前回までの流れは、こちらからどうぞ!!!
(向こうの足は短い…多分、早さなら勝てる!!)
咄嗟に判断し、太郎はそのまま奥へと走り去りました。
「なっ! 卑怯だぞぉ!」
という声のあと、
「…とでも、言うと思ったか?」
恐ろしい程に響き渡る、低い声が聞こえました。その声には一切の感情がなく、それが故に恐ろしいものでした。
瞬間、遠くの方から足音が聞こえ、
またたくまに、その音は近づいてきました。
「ははは! お嬢さん、忍者らしく追いかけっこかい? 少しだけ付き合ってあげよう!」
余裕に満ちた声でした。
あの短い脚で、どうやって――と思いましたが、振り向く時間などありません。そんな暇がないことは、近づいてくる足音と笑い声ですぐにわかりました。
どうする――?
奥はまだまだ暗闇が広がるばかりで、逃げられそうもありません。加えてここは洞窟、薄い空気の中、太郎はすぐに息が苦しくなってきました。
「苦しいだろう? 私はもう何十年もここで暮らしているので慣れているが、素人の女人にはちと堪えるだろうなぁ?」
足音はまた近づき、今にも捕まりそうです。
何か、何かないか――?
太郎は必死に考えます。考えて考えて、そして走り続けました。
(――ダメだ…)
そして、そんな答えが出ました。
(俺には何もない…猫ちゃんのような足の速さも、健ちゃんのような頭の切れもない。個性と言えば、乳首を出し続けてるくらい……そんなんじゃ、とても――)
足から少しずつ力が抜けていくのがわかります。頭より先に、身体が諦めてしまっているのでしょう。
「捕まえた!!!!!」
射程圏内に入ったのでしょう。ひときわ大きな声が響きました。
このまま捕まれば、一体何をされるのだろう?
もちろん最終的には殺されてしまうのだろうが、こいつはさっきから女の子と遊びたがっていた。きっと、子供では想像も出来ないような、あんなことやこんなことをされて――。
「!!!」
瞬間、太郎は閃きました。
そう、身体は諦めていても、脳はまだ諦めていなかったのです。
「いちかばちか…これしかない!!!!」
太郎は急に立ち止まったかと思うと、そのまま振り向きました。
「そんなに女の子と遊びたいなら…!!!」
「どおおおおおおぞおおおおおおおおおおおおう!!!!!!!」
思い切り、服の下でちゃっかり出していた乳首をあらわにします。
するとどうしたことでしょう、通せん坊は目を見開き、鼻血を出し、
「ちちちちちちちちち、ちくちくちちちち乳ちくちくちくびびびびいいいいい!!!!!」
と叫び、失血死してしまいました。
――そう、女好きな男が欲を我慢して、何十年も女っ気のない洞窟に住んで禁欲していたなら、いきなり少女の乳首なんか(少年なんだけどね)見たらこうなります。
同じ男ならではの、逆転の発想でした。
「はぁ、はぁ…乳首出してて、初めて役に立った……!」
きっとこの相手は、太郎でなければ勝つことは出来なかったでしょう。いわば、最高の相性でした。
そして強敵を倒すことに成功した太郎は、悠々と洞窟の奥へと進み、やがて現れた重いドアから城の内部へ侵入することが出来ました。
これで、3人全員が侵入に成功したことになります。果たして、殿さま暗殺は成功するのでしょうか?!
次回より、城内編へ突入します。
しょっち@気ままにやってきます
2022-05-04 11:55:02 +0000 UTC藤原妹紅
2022-05-04 11:08:07 +0000 UTC