こんにちはこんばんは……ではなかった。メリークリスマス!どうも、ぱぱを🐼🐾です。気がついたらめちゃくちゃ寒くなっておりましたが、皆様変わらずお元気でしょうか。私はたぶん元気です。年末はちょっと忙しいけど……でも生きてます。
コミケとやらで原稿シーズンに入っている方も多いようですが、コミケは一般でも参加の敷居が高そうなので今後も絶対行けないですね……けもケットと違って色んなジャンルの方が参加されますし、ちょっと怖い(そもそも今年に至っては事前抽選?らしいですし)。行かれる方はどうぞお気をつけて。今年最後の行事なので、何事もなく終わりますよう!そんな私も来年に向けて原稿を進めておりますが、最近あれやこれやしてたらペースが落ちてしまった。また気合を入れ直さねば。あれやこれや詰め込もうとしてたらいつの間にかとんでもない量になっていたのですが、この話はまた今月末のブログ記事で。
話が脱線しましたが、せっかくのクリスマス!今日は300円プランと500円プランに見合ったお話をそれぞれ投稿いたします。本記事の作品は1万5000字ほどです。……あ、今回はお話重視なのでエロはかなり控え目です。というわけで、読み終えたら心温まる感じになります。ぱぱを先生にとっては非常に珍しくてキレイな作品です。順番にお読みいただけると嬉しいですが、興味のある獣人のところだけ読んでいただいても問題ございません!虎、猪、牛、熊、狼の順です。さて、ケモおっサンタはどのようにして子供達へプレゼントを配るのか、このお話を通じて理解していただければと思います🎄私もケモおっサンタさんからプレゼント欲しい……。
今夜は皆さんご馳走を食べるんですかね。いっぱい食べて、いっぱい太ってください😇
ぱぱを🐼🐾より
※以下、本編。
***
「むほほほ! 今年はやさしい雪空じゃの。……クシュンッ、うー……早いところコタツであったまりたいところじゃが……」
とぼとぼと道を歩くのはこの道うん十年のベテランサンタ、虎おっサンタ。こじんまりとした鍵を手に握りながら、彼は一軒家の家へとお邪魔するようです。
「……おじゃましまーす。あっ! お、親御さん! こんばんは、ご無沙汰しております」
……どうやらこの家の父親と母親は、深夜日付が変わっても布団に入ることなく夜更かしをしていたようです。ワイングラスをグイッと飲む直前の動作で虎のおっさんが入ってきたので、驚いて顔が赤くなっています。いや、お酒のせいかもしれませんね。
「事前にいただいておりました鍵、ありがとうございました。おかげでこうやって入ることができましたので、こちらはお返しいたします」
なんとも礼儀正しいサンタさんなのでしょう。侵入しやすいように事前に“サンタが行きますよチラシ”を配っており、すでに配送する予定のルートの家の鍵を入手していたのです。これにはビックリ、他の誰よりも優秀なサンタさんですね!
「それでええと、息子さんは……なるほど、お二階ですね。それはさておき……せっかくなので少しだけお話しましょうか。息子さんは今年もとってもいい子でしたよ! 人がやりたがらない事を率先してやるような、そして弱いモノいじめは絶対に嫌うすごく正義感の強い子で――」
まるで家庭訪問なみにご両親へ息子さんの様子を説明する虎おっさん。いったい少年のことをどこで監視していたのでしょうか。正直家庭訪問をする先生よりも子供のことをよく知っているような……あれ、そろそろプレゼントを渡しにいかないといけないのでは?
「あ゛っ、し、失礼しました。ははは、つい話し込んでしまって。んではちょっくらお二階に上がらせてもらいます」
本来の業務を思い出した虎のおっさんは、そろり、そろりと二階へ上がっていきます。扉の閉まっている子供部屋の場所を確認すると、音を立てないようにドアノブを回して……おお、やはり侵入はとても上手ですね。靴下を脱ぎ、肉球を使って足音が出ないようにしてい……。
「あ゛っ⁉︎ な、なんじゃこの床は……心臓が飛び出そうじゃ」
部屋の床がギシギシと音が鳴ってしまうのは、サンタ界隈でもよくあるパターン。特にふくよかな虎おっサンタは他のサンタよりも軋みやすいのですが、虎のおっさんはそれだけでは動じません。といっても突然のアクシデントに尻尾がブワッと膨れ上がっているようです。ちょっとだけビビりな部分があるようですね。プレゼントは無事に置いてこられるでしょうか?
「……むふ、むふふ。かわええ子じゃ。スヤスヤ眠っとる」
横向きになりながら布団を落としてしまっている少年、虎のおっさんはやさしく掛け布団を上からかけてあげました。冬場に風邪を引くほど大変なことはありませんからね。とてもやさしい虎おっさんです。
「かわええかわええ……」
顔を見ているだけで時間が無限に経ってしまいそうです。見知らぬおじさんにニヤニヤされたら気持ち悪いことこの上ない案件になりますが、サンタさんだから許されていると言っても過言ではないでしょう。……それで、そろそろプレゼントを置かないと時間的にマズいんじゃないでしょうか。虎おっサンタさん?
「……んー……ちょっと冷たい気が……。うーん、ちょっとだけ……ちょっとだけ温めてあげようかの」
おや? 布団の中にモゾモゾと……何をするつもりでしょうか。あっ、少年の腹のあたりに顔を埋めて……前から抱きついているようですね。これ、大丈夫なんでしょうかね。いいんでしょうかね。見ないフリをしておいた方がいいですかね。
「むふふ、わしが温めてあげよう。はー……スン……」
どさくさに紛れて少年の匂いを嗅ぐのはやめた方がいいと思いますが……まぁ一年に一回ですから、許してあげましょうか。
「ふむふむ、よく眠っておる。ええとプレゼントを……どこに……机の上がええかの」
そう言うと虎のおっさんはプレゼント袋からとびきりデカい箱を取り出し、そっと置きました。あれは最新のプラモデルですね。いくらサンタとはいえ、購入にはかなり苦労したレアもののプラモです。大事にしてもらえるといいですね。
「ふぅむ……名残惜しいが、そろそろ行かねばならぬ。最後にもう一回……もう一回だけハグ、しても許されるじゃろ。むふふ」
コラコラ、子供に虎の匂いがついてしまいますよ。結局十分近くは子供とハグをしながらベッドで一緒に寝転がっていたようで、次の配送予定時刻を大幅に遅れています。これには虎おっさんもビックリ。さて、配送は無事に終わるのでしょうか?
「あわわわ、怒られる! 早いところ次へ行かんと……あ゛っ、ど、どうも、任務は無事に終わ……え? 一杯やっていきませんかって? いやいや私はまだ仕事が……あっそんな、困ります……あっ、ま、まぁ一杯ぐらいなら……へへへ、それじゃあお言葉に甘えて……」
……玄関前に待ち構えていた家族に捕まったようですね。ワイングラスに注がれたシャンパンを一気飲みなんかしちゃって。あーあ、これでは次の家の子がプレゼントを受け取るのはいつになることやら。
「ガハハハ! わしは元々酒豪で名が通っておりましたから、それはもうたくさん飲……えっこんなにいいワインを⁉︎ へへへへ……それじゃあ……」
ベロンベロンに酔っ払った虎おっサンタさんは、次の配送を忘れて結局朝までご家族の方と飲み明かしましたとさ。めでたしめでたし……?
「えーとなになに、次はここか。確か……この辺一帯はせきゅりちーっちゅうヤツが厳重で面倒なとこやんな。なんでわい、今年はこの地区担当なん? こういうんはもっと経験を積んだ上の役職のおっさんが担当するとこやろが……」
猪おっサンタさん、今日は高層マンションの子供を担当するようです。文句をブツブツ言っていますが、彼は人一倍、いや獣人一倍面倒見が良いと評判です。ただ……教育に悪いことをたくさん知っているので、親御さんからの意見は真っ二つに割れています。ですが、不思議なことに子供からの評判は抜群に良いのです。
「……お? おぉ? なんや、珍しく馬券当っとるやんけ。額はそんなでもないけど、こりゃあツイとる」
スマホで配送地域を確認しながら、猪おっさんは競馬レースの結果を確認しています。仕事前にこんなことして大丈夫かな? 上に知られたら減給だと去年も散々言って……言われていた気がするけど、もう忘れてしまったのかな? ん?
「さぁて、まずは六階やんな。……はーめんど。どうやって行こか。わい、ただでさえ重量級やし……」
すると猪おっさんは、鉤縄をヒュンヒュン回してベランダへと投げつけます。グッと縄がかかっているのを確認すると、シュルルッとメジャーのように縄をしまって上へ上へと登るのです。この装置は特注品で、重たすぎるアンド運動神経が悪すぎる猪おっさんの為に作られました。
……作成する為に使用した費用については聞かない方が良いでしょう。故に、“お前こんなものを会社に作らせておいてバイト辞めるなよ”と上層部から念を押されています。猪おっさんは賭け事が大好きなので、時給の高いサンタのアルバイトは辞めないだろうと踏んでいますが……わりかし色んな人に心配されています。
「はぁっはぁっ……あと一階やんな」
ベランダからまた別のベランダへ、猪おっさんは蜘蛛のようにヒョイッヒョイッとのぼり続けます。全身汗だく、息はぜぇぜぇ、とても辛そうです。普段は肉体労働で生計を立てているはずなのに、なぜだか運動不足です。不思議ですね!
「あー……もう無理。ほんまこの仕事辛い……せやけど馬券買えんくなってまうし……ぐう……タバコも……はー……頑張らなあかんか……」
とても仕事がイヤそうですね! 愚痴が止まりません。ようやく目的地へと辿り着いたのですが、子供部屋はどうやら別の場所らしいです。……そうそう、その足場のない隣の小さな窓ですよ。
「げっこんな狭いとこ、わい入るやろか……ってまずは開けてもらわな話が進まんやろが。おーい、起きてや! お客さんがここに来とるで!」
ベランダの横にある小さな小窓を、猪のおっさんはガンガンと乱暴に叩きます。これには中で寝ていた子供もびっくりです。たまらず窓を開けて何事かと辺りを見回します。
「うわぁっ、おじさん誰⁉︎」
「おおきに。わい、今年のサンタさんや。すまへんけど、ちょっと入るさかい」
上半身をグッと小窓に突っ込む猪おっさん、ですがちょうど体の半分が入った辺りで一旦動きが止まります。
「……あかん、ケツデカいから通らんわ。たびたびすまへんけど、引っ張ってもろてもええ?」
「は、はぁ」
「ぐっ……あだっあだだ、腕引っ張りすぎや! 痛い! もっとやさしく頼むわ!」
大きなお芋を引き抜くような要領で、少年は猪おっさんを引き抜きます。ただでさえ汗だくなのに、手のひらがベトベトになって少しだけ不愉快そうな顔をしていますね。
「かぁーっ助かったわぁ! おおきに! 最近の子は困った人を助けましょう的な教育をちゃんと受け取るんやな。関心関心。エラい子や!」
内心複雑な気持ちになりながらも、見知らぬおっさんに撫でられることは少年にとって嬉しいことのようですね。彼の顔に笑顔が戻りました。さぁ、そろそろお仕事をしていただかないと。
「せや、わいサンタさんやで。はいこれ、プレゼントや。ええとなになに……某外国で超有名なチョコレートの詰め合わせ……やって? こないなもん欲しかったん?」
「う、うん。僕のお父さんとお母さん、よく海外に出張に行っちゃうから……その時のお土産でもらった事があって、すごくおいしくて。また食べたいなと思ったの」
「こいつは中々のもんやで。お値段なんと……あっそれは教えたらあかん約束やった。今のは忘れてや。ささ、ええ子にしとった上にわいを助けてくれた恩人さんにチョコあげたろ」
猪のおっさんが今までに食べたことがないであろう、とても美しい包み紙のチョコレートボックス。表彰状を渡すようにして少年へと渡し終えると、なぜかおっさんはマズルに人差し指を当てながらジッとその箱を見つめて……コラコラ、子供の前でそんな顔はやめなさい。
「……な、なぁ、その、めっちゃええ匂いするやん。わいにも、その、一口、ええかな? あっ、無理にとは言わんで。言わんけど……鼻を突くこの甘い香り、たまらんのや……ぐう」
ニコニコ顔で何かを求める猪おっさん。少年はおっさんよりも頭が良いのだろう、色々と察した様子で箱の包み紙を開けると中からまん丸のチョコボールをひとつ手渡してくれました。なんともまぁやさしい子ですね。猪おっサンタとは正反対の性格かもしれません。
「ぐふふふ……ええのん? いやー悪いわぁ、でもせっかくのご好意やし……むふふ! いただきまーす! ……んっま、なんやこれ、え、チョコ……? これが? こないにうまいチョコ、初めてやわぁ……たまらん……ぐっ……あ、もうなくなってもうた。…………いやいや、流石にもう一つ貰うわけにはいか……え? ええのん? でへへへ……やさしい子やなぁほんま。おおきにおおきに!」
……コラコラ、少年も苦笑いしながら困っていますよ。そろそろ引き上げて、別の家に向かってもらわないと。
「行く前はなんでわいがこんな面倒なマンションなんか……って思っとったけど、めっちゃええ子やん。おっちゃん見直したわ。よっしゃ決めた! 来年もあんちゃんのプレゼント担当になったろ。ガハハハ! 遠慮せんでええって。な? ええ子やからおっちゃん追加で撫で回したろ! ほれほれ」
ひとしきり少年の頭をワシワシ撫で回したあと、猪おっさんは次の職場へと向かいます。名残惜しい……かはわかりませんが、別れの時がやってきました。
「……もう行っちゃうの?」
「ふふん、わいはサンタさんやからな。まだプレゼントもろてへんで指咥えて待っとる少年少女の家に行かなあかんのや。な? わかってくれるか?」
「……うん」
「ものわかりのええ子や。ほな、お別れにハグしたろ。猪の毛皮はあったかいで。ちょっとケモノ臭いかもしれへんけど……え゛っなんやて、タバコ臭い? んなわけあるかいな、ちゃんと今月はアルバイトのために禁煙しとったはずなんに……ぐう……こりゃあとで消臭剤かけとかな怒られるわ……」
別れもそこそこ、猪は大きなプレゼント袋を抱えたまま窓から――。
「え? わいが窓から帰るわけないやろ? 太鼓腹やからまたあそこで突っかかってまう。いや、また尻で突っかかるやろか。そんなことはどーでもええから、とりあえずマンションの出口まで案内してもろてもええ? わいもまだマンションから飛び降り自殺するような歳やあらへんし、バイトもあと十年は……ゴホン。あ、いや、とにかく死んだらあかんのや。あんちゃんの来年のプレゼント、渡せなくなってまうし。な? 頼むで」
猪おっサンタは少年に連れられ、ドアから出たあとエレベーターで一階まで降りていきます。オートロックのマンションを中から堂々と出ていった猪おっサンタは、元気に腕をぶんぶん振りながら少年との別れを惜しんだようでした。
これは、教師になりたかったけどなれなかった、子供好きな猪おっサンタのクリスマス。
牛おっサンタの配達地区は、毎年毎年同じ場所です。それには理由があるのですが……まぁ後で語るとしましょうか。
「……開かない」
当然ですが、そう簡単に家のドアが開くはずがありません。牛おっさんは家の隅々まで回って開いている箇所がないかを探します。最近は空き巣も入りやすい時代となった為、窓が開いているはずもないですよね。さて、牛おっサンタはどのようにして家に侵入するのでしょうか?
……おお? なんと家の前の庭にテントを張り始めました。いったい何をするつもりなのでしょうか?
「うーさみぃ……」
牛おっさんはテントの中で毛布に包まり、夜が明けるのを待つことにしたようです。今時家に侵入できないサンタさんは珍しいという他ありません。ですが牛おっサンタはなぜだか子供達からとても人気なのです。それはなぜでしょうか?
そして気が長いほどに待ち続けた結果、空がどんどん明るくなっていきます。そう、太陽が昇り始めたのです。ニワトリが元気に鳴き始める早朝、その時間まで牛おっさんはテント内でゴロゴロします。プレゼント、大丈夫かな?
……おや、玄関から男性の大人の人間が出てきました。
「くあぁ……ああっ⁉︎ ビックリしたぁ……あの、もしもし? 大丈夫ですか?」
早起きした朝、新聞を受け取りに外へと出たら不審なテントに思わずビックリ。ですが驚いたのは最初だけ。成人ほどの男性は躊躇なくテントに腕を突っ込み、中にいる人物を呼び出します。そう、これは毎年のルーティンなのです。ですが久しぶりすぎて彼もすっかり忘れていたようですね。
「……ん、あ、すんません。寝とりました」
「いえいえ、毎年のことですからお気になさらず。息子ですが、あと二時間ほどは寝てると思いますんで……すみません! 苦労をおかけします……何なら家で待っていただいても……」
「いえ、ここで待つのも仕事の内ですから」
じゃあまた後でと、大人の男性と牛のおっさんは離れ離れになりました。この牛おっサンタは毎回子供が自分からテントの中へやってくるまでプレゼントを渡しに行かないのです。それはセキュリティ上家に不法侵入するのが問題だからでしょうか、それともただ面倒くさがりだからなのでしょうか。それを知る人は誰もいません。
ただ一つ言えるのは、牛のおっさんは性格が温厚で辛抱強いということ。子供が起きてくるまで、寒い冬の外でずっとずっと会いに来てくれるのを待っています。
時刻は朝九時。流石の子供も活動し始める時間帯です。牛おっサンタもプレゼントを手に抱えて準備万端、あとは子供が起きてきてくれるのを待つだけ――。
「おじさん! おじさん、いる?」
「おう。久しぶりだなぁ坊主。元気してっか」
「わーお帰りなさい! ……うわっちべたい!」
「ガハハハ! ずうっと外で待ってたからな。だけども牛は体温が高ぇんだ、こんなもんで風邪は引いたりしねぇよ。お前は人間だからちゃんとあったかくして寝ろな」
テントの中に入ってきた子供と熱い抱擁を交わす牛おっさん。毎年訪問している家だけあって、子供も大喜びです。冷たい毛皮を纏う牛ですが、彼は寒さに強いので問題ありません。そして運命のプレゼントタイムが始まります。
「……わぁ、これ、ゲーム機だ。ずっと欲しかったやつ!」
「ん。まぁいいってことよ」
「おじさんも一緒にやろうよ。ね?」
「……オレは仕事が…………ま、いいか。ちょっとだけな」
「やったー! 早く早く! あ、僕朝ごはん食べなきゃ……おじさんも食べるでしょ?」
「ん」
「おかーさん、サンタさんの分も朝ごはんあるー?」
牛おっサンタは辛抱強いのと面倒見がいいので、このあと子供と一緒にプレゼントで遊んであげます。やさしいですね!
……えっ他のプレゼントはどうなったのかって? 実は牛おっサンタはスケジュールが特別で、十二月の初めから配達を始めているのです。夜中にプレゼントを配れたら次の家にも配達しますが、朝まで家に入れなかった場合は庭で待機。こうして一ヶ月にわたる配達で、近所の子供にプレゼントを贈るのが毎年恒例となっています。
「……へっクシュッ! う゛ー……」
「やっぱりおじさん、家の前は寒いんじゃ……。来年は窓開けておくから、そこから入ってきてもいいよ」
「それはダメだ。悪いやつが入ってきたらお前はあっという間に殺されてしまうぞ。絶対にダメ。戸締りはしっかりしろ。でないとオレはお前にプレゼントを渡しに行けない。プレゼントはいい子にしかあげちゃダメだと言われているからな」
「……そうなのかなぁ?」
「そういうもんだ。ほれ、早くゲーム機を点けてくれ。オレもこのゲーム、やりたかったんだ」
子供に防犯教育もしっかりする牛おっサンタさん。これではいつまでたっても夜中に家へ侵入できない気がしますが……ま、これも個性ということで許してあげますか。
結局その日は夕方まで子供と新作のゲームを遊び、まさかの夜ご飯までご馳走になる牛おっサンタなのでした。
熊おっサンタの本日の配送地域は猛吹雪。歩く度に茶色い毛皮がどんどん白熊のように真っ白くなっていきます。今日もブツブツ何か文句を言っているようですが、いつものことです。
「あーだりぃ……だりぃ……熊って言やぁ普通この時期、穴に籠って冬眠してるっつうに……なんでオレは……あー……」
それは野生の熊の話ですね。とはいえ、野生の熊の血を少なからず受け継いでいる熊獣人は寒さがあまり得意ではないようです。もふもふの毛皮の中にたっぷり脂肪を蓄えているのに、この熊おっサンタは随分と寒がりさんですね!
「ああん? ったくどいつもコイツもドアに鍵かけやがって。サンタが来る日ぐらい開けとけってんだよ。……しゃーねぇ」
おや? ドアが開かないと見るや……サンタ着の上着ポケットから何かを取り出します。あれは……DIYで使う工具一式ですね。熊おっサンタは正面突破が出来ないとなると、すぐにドアを取り外しにかかります。一昔前は力づくでドアを破壊して入っていたので、とても成長していると言えますね。あの時のクレーム対応は本当に大変でした。……なぜそんな事を知っているのかって? まぁまぁその話はあとでにしましょうか。
「ふー……あちー……」
扉を外すために集中しているその姿はまるで職人そのもの。もはや寒さなんて感じる事なく、額から汗が垂れ流れております。首からかけたタオルでグイッと拭いながら、ネジやらパーツを取り外していっています。
ドアを工具で取り外すようになったとは言っても、実は外す前に力技で無理矢理鍵のかかった扉をこじ開けているのです。ではなぜわざわざ扉を外しているのかって? 実はこの地域、毎年サンタからのプレゼントということで玄関のドアを無償で交換するサービスを承っているのです。そうなったのにはこの熊が一役絡んでいる……のですが、まぁまぁどうせ壊されたり外されるのなら一年に一回変えても良いかもしれないとのこと。故に破壊しても問題はないですが、明日新しい扉が納入された際に作業がしやすいよう熊が取り外ししているというわけで。
ちなみに新しい家の扉はサンタ協会から無償でプレゼントしています。かかった金額は……おっと、ここで言うのはヤボってもんですね。なのでこの地域は毎年“玄関扉”という高額なプレゼントを受け取っています。……これだけの大金をかけながらも、毎年乱暴な熊にアルバイトをやらせるのはいかがなものだろうかと疑問に思いました。ええ。でも本人がやりたいと言っている以上、断るわけにはいきません。サンタ協会はやる気を重視する傾向にあるため、今もダルそうに扉を外そうとしている熊おっサンタについては管理層大会議の際に満場一致で即採用が決まりました。
「ほんほん……あとはここのネジを外してやりゃあ……うっし。ふー、一仕事終えたぁ」
さっきまでブツブツ文句を言っていた熊おっさんは達成感によってキラキラと輝くような笑顔を見せ、扉を玄関の横に置いて中へと侵入していきます。大きすぎて横っ腹がつっかえていますが、それでも無理矢理入ります。……玄関の扉を外す理由として、目一杯開けても熊が通れないというのもあるんですよね。いやはや、熊にサンタクロースは向いていないのかもしれません。見た目としてはサンタクロースに近い格好で申し分ないのですがね。
「うーっす。来てやったぜ」
こらこら、そんなに乱暴に子供部屋の扉を開けたら中の子供が起きてしまう。それでも熊は全く臆することなくベッドの上で驚き固まっている少年の近くへ近寄っていきます。
「ひっ⁉︎ ……あ、おじちゃん、去年も来てくれたサンタさんだ」
「おうよ。ほらよ、おめえの今年のプレゼントだ」
そう言うと熊はプレゼント袋の中からとびきりデカいぬいぐるみを取り出します。
「……あん? なんだこれ、オレみてぇな見たくれしやがって」
それは、サンタの格好をしたちょっとだけ不機嫌そうなツラをした熊のぬいぐるみ。そう、まさに彼にそっくりなぬいぐるみが袋には入っていたのです。
「あ……その……熊のサンタさん、毎年この時期にしか会えないから……もっと会いたいですってお願いしたの」
「ふぅん」
あまりに自分に似すぎて複雑な心境となっている熊のおっさんは、そのぬいぐるみを少年が寝るベッドの枕元に置きました。
「そんなぬいぐるみ、オレとちっとも似てねぇじゃんか。どら、オレがしばらくここに居てやる。そのほうがよっぽどいいだろうよ」
「えっ⁉︎ でもこのあと他の人にもプレゼントを配らなくちゃいけないのに大丈夫なの?」
「ガハハハ! ガキがんなこと心配してんじゃねーよ。残業すりゃなんとかなるって。別に夜中に配り終えなきゃダメとは言われてねぇし。それに朝は親が起きてっから侵入も容易いだろうしよ。そっちの方が楽だわ」
ベッドに寝転がる少年の隣に、とびきりデカい熊が飛び乗ります。ギシギシとベッドの柱が悲鳴を上げていますが、大丈夫でしょうか。
「おめえ、熊が怖くねぇのか?」
「……うん。僕のお父さん、熊のおじさんだったから」
「そうか」
「お父さん、出張でもう何年も帰ってきてないんだ。山のずっとずっと奥深くの森で、お仕事してるんだって」
「……」
面倒臭がりの乱暴な熊おっサンタですが、少年の話を誰よりも真剣に聞いています。正直バイトの受け入れ研修や配達ルート確認の時の熊おっサンタとは比べ物にならないぐらい、しっかりと人の話を聞いています。……普段はよくあくびをしながら上司の話をダルそうに聞いているので、上の人たちからも教育がなってないと言われているんですよ。
「うわっ、あっ、おじさん……」
話を聞き終えた熊おっさんは、少年をギュッと抱きしめます。玄関ドアを開けるのに少々苦戦していたからか、ほんのりオスの臭いがしますが少年は気にならないようです。それよりも全身を包み込むふわふわの毛が、彼の心を落ち着かせているのでしょう。
「あったけぇか。あったけぇだろう。熊の毛皮は高級品だかんな、今日は特別だ」
そう言うと少年を余す事なく両腕で、太鼓腹で挟み込みながらギュッと抱きしめました。人間の子供と成人の熊獣人では心臓の鼓動の早さが違うでしょう。体格差、そして心音の違いを間近で感じながら、少年は目を瞑りました。
「おじさん……」
「おめえが寝るまで付き合ってやるよ」
「……まだ寝たくない」
「なぁに強がってんだ。子供は寝るのが仕事だ。いいから寝とけ」
「…………ぐう……おじ……さ……」
ようやく熊おっサンタと出会えて興奮していた少年でしたが、彼はものの数分で熊の腕の中で寝息を立て始めます。子供というものは夜更かしが出来ない生き物なので、仕方ないですね。
「…………いい夢、見ろよ」
堂々と起こす気満々で侵入した子供部屋。帰るときは誰も起こさぬよう、抜き足差し足で部屋を出ようとする熊の姿はまさにサンタクロースの鑑と言っても良いでしょう。上からの評価はあまりよくないでしょうが、私は彼のことをとても気に入っています。
「……せっかくオレに似たぬいぐるみなんだ。ニオイでもつけとくか」
おや? プレゼントしたぬいぐるみを持ち上げて……ああ、自分の体に擦り付けていますね。熊の体臭は他の獣人よりもちょっとキツい傾向にありますから、これで自分の存在が夢ではなかった事を表現しようとしているのでしょう。なんと粋な計らいでしょうか。
首元の部分にぬいぐるみをガシガシ擦り付け、熊おっさんはアクセサリー代わりにつけていたボロボロの首輪のようなものを外してぬいぐるみに付けました。これはもう、オレにはいらねぇと言いながら。そっと、首が締まらない程度にぬいぐるみの首へと巻きつけます。ますます熊おっサンタにそっくりなぬいぐるみに仕上がりましたね。
こうして熊おっサンタのプレゼントが、近所の子供達へと配られていくのでした。
「スンスン……隊長、火はついていない模様です!」
「おう。では順番に行くぞ。そらっ」
狼おっサンタは、五人一組のチームで業務が行われます。別に五人が五人別の家に行くわけでもなく、一人の子供に対して五人という労働力が使われているのです。……これは、どうなのでしょう。こんな無駄な使われ方をしていて良いのでしょうか。彼らの侵入経路は煙突。すなはち煙突のある家がプレゼント配送の対象です。
「あででで……年々運動神経が鈍ってらぁ……」
煙突から飛び込み、盛大に尻餅をつくのは隊長と呼ばれる中年の狼おっさんです。彼はサンタ協会の中で一番元気で、若々しいおっさんです。その取り巻きの四匹も隊長ほどではないですが、三十から四十代ほどの狼で結成されています。全員肉体労働で生計を立てているため、筋力と脚力には自信があるようです。
「ええと、子供部屋は……二階だな」
狼の行動はとても素早いです。目的地を確認するや否や、風のようにその場から離れます。おっと、テーブルの上に置かれていた空のガラス瓶がユラユラ揺れて転倒しそうになっていますが大丈夫でしょうか。……ふぅ、なんとか耐えてくれました。次は気をつけていただきたいものです。
「野郎ども、配置につけ! オレが先に侵入する」
小声で指示を出しながらも、特有のハンドサインで取り巻き狼を待機させます。元々自衛隊にでも入っていたのでしょうか。いいえ、彼はただの自衛隊オタクです。立て付けの悪い扉ですが、狼は音を最小限にするようにゆっくり、ゆっくりと開けて自分たちの侵入経路を広げます。
「突撃!」
一体これから何をしようと言うのでしょうか。一々発言が物騒です。そんな敵地に乗り込むわけじゃないんですから、もっと穏便にいきましょうよ。
「スン……いたぞ、ターゲット発見! 各隊員は予め渡しておいたクラッカーを準備! 急げ!」
少年の眠るベッドを取り囲むようにして、狼たちは配置につきます。隊長の狼おっさんに至ってはベッドの上で堂々と立ち上がっていますが、少年はまだ寝息を立ててスヤスヤ眠っているようです。
「ぐひひひ……そんじゃせーので引くぞ……」
クラッカーを持った五匹の狼おっさんたち。その引き金は一斉に引かれて――部屋は銃声のような音がパンッパンッと連続で鳴り響きました。まるで発砲をされたかのように目をまんまるに見開いた少年は、いきなりのことで状況が飲み込めません。そりゃそうでしょうね、気持ちよく寝ていたところにいきなり騒がしい狼たちがクラッカーを鳴らしに来たのですから。
「ほげぇっ⁉︎ なっなに、何なの、えっ⁉︎」
「メリークリスマース! ガハハハ! 喜べ、オレたちが祝いに来てやったぞ!」
「……狼のおじさん、誰?」
「おう。お前、そういやオレたちの担当する初のクリスマスか。喜べ! オレたちが盛大にクリスマスを祝ってやるぞ!」
「ん……んん……そ、そうなんだ」
未だ状況を飲み込めないといった様子の少年に、狼の隊長はアレを出せと部下に命令をする。すると赤と緑の包み紙をした大きな箱が一つ、狼の腕に乗せられた。
「へへへ。お前、調べによるとクリスマスの日に産まれちまったんだってな。そりゃあ災難だったな、だって同じ日に祝われちまうんだから他のヤツと違って幸せが半減するだろ。そんなお前に朗報だ! 開けてみろ!」
「う、うん」
丁寧に丁寧に包まれているプレゼント箱を、少年はゆっくりと、ドキドキしながら開けてゆく。するとそこには少年の一番欲しがっていた――。
「わっ、あ、これ、最新のゲーム機だ! しかも並んでも買えないって言われてるほど人気の限定色のやつ!」
「ガハハハ! 誕生日とクリスマスが一緒の日なら、その分二倍お祝いしてやりゃいいってもんよぉ! 苦労したんだぞ、そいつ全然売ってねぇから探すのも一苦労だし……」
「……隊長、それ、買ったの俺っすからね。隊長は何もしてないす」
「あんだと⁉︎ そういうことは後で言いやがれってんだ! ……それで、ゲーム、やりてぇんだろ。な、オレたちにも見せてくれよ」
「う、うん」
最新式のゲーム機だけあって、箱のデザインといい機械のデザインといい、子供から大人までを魅了する美しいフォルム。大事にスッポリと箱にしまわれたその本体である機械を手に取ると、狼たちはおぉ……と感嘆の声を上げた。画面についたフィルムを丁寧に剥がし、コントローラーやら配線を繋げればテレビに明かりが灯る。
「おぉ……ついたな」
「すっげ! なにこれ! 俺にももっとよく見せろ!」
子供が新型ゲーム機の感想を言う暇もないまま、周りの狼たちは早く次を見せろとガヤガヤ騒がしい。
「……あの、おじさんたちはいつまでいるの?」
「ん? お前、誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントがこれだけで終わると思ってるんじゃねぇだろな」
「うん」
「うんじゃねぇよ! ぐふふふ……最後の誕生日はな、オレたち全員だ!」
キョトンとした顔ではてなマークがたくさん浮かび上がる少年を前に、狼の隊長はゴホンと咳払いをして説明を始める。
「いいか、ゲームってのはな。一人でやるよか、二人でやった方が楽しめる。それに今ここには五人も暇そうな狼がいるんだぞ? 暇なヤツがいたら誘うのが礼儀ってなもんだろ。な?」
「で、でもコントローラーは一つしかな……あっ」
「ニシシシ。オレたち、準備だけはいいんだよなぁ」
一人ひとつ、コントローラーを持ち上げてニヤニヤとする狼たち。これには少年も驚いたようで――でも彼の顔には笑顔が戻り始めていた。
「……おじさん、ゲームできるの?」
「あたぼうよ。オレを誰だと思ってやがる。よし、どのゲームにするんだ。いくつか買っておいて正解だったぜ。さ、選びな」
「んー、複数人でやるのならこの対戦ゲームが良いかも」
「うっし、んじゃあ始めるぞ!」
やりやがったなこの野郎、てめぇぶっ殺してやる、そんな物騒な言葉が飛び交う子供部屋。初めて他の人と遊ぶ対戦ゲームに、子供もまた目をギラギラさせながら遊びます。子供は大人のフリを見て育ってしまいますが故……やがて彼は狼たちと同じように乱暴な言葉を使うようになってしまいました。
「なにす……なにしやがるっこのこのっ‼︎」
「いいぞ、そうだ、熱くなってきただろ! 男は戦う時、こういう口調になる生き物なんだ、よく覚えとけ‼︎」
これは後から親御さんにクレームが入るのは間違いなさそうです。言葉遣いが乱暴な狼おっサンタたちによって、彼は少しだけワイルドな口調になっています。ですがクレームが入る前に、そろそろ……あっ来ましたね、階段を上がる足音が聞こえてきました。……私はちょっと耳栓をして席を外すことにします。え、なんでかって? それは……あっ。
「にゃろう、やりやがって。ここで必殺――」
ドンッと、大きな音が鳴りました。扉を開いた音、そのはずなのに銃声のように鋭い音でした。
そこには大柄な人間でも比較的大柄な男性が腕組みしながら仁王立ちしていて、狼おっサンタたちはそれぞれコントローラを落としてヒョエッと口を揃えて言い始めます。
「おっ親方、こここ、こんばんは! ははは、今日はクリスマスですね」
「…………」
「めっ、メリークリスマス! ささ、タバコでもどうですかい。いつも吸ってるメーカーのやつ、ほら、親方好きだって聞きましたから用意しときました」
「………………お前ら、明日は一時間早出で現場出勤な。焼き入れてやっからよ」
お祭り騒ぎが大好きな狼おっサンタたちは、気を抜くといつも親御さんに叱られます。夜中に近所迷惑だ、もっと静かにプレゼントを運べないのかといつも言われます。今日の訪問先はなんと彼ら狼が普段働いている建設現場の親方が住んでる家だったんですね。これには彼らもびっくり仰天。ま、私がそういう風に仕向けただけなんですけど。ガキンッバキッと金属が折れるような音、すると狼の頭部にはまん丸なタンコブが膨れ上がってきます。どうやらそれぞれ親方からゲンコツを喰らったようです。なんと凄まじい威力、ですが獣人の体は丈夫なので二、三日もあれば治るでしょう。一方その様子を見た子供は笑顔が絶えず、ずっと笑っています。いい歳した大人が叱られている所を見て喜んでいるようですね。
「いででで……。お、今笑ったな? いいか、オレたちゃ普段はこんな怒られるようなヘマはしてねぇからな。絶対してねぇか……あでえっ⁉︎」
口を開けばお父さんから拳骨が飛んできます。彼ら狼が働く現場の親方さんなので、遠慮なく殴ってきてますね。次の出勤日にはどうなっていることやら。正座だけで済めばいいのですが……如何せん肉体労働系の野郎が集まる職場なので、手荒くなりそうな予感がします。
こうして狼おっサンタも子供達には非常に人気を得ていますが、親御さんからの評判は……。サンタ界隈でも優秀な虎おっサンタを見習って欲しいものです。
サンタの仕事は年々増加傾向にあります。特に獣人のサンタは需要が高く、私のような人型のおじサンタは体力的にもキツいので事務などを行うことが増えました。今まで散々頑張ってきたのだからと自分に言い聞かせますが、たまに彼らを羨ましく思うこともあります。子供達の喜ぶ姿を目の前で見ることができる、それがどれだけ幸せなことか。
「……来年は鍛え直して、またプレゼントを配りに行くかの」
上司に提出する資料をまとめながら、今日の獣人おっサンタたちの働きっぷりを作業報告書に記載しておきました。これで少しは時給も上がるといいのですが。年末は仕事を終えたケモおっサンタたちと打ち上げが待っています。彼らと酒を浴びるほど飲み、ご馳走をたんまりと食べるあの瞬間。私は毎年この為に生きているのだと自覚させられるのです。
……あっ、そろそろ私も本業に戻らねばなりません。仕事用のスマホから呼び出しを喰らってしまいましたから。どうやら他の獣人おっサンタからトラブルのようですね。こういう時、私はついウキウキしてしまいます。一度引退した身でありながらもまたこうして子供達の元へと行く機会が与えられているのですから。
メリークリスマス!