ここ数年、この時期になると恒例になっているのですが、年末に催されている富山県善意銀行のチャリティー色紙展にお送りする色紙を描きました。去年描いたのは以下の2枚です。
酒カス姫(酖酒姫)と、辛キチ姫(辛虜姫)です。2023年のチャリティー色紙で初めて描いたキャラクターですが、長い髪とヘンな趣味という属性が気に入ったので、今年の個展でも新作絵を描きました。「髪のめっちゃ長いお姫さまが現代日本で暮らしている」姿は、ネタに困らないので、今後も折を見て描いていきたいですね。というわけで、今年の色紙も、この二人を描くことにしました。
まずはスケッチブックにラフ。特に理由はありませんが、今年はバニー姿でいこうとイメージを固めていきます。
バニーなんてなんぼ描いてもいいですからね。
先に描いた酒カス姫に合わせて、対になる構図で辛キチ姫を描きます。
お姫さまがバニーガールの格好なんかするのかな? と思いましたが、そこはあれですね。『酒造メーカーとの王室コラボ商品の宣伝の一環で、ポスターなどの宣伝ビジュアル用にバニーガールの衣装で撮影された写真』という設定にすれば、全て丸くおさまりました。
ラフができたので、次にポーズや衣装の参考になりそうな写真を見て、準備スケッチをしておきます。
こういうのは事前に一度スケッチをしておくと、本番でグダグダせずにすみます。
バニーーガールの衣装はいろいろなパターンがありますが、今回はクラシックなプレイボーイのバニー衣装を参考にしました。
本来ならこのあとすぐに、本番の色紙の作画に入るのですが、別の仕事の締め切りが迫っていたので、別の仕事の方を進めます。
これは別の仕事用の準備スケッチ。手塚治虫『アドルフに告ぐ』で、小城先生が元特高警察の赤羽に、タバコによる拷問を受けているシーンです。
こちらは藤子・F・不二雄の諸作品からスケッチ。
何の仕事かはまだ告知できませんが、無事ひと段落したので、色紙の作業に戻ります。
ラフやスケッチをもとに、本番の色紙に下描きをしていきます。
毎回言っていますが、色紙にイラストなどを描く場合は、高〜い、繊細なにじみの良い紙ではなく、100円ショップで売っている頑丈な紙が貼ってある色紙が良いです。消しゴムをガシガシかけても紙が傷まない。
そういうわけで、ガシガシ下描きをしていきます。
手が決まると、絵もグッと締まっていきますね。
酒カス姫バニーの下描き終わり。
オーソドックスなバニースタイルですが、衣装に合わせておっぱいが持ち上げられているのがポイントですね。あと運んでいるはずの酒の缶が、なぜか開栓されている。
辛キチ姫バニーの下描きはこちら。
正面顔なので、反転した際にあまり歪みすぎないように気を遣いました。かといってデジタルなんかで完全に左右対称の顔にしちゃうと、逆に不自然になるので気をつけたいポイントです。実際の人間の顔も、完全に左右対称ではないので…。
下描きが無事終わったので、ペン入れをしていきます。筆ペンで主線をがしがし引いていきます。
筆ペンはとにかく速度が出るのがいいですね。
主線をある程度引いたあとに、邪魔な下描きを軽く消して、まつ毛やバニー衣装などの細かい部分をミリペンで描きます。
おおむねペン入れが終わったので、消しゴムをかけます。ゴチャゴチャしてた部分が消えて、すっきりしました。
トレイの上のお酒の部分は、カラーペンなどを使う予定なので、保留しておきます。
最後に髪の毛の描き込みを、0.05mmのミリペンで引いていきます。
グッと絵の密度があがりました。
酒カス姫バニー、ペン入が終了したのがこちら。
髪の毛の細かい描き込みをすると、絵の密度が上がるとともに、絵の中での線の太さにもメリハリがつくので、それだけでビシっと絵が決まるようになります。逆に言うと、この描き込みを入れるだけで絵が良くなる、ごまかしが効くので、あまり頼りすぎると危険です。描き込みを入れない状態でも「良いな」と思える状態に持っていったうえで、最後のトドメとして描き入れるのが良いと思います。
辛キチバニーのペン入れ終了は、こちら。
すっきり線が整理された一方で、鎖骨など下描きにあった線が消えています。このへんは彩色の際に、色の陰影で再度描く予定です。鎖骨まわりはなかなか好きな部分ではあるんですが、実戦でしっかり描きすぎるとクドくなってしまうので、最近のカラーでは陰影で描いています。
そんなこんなで、何とか線画ができました。次回は色塗り〜仕上げまでのメイキング記事になります。肌や髪の質感の描き分けに加えて、バニーガールのキモであるバニー衣装のツヤテカした光沢をどこまで出せるかがポイントになりそうです。頑張って良いものにしたいですね。では、また次回で。