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【支援者限定】『PUFFY』メイキング(後編)

というわけで某企画用に描いたアナログイラストのメイキング、今回は後編ということで、色塗りの様子を順に掲載していこうと思います。あくまで「こういう過程で塗ってるよ」というだけで、汎用性がないというか、何ら絵を描く参考にはならないのでその点はご注意ください。


前回掲載した、色鉛筆での下描きの段階がこちら。

下描きといっても、多少の色設定とかも入ってますね。今回はペン入れをせず、この上に直接、絵の具を塗っていきます。使うのは一般的なアクリル絵の具と透明水彩です。



まずは一回、荒く下塗りをします。

髪や衣装は下絵の設定通りに黄色やピンクの、そのままの固有色を置いていきます。レースや襟などの白い衣装は、青で薄く影をつけます。背景は赤で一回ざっくりと塗っておく感じ。ここまではまあ、普通の色塗りなんですが、


肌は肌色ではなく、まず最初に赤や緑や青といった、強めの色を下地として塗っておきます。この上から肌色を塗り重ねていくことで、下地の色がうっすらと透けて見えて、筋肉や血管が透けて見える実際の人間の肌の質感に近い塗りになります。これは印刷では極めて出にくいので、雑誌や単行本、同人誌などの印刷媒体を前提とした絵には全く向いてないんですが、今回はアナログの原画を見てもらうのがメインのイベントなので、あえて印刷には向かない技法を使います。


とはいえ、この状態は下地だとわかっていても非常に気持ち悪いので、なるべく早く肌色で上塗りしていきます。肌の色はだいたい絵の具三色を混ぜて作っていて、その混色具合で陰影や質感をつけたりしてるんですが、今回はパステルエナメル(やや黄色っぽい白)・臙脂色(赤)・オペラ(ピンク)の3色です。

一回上塗りしただけだと、まだ下の色が強く見えてしまっているので、ここから同じ肌色で何度も何度も塗り重ねていきます。


だいぶ肌色になりましたけど、さらに塗っていきます。背景は一転して明るいピンクで塗り潰していくんですが、肌の色と似ちゃいそうなので、ここからもうひと塗りして調整します。


不透明なピンクで塗り固めたので、背景にカチっとした印象が出ました。レースや襟などの部分は上から白を重ねると、下に塗った青がいい感じに透けて、きれいな影色になります。メイド服のピンクもここで整えておきます。肌もずいぶん塗り重ねたので、色鉛筆の線画がほとんど見えなくなりました。

仮に筆ペンなどできちんとペン入れをしていても、不透明なアクリル絵の具で塗り重ねると、下絵の線画は結局塗りつぶされてしまい、塗り終わり後にまたペン入れをやり直すことになります。なので今回は、どうせ塗り潰されるなら最初からペン入れしなくていいやと、下描きのまま塗りはじめたんですが、ここまで消えてしまうとさすがに不安になっていきます。


不安を解消するため、ここでいったん顔の線を描きなおします。前回同様、宮田紘次さんの「顔が決まれば、あとは大体うまくいくからね」という言葉を思い出します。

ちょっといけそうな気がしてきた。普段と違って目にハイライトを入れず、サドッ気を出します。下描きの時よりサド感増しましたね。


同様に、顔以外の部分も線を描きなおして、整えていきます。やっぱり主線が入ると絵がカチっと締まりますね。今回はパーツごとに主線も色分けしたかったので(肌はセピア、レース模様は青など)、黒いペンではなく、下描きで使った色鉛筆をまた使います。レースの模様なんかも絵の具で消えてしまったのを新たに加筆。めんどくさそうに見えますが、このレース模様はコツをつかむと超簡単なのですぐ描けます。ポイントとしては「正確に描きすぎないこと」でしょうか。模様を正確に描きすぎると、かえって不自然さが目立ってしまうので、ある程度ラフに描いたほうが、逆に自然に見えたりします。


あらかた整えたら、最後にキャラクターの周囲を、背景より少し濃いピンクで囲んで、できあがり。キャラクターのシルエットが強調され、ちょっとポップな感じが出ました。このポップさと、飛び出たおっぱいの生っぽさのギャップがポイントの絵になります。

ハイライトなしの見下した目も、いいアクセントになったと思います。こういう金髪で巻き毛の、性格の悪そうな、それでいて自分が可愛いくて金持ちだから何やっても許されると思ってそうなお嬢さまが大好物です。で、描きながら、自分にとってのその原点って何だろうなと思ってたんですが、最近アマプラで配信が始まった「大草原の小さな家」のネリー・オルソンかもしれないなと思い出しました。画像検索して久々に見てみたら、思った以上にザ・高飛車お嬢様の典型中の典型ってルックスでびっくり。主人公のローラに仕返しされて、豪華な衣装を泥だらけにされていつも怒ってる、そんな記憶があります。あと結婚してからは丸くなって普通にローラの良き友人になってたような。ともあれ、そんな高飛車お嬢様への思い入れが詰まった一枚となりました。この絵に関するイベントについては、また告知されたらお知らせしますね。ではまた次回に。




まあ、このあと完成したはずの絵に、思いつきで手を入れてみたりして、

背景にライティングの要素いれようかなとか試してみて、やっぱりしっくりこないから全部塗りなおしたり、


色鉛筆使ったから、いちおう定着液(鉛筆画などの画面を保護するスプレー)かけておくかと思ってかけたら

全体的に色が変わり、特に肌色の色味がめちゃくちゃに濃くなってしまい、微妙な塗り加減が台無しになってしまいました(定着液で、絵の色味が濃くなることを完全に忘れていた)。なので、ここからまた肌を全部上から塗り直すことになりったりして、そういうようなやり直しが完成後にめちゃくちゃたくさんありました。こういう、ひと工程でちょっとなんかミスったら全部やり直しになるのがアナログ絵の怖いところですね。



そんなこんなで色々修正して、またなんとか、ほぼ元の状態に戻したのがこちら。変な色気出して直そうとかしなけりゃよかった。


どこがどう変わったとか、あんまりわからないようなら幸いです。


もう少しアップで見るとこんな感じ。

うなじの後れ毛は、もっと適当に描いてあったんですが、この絵を描いてる途中に画家の友人と話す機会があって、彼がこういう毛の一本一本に非常に執念を持って描く作家だったので、こちらも襟を正して、金色に光る、指でつまめそうな後れ毛を目指しました。


おっぱいのあたりはこんな感じ。

緑とか青の下塗りの意味はあったのか、と思われるかもしれませんが、写真とかだと実物の質感が本当に出ないんですよ。なので機会があればぜひ本物を見てもらいたいです。

写真に限らず、アナログ絵はスキャンでもまた色味が全然変わってしまうし、なんなら自然光と蛍光灯でもぜんぜん色が違って見えるので難しいですね。個人的には朝の日光のときが一番きれいに見えました。


アナログ絵はもう何枚か描く予定があるので、今回の反省を生かしてもっとテキパキと描いていきたいですね。今度は、定着液は絶対にかけない。また描けたら、メイキングなんかの記事で紹介していければと思います。では、今度こそ、また次回で。

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