さて、今回は前々回の続き、絵作りについて解説していきます!
今回はかなりがっつりです!
今回とても写実的になっていますが、最初からそうしようと思っていたわけではありません。実は最近絵の中での明度に関する考え方が少し変わったのでその部分が影響しているのだと思います。もっと分かりやすく言うと明度の差を利用して遠近感を出す方法が1つ何となく分かったと言えばよいでしょうか。
そして、その表現方法が写実的な表現に結びついているのだと思います。
ここで私が思う遠近による明度の変化のイメージをグラフにしてみたので掲載します。
これは現実ではふつうないのですが距離が変わっても光源に対する面の角度、材質が同じで、表面のテクスチャは均一に拡散反射する立方体をモデルに考えます。また前提条件としてこの空間に地球の大気があること、前述の光源は1つで観測者の真上の決まった位置にあることを考慮します。そして立方体の特定の一面の明度を記録しながら、その一面が光源に対する角度を変えないように遠ざけていきます。するとおそらくですがこんな感じになると勝手にイメージしています。
ある程度の距離までは明度が下がりますが、そのあとかなり緩やかな勾配で明度が上がります。これはおそらくですがレイリー散乱やミー散乱の影響が距離による明度の低下幅以上に大きくなる地点で勾配が逆転しているのだと思います。
宇宙で考えてみるとわかりやすいかもしれません。
遠くの星は天体望遠鏡を使わないと暗すぎて見えませんよね?
月は肉眼で見えても冥王星は無理ですよね?
これは宇宙に大気がなく、そして果てしなく広大な空間だからこそです。ただただ、距離とともに暗くなります。
ですが大気があるとそうはいきません。
実際によく晴れた日の写真を観察すると特に暗い部分で上の図のように明度が変化しているのが分かると思います。また上の図で示した条件とは違いますが、山の日が当たってない部分を近くの山と遠くの山で比べても明度が上がっているのが観察できると思います。
ではこれをイラストに応用してみましょう。
現実的に場所が変わって光源との角度が全部一定になるようなことはほぼ起きないので遠くなるほど暗くなる、すごく遠くなるとちょっとだけ明るくなると意識するだけです。
しかし、注意すべきことがあります。
それはコントラストです。
拡散反射体でできた立方体の特定の二面を考えます。一つは面の角度が光源に対して真正面から光を受ける面、もう一つは全く光源からの光が届かない面です。この二つの面の明るさの差をここでいうコントラストと定義すると上の図のようになると考えています。なお光源は先ほどと同じく観測者の真上の決まった位置にあるとします。
先ほどの明度のグラフと比べるとわかる通りコントラストは基本的に下がります。
しかも大気がない場合に比べてある方がコントラストは一気に下がります。霧の中をイメージしてみてください。ライトで明るく照らされたものがあっても少し離れると単色に見え始めますよね?あれのイメージです。要は大気中の不純物が多いほど霞み、私たちが霞んでいると感じる現象はコントラストの低下です。
上記のことが前提となってようやく本題なのですが、私は以前光があたっている部分の明度は落としていましたが、陰になっているところの明度は距離とともに明るくしていました。ただ、それでは写実的にはなりません。確かにコントラストの低下という意味では満たしているのですが、距離とともに明度が低下するという現実と同じ法則が適用できていないからです。狭い空間、特に室内空間で照明が一個しかなく窓から光が入ってこない夜のようなシチュエーションではそれが顕著に出ます。
また、この考え方をすることで背景が似たような色ばかり、すなわち急激にコントラストが落ちてのっぺりしすぎるという問題も防ぐことができます。もちろん、空気遠近法を強調したような表現でもそういった部分の遠近感は出せますが、二つの物体が重なって似たような色になっているところはグラデーションを間に入れて手前と奥を明確にしつつも、それが過度になりすぎないように制御するなどのテクニックが必要になってきます。
では、次に今回新たに試してみたことを順にあげていきます。
一つ目はf値の小さいレンズで撮ったようなフワッカリッとした質感を出すために線画の端、ぼかした部分との境界面にものすごく狭い幅ですが濃い色を入れています。
これによって遠くから見たときにピントが合っている感がより際立っていると思います。
2つ目は顔の立体感を適度に出すために赤の点線で囲ったところをメインに覆い焼き発光で明度を挙げています。二次元イラストの場合は顔の凹凸による陰影をつけすぎると(髪の落ち影は除く)可愛くなくなることが多いのでここのバランスにはとても気を使いました。
三つめは半影と呼ばれる現象の適応です。
室内の照明は点光源ではないため、このような現象が生じます。最も完全な点光源というのはこの世に存在しないので、実際問題特殊な場合を除き半影は存在します。ただ、太陽のように十分に離れているので点光源とみなせるものと違い、室内の照明は点とは言えないものがほとんどだと思います。むしろ面光源と呼んだ方がしっくりくることもありますよね……。なのでこれを描いてあげることで立体がつかみやすくなります。というのも半影の大きさ(ボケ幅)というのは光源、被写体、投影面の距離が影響します。光源と被写体が近くなるほど大きくなり、被写体と投影面が遠くなるほど大きくなるからです。さかまたの右足や左手がソファーや床から浮いているのがぱっと見で分かると思いますが、これが半影を描いたことのメリットです。またこの絵に限っては端の方にエッジが効いたものを持ってこないことで適度に視線誘導になっているというのもあります。
4つ目はカラーノイズです。
これによってリアリティが増したように思います。
やってみて思ったのですが写実的な表現と合いますね
もしかすると実際にカメラで撮った時にできるノイズと同じようなものなのでしょうかね~
ちょっとわからないですが……。
5つ目はソファーの3Dを使いました。
もちろんそのままではなく、上から塗りつぶすぐらいの勢いで加筆しております。ほぼあたりとしての役割と、テクスチャがいい感じの質感を出すのに寄与してくれました。テクスチャは全部に入れすぎると悪目立ちするのでところどころ消したり薄めたりしています。
6つ目は新たにやったことというよりは、気づきなのですが、反射を表現するとき、反射している部分は光源の色に近づくので、特に光源の色が強くない、白に近い色の場合にはレイヤー合成モードのスクリーンがやりやすいなーと思いました。床の反射や肌の光沢、髪のハイライト、赤のベルトの反射などで使用しています。特に赤のベルトの反射を考える際、そこまでつやつやしてないものですし、すでに光が強く当たっている面に対して反射を考えるのでこういった場面で調整しやすいなと思いました。
以上になります!
反省点は……そうですね~
良くも悪くも写実的なので、すっと引っかからず見れてしまう、悪く言えば目に留まらないのかもしれないです。写実的になって減点は少なくできたけど加点はされてないのかなって感じです。もっと遊び心を出していくのが今後の課題になりそうです。
自分の振り返りもかねて結構、ガチの内容になってしまったのですが、ここまで見ていただいてありがとうございます。今日の内容が誰かの役に立っていたら幸いです。偉そうに言ってきましたが間違ってること言ってたらすいません。特にグラフで説明してるところは何となく言いたいことはこんな感じね、ぐらいで留めておいてください(笑)あくまでイメージなので。
これ今日やってみて思ったのですが、いい復習になっていそうですね。
新しく試したことを忘れないように記録して、なおかつ皆さんに見てもらえることでさぼり防止にもなると一石二鳥ですね。
アーカイブでみてる人も私がさぼらないよう今回の内容についてコメントください(笑)
ではでは👋