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いろんな意味で韓国人に敗北した身体測定⑤

シャッ カーテンが引かれると、そこには下半身を丸出しにして堂々と仁王立ちするチェと、その前に跪き、ぼーっとした顔でチェのチンコに頬を擦り付けている楓ちゃんの姿があった。 「楓ちゃん、なんで……」 最初に出てきた言葉はそれだった。才色兼備の楓ちゃん。誰にでも優しい楓ちゃん。そんな楓ちゃんが大嫌いな男のチンコに頬を擦り付けて嬉しそうにしている。楓ちゃんは、そんなことするべきではない。男のチンコに頬を擦り付けて下品な笑顔を浮かべるべきではないのだ。 僕の中にあった楓ちゃんの清楚なイメージは、この一つの光景だけでガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまった。僕の中の楓ちゃんは、クラシックを聴きながら窓辺で微笑んでいた。白いワンピースが風にそよいでいる。そんな幻想のなかの楓ちゃん。目の前にいる楓ちゃんとは全然違う。もう一度、現実の楓ちゃんの姿を見てみる。まだチェのチンコから顔を離そうとしない。これじゃあ、まるで、チェの言う通り…… 「……娼婦だ」 僕は声にならない声でそう言った。 「え?なんて言ったの?高橋くん」 ようやく楓ちゃんが顔をこちらに向ける。 「お前が娼婦だとよ」 チェが代弁した。 「しょうふ?高橋くんも私のことしょうふになれると思ってくれるんだ!ありがとう〜」 楓ちゃんは再びチェのチンコに目を向け、とろんとした顔でそう言った。 「お前は立派な娼婦になるよ」 チェが言った。 「嬉しい。チェくん、本当にありがとう」 この異様な状況を、僕はもはや現実だとは思えなかった。 娼婦呼ばわりされて嬉しがる楓ちゃんも、それを満足そうに見下ろすチェも、自分とは違う、醜悪な世界の住人のように思えた。あれだけ好きだった楓ちゃんも、チェに良いようにされる程度の下品な女の子にしか思えなくなっていた。 「楓ちゃんも、チェも恥ずかしいと思わないの?こんなの間違ってるよ。性ってもっと清いものじゃないの?それをこんなふうにチンコさらしてそれを頬張ったりして……。僕が言うのもなんだけど、小学生なら小学生らしくするのが普通なんじゃないの?」 思っていたことを息の続くままに言い切った。普段のクラスではこんな風に自分の意見を堂々と言うことはない。なんだか自分が普段とは違う人間になったような気がして、不思議な高揚感を感じた。楓ちゃんとチェは顔を見合わせ、一瞬の後に同時に吹き出した。 「あはははは!高橋くん、なにそれー?昨日から考えてた台本なの?俳優さんみたいだったよ」 「お前、意外と冗談が面白いんだな」 二人はそう言うと、もう一度顔を見合わせて笑った。別に笑わせようと思って言ったわけじゃない。心の底からの本心なのに、どうして二人は笑うんだ。 「僕は真面目に言ってるんだよ!」 「ごめんごめん、真面目に言ってるのはわかるんだけど、でも、ねえ?」 楓ちゃんがチェの顔を見上げる。 「お前の言う『小学生らしく』ってのはなんなんだ?その股間についてるやつのことか?でもそれだと『小学生らしく』じゃなくて『赤ん坊らしく』の方が近いんじゃないか?」 頭にカッと血が昇る。なんでこいつはチンコが大きいだけで上に立った気になれるんだ!ふざけるな! 僕は腕を思い切り振りかぶってチェの顔を殴ろうとした。 ブンッ! 勢いよく振り抜いた拳は宙を切る。代わりに下腹部に「ドスン」という重い衝撃を受けた。 「あぶねーじゃねえかぁ。優等生くん」 チェは僕の拳をクルンと回って受け流し、受け流しざまに僕のボディーに一発お見舞いしたのだった。 「うぅ……」 お腹を抱えてうずくまる僕。 「高橋くん、大丈夫?」 楓ちゃんが心配して僕の顔を覗き込んでくる。 「大丈夫だよ。まさかお腹を殴ってくるとは思わなかったけどね……。流石にお腹を殴るのは反則だと思うし……僕は当てるつもりはなかったんだけどね……」 悔し紛れに意味不明なことを口走ってしまう。自分でも自分の言っていることのおかしさに気づいているが、それでも楓ちゃんの前では情けない男になりたくなかった。 「強がらなくてもいいんだよ。高橋くんがチェくんに勝てるわけないんだし」 「え?」 「高橋くん、隣にいたから聞こえてたでしょ?チェくんのオチンチン、高橋くんの何倍も大きいの。すごく大きくて、熱くて、高橋くんのとは全然違うんだよ。ほら、見せてもらって」 楓ちゃんが指差す先に目を向けると、チェのだらりと伸びたチンコがあった。数年前までは父親と風呂に入ることもあったが、チェのチンコは風呂場で見た父のチンコの何倍も巨大に見えた。まるで別の生き物のチンコのようだ。 チェを見ると、「さっさとしてくれよ」とでも言いたげな顔をして、相変わらず仁王立ちで太々しく立っている。うずくまる僕と、その横にいる楓ちゃん。二人の視線はチェのチンコから離れない。もはや、この場のヒエラルキーは決まったと言ってよかった。僕は、チェに負けたのだ。 「私、今日決めたの。将来はしょうふになって、韓国の人と結婚する!」 そう楓ちゃんが言うと、チェは「韓国人は日本人の娼婦なんかと結婚しないぞ」と言った。 「えー、でもチェくんみたいな大きなオチンチンずっと見ていたいし、触りたいし、舐めたい。ずっと近くにいるにはお嫁さんになるのが一番でしょ?」 「セフレとかでいいんじゃねーの?お前がそうしたいなら俺が飼ってやるよ。俺の都合が合えばいつでも触らせてやるし舐めさせてやるよ」 「本当?せふれかぁ、それもいいなぁ!じゃあ私はチェくんのセフレになる!」 相変わらず太々しく垂れ下がるチェの極太チンコを見て楓ちゃんが言う。女は結局、強い男には逆らえないのだ。本能で、強い男に、すなわち韓国人に敗北してしまっているのだ。 「そうだ。高橋。チンコをでかくする方法教えてやるよ」 「え?」 チェからの思わぬ提案に僕は驚きつつも喜びを隠せない。チェのような男らしいチンコを手に入れたら、僕だって楓ちゃんのような可愛い子に好きになってもらえるに違いない。 「教えて欲しいか?教えてほしいなら、『チェさん教えてください』と言って土下座しろ」 「はっ、なんで僕がお前なんかにそんなこと……!」 そう言ってから僕は考えた。こんなチャンスは二度とないだろう。ここでチェに頭を下げるだけで、僕はこの後の人生モテモテで過ごせるかもしれないのだ。僕は屈辱に打ち震えながらもチェの前に土下座して言った。頭を下げる瞬間、腕が震えているのがわかった。 「チェさん、チンコをでかくする方法を教えてください」 保健室の床が目の前にある。楓ちゃんに見られている。こんな情けない姿を。チンコのサイズで負け、喧嘩で負け、そして今、こうして目の前で土下座させられている。男として、これ以上の敗北はなかった。 「ははは!身体測定なんて面倒なだけだと思ったけど、意外と楽しめたぜ。俺を嫌ってる優等生くんが俺に土下座して教えを乞うんだもんなぁ〜?」 「はい……すみません。チェさんに教えてもらいたいです」 本当だったらチェに殴りかかっていただろう。そうしないのは、チンコをでかくする方法を本気で知りたいのと、先程の喧嘩でチェに勝てないのが分かりきっているからだった。 「教えてやる」 チェは僕の耳元でこう言った。 「韓国人に生まれ変わることだな。来世に期待しろ。チョッパリのチンコは粗チンって決まってるんだよ!」 え? からかっていたのか? 土下座までしたのに。チェのやつ……! 「くっ、ふふ」 隣から笑い声が聞こえる。楓ちゃんが笑っている。 「チェくんって面白いこと言う才能もあるんだね。実は高橋くんより頭いいんじゃない?」 「そうかもな。勉強だけが頭の良さじゃないしな。お前もたまには良いこと言うじゃねえか」 チェに褒められて楓ちゃんは満更でもない顔をしている。なんでだよ。楓ちゃん、君は今チェが目の前で僕にした約束を破る姿を見ていただろう?約束を破るなんて人間として最低の行為だろう?優秀なオスの前では、倫理や道徳なんてどうでもよくなってしまうのか……? 「じゃあ今日の測定はこれで終わりだから二人とも帰っていいよ。結果は私から伝えておくから」 「やっと終わりかよ。だけど、思ったより楽しめたわ。じゃあな」 呆然と座り込む僕の前で、それでも時間は進んでいく。 チェが服を着て去っていく。その後ろ姿は、いつも教室で見るチェの姿の何倍も大きく見えた。 「かっこいい……」 楓ちゃんが去っていくチェを見つめながらそう呟くのを横耳で聞きながら、僕は一人寂しく服を着替えるのだった。情けない粗チンはブリーフに仕舞われ、この先、チョッパリの僕に待ち受けている未来を暗示しているかのようだった。


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