メロンブックスさんで販売する、COMITIA147開催記念オリジナルタペストリー用のイラストのメイキング記事です。今回は中編ということで、ペン入れ作業の解説をしていきます。
前編で完成した下描きがこちら。
かなりラフな下描をもとに、アドリブを交えたペン入れで作業する方もいますが、自分の場合はかっちりと下描きの時点で絵を固めておきます。そのぶんペン入れは単調な作業になりがちでもあるのですが。
スキャンした下描きをデジタルで水色の線に変換し、原稿用紙にプリントアウトして、その上からペン入れをしていきます。下描きの線にインクが弾かれたり、消しゴムで線が薄くなったりすることがないので便利です。
普段はシャープペンシルでペン入れすることが多いのですが、今回はティッツィの細かい髪の部分を丸ペンで丁寧に描きたかったので、つけペンを使います。主に使うのはカブラペンと丸ペンの二種類。もうちょっと大きい絵だと、太い線を引くために筆ペンとかを使うのですが、今回はほとんど出番がありませんでした。
髪の毛の描き込みは最後にとっておいて(大変だから)、他の部分を仕上げていきます。背景の装飾の、円部分や直線部分はフリーハンドで描いています。ハンドメイドな感じを出したかったのもありますが、定規を使うと、定規を使っていない他の部分の線にまで正確性を求められるからです。定規の線がかちっとしてるから、他の部分がちょっとでも歪んでると目立っちゃうんですよね。だからといって、全部を正確に描くのってしんどい。まっすぐな直線もフリーハンドで少し歪ませて描けば、他の部分が多少歪んでいても気にならない絵になります。
モーニングスターは、普段はあまり使わないカケアミを使って質感を出します。痛そうですね。人道的な理由から刃物を扱わない聖職者のための武器として有名なモーニングスターですが、実在性はかなり怪しいそうです(鉄球の軌道のコントロールが難しいので武器としての有用性が乏しい、そもそも実戦で使われた実物が見つかってない、等々)。ロマン武器か〜。
いよいよ髪の毛の描き込みに入ります。丸ペンの線でちまちまと、髪と髪の間を埋めていきます。もうこれは本当にコツコツと描いていくしかないですね。
コツコツ描いていった結果がこちら。
髪の毛だけで2時間くらいかかります。
そんなこんなでペン入れが終わったのが、こちら。
髪の毛をガッツリ描き込んだ反面、肌にはほとんど何も描いていません。肌部分は彩色(絵の具)で質感を出すから、何もせずに取っておいています。
線がモノクロのままだとちょっと冷たい感じなので、少し色を調整して茶色を混ぜて、温かみを出します。
ここまでで線画作業は終わり、彩色作業に入るのですが、今回は新しい手法を試してみることにしました。普段は色紙のような、もともと頑丈な紙に水彩で塗ったり、あるいは線画をコピー紙に印刷してその上からアルコールマーカーや色鉛筆で塗っているのですが、今回は『コピー用紙に出力された線画に、水彩で色を塗る』ことにします。コピー紙は水に弱く、すぐにたわんでしまうため、本来は水彩との相性が悪いのですが……
コピー紙に出力された線画の裏に、スプレーのり(合成ゴムタイプ)を吹き付け、厚めの水彩紙にぴっちりと貼り付けます。
裏面も折り曲げて、しっかりとコピー紙と水彩紙とを合体させます。
こうしてコピー紙を水彩紙と(強引に)圧着させることによって、多少水を含んでもたわんだりしない、丈夫な用紙(しかも線画が印刷済み)ができあがります。今回、実験的にやってみたのですが、思った以上にうまくいきました。
次回はこの圧着させた用紙に、水彩やほかの画材を使って彩色していきます。
完成イラストを用いた、コミティア147開催記念のB2Wスウェードタペストリーは、メロンブックスさんで予約受け付け中なので、こちらもよろしくお願いします。では、また次回で。