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いろんな意味で韓国人に敗北した身体測定①

チェ・ミンホは嫌なやつだ。 太っていて意地悪で、男子にも女子にも嫌われている。おまけに勉強もスポーツもできないから、まったく良いところがない。女子に意地悪しているところを見かけて注意すると、「日本人はすぐ差別する」と言ってこちらを黙らせてくる。僕の父が言うには、韓国人はそうやって日本で地位を確立してきたんだそうだ。 そんなチェ・ミンホと身体測定を一緒に行うことになってしまった。ちょうど僕とチェが同じ日に休んだために、僕たち二人だけみんなとは別の日に測定しなければいけなくなったのだ。 「おい、俺はこのあと用があるからさっさと終わらせるぞ。ぐずぐずすんなよ」 放課後の教室で僕が体操服に着替えていると、すでに着替え終わったチェがそう言ってきた。言われなくても僕だってこんなのさっさと終わらせたい。だけど、体操服に着替えて保健室に入った瞬間、そんな気持ちは吹き飛んでしまった。 保健係の楓ちゃんが僕たちの測定を担当することになっていたのだ。 「高橋くんとチェくん、今日は保健の先生がいないから私が代わりに測ることになってるの。よろしくね」 「楓ちゃんが測ってくれるんだ!」 僕は内心ガッツポーズをした。クラス1の美少女楓ちゃん。いつもは話す機会すらないけど、そんな楓ちゃんと今日はこんな近くでしゃべれるなんて。 「どうでもいいからさっさと測ってくれよ」 チェは楓ちゃんが測ってくれることなど至極どうでもいいことであるかのように不遜な態度をとっていた。まったく、こいつの存在自体にイライラさせられる。 「ごめんね、じゃあ、さっそく測ろうか」 楓ちゃんはこんな失礼なチェにも優しい。クラスの誰にでも平等に接するところも楓ちゃんの長所だ。顔が良いだけでなく、性格まで良いから、クラスメイトだけでなく先生たちにも好かれている。 「じゃあ、高橋くんはこっち。チェくんはこっちね」 僕たちは保健室の一角に作られた、カーテンで仕切られた狭いスペースに分けて入れられた。別にお互いの測定の様子が見えてもどうということはないのだが、これも昨今の教育的配慮の賜物ということらしい。 「まずは身長だね。高橋くんから測るね。えーっと、151.5センチ……と」 楓ちゃんが僕のそばに近づくとフローラルなシャンプーの香りがふわっと漂う。僕は吸気量をマックスにして、楓ちゃんの匂いを逃すまいと目一杯鼻に吸い込んだ。 「じゃあ、次はチェくんだね」 楓ちゃんがカーテンの向こうに行く。「165センチ、と」楓ちゃんの声が向こうから聞こえる。きっと楓ちゃんのことだからチェに対しても律儀に近づいてきちんと測定しているんだろう。自分の役目をこなそうとするのは偉いが、チェに対してはそこまで誠実にならなくて良いんだよ、と思ってしまう。 そのあとは体重、胸囲、腹囲と一通りの測定を行っていった。胸囲や腹囲は体操服の上を脱いで上半身裸になる必要がある。僕は楓ちゃんにその姿を見られるのが恥ずかしかったが、一方でこんな姿で楓ちゃんのすぐそばにいることにも興奮した。 チェはすべての項目で僕の数値を上回っていた。太っているだけだから、いくら数値が大きくてもそれ以上の意味はないと理解してはいるものの、チェに負けるのはなんだか悔しかった。 時折カーテンの向こう側から聞こえてくる、「わー!チェくんおっきいね!」といった楓ちゃんの無邪気な声にも、あらぬ想像を働かせてしまって一人でヤキモキしていた。 「じゃあ次は……」楓ちゃんがシャープペンをカチカチさせながら項目の一覧を眺めている。 「今年から始まった陰茎?サイズ調査だね」 にこっと笑って楓ちゃんが言った。 そう、陰茎サイズ調査。この測定をみんなの前で行うのが嫌だったから僕は身体測定の日に学校を休んだのだ。今年から始まった陰茎サイズ調査では、全国の小中学生の健全な性徴の発育を記録する、といった名目で僕たち小学生や中学生の陰茎サイズを年ごとに記録していくことになっている。林間学校で見た他の人のサイズから考えても、自分のチンコがそこまで小さいモノではないと思ってはいるが、それでも人にサイズを測ってもらうというのはどうしても恥ずかしい。 そして今日の測定員は楓ちゃんだ。僕は恥ずかしさを堪えて、グッと体操服のズボンとパンツを引きずりおろした。 「まずは高橋くんから計りまーす」 楓ちゃんの声とともに、メジャーの冷たい感触をチンコに感じた。


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