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出来心

こんにちはこんばんは〜、ケモ汚っさんスケベ小説家のぱぱを🐼🐾です。なんか色々勘違いしてて今月はまだ300円プランでしか投稿してなかったことに気が付きました。つまり500円プラン支援者限定コンテンツはこの記事が初……ははは、まぁこういうこともあります。特に問題ないのでこのままで。というわけで今日は500円プラン支援者の人が待ち望んでいるようなヤツを持って来ました。


つい昨日のことですが……


3時間ほどの突発アンケートでこのような結果になりましたので、ドカタ熊おっさんのオカズにしてみました。本文1万1000文字ほどです。褌と地下足袋は性癖です。某○ークマンとか行ったらふぅん……ってなります。


そんなに長くないし若干薄味なような気がするので物足りない人もいらっしゃるかもしれませんが、お楽しみくださいませ。



※以下、本文。

****


「獣人のフェロモンは人間よりも優れており、特に雄獣人のフェロモンは人間の男女性別関係なく強く作用します。筋肉量や体格に優れていることもあり、肉体労働では獣人が……」


 夏休み前、最後の試練。多くの学生が死に物狂いで勉強を始めるこの試験期間、普段から熱心に講義を受けている僕でさえも例外でなく一日中机に向かって参考書を眺めていた。今までサボっていた者は僕以上に苦しい想いをしながら知識を脳内に詰め込んでいるだろう。最初から勉強する気がないなら受験なんてせずすぐに就職すれば良かっただろうにと思うのだけど、流石にそのようなことを面と向かって言うつもりはない。他人は他人、今は自分のことだけを考えることにする。


「就活、かぁ……」


 来年からいよいよ就活を迎える年齢となった僕は、非常に憂鬱な気分で毎日を過ごしていた。先ほど読み漁っていた“獣人生態学”の本にもあったとおり、獣人の雄フェロモンは人間にとって非常に危険な物質だという研究報告が挙がっている。僕が志望する企業……というか就活の軸として考えているのは、獣人がたくさんいる職場。それも屈強なガハハ系の雄がそこら中にわんさかいるような会社だ。となると業界は肉体労働系に絞られるのだが、なんとそういった会社は人間の募集をお断りしているのが殆どだそう。現実は甘くないと、そう突きつけられているような気がして僕はガックリと肩を落としていた。


「……はーやめやめ、気分転換にどっか大きな風呂でも入りに行くかなぁ」


 雄獣人のフェロモンを人間が嗅いでしまえばどうなるのか、その答えは文献にも論文にも記されていない。まるで世界がその事実を隠しているように、探しても探しても情報は出てこなかった。同期にいた獣人の知り合いに聞いてみてもわからないの一点張りで、首席クラスの犬獣人くんに聞いてもそれは同じ。であれば解明されていないと考えるべきなのかもしれない。……だけども僕は何とはなしに獣人のフェロモンを嗅いだ人間がどうなるのかを知っていた。その答えはネット上に投稿されたエロ動画にあったのだ。


“い゛っいぐうぅっ‼︎”


“ワシの下着がそんなにいいか、ガハハハ! それなら潮噴きするまでしっかり鼻穴こじ開けて嗅げやおらっ‼︎”


 土埃と汗でぐっしょりと汚れたシャツを着た肉体労働系の狸おっちゃんが、若い人間の女をバックで犯しながらパンツを嗅がせるシーン。女性は狂ったように喘ぎブンブンと首を横に振っては抵抗する様子を見せるものの、体は悦んでいるのか秘部から粘液がたっぷりと垂れ落ちているのが見て取れる。更には狸のおっちゃんが背後から覆い被さり、クロロホルムの染み込んだ布を嗅がせるように女性の顔をトランクスで覆う。白目を剥きながらガクガクと体が震え、それから間も無くしてピシャアアッとスプリンクラーのように体液が周囲に撒き散らされて。女性は潮が噴けて羨ましいし、僕も動画内の狸のおっちゃんからあんな風に乱暴されたいし……。パンツを嗅いだだけで急に体がビクンビクンと痙攣し震え始めるのはどう考えてもフェロモンの影響であろう。それに嗅げば嗅ぐほど淫乱になっているようにも見えるし、やっぱり獣人のフェロモンは媚薬のような効果がありそうだと踏んでいる。性別関係なく作用するということは、僕のような人間の雄にも作用するということで……ふぅん……。


 ……はぁ、ムラムラしてきた。


「ん……こんな銭湯、前からあったっけか」


 近場にある新しめな温泉施設に行くのも良いのだが、スマホで検索して出てきた風呂屋の中で一際ボロい外装の銭湯が目に留まる。熊野湯……確かこれって界隈でも有名なとこだった気が……え、まさか二駅隣にあったなんて……なんで今まで知らなかったのか。ピンときた僕は専用アプリにその名前を打ち込み、早急にクチコミを読み進める。専用アプリというものは、こちらの界隈では非常に有名な会員限定のもの。会員といっても、雄獣人好きな人間であれば誰も入会できる無料の会員なのだけども。通常表向きでは知られることのない、さまざまな裏情報が入手できるため僕も常日頃からチェックしている優れものだ。



“最近は近所に建設現場が多い関係で、夕方は大柄な獣人で混み合う銭湯です”


“現場で流した汗をそのままに集団でやってくるので、脱衣所のカゴから雄のニオイがムワッときます。好きモノにはオススメのスポット。合法的に嗅げます”


“鍵のあるロッカーがないので、脱衣所に誰もいない間は下着を嗅いで堪能してもバレなかった。たまたまだけど、十分ぐらい嗅がせてもらった。強烈でした(笑)”


“二、三日に一回来る全身切り傷まみれの狼が最高にシブくて、それ見るために通ってる”


“獣人たちがシモの話で盛り上がってるのを聞いてたら、湯船の中で勃つから困る”



「…………ふぅん」


 脱衣所に誰もいない間は下着を嗅いでもバレない、クチコミの中で僕が最も気になった書き込みがコレだ。時刻はまだ夕方とは言い難い何とも絶妙なタイミング、今から行けば……もしかしたら……。



 うむ、これはテストで良い点を取るために必要な勉強。雄獣人のフェロモンをどうしても嗅ぎたくて嗅ぎたくて仕方なかったんだ。人間という生き物は常に探究心を持ち合わせているので致し方のないこと。それに最近勉強ばかりで抜いていなかったし、ここいらで極上のオカズを調達することにしよう。


 ここの銭湯で特筆すべき点はいくつかあるが、まずは受付が無人だということに驚きを隠せない。隣に住む熊獣人のおじいさんが経営しているようで、たまに巡回で来ることはあるもののその頻度は三時間に一回程度との噂。券売機で券を購入し、専用の機械で通して脱衣所へ……って銭湯にしては随分とハイテクな機械があるものだ。これ、駅の改札口みたいじゃんか。古びた木造の老舗銭湯とは思えないような機械に驚きながら、僕は奥の引き戸を横にズラす。……わお、誰もいない。ラッキーと思ったのだが、なるほどお客さんも全然来てないようだ。クチコミの時間的にはあと数分後ぐらいに波が来そうなんだけど……ちょっとスマホを弄りながら待ってみるとしようか。あ、ここスマホ弄っても大丈夫なのかな。近所にある温泉では盗撮防止の為禁止とか張り紙してあったけど、ここには張ってなさそうだし……ま、いっか。


 それにしても自分の体は体毛があまり生えてなくて、逸物も小ぶりで……コンプレックスを感じてしまう。獣人にとってはツルツルスベスベで羨ましいとの声も上がっているようだが、僕にはどう考えても獣人の方が羨ましくてたまらない。そうこう言っている間に何だか野郎の騒がしい声が聞こえてきて――。


「うひょお、一番乗りぃ!」


「待て待て、オレのが先だっての!」


 ズシンと重みのある足音、早く汗流して湯に浸かりてぇとかビール飲みてぇなどと欲望が垂れ流しになった入り口周辺、来た、ついに来た。クチコミの噂は本当だったのだと改めてガッツポーズを取りながら、僕は銭湯に入る前にトイレへ行く人を演じながらしばらく待つことにした。まるで子供がそのまま大人になったかのような学生気分でズカズカと上がってくる獣人おっちゃんたち、本当は脱衣シーンもこの目に焼き付けておきたい所であるが今日のところは別の目的があるため我慢せざるを得ない。わざと個室トイレへスマホを持ち込みながら、彼らが浴室へと旅立つまで時間を潰して……。


「……行った、かな」


 するとどうだろう。脱衣所にはムワッとくる雄のニオイで満たされており、棚に置かれたカゴには土や泥で汚れたニッカポッカやらシャツやらが乱雑に置かれているではないか。へぇ……熊峰工務店、ねぇ。会社名まで晒してくれちゃって。どれがどの種族の衣服かわかったモノではないが、さてどれを物色させていただこうか。決して盗むわけではないし、ちょっとだけ鼻を押し当てるだけだから犯罪にはならないはず。ううむどの下着を嗅いでみようか……むう……と頭を抱えていたその時、ガラッと勢いよく引き戸が開けられ僕は思わず電撃が走ったかのように体をビクンと震わせてしまった。


「うわっ⁉︎」


「…………」


 もちろんまだどの下着を選ぶかという段階でパンツ一丁となっていた為、特に何かを咎められる事もなく。危ない危ないと額から流れ落ちた汗を流し、僕は静かに溜め息をついていた。無言で背後を通り抜けたのは、縦にも横にもデカい――熊のおっちゃんだ。先ほどの団体客と違って風格があり、そばを通っただけでも威圧感が凄まじい熊。まさか彼は……熊峰工務店の……いやそんなうまい話があるわけ……。


 ……。


 …………。


 汗染みのたっぷり染み込んだ黒いシャツ、その胸元には刺繍か何かで“熊峰”と記されているではないか。そこそこ視力のいい僕の目で見た光景だ、間違いない。あの人が工務店の親方か何かではなかろうか。やっべ、すげぇ……一枚ずつ丁寧に脱ぐのではなく豪快に衣服を脱ぎ捨てる様もまさに男の中の男。そして何より鼻を突くこの香り……これが……現場で働く雄獣人のニオイ、いやフェロモンなのだろう。決していいニオイとは言えないのに鼻が嗅ぎたくてたまらないとヒクヒク鳴らしてしまうし、下半身への血流が一段と良くなり愚息がググッと鎌首をもたげ始めていた。決して悟られぬようタオルで隠してしまったが、パンツを履いた上で更にタオルによって下半身を覆う行為は予想以上に不可解な行動だったのだろう。熊のおっちゃんはコチラを一度ジッと見たあと、首を傾げながら浴室へと向かっていった。


「……あっぶねぇ」


 誰もいなくなった脱衣所でつい口からこぼれ出てしまう。心臓が飛び出るかと思った。今、見ましたか? あの強面で迫力のある目つき、すっげぇ……あれが現場で働く大人の獣人か……。どこもかしこも雄臭い見て呉れで、それでいて嗅ぎたくなるような中毒性ある臭気をそこら中に漂わせている。カッコいい、すっげぇ……。もっと間近で観察すべきだったと後悔しながらも、僕の目線は一点を見つめて動かせないままでいた。そう、熊の彼が乱雑に置いていった仕事着と下着の山。やばい、あそこに鼻を埋めたら雄獣人のフェロモンがこれでもかというほどに嗅げるということじゃないか。……いいだろうか、本当に。誰も見ていないし、更衣室には監視カメラもないし。いいよな、だって僕テスト勉強も頑張ってるし、それに獣人フェロモンについては今回のテストで間違いなく出題される範囲だから……その、しっかりと学んでおかないと……。人は学び続ける生き物、これで少しでも成績が良くなるのであれば嗅がない選択肢はないだろう。


「うわぁ……」


 シャツも、ニッカポッカも、素晴らしいオカズとなり得る素質を持ち合わせている。だがそれよりもっと気になってしまうものが一つ。一番上へクシャクシャに丸め置かれていた布――褌。汚れが酷いのかどこもかしこも黄ばんでいて、アンモニア臭もかなりキツい。思わずウッ……と言ってしまうような強い臭気を前に、それでも僕は布を取り上げ顔の目の前で広げ始める。すげぇ、やべぇ、若者言葉とも呼ばれるようなモノしか喉から出てこない。股座を覆っていた部分は自分が今まで嗅いだことのないような雄のフェロモンを擦り付けられており、少し触っただけで何だかネバネバした液体が指に付着する。汗でもこのような粘度とならないだろうに、ではこのたっぷりと染み付いた液体は一体……。


「……はっ、ん゛おっ……」


 豚だ、豚がいる。フガフガと下品な音を鳴らしながら褌を嗅ぐのは堪らなくいい、初めてであるはずなのにいざ自分でやってみるとこんなにもいいモノなのか。鼻の中を満たす熊の臭気、脳まで一気に駆け抜けるフェロモンの波は想像を絶する臭さ。一体何日締め回しているのか聞きたいほど目と鼻がツンとくるし、体温が一気に上昇しているのがイヤでもわかる。想像の通り、これは発情という現象に違いない。僕は雄である熊のおっちゃんが締め回した褌を嗅ぎ、興奮しているのだ。扱きたい、扱きたくてたまらない。今ならバレないだろうか、だが彼らはいつ帰ってくるかわからない。十分ぐらいならまだ帰ってこないだろう、いやしかし……。


 悩んでいる時間がもったいない。そう思った僕は雄の汚れにまみれた黄ばみ褌を手で握りしめたまま、備え付けの個室トイレへと足を運んでいた。強く握られた手のひらから、布に染み込んだ熊の雄汁が床へ垂れ落ちている事に気付かぬままで。


「うお……すっげ……ん゛ぐっ……」


 トランクスをずりおろし、便器に座って。数秒経たぬうちに高速の手淫が自動的にスタートし、欲望のままに性欲を発散しようとするモンスターが一匹生まれてしまった。いつもオカズに使っているノンケモノの雄獣人とメス人間がまぐわう映像を思い出し、フィニッシュで己のトランクスを女性の顔面に押し当てるシーンを何度も何度も頭の中で再生しながらシコり続ける。頭がバカになってしまったようだ。猿みたいにシコシコ、グチュグチュ、粘液の音がまたエロさを際立たせる。最近行った手淫でも最も気持ちが良いと言えるだろう。久方ぶりのこの感覚を存分に楽しみながらも、限界はすぐそこまで来ているようだ。


「ぐっ、お゛おおっ、お゛っ……う、んん……」


「あのー。トイレ、まだ開かねぇすか」


「はっ、はひっ⁉︎」


 体が一瞬、陸に打ち上げられた魚のように飛び跳ねた。まさに射精する直前、何ともタイミングの悪いことにトイレの利用者が来てしまったらしい。かなり乱暴にドアをノックしてきている辺り、漏れそうだという強い意志を感じる。僕は慌ててトランクスを履き直し、手に握られた褌を頑張っておにぎりサイズほどに丸めてから飛び出すようにトイレからの脱出を試みた。ああ、備え付けの消臭スプレーでも振りかけておけば良かったか。まぁいい、それよりも早いところこの褌を元の場所に戻しておくのが先決で……。


「……ふぅん、テメェか。最近この銭湯でオレたちみてえな獣人の下着を狙ってやがる変態野郎は」


「あ、えっ?」


 僕はてっきり、新しい利用客がトイレ待ちをしていたのだと。そう思っていた。なのに、ドアの前にはつい数分前に見かけた太鼓腹の強面熊おっちゃんが、腕を組みながらこちらを見下ろしていたのである。生きた心地がしなかった。さっきまで風呂に入っていただろうに、だけども体毛はどこもかしこも濡れていない。いや、元から汗で蒸れてはいたが……お湯をかけた形跡なんてどこにもないのだ。


「ちょーっと、こっちに来てもらおうか。なぁに、悪いようにはしねぇよ。悪いようには、な」


「あ、な、なにをし……ちょ、離してください。僕、用事があるので……そ、その……」


「……逃げるなよ? 逃げたら、警察呼ぶ」


 その目は自然界で言うところの“狩り”をするような目つき。僕は選択肢すら与えられることなく、浴室へと引きずりこまれてしまったのだった。



 この日を境に、僕の人生は一変する。あのクチコミを信じてやって来たのが間違いだったのかもしれない。


「お願いします、どうか警察だけは……か、返したじゃないですか、だから……」


「だから、なんだ」


 胡座を掻きながら僕を囲むようにして座っている獣人およそ十数名。腕をタオルで拘束され、正座をさせられて。目の前で風呂用の椅子に腰かけている熊は、トイレで出会した頃から一切表情を変える事はなかった。犯罪者、いや下等生物として見下しているような顔。人を一瞬で殺せそうな鋭く威圧感のある目つき。そして思わず鼻を覆いたくなるような凄まじい臭気を纏っており、先ほど短時間ではあったものの鼻を押し当て嗅ぎ回った黄ばみ褌のニオイを鮮明に思い出してしまう。鼻が痛くなったし、喫煙者並みに肺への影響も少なからずあるだろうに。なのに四六時中嗅ぎたくなるようなあの中毒性、獣人のフェロモンには一体何が含まれているのだろうか。書物や文献で毒物と表現されていたのは、まさか中毒性があるという意味で……。一瞬で鳥肌が立ち、首をブンブンと振りながら否定を続ける僕。熊のおっちゃんはそれを見て、フンと嘲笑うかのように僕へと話かけてくる。


「ふぅん、危険をかえりみず自分から獣人のフェロモンを嗅ぐバカがこの世にはまだいるんだな。オレも勉強になったよ」


「……お゛げぇっ‼︎」


「てめっ……顔を背けるんじゃねぇ」


 浴室の床で濡らされた熊の足裏が、僕の頬をグリグリと押してきた。一瞬饐えた雄の臭いが一気に鼻腔内へと広がった時、僕は嫌悪感を目一杯顔で表現しながら首を反対方向へと回してしまう。そんなモノを押し当てられて悦ぶ人がどこにいるのやら。先ほどまで褌でいい気分になっていた僕、その状態とは正反対だと言えるような反抗的な目つきで熊への抵抗を続けていく。


「じゃ、今からオレたちがみっちり教育してやるよ。世間知らずの人間様が知らない、獣人のみが働くことを許された現場に隠されたヒミツをな」


「う゛ぇっ、お゛っ……おごっ‼︎」


「地下足袋ん中は蒸れるからな、うへぇ……こっちにまで臭ってくら。にしてもお前……こんなモン嗅ぎたくて来たのか……うわ……」


 無理くり上半身を起こされ、僕は正面から熊の足を受け止める。それも顔面で、目一杯。立つため、歩くために日頃から地につけている足という部位で踏み躙られるという行為は、想像以上に自分自身の存在を貶されたかのように感じてしまう。それに何と言ってもこの耐え難い臭気がキツすぎるし、背後から何者かによって押さえつけられている僕には対抗手段もない。自分の顔面よりデカい熊の足、本気で踏みつけられれば頭蓋骨が一瞬でひしゃげるであろうことは誰が見ても一目瞭然。これからどんなことをされるのか、タオルで縛り上げられながらも僕はどことなく期待していたようだった。


 そう、性的に虐められることを。



「ん゛ほぉおっ、お゛〜〜〜っ‼︎」


「これで十二回目……と。流石にそろそろしんどくなってきたか? ……だろうな。オンナみてぇな透明な汁ばっか撒き散らしてるのがまた面白ぇ。お前、いいな、もっと虐めてやりたくなる顔してら」


 名前も顔も知らない、今日が初対面の現場獣人たち。輪になって胡座を掻いている彼らに回され、腋に挟み込まれて射精したら次の人へというように僕は拷問を受けていた。いや、拷問ではないのかもしれない。触っていない自身の逸物から、ビュッビュッと粘液が吐き出されているのが何よりの証拠。気持ちがいいんだ、むせ返るほどにキツい雄の臭いを嗅げば嗅ぐほど、股のモノが気持ちよくなる。夢精をしている時のような感覚を覚えながら、僕は現場仕事の獣人による特濃生フェロモンを存分に嗅がされていた。腋に挟み込まれ、体毛とはまた違った剛毛に染み込んだ汗を塗りたくられ、僕の顔面は色んな獣人の汗で酷い有様となっている。タイルの上へ仰向けに転がされた僕の周りにはすぐさま獣人たちが集まってきて、耳がキンとなるような熊のおっちゃんの男らしい掛け声と共に今度は逸物の先っぽを向けられた。どの獣人も人間サイズとはかけ離れた超大型級であり、あんなモノで女性の中を……と脳内はピンク一色に染まったまま。やがて四方八方から粘液が飛び散ると、一滴残らず僕の顔面へと塗りたくられる。


「ザーメンぶっかけんじゃねぇぞ。人間にゃ我慢汁がよく効く。コイツ男のくせにオンナっぺぇ体つきと顔してっから、お前らの大好きな妄想でもして歓迎してやれ」


 獣人の我慢汁は、人間でいうところの射精に近い量を一気にビュッと吐き出すことも珍しくない。特に僕のすぐ右隣でシコシコしている牛のおっちゃんはシャワーみたいに我慢汁をぶっかけてくるし、真上で扱きあげている猪のおっちゃんはヌルヌルすぎてヤバい。顔面をパックするように我慢汁のシャワーを浴びさせられ、熊のおっちゃんは頃合いだなと言いながら両手に何かを握りしめていた。どちらも人間が食べるオニギリほどのサイズにまで丸められた、下着。それも熊のおっちゃんが脱衣所で脱ぎ捨てたヤツ。顔面中獣人の我慢汁でヌルヌルとなった僕の目の前へと差し出された最初の下着は、彼の黄ばみ褌であった。


「お゛っ、んほぉっ‼︎」


「そんなにコイツが嗅ぎてぇのなら、顔に締めてやるよ。どうだ、いいニオイなんだろ? こんなクセェのが好きなヤツがいるって聞いた時には驚いたもんだが……こういう汚ねぇモンを嗅がせてやるのもゾクゾクきやがる」


 ちんぽが何度も何度も擦り付けられ、変色を繰り返した褌の前袋。そこが鼻へ直接押し当たるように調整し、僕の後頭部でギュッと結びつけられる。我慢汁でコーティングされた顔面に、熊の黄ばみ褌。しかもそれだけでは終わらない。もう片方の手に握られていたのは、黒くてクシャクシャになった物体。……臭いだけでわかった、アレは熊の……。


「ちょうどいいとこに穴が開いてんなぁ。顔中ヌルヌルで寒くなったろ、コイツを履けば安心だ」


「――っ、――っ⁉︎」


「おい暴れんじゃねぇ! しっかり押さえつけとけ!」


 気を抜いていたのだろう、背後で僕の体を固定していた獣人がうっすと元気よく声を上げると身動き一つ取れないほどにまで体の拘束を強くされてしまう。ただでさえ背中側で両腕を縛り上げられているというのに、彼らの中には慈悲というものがまるでないらしい。先ほど顔面に押し付けられた熊の足からして、靴下が履けることは容易に想像がつく。暗闇の臭気トンネルを駆け抜けると、なぜか鼻と口元だけが外の空気を感じ取っていた。それに比べ頬や顎の辺りは生ぬるい感触を覚えていて、今僕は間違いなく熊の靴下で顔面を覆われているのがよくわかる。熊の親指が開けた靴下穴は、僕の鼻と口を出すのに丁度いいサイズのようだった。出口付近は足指が何度も押し当てられていたのか、熟成された臭気の塊が僕の鼻を襲い続ける。もちろん獣人の濃厚我慢汁も、鼻にギュッと巻かれた黄ばみ褌も。もはや何のニオイかわからない程に獣人のフェロモンが混ざり合い、僕は顔を真っ赤にしながら目や鼻から体液を撒き散らす。もちろん外からは誰も気づく事なく、靴下へ、褌へ、粘液たちは染み込んでいった。


「う゛えぇ……げぇっ、ごほっ……うう……」


「まだまだ迎えまで時間はたっぷりあんだよ。全従業員の種汁全部搾り取るまで、今日は使わせてもらうぜぇ」


 目元は完全に靴下で覆われており、周りの様子は何一つとして見えてこない。力なくうつ伏せに倒れながらゲホゲホと嘔吐く僕の目の前に、何かが置かれているのはわかるのだが……。黄ばみ褌、それから上下左右から降り注ぐ靴下にこびり付いた饐えたニオイによるフィルターを通して鼻に入ってきたのは褌以上に強烈なアンモニア臭、それから靴下以上にツンとくる雄の饐えた臭気であった。


「おら、鼻鳴らして嗅げ。このちんぽはどの種族のちんぽか当ててみろよ。熊、狼、牛さぁてどいつだ?」


「わ゛っわがんない、ですっ‼︎」


「答えろ、答えねぇのなら……そうだな、どうせお前便器みてぇなモンだし小便でもぶっかけてやろうか」


「やっやだ、あ……くっ熊です、熊‼︎」


「ははは、残念。答えは犀でしたってな。じゃ、間違えたヤツにはケツ穴でしっかりちんぽの形覚えてもらうとすっかねぇ……」


「い゛っ、い゛ぎっ、んう゛ぅっ‼︎」


 今まで一度も使ったことのない穴を、何者かがほじくり回す。きっとこの感触からして指一本、なのに獣人の指は人間の親指よりも太くて逞しいから三本ぐらい入っているようにも感じる。いつか拡張してやろうと、そう思っていた矢先にこれだ。思った以上に気持ちよくなく、激痛を感じた僕は強い拒絶を示して声を荒らげていた。


「ふぅん、処女か。いいぜ……アガるなぁお前……獣人のメスには不評の雄臭ぇ野郎どもの纏うクセェのが大好きってなだけでもう……ヤり甲斐あるよなぁ……安心しろよ、初モンならケツでイケるまで付き合っ……いや突き合ってやっから」


「ぎっいぎっ、ん゛〜〜〜〜っ‼︎」


「ああ、わかるか。ここ、気持ちいいだろ。あとで極太ちんぽ使ってたっぷり擦ってやるから楽しみにしてな」


 刺激すれば男性にとって極めて気持ちいい感触が全身を突き抜けるとされている器官、前立腺。重点的にゴリゴリと指で押され、体がもう雄ではいられなくなっている。メスだ、これがメスになるということ。エロ動画で散々見た獣人と人間のまぐわう映像が、今再び脳内で再生される。これから僕は、あのような辱めを受ける。間違いなく、ほぼ確実に。


「助けが来るなんて生ぬりぃ考えは持たないことだ。今日の銭湯営業はもう終了してるんだからな」


「ひぐっ、う……ぁ……」


「オーナー様には感謝しとかねぇと。悪質な下着泥棒野郎をとっ捕まえたら好きにしていいって、なかなか太っ腹だよなぁ。にしてもこれからコイツ、どーすんだか。こんなになるまで嗅がせたらもう一般社会じゃ生きられねぇだろうし……」


 もう何本咥えたかわからない、ただケツの穴がありえないぐらい広がっているのは確か。それでも尚、獣人の規格外サイズちんぽが受け入れられるかどうかは……。


「ああ、罪人の扱いだし別にどーでもいいか。ガハハハ! もしオーナーから売りつけられたら言い値で買ってやるよ。そんときゃウチの独身寮で死ぬまで性処理係として働いてもらうかんなぁ。手足にオレたちの靴下でも履かせて、顔面は褌マスク。そのまま寮で生活させてみるのも悪かねぇ」



 後に知った話であるが、その日を境に界隈で賑わいを見せていた銭湯のクチコミは一括で削除される事となったらしい。なぜかはわからないし、僕のような犠牲者が出なくなったという事実だけで一安心というもの。それにしても獣人のフェロモンはとても恐ろしいものだった。そう、薬物中毒者だった者が“薬物は恐ろしい、手を出してはならない”と皆に伝えるのと同じように、僕も広めていかなければならない。雄獣人のフェロモンは人間にとって害となる、と。


「ん゛〜〜〜っ‼︎」


「てめ、廊下に粘液ぶちまけてんじゃねぇよ汚ねぇ‼︎ ……おら、舐めろや。掃除道具ねぇんだから、オレが足の毛使ってモップ代わりに掃除してやったんだ」


 ……また、射精してしまった。褌マスクを装着した僕は、四六時中射精する可能性がある爆弾を装備させられたも同然。日々熊のおっちゃんを見るたび、他の獣人従業員を見るたび、僕は透明な粘液をビュッビュッと股座から撒き散らす。そのたび掃除しろだの言われ、結局ケツまで使わせろと言われるのが当然となっていた。


「んぶっ……んちゅ……」


「おら、指の間の皮脂まで舐めろっていつも言ってるだろが! 仕事終わりの足ぐらい満足に舐められねぇで働けると思うなよ。……ふぅん、また一晩中お仕置きを受けたいってか。それでもオレは構わねぇがな」


「ん゛〜〜〜〜っ、んぶっ‼︎」


「いいんだぜ、一晩中鼻に褌巻き付けてそのままオレの三年は履き潰した地下足袋ん中へ顔突っ込ませて放置してやっても。あん時は酷かったよな、朝起きたら布団がお前の粘液だらけでよぉ。そんだけ獣人のニオイに耐性つけたんだ、お前の永久就職先はウチで間違いねぇってことよ。ガハハハ!」



 僕が利用していた会員制アプリ開発者の関係者に、僕の人生を狂わせた老舗銭湯のオーナーが携わっていることを知るのはまだまだ先の話だ。




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