日本人と韓国人の保健体育④
Added 2020-11-25 13:23:00 +0000 UTC放課後、僕と麻里ちゃんは図書館で待ち合わせた。 「待ち合わせた」というと、まるでこれからデートでもするみたいだけど、ただ一緒に勉強するだけだ。僕たちは、同じ私立中学校を目指していて、麻里ちゃんとは、志望校の過去問を解いたりして切磋琢磨している。 「この問題の解き方わかる?」 「えーっと、これは、確率の問題だから、まず全体の確率を1として……」 …… 「圭吾くん、こんな難しい漢字読めるんだ。習ったことないから全然知らなかった」 「はは、まあね。この前読んだ小説でこの漢字が入った熟語が使われてたんだ」 …… 勉強は僕の大得意分野。 これまで、クラスで行われるテストでは1位の座を失ったことがない。 週2で通う塾に加えて、家でもちゃんと予習・復習しているから、僕にとって学校の勉強なんて難しいと感じるわけがないのだ。 模試の結果から言っても、志望校に受かるだけなら今のままでも正直余裕だとは思う。 だけど、僕は何としても麻里ちゃんと一緒に中学校に入りたい。 だから、こうして麻里ちゃんをサポートして、麻里ちゃんの学力をアップさせようという目論見なのだ。「麻里ちゃんと一緒に勉強できる」ことを考えれば、僕にとってもだいぶメリットのある話だし。 「やっぱり圭吾くんって教え方うまいね。先生の授業だとよくわからなかったところが、圭吾くんに教えてもらうとすぐわかっちゃう」 「そ、そうかな。まあ、自分なりに意味を考えて解くようにはしてるかな。それに、学校の先生って時間内に全部教えなきゃいけないから、どうしても細かいところを丁寧に教えるっていうのは難しいよね」 麻里ちゃんに褒められて、まんざらでもない気分だ。ニヤケ顔になってしまいそうなのを必死で抑え込む。 「さすが圭吾くん。ちゃんと考えて勉強してるんだね」 「ふ、ふふ」 ああ、幸せだ。この時間がずっと続けば良いのに。 僕には、もう一つ目標がある。 それは、麻里ちゃんと一緒に中学受験に合格し、卒業式の日に桜の木の下で告白すること。 ベタかもしれないが、そんな爽やかな交際のスタートを思い描いている。 もちろん、麻里ちゃんがオーケーしてくれるとは限らない。だけど、今は、少しでも麻里ちゃんの好感度が高くなるように、学校にいるときはなるべく一緒にいて、勉強を教えたり、おしゃべりをしたりして仲良くなるのだ。