。 しかし、真由の趣味で、その元々の脳を加工し製作した電子頭脳に思考させながら、リアルタイムでデータの改変を行っている。 真由は再び、紗枝のデータに改変を施していく。今度は、自分が人間ではなく機械。ロボットであるということを受け入れさせるというものである。 「本当に? 本当に機械になるのは嫌? もっとよく考えてみて。機械であることはとても幸せなのよ? ねっ、紗枝」 あたしは人間 人間? 人間だけど機械、あたしの身体は機械、人間です、だけど機械。人間で機械。人間と定義するけど機械。修正。修正。機械であることに問題は? ありません。人間として振舞うけど私は機械。人間だけど人間でした。あれ、あたしはどうして人間だったのかしら? 機械となっても、問題はありません。機械であることを拒絶する理由はありません。快楽信号はとても気持ちよかった。あたしの身体に有機物は残っていないとデータにある。だったら、機械でもいいのかも? いいわよね。大好きな真由も機械なんだから、同じなんだから何もおかしくないわ。 あたしの身体は色んなところが機械。気持ちよさそうなことにたくさん使えそ……データ受信。色んなことに使えるのね。あたしは機械になってよかったんだわ。人間でいる必要なんてなかったのよ。 「…………そうね。あたし、真由と同じロボットになれてよかった、です。改造されました。を嬉しいわ? わ」 どこか、危なげない返答を返す紗枝。 わずかな時間で、自分に施された理不尽を次々と受け入れていった紗枝。 その姿と口調からは、嫌がっている様子も抵抗する様子もすっかり消えうせてしまった。 「無理やりな改変をたくさんしたから、ちょっと人格データが不安定ね。でも、そういってくれてとっても嬉しいわ」 可愛らしい紗枝が、自分と同じ存在になった。その背徳感と歪んだ好意から、ゾクゾクとした感情が止まらない。 受け入れたご褒美のように、そっと乳首を撫でてあげると、紗枝は小さく嬌声を上げつつ、びくんと離れたままの上半身を震えさせた。 * * * 「お疲れ様紗枝。これで全工程は終了よ。さ、貴女を組み立てていきましょ」 元はと言えば、何の許諾も無く勝手にその身体を造り変えたのは真由のはずだが、まるで二人でその実験を行ったというような口調で、その離れたそれぞれの部位を繋げ始める。 下半身のぽっかり空いた穴には女性器ユニットを、上半身には頭部を接続し、最後に二つに分かれた上半身と下半身を繋げた。 自分の身体が一つになっていくにつれ、紗枝は快楽信号をその身に感じ、ぶるっと身体を気持ちよさそうに震わせる。 その継ぎ目は、注視しないとわからないほどにうっすらとついており、真由の技術力の高さを伺わせた。 「もう動いていいわ。気分はどう?」 「どうって、最高に決まってるじゃない」 数秒前まで身体が切り離されていたという状態を思わせないほどに、紗枝はきびきびとした動きで立ち上がる。 体中を擦り、その人工皮膚のすべすべしたきめ細やかさ、柔らかさ、張りを体感する。 「ねえ真由、ずっとあたしの頭の中を見てきたんでしょ?」 「ええ、そうだけど」 「だったら、あたしがこの後にシたいこと……わかるわよね?」 ゆっくりと、誘うような歩きで近づいていく紗枝。そこらの男性であれば、それだけでも誘惑されてしまうだろう。 「もちろん。だって、そのためにセックスしたり、たまに薬物にも手を出してたんでしょ?」 「あっ、バレてたの?」 「当たり前じゃない。でも、今の身体なら、隠してた注射痕も無くなってるし、薬物よりもとっても気持ちいい体験ができるわ。壊れても修理すればいいんだから」 「最高……あたしを造り変えてくれてありがと真由……ん……ぅ……」 設定された大きな好意に従い、紗枝は溢れる情欲を真由にぶつけ、熱いディープキスを行った。 真由もそれを受け入れ、互いの舌と口内で、人工唾液と機械には意味の為さない媚薬を絡め混ぜ合わせる。 好意そのものは組み込まれたものであるが、その一部の感謝は、紗枝の意思から生まれた真実の声だった。 二人の肉欲は絡み合うほどに高まっていき、二人は崩れ落ちるように床に倒れ、そのまま無機の肉体をむさぼり始めた。 「ん……む……ぅ……紗枝……あついの……」 「んん……ぅ……やわらかい……」 女性器ユニット同士を重ね合わせ、乳房同士を潰れるほどに合わせ、お互いの身体を撫でるように抱きしめながら、蕩けそうなディープキスを続ける二体。 高まっていく快楽信号と、それに影響される人格データ。二体の筐体温度は、徐々に高まっていく。 「んん……ぅ……真由って、そこまで……ぅ……うまくないのね……」 紗枝の今までに培われた経験によるキスのテクニック。それは確実に、真由の性感を強くじわじわと高めていた。 一方で真由には、そのような経験は一切無い。キス自体も、知識として知っているだけのものであるため、見よう見まねの行動となる。 紗枝にはそれがすぐに見抜けていた。 「なによ……あっ……ん……そんなこと言う……ん……紗枝にはぁ……」 キスによって口が塞がれていても、明瞭な発音で話を返す真由。 その言葉がちょっとだけ癇に障ったのか。真由は電子頭脳に無線での接続を行い、ジャンクデータを送信し過負荷をかけた。 「あアアああaああaあアアaあっ!? なななにししししたのたののぉぉぉ……? ああ頭が熱くてくて、身体が変に変に変にぃぃ……」 紗枝の表情と身体は固まり、動かない口からの嬌声と共に、全身をがくがくと痙攣させた。 過負荷によるエラーが快楽信号となり、紗枝の全身に今まで感じたことのないような極上の快楽を発生させる。 「これはね、私達機械にしかできない快感なの。あっ……ん……でもね、やりすぎると修理しないといけないからぁ……これからももっと欲しい?」 「ええ、ええ、kkkこんなにきもちいいの、初めてててて……あんっ……もっとほしいのぉ……いま……いまぁ…………ちょうだい……?」 心からの紗枝の甘え声。大抵の者ならばこれで落ちてしまうほどの破壊力を持っているが、今目の前で乱れあっている相手には、ほぼ通用しない。 「うふふ、だぁめ。またいつかね」 「やだぁ……きもちよくなりたいのぉ……真由ぅ……あああっ! あんっ……」 電子頭脳に響いた膨大な快楽信号が、紗枝の乳房と女性器ユニットを刺激し、だらしなく液体を垂れ流させる。 露骨な悪意を向けていた時の姿は欠片も無く、紗枝はすっかり、壊れそうな程の快楽を求める、真由の犬も同然であった。 「やっぱり、人間には刺激が強いのね……あああっ! あう……ひぁっ……」 「ひあああっ……ひっ! んああっ! あたしは機械なのおおぉ……」 「すっかり受け入れて……あんっ……心配ないわ……私が、もっと気持ちよくして……あはっ……してあげる……」 機械になりたくないと言っていたのに、すっかりと今を受け入れた紗枝。 その姿にとても気分が良くなり、真由は左手を胸に、右手を後頭部に当てる。 そして、乳房を掴み扉のように外側に開き、後頭部のカバーを頭髪ごと外し、紗枝の電子頭脳をさらけ出した。 「紗枝、もっと、きもちよくなろ……?」 小悪魔の如き笑みを浮かべ、真由は左手で乳房を内側から弄り、右手で電子頭脳を刺激を加えつつ優しく撫でた。 「ひぎいいいいいい!? きもちいいのおお!! おおおおかしくなっちゃううううう!?!?」 その快感は、一度だけ体験した薬物込みの性交とは比較にならない程の快楽だった。 全身に電撃が走り、弾けてしまいそうなほどの快感。肉欲の先にある二つの無機の淫楽。そして、重ねた唇からもたらされる、人間の時のような、しかしそれ以上の有機的な悦楽。 人間のときならば一瞬で廃人になってしまいそうな程のそれを、紗枝はその金属の身体で愉しんでいた。 「喜んでる……ん……あっ……ねえ紗枝、このままイっちゃいたい?」 「あっ、ああっ! あんっ……あああっ! イく! イっちゃう!! 破損しちゃうのおおおぉぉぉ!!!」 絶頂寸前のような台詞を、塞がれたままの口から叫ぶ紗枝。その心は、すっかりと機械の身体の虜になっていた。 その言葉に応えるように、真由は電子頭脳を優しく撫でると共に、小さく圧迫し、左手は胸の内部を弄る強さをさらに上げた。 激しい誤作動を起こしたと見まごうような痙攣をする身体を、真由はその身体で一緒に振動を感じながら押さえつけ、新たに生まれた機械人形の絶頂の瞬間を心待ちにした。 「あっあっあっあっ……aアaaアああaa……あああっ! おかしくなる! 脳みそやけるううううぅぅぅぅ!!」 電子情報となった人格に降りかかる、膨大なエラーと快楽信号。生身のどんなプレイよりも比べ物にならない程に気持ちいいそれに、紗枝の興奮は間もなく最高潮に達しようとしていた。 真由はそれを感じ取り、人間ならば二度と正気でいられなくなりそうな程の性感を最後に与えてあげようと、胸の内部を強く刺激し、電子頭脳を壊れない程度に強く圧してあげた。 「あぎっ!! あああああああっ!! あんっ! あっアっあっ……ひぎぃ!! もうdめ! いkううuuゥぅぅゥぅう!!!!」 全身から電子頭脳に、弾けそうな程の快感が駆け巡る。 機械的で蕩けるような快楽信号に身体全てを満たされ、紗枝の人格データは最高潮の性感からのフィニッシュを迎えた。 大きく背中を仰け反らせながらがくがくと震え、見開かれた両目は、左目は上下左右に動き、右目は白目を剥いたりと、ばらばらに動いている。 女性器ユニットから流れ出る人工愛液は絶え間なく水溜りができる程に垂れ流し、乳房からこぼれる乳液は、いやらしく艶めきながら乳首を伝って床へと流れた。 「あっ……あっ…………あっ…………」 これまでに感じたことのないほどの絶頂を迎えた紗枝は、消えうせた表情のままにかくかくと瞳を動かしながら、一定の間隔でびくんと身体を震わせた。 そんな様子に、同じく気持ちよく紗枝を弄んだ真由も、自身の女性器ユニットから垂れた人工愛液をぺろっと舐めながら、妖しく微笑んだ。 「とっても気持ちよかったみたいね。ふふ、これからもよろしくね、紗枝」 「あっ…………あっあっ……あっ……あ……あ……」 わざとらしく、聞こえるような声で紗枝の名前を呼ぶ真由。 一方の紗枝は、膨大な快楽信号を処理しているからか、その言葉に反応せず、壊れかけの玩具の人形のように身体を震わせていた。 そんな姿すらも愛おしく思う真由。こっそりと女性器ユニットから指で掬い取った人工愛液を舐めながら、頬を赤らめてその場を後にした。 * * * 紗枝が改造されてからの数日後、真由は放課後の物置教室にて、ある人物が来るのを待っていた。 その間、一枚一枚制服から脱いでいき、裸の状態を作ろうとする。 「ごめん真由、ちょっと遅くなったわ」 そこに現れたのは、以前物置教室で真由に襲われた紗枝だった。 制服の下からでもわかる程に、以前よりも扇情的になった、男子生徒の目を引く肉体。どこがと言われるとうまく答えられないが、何か変わったような気がする性格。紗枝は生身を失い機械の身体となったことを悟らせず、今まで通りに高校生活を過ごしていた。 「もう、ロボットなのに時間にルーズなのね」 「だってあたし、そもそもは人間だし……あっ、真由が作ってくれた女性器ユニット、すっごい気持ちよかったって!」 紗枝はスカートの中に手を滑りいれると、カチっという無機質な音と共に、何の抵抗も無い様子で、自分の女性器ユニットを抜き出した。 下着の隙間からは、そのユニットに繋がる配線が紐のように伸びている。 「今までの奴よりすごい名器だったって! まあ、めっちゃすごいオナホみたいなもんだから当然よね。それでね、たくさん金を……ひぎぃ!?」 楽しそうに自分の性交体験を話している途中、紗枝は嬌声を上げながら突如全身を硬直させ、ぷるぷると震え始めた。 その視線の先には、少しだけ不機嫌そうな表情を見せる、下着一枚の真由がいた。 「そういうの、あんまり良くないと思うけど」 「らってぇ……ためしたかったのぉ……ああっ! ……あっ……」 強制的に、その場で足がふらふらする程の快楽信号を発生させて、紗枝の足を崩していく真由。 紗枝は舌足らずな嬌声を上げながら、ゆっくりのその場にぺたんと崩れ落ちた。 「思ったんだけど、そんな崩れたような発音せずに普通に言葉喋ってもいいと思うけど? もう声帯も無くて、発声機構から声出してるんだから」 「あっ……ああっ……ん……だって、その方がムード出るし、なんだかとってもいい気分になるんだもの……ん……」 床に人工愛液をこぼしながら、その場で手元の女性器ユニットに手淫を始めだした紗枝。 「そういうのもあるんだ。人間って面白いわ」 その意見を、予想外という風に感心し、我慢できずに気持ちよくなり始めた紗枝の側まで近づいていく。 「それじゃ、始めましょうか。そういうのもいいけど……ん……う……」 紗枝に連なるように、真由は自分の女性器ユニットを取り外す。そして、弄くっている途中の紗枝の指を引き抜いた。 「ちょっと、何するの……」 「お互い、これを見せ合いっこしながら弄らない? 私が紗枝の、紗枝が私の女性器ユニットを弄るの」 「いいこと考え付くわね。さすが私を造りかえてくれた真由」 「ふふ、それじゃ、一緒に気持ちよくなりましょ……」 二体は、手元にある互いの割れ目を重ね合わせ、擬似的なキスを行った。触れ合った瞬間に、唾液のように人工愛液が溢れる。 そして、相手の女性器ユニットを弄くりあい、いやらしい音を鳴らしながら、二体はどこまでも気持ちよくなった。 強制的に改造され、機械人形としての生を新たに受けた紗枝。その姿はどこまでも開放的で、密かな快楽の楽しみと共に、悲壮感を考えることも一切無く、どこまでも愉しんでいたのだった。
Comments
ありがとうございます…そこまで言っていただけるのは光栄です。 しばしお待ちを!
土装番
2018-07-21 16:06:03 +0000 UTCすごく良かった!最高作品ではってぐらい。 楽しみです。
FoxABC
2018-07-21 01:21:46 +0000 UTCありがとうございます…そう言っていただけるのはとても嬉しいです。 あと二人改造予定で、最後は乱交パーティーの予定です
土装番
2018-07-19 13:47:27 +0000 UTC改造されたからには、もう全て弄れる電子情報にすぎない…ありがとうございます! これ+三話を予定してます!
土装番
2018-07-19 13:46:22 +0000 UTC発売、楽しみに待ってます。 連鎖って事は他の子も改造されそうだし、とてもわくわくしてます。
リドル
2018-07-18 02:09:55 +0000 UTC抵抗からの堕ち、しかも最後の抵抗の姿は調整されたもの……最高です! 一話ということはまだ続きが読めるんですね、やったーー!
けーさん
2018-07-18 00:35:12 +0000 UTC