(9)
こうなったらやけだ。皮をかぶってても小ぶりでも、堂々と晒け出してやる!!
いつの間にか、織田先生は上杉の肩に手をかけて俺の動作を凝視している。毛むくじゃらの二人が並ぶと、親子みてえでちょっとおかしいと思いつつ、俺の心はチリチリ疼いた。なんだ、この気持ち。嫉妬?・・・
俺は内心の疼きを振り払うように、大きく片足を振り上げた。自慢じゃないが、俺は可動域が広く、足はよく上がる。もっとも、その分、股間が丸見えになっちまうわけだが。
キンタマをゆさゆさと揺らしながら、ドスン、ドスンと俺は四股を踏み続ける。
そのうち、俺の股間にある変化が起こった。
足を上げるたび、亀頭を覆う包皮が少しずつ引っ張られていき、ついにはくるっと反転し、亀頭が剥き出しになってしまったのだ。
皮かぶりのほうが恥ずかしいのか、剥けちんのほうが恥ずかしいのかわからないが、俺は顔から火が出るような思いで、汗にまみれて四股を踏んだ。
「見ろ、武田。上杉とお前の違いを」
「ハイ・・・そういうことっすね・・・」
武田は唇を噛みながら、悔しそうに答える。
何だ何だ、なにがそういうことなんだ?
頭がいいだけに、武田は何事も察しが早い。一方、力は強いが鈍くさい俺は、何がそういうわけなにか、まるで分からなかった。
「・・・もう一回やらせてくださいッ!」
武田は毅然とした表情を浮かべると、先生の手から離れ、二・三度軽くストレッチしてから、すっと俺の隣に立った。
「よし、二人とも、動きを合わせて四股踏んでみろ」
「ウッス!」
俺と武田は動作をシンクロさせながら四股を踏んだ。武田の動きは、さっきより、だんぜんキレがあり、足が高く上がっている。そうか、こいつ、可動域が俺より狭かったんだ。だが、今は、俺と同じぐらい足が上がっている。
武田にとって、ここまで足を上げるのは相当にキツイはずだ。実際、横目で見る武田の表情は必死だった。こいつがこんな表情をしているのは初めて見た。優等生で、いつもどこか余裕があり、クール。武田のそんな印象が、この特訓の中で、少しずつ変わり始めていた。
そして、武田の股間にも俺と同じような変化が起こった。四股を踏むたび、亀頭を覆う皮が少しずつめくれ、やがて完全に剥き出しになった。
今、俺と武田は、亀頭を剥き出しにして、どっしり四股を踏んでいる。俺の胸は、大人の男になったような、誇らしい気持ちで満たされた。
「よし、そこまで!」
「ウッス!!」
俺たちは汗をしたたらせながら、荒い息を整える。
「上杉にも分かったと思うが・・・武田の弱点は可動域の狭さだ。動きが小さいから、最初は上杉みてえに皮がめくれなかったんだ。だが、武田、よくやったな」
織田先生は紙を丸めたようなくしゃっとした笑顔を浮かべる。さっきまでの厳つい表情とのコントラストにドキッとする。
「・・・二人とも、なかなか立派だぞ」
そう言うと、織田先生は俺たちの亀頭を一人ずつ、デコピンするようにぶっとい指でぱちんとつまはじいた。
「イテッ!!」「つっ・・・!」
俺たち二人は思わず悲鳴を上げた。その悲鳴がおかしかったのか、織田先生はガハハとでかい口を開けて笑った。
(続く)