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【みんなで創る物語】を目指して6

前回までの流れはこちらからどうぞ。




どんな服にしようか――。


太郎はめっちゃ考えていました。

変装して殿様を暗殺するという話だったハズ…しかし、健ちゃんは普通に色っぽい花魁風の衣装に身を包み、皆の視線を釘づけにしています。



これはもはや仮装大会の様相を呈しています。しかし、話自体はものすごく真面目な話であり、重い話なのです。きっと健ちゃんも、真面目に考えた結果なのでしょう。


(げんに、村の男たちは完全にワイワイしてるもんな…)


冷静に分析し、そしてそんな時に、呉服屋の扉が開きました。瞬間、太郎の心臓はどくんと飛び上がります。

ここで、様子を見よう。

あまり乗り気ではなかった猫ちゃんがどんな服を着て来るのかで、考えよう――。




そして出てきた猫ちゃんは――。






キラッキラの、何か変な鎧みたいなやつに身を包んでいました。

「にゃあああ…ボク、これが良いニャ。着てると落ち着くニャー」


「どうした猫ちゃん!!! お前は…お前はそんなんじゃなかっただろうに!!!」



太郎は心から叫び、そして泣きそうになります。あぁ、これで唯一の逃げである出オチさえも禁じられました。

これより大きなオチ、そうそう思いつきません。いや、オチというか、何かこれ…何か変なのです。




鎧にしては肌が見えすぎているし、いたるところに宝石ついてるし、周りに虫みたいな感じで四つくらい何か飛び回っているのです。

が、それを見た健ちゃんは目を丸くして、興奮したような声で言いました。




「そ…それはウチの呉服屋の奥底にしまい込んでいた、『某呪いで有名なあの国で発掘されしネコパワーを授けてもらえると噂の呪いの鎧』…! まさか着こなすものが現れるとは…!」



なんだって?




「にゃー…よくわかんニャいけど、コレすごいニャ…気持ちいいニャ…勝てる、ニャ…」

何だかよくわからないことを口走り始めた猫ちゃんが、ちょっとだけ心配です。



でも、爪とか武器もついてるし、これなら普通に戦っても強そうです。戦力として期待が持てます。




「…それで?」




ふいに、他愛のない一言がきました。

「太郎は、どうするの?」



もちろん、嫌味とかではありません。ただ聞いただけなのです。

が、太郎の心は押しつぶされそうでした。もう、どうしていいかわかりませんでした。



もはやコレ、普通に女装しただけじゃダメな気がしてきました。どうしよう、どうしよう…。



太郎は頭を抱え、その場にうずくまってしまいました。慌てて、健ちゃんが駆け寄ります。


「た、太郎? どうしたの? 大丈夫? …もしかして、急に怖くなっちゃったのかな?」

ハイ怖いです、この仮装大会が…とは言えず、黙り込む太郎。

しばらくの後、健ちゃんが続けます。

「良いのよ、太郎…無理しないで。気持ちだけ一緒に連れて行ってあげる。今辞めても、誰も太郎の事責めないと思うよ?」


とっても優しい、諭すような声でした。

目を見開き、振り向く太郎。そして、何かを言おうと口を開いたその時――。



「そぉぉぉぉぉおおおうさ、やめちまえぇぇぇぇぇえええええ! 荷物を降ろせば楽になる、何も考えずに、何も背負わずに生きていこうじゃないか息子よ!!! なぁっはははははははははっはぁ!!!!!!!!!」

「親父…」




殴り飛ばしてやりたい、親父の言葉。



聞くたびに悲しくなる、親父の言葉。




しかし、太郎はこの言葉で救われました。




「そうだ…何も背負う必要なんかないんだ。敵を討とうと思って、その為に俺は変装する。これで、いいんだ…」




無言のまま立ち上がり、スタスタと呉服屋の方へ歩き始める太郎。

「あ…太郎? 本当に、大丈夫? 無理してない?」

太郎の背に掛けられた問いに、太郎は背で返しました。



「ありがとう、健ちゃん…大丈夫、行って来るよ」



パタン、と閉められた扉。きっと、服を選んで出てくることでしょう。




「…太郎…。何があっても、この健吾朗お兄ちゃんが守ってあげるからね…!」

静かに誓い、そして今度は猫ちゃんの方を振り向きます。

「猫ちゃん。あなたも、何かあったらこの健吾朗お兄さんが――」


猫ちゃんは、本当の猫のように丸まって寝てました。

「にゃー…すぴー…」

「…この鎧、もしかして、本当に生態まで猫になっちゃうの…?」




一抹の不安が、出てきました。




続く(笑)

【みんなで創る物語】を目指して6 【みんなで創る物語】を目指して6

Comments

ありがとうございます!派手って言われたときから、もうこれしか思いつきませんでした(笑)可愛いですよね!!!(笑) はい、殴りましょう(笑)

しょっち@気ままにやってきます

猫ちゃんかわええ!もう異世界の装備だけど、、 一旦親父はぶん殴って、よし!

藤原妹紅


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