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お世話係の猪股さん

【ガラス職人の猪獣人:猪股さんの番外編】



 ようやく暖かくなり始めたこの季節、何かと節目の時期というのもあって周りは慌ただしく動いている。卒業式、送り出す会、送別会、そして入園式、入学式、入社式。そんなイベント事がいくつも発生する面倒な時期なのだが、幸い僕にはどれも関係のない話だった。


 ……そんな気楽な気持ちでいたはずなのだが、自体は一変する。


 どうやら今年に入ってから新型のウイルスが流行ったとか何かで、あらゆるイベント事が中止や延期になっているのだ。うん、それぐらいだったらまだ僕には関係のない話だ。だが教授から渡されたお知らせの紙を見て、僕は唖然とする。


「え……二週間も研究室が閉鎖……⁉︎」


 卒業論文の完成に向けて日々やる事が大学であるはずなのだが、下された判決はまさかの自宅待機。いや、強制的に外出禁止になったわけではないのだけど、新型ウイルスがこれ以上広まらない為にも極力お出かけはしちゃいけないとかなんとか。いや無理でしょ、みんな遊びに行くでしょこんなん。そういう気分にならない為にも大学来てたってのもあるんだけどな。


 おかげでやる事もなく自宅でゴロゴロするハメになるのかと思いきや、自分の担当教授から渡されたのは課題の山、山、山。こんなの終わるわけねぇだろってぐらいのレポート課題を出してきたので反論してやったら、大学生の本分は勉強だとか言い始める。いや、そりゃそうなんだけどさ。こんなの家でやる気になるか? かといって図書館に行くのもなぁという感じだし、困った困った。


「はぁー……とりあえず昼飯でも食べるか」


 プリントを渡された僕は昼前に大学を出る事となり、途方に暮れながらもとりあえず食欲を満たす事にした。睡眠欲、性欲、食欲、どれも生きていく上で大切なものだ。気分が落ち込んだ時はまずこれらの欲求を満たしてみるのが一番良い。それで満たされない時は……その時はその時だ。


 流石にお昼前という事もあって店内はかなり混み合っていて、近場の工事現場で働いてますって感じのケモおっさんも何人かいる。顎に濃い髭を生やした熊おっさんが目の前を通り過ぎれば、そこからフローラルの……いや、逞しい男の汗の香りが漂う。今日も頑張って働いているんだなと一嗅ぎでわかるその臭さに、僕は親指を上に突き立てておじさんにエールを送ってやった。名前も知らないおじさんだけど、いい匂いをどうもありがとう。


「……何やっとんだおめえは」


「んあ⁉︎ あ……ぁ……」


 ごめん、ちょっと驚きすぎて言葉を喋れない妖怪のような感じになってしまった。後ろからいきなり声をかけてきたのは、猪獣人の――猪股さんだ。大分前に夏祭りで知り合ったガラス職人さんで、日々自宅の作業場で汗水垂らしながらガラス細工を創っているのだ。そんな猪股さんがこのコンビニにいるという事は、さてはお昼はコンビニ弁当だな?


「いやぁ、いい匂いのおじさんが居たもんだからつい……こう、ですね。心が踊りました」


「……すまん、何を言ってるかさっぱりわからねぇ」


 こちらこそすみません、ちょっと常人には理解し難い世界のお話だったかもしれません。こんな狭いコンビニの中でケモおっさんがたくさんいたら、そりゃもう心踊るでしょう。フィーバーですよフィーバー。このお祭り感はケモおっさん本人には伝わらないだろうな。


「……おめえも昼か?」


「そうそう、急遽明日から大学が休みになってしまったんで、とりあえず昼ご飯を買って家に帰ろうかと思ってました」


「……なぁ、うち来ねぇか? これから丁度パスタ作る予定なんだがよ」


 そのボサボサであまり手入れのされていなさそうな右手に握られているのは、袋入りのたらこスパゲッティソースだ。なるほど、家にあるもので作ろうとしたらソースがなかったという事か。それでそんな夏みたいな格好で家から出てきたのか……靴がサンダルだし。


「でもいいんですか? 邪魔になったりしません?」


「……その……暇、しとったからな。むしろこんなおっさんに付き合わせちまってすまん」


 やだ、嬉しい事言ってくれるじゃないですか。むしろ猪股さん最近全然会ってなかったからこちらとしてはとっても嬉しいですよ。何ならこの店内を全力ダッシュで四周ぐらいは出来そうです。


「じゃあ、ソースは僕が買いますね。ください」


「……大事な客に気ぃ遣わせるわけにはいかんな」


 そう言うと、茶色くて大きな猪は僕を押しのけてレジへと進んでいった。何から何まで優しくてもうハートがギュンギュンしちゃます。だんだん僕のキャラが崩壊してきたぐらいには威力の高い攻撃を喰らってしまった。……おっ、今度はヘルメットを被った牛おっさんが僕の横を通り抜けていって……スンスン。いかんいかん、これじゃあ浮気大好きな男垂らしだと思われてしまう。


「……待たせた。行くぞ」


 見た目も器も大きな猪おっさんの後ろを、僕は必死に追いかけてついていく。猪股さんの一歩が大きいからすぐに引き離されそうになるんだけど、たまにチラッと後ろを向いて僕が付いて来てくれているか確認をしている所が本当にかわいい、かわいすぎる。何なら手を繋いでくれてもいいのに、なんて思うんだけど。そういうのは恥ずかしいらしく、いつもやろうとするとはぐらかされてしまうんだよな。あんなにエゲツないエロ本読んだりしてるのに……そういう所はまだまだ童貞感満載だ。



――――




 久しぶりに見た猪股さんの一軒家、実は以前遊びに行った日は色々ありすぎてもう場所を覚えていなかったのである。これでいつでも押しかけに……いや、遊びに行けるな。これじゃあまるでストーカーみたいじゃないか。そんなつもりは毛頭ないので、程よい距離感でこれからもお付き合いできるよう努力しよう。


 どこもかしこもキレイに掃除されているその家にお邪魔すると、居間の和室でくつろいでてくれと優しく声をかけられた。そんな、手伝うのに……って無理矢理台所行こうとしたら、茹でるだけなんだから客は大人しく休んどけと突き返されてしまった。たしかに、パスタが茹で上がるのを二人でジッと見ながら待ち続けるのはシュールな光景だ。ここはお言葉に甘えてゆっくりしてようじゃないか。


 しかしこれからどうするかなぁ、明日から自宅待機だなんて……まるで監獄に入れられた悪人のような気分だ。だが自宅でやる事はたくさんある。勉強、勉強、そして勉強。……ああ、頭が痛くなってきた。


 居間から見える庭の景色はとても美しくて、よく見たら端の辺りにお花も植えられているようだった。あれは猪股さんが植えたのだろうか、遠目から見ても綺麗だなぁ。


 そんな暇つぶしをしていると、十分もかからない内に猪股さんがお皿を持ってこちらへやってきた。……ん? 手に持っているのは一体……何だ?


「……待たせた。さ、遠慮なくここから好きなだけとって食べてくれな」


 ドンッと低いローテーブルの上に置かれたのは大皿、そして山のように盛られたパスタ。何これ、僕はこれから大食いチャレンジでもする予定でしたっけ。ちゃんとたらこクリームは満遍なくかかっているようだから安心……いや全然安心じゃないわ。僕、こんなに食べられないんですけど。


「猪股さん、これ何人分パスタ茹でたんですか?」


「ん……二人だからな、ざっと七人分ぐらいか」


 一体どうやったらそんな計算になるんだろう。猪股さんってちょっとアホの子なのかな? そう思っていたら目の前のパスタの山を半分ぐらい自分の皿へと取り分けている猪股さん。なるほどな、一人で四人分ぐらいの計算か。つまりは僕が残りの三人分を食べれれば良いわけですね。……三人分?


「……どうした、冷めるぞ」


 何の疑問も思ってなさそうな豚鼻の猪は、ズズッズズズッと勢いよくパスタをすすっていた。すごくお腹が空いていたのだろうか、次から次へとあの大きなマズルの中に吸い込まれていって……あれっもう半分ぐらい食べてるじゃないか。僕も自分も分を取り分けて食べ始めないと、もしかしたら全部食べられてしまうかもしれない。それぐらいに猪股さんの食欲は凄まじいものだった。


 あれか十五分も経っていない……ぐらいのはずなのだが、お皿に山盛りになっていたタラコパスタは跡形なく平らげられ、ポンポンと満足気におなかを叩いている猪股さんが出来上がりました。お腹いっぱい食べさせるとこんな仕草をしてくれるのかぁ……感激。


「ごちそうさまでした。それにしても猪股さん、すごく食べますね。見ててとても気持ちが良かったです」


「そ……そうか? いつもこんなもんだしよぉ……そう言われると……照れるな」


 マズルの端をちょこっと上げながら喜んでくれているようで、もっと褒めたくなってしまった。いかんいかん、このままご飯を与え続けていたらまん丸なボールになってしまう。


 時間というものはあっという間に過ぎていくもので、僕はこれから課題を片付ける為に自宅へと帰らねばならない。だがここでいい事を思いついてしまった。せっかく猪股さんの家に遊びに来たんだ、ここで帰ってしまうのにはもったいない。


「猪股さん! あの、この部屋、ちょっとお借りしてもいいでしょうか! これからやらなきゃいけない課題があって……」


「……構わんぞ、大歓迎だ。なら、オラはこの部屋からいねぇ方がいいか?」


「むしろ居てください。安心するので」


「……そうか」


 パスタが盛られていた大皿を持ち上げてスッと立ち上がった猪股さんは、そそくさと部屋を出て行ってしまった。尻尾がピコピコ動いてた所を見ると、嬉しく思ってくれたのかな。目の前に猪股さんがいたら集中できるか怪しいところだけど。



 その後居間に戻ってきた猪股さんは本を読んで静かにしてくれていたのだが、むしろレポート課題を進めている僕がうるさくしてしまって申し訳ない気持ちになってしまう。いや、普段なら静かにこなしてるんだろうけどさ。だってこの課題、難しすぎるんだもの‼︎ 何言ってるのかさっぱりわからん! なんという課題を出してくれたんだうちの教授は。猪股さんにも是非考えてもらいたいぐらいだ。


「あー‼︎ 頭が割れる! 意味不明!」


 そんな独り言を叫びながらウンウン唸っていると、視界に何やら小さな包み紙が入り込んできた。それを手にとって開けてみると、中から一口サイズのチョコが現れた。


「……疲れた時には、甘ぇもんだ。がんばれ」


「わーいおいしい!」


「チョコレート一つでこんなに喜んでくれるのなら、オラの分もたっぷり食べるとええ」


 何だ何だ、今度は大きな袋がドスンと置かれたぞ。そこには主婦の大好きそうな言葉――”お徳用“とデカデカ書かれたデザイン。中にはさっきの一口サイズチョコが何十個も入っている。これ、普段の猪股さんだったらどのぐらいで完食しちゃうんだろう。もしや二日とかで……いや、場合によっては一日……? はは、まさかな。


「……そんな遠慮せんでいいんだぞ。うまいぞ、チョコ」


「わ、わーい……」


 ごめん三個ぐらいならおいしく食べられるのだけど、あの大盛りパスタを食べた後でこれはちょっと胃袋が悲鳴をあげてしまう。一個だけ受け取って、あとは全部猪股さんに食べてもらうことにした。



 チョコを受け取ってから三十分後、甘いものを食べたら今度はお茶が飲みたくなったな。緑茶か……いや、僕はほうじ茶の方が好きなんだよなぁ。今日持ってきた飲み物はお水だし、まぁこれで我慢するか。


 ノートパソコンを広げながら再びうんうん唸っていると、あれ……また何か右のほうから何かスライドしてきたぞ。これは、まさか。


「……喉乾いてるのに気づいてやれなくてすまん。お茶、淹れといたからな」


「そんな気を遣ってくれなくていいんですよ⁉︎ むしろ僕がお邪魔してる方なのに」


「……客人に窮屈させるわけにはいかねぇからな」


 では遠慮なくと湯飲みに口をつけた瞬間にわかる、この香り。ほうじ茶じゃないですか! なんで僕の好きなお茶知ってるの⁉︎ 何なの、僕の執事さん? ズズッとすすった後にくるこのお茶独特の渋みというか、ちょっと苦い感じがまた堪らないのです。ああ、落ち着く。



 この後何回もお腹空いてないか聞かれたけど、ごめん僕もうお腹いっぱいなの。猪股さんの胃袋基準で考えてるんだろうけど、そんなお腹空かないっす。そんなやり取りを数回やり、いつの間にか外が橙色に輝いている。そうか、集中していたらもうこんな時間に。目の前で座っていた猪股さんもどこかへ行ってしまったようだ。


 夕焼けでも見るかと縁側へ歩いていたら、そこには丸くうずくまった毛の塊が。ってこの家には二人しかいないんだから、その毛の塊は猪股さんだってわかってるんだけど。しゃがんでると毛玉みたいでちょっと面白い。


「……おぉ、終わったんか? 課題は」


「結構進みましたよ。猪股さんが色々気を遣ってくれたおかげです!」


 夕焼けのせいか猪股さんの顔が赤くなっているような気がしたが、気のせいだろうか。何をしているのかジッと見ていたら、ちょいちょいと招き猫のように手を振られる。そこにあった猪股さん用のでっかいサンダルを借りて庭に出てみると、そこには色とりどりのチューリップが花を咲かせていた。


「わぁ……すごい、二色のものもあるんですね。全部猪股さんが育ててるんですね」


「……オラ、本当は花が好きなんだ」


「ステキな趣味じゃないですか。いいなぁ」


「そんなにいいもんじゃねえぞ。男が花なんて育ててたら女々しいって周りから言われそうだしよぉ……」


「そんなことないですよ。キレイなものを素直にキレイだと言えるのはとっても良いことですって。だから、これからもたくさんお花育てて僕に見せてくださいね」


 一瞬僕の言うことが信じられないという感じに目を見開いていた猪股さんは、そっと僕の頭を撫でてくれた。小さく低い声だったけど、あんがとなと言いながら、ワシワシと。


 夕日に染まったチューリップはまた違った輝きを放っていて、とても美しい。きっと毎日せっせと水やりしていたのだろう、葉っぱも花びらも生き生きとしている。ここにしっかりと猪股さんの愛を感じる。


「な、なぁ。その、もしイヤじゃなければなんだが……」


 肩に手を回し、グッと近く猪股さん。僕が集中している間にまたガラス細工を作っていたのか、毛皮の中から発せられる熱気を肌で感じた。今日コンビニで嗅いだようなほんのり雄臭い汗の匂いが、僕の鼻をしっかりと刺激してくる。


「お、オラとまた、その、スケべな事……してくれんか」



――――



 ここは猪股さんの寝室。童貞だった猪股さんと前回エッチした時はそれはもうすごくて腰もケツも散々な事になってしまったのだけど、どうやらあれから反省してまた色々と勉強したらしい。どう勉強したのかは詳しく聞かなかったけど、たぶんまた同人誌やゲイ雑誌を見て研究したのだろう。それも結構熱心に勉強するもんだから、どんな風にエッチする事になるのかそこそこ不安ではあるのだけど……。


「……待たせたな」


「あれ、猪股さん今日は褌なんですか?」


「ブリーフ一筋だったんだがなぁ、おめえは褌の方が好きみたいだからな。オラも気になってはいた。尻尾の締め付けとかが楽そうでな」


 薄暗くてよく見えないのだけど、白い褌のはずなのに薄汚れているのは気のせいではないだろう。遠くからでも香るこのオス臭さが物語っている。


「……よろしく、たのむ」


 太くて長い豚鼻を僕の額にキスさせ、そのまま下まで鼻を降ろすと少し傾きながら僕の口を貪り始める。優しいようで、それでいて積極的な濃厚なキス。唾液の匂いにちょっと甘いチョコレートの香りが混ざっていて、僕が見てない間にちょっと摘んで食べていたようだ。少し食いしん坊の所があるようで、そんな一面が見れただけで僕はとても幸せだ。


 舌の上にたっぷりと猪股さんの唾液を流し込まれると、そのまま太長い舌で押し付けるように僕の口内を舐め上げる。肉にしっかりと粘液が染み込むように、丁寧に丁寧に。先に僕が息苦しくなって顔を離そうとすると、後頭部に優しく大きな手が添えられる。添えられたその豆だらけの手は一見優しげだが、逃げるなという強い支配欲を感じた。


 濃厚な接吻は終わる事なく続き、何度猪股さんの肩を叩いてもそのマズルは離れる事なく舌をねじ込まれ続けた。入り切らずに溢れ出た唾液はそのまま顎まで流れ、ポタポタと下へと垂れ落ちていく。顎まで垂れ落ちてきた唾液はとてもネバネバしていて、指で軽く触ってみると透明で頑丈な銀の架け橋がかけられた。


「……オラの、しゃぶってくれるか」


 前回の余裕のなさはどこへやらといった感じで、自信満々で僕を誘ってくる猪股さん。顔をそのまま下へと降ろしていくにつれ、ムワッとくるオスの臭いがより強く濃くなっていくのを感じた。鼻をピトッと褌にくっ付けると、堪らなくエグい臭みが鼻から肺まで一気に突き抜ける。最初にウッとくるこの臭いの波を乗り越えれば、あとはまさに天国そのもの。布ごしに香る逸物の臭いは雄の強さをしっかりと象徴していて、普段優しい猪股さんも性欲は野生の獣並みだ。


「……そんな嗅いでばかりいねぇで、早く……早くしてくれ」


 じんわりと先端に染みを作り始め、ビクンビクンと中で脈を打つ猪股さんのチンポが早く外に出たがっているようだ。僕は手を使わず口に褌を咥え込んでズラしてやると、ブルンと勢いよく太いソーセージが顔を出す。先端から透明でしょっぱい汁を出しながらフェロモンを放ち、僕を誘ってきた。鬼頭を口に含むだけでこのボリューム感、そこからちょっとずつ奥へ奥へと飲み込んでいくと鈴口から我慢汁がダラダラ溢れて僕の舌へと擦りつけてくる。


「お゛……あったけ……」


 今日も頑張ってあの室温が高い作業場でガラス細工をしていたのだろう、逸物全体が湿っていて我慢汁とは違ったしょっぱさを感じる。猪股さんの努力の結晶とも言えるその汗を丁寧に舐めとり、僕の唾液で上書きしていった。一日おつかれさまでした、そんな想いを込めながら丁寧に、丁寧に。


 あらかた掃除が終われば、今度は根元まで頑張って咥えこんでみる。猪股さんは苦しいだろうから止めろと言ってくれたが、僕がただやりたいだけなんだ。頭を離そうとする猪股さんの腕を振り払い、僕は鼻が陰毛部分まで届くまでチンポをねじ込んだ。圧倒的存在感のある猪股さんのチンポは更に感じてくれたようで、喉元あたりにたっぷりと我慢汁を吐き出してくれた。猪獣人の我慢汁は特に粘度が高く臭いも濃いので、肺から出る空気は全て猪股さんの我慢汁の臭いになってしまう。行為が終わったあとに手のひらを顔の前に持っていき、ハーッと息を吐いてみるとそれがとってもよくわかるのだけど……ってちょっと変態すぎるお話になってしまった。


「……もう、大丈夫だ。疲れたろ、ほれ。オラの上に跨がんな」


 僕は仰向けに寝転がる猪股さんの上に馬乗りになると、突然背中からグッと引き寄せられて胸板の辺りに顔を埋める。少し視線をズラすと大きな黒乳首があって、ちょっと手で弄ってやったらオ゛ッっと野太い声が上から聞こえてきて面白い。


 それをやったらこっちも黙ってねぇぞと言わんばかりに、ケツに熱い肉棒を押し当てられる。僕が口で濡らしたのもあるが、それ以上に鈴口から出る我慢汁の量が桁違いなのだ。全く突っかかることなく僕の体にズブズブとそれを埋め込み、玉袋の感触を感じる根元までしっかりと挿入される。


「あぐっ……ああっ」


「……下からたっぷり突き上げてやる。おめえのかわいい鳴き声、聞かせてくれ」


 パンッパンッと激しい突き上げが始まると、僕は必死に胸板に顔を埋めながら快楽の波を待ち続ける。的確にきもちいいとこをゴリゴリ押し潰してくる猪股さんのストロークにヨダレが止まることなく溢れ続け、胸板の獣毛がたっぷり唾液で濡らされていった。


「……ほれ、これ、好きだろ」


「ぐっ! んんっ」


 胸板の前に突如現れたのは、いつの間にか股座から解かれていた猪股さんの褌だ。強い汗と尿の臭いがするその布切れを胸板に敷き、背中からギュッと抱きしめられた僕はそこに顔を埋める以外の選択肢が与えられなかった。耐え難いほどキツい臭いを放ったその布切れがたまらなく僕を興奮させ、ちょうどヘソのあたりでサンドイッチされている僕のチンポからドクドクと我慢汁が溢れていく。


「……腹ん辺りが随分濡れているようだが、どうした。オラの臭い嗅いで興奮したか」


 背中に当てられていた片腕が今度は僕の頭に乗せられ、しっかりと褌に顔を埋めるようにギュッと押し付けられる。そのまま腰を振る速度は変わることなく、バチュンバチュンと大きな音を立てながらしっかり僕の際奥部まで突き上げてきた。


「フーッ、フーッ……」


「……そんなに熱心に嗅ぎやがって。オラのチンポを一日中包み込んだ褌はいい臭いがするだろ」


 今の僕は猪股さん以上に豚獣人のように鼻穴を広げて必死に空気を吸い込んでいる。嗅ぐだけで気持ちよくなってしまうような、大麻のような危険な臭いだ。湿っている部分を鼻に押し当てると、その液体が微量ながらも僕の肉体に付着する。すると今度はそこから強烈な猪股さんの股間の臭いがするようになり、たまらなく興奮してしまった。


 新型のウイルスのせいで売り切れになったマスクの代わりになりそうなその褌にしっかりと鼻を押し当て、布ごしに胸板の匂いを嗅ぎまくる。すごく変態的な行動だが、今見ているのは猪股さんだけ。ケダモノのような姿になっても猪股さんは怒らない。だから、思う存分自分の欲望に忠実になるしかないのだ。


「……こんだけスケベなんだ、いくらでも種付けしてくれって言ってるようなものだよな。ならオラのタネ、遠慮なく注いでやる」


「ふぐっ、ンンッ‼︎」


「……ガキは、何人欲しい。オラのタネ、濃いから好きなだけ作れるぞ」


「そんなっ……いっぱい作っても面倒見切れな……ああっ」


「……なんだ、オラとのガキ、欲しくねぇのか」


「んなことなっ……ひぃっ‼︎」


「……嘘つきなヤツは、ここをゴリゴリ潰してやる」


 チンポの真ん中辺りで前立腺を潰し、鬼頭で奥のS字結腸の部分を押し上げ、より激しく強い腰振りとなった猪股さんに僕は甘くて高い喘ぎ声を聞かせまくる。その様子に猪股さんもご満悦のようで、ニヤリと牙を見せつけてくる姿が堪らなくかっこいい。最後に仕上げと言わんばかりの褌の臭気に僕はチンポに手を触れることなくたっぷりと射精を開始した。茶色い獣毛を白濁液で上書きし、ヘソの辺りに何度も何度もぶっかける。


「……猪獣人の子種、おめえの腸壁にぶっかけてやるからな。ケツ、締めろ。タネが漏れちまう」


 突き上げている間も常に我慢汁を出しまくっている猪股さんのチンポはもう既に粘液で塗れていて、ケツからネバネバとした粘液独特の音が止まることなく発生していた。まだ子種を出していないのにも関わらず中はグチョグチョで、それだけで既に子供を孕んでしまいそうだ。


「グウウッ、出すぞっ‼︎ たっぷり出したら蓋してやる。オラの子種、漏らすんじゃねぇぞ。オオオッ、フゴッフゴッ‼︎」


 バチュンッと根元まで挿入し、そこから大きな鶏卵ほどもあるキンタマからたっぷりと種を輸送して中へと送り込まれる。中でビチャビチャと注ぎ込まれたタネはドロドロで、奥に出せばもう二度と出てこないのではないかという程に濃厚だ。そのタネを全て余すことなく奥へと注ぎ込まれた。


 ただでさえドロドロの白濁液、その後二発目に出された蓋の役割をするタネはそれ以上にゲル状で、僕の腸壁に合わせて形を変えながらしっかりと栓をする。猪獣人の強力な子種と栓で孕まぬものは居ないだろう。自分が本当に女だったらと思った時を想像するといつもゾッとすると同時に、女の子のように子を孕みたいと思うこともよくある。今は猪股さんにたっぷりとタネを注がれた幸福感でそんな事もうどうでもいいのだけど。


「あっ……あっ……」


 ケツに挿入されたままのチンポは未だ硬さを保ったままで、中でビクンビクンと痙攣しながら栓代わりのタネ汁を注ぎ続ける。終わることのない交尾に僕は意識を手放しそうになりながらも、布切れに鼻を埋めたまま意識を覚醒させ続けた。


「……久しぶりだからな、もっと注がせろ」


 背中に腕を回されたままギュッと抱きしめられ、そのまま栓代わりの精液をぶっ壊すように再びピストンを開始した。その日は何度も何度も猪股さんのヘソの上で射精をし、ケツに出され、時計の針が0を示すとこまでたっぷりと中に出される。もはやこの間まで童貞だったのが嘘のように熟練の技で、僕はたっぷり喘ぎ声を聞かせながら何度も何度も果てていった。



――――



「……どうだった、オラの交尾は。上達したろう」


「あだだだ……」


「……どうした、まだ足りなかったか」


 この状況を見てまだ足りないと思う輩がどこへいるのやら。もちろん交尾は上達してたけど、交尾中の観察力がおざなりになっている感じがすごいですよ! 結局真夜中に二人で風呂場に入ったのはいいのだけど、急に猪股さんの胡座の上に乗せられてそのままケツ穴に指を突っ込まれましたよね。まだやり足りないのかと思えば、蓋をしていたゲル状の精液を引っ張り出したかっただけらしい。中々恐ろしいことをしてくれるじゃないか。引っ張り出された棒状のその白濁液を見せつけられた僕は何とも言えない気持ちになりましたよ。だってちゃんと自分の腸の形に変形して固まっているんですもの、改めて猪獣人の恐ろしさを学びましたよね。


 奥から止まることなくドロッドロの白濁液が溢れ出てくるし、本当に猪股さんとの交尾は命がけである。その分、腹を満たしてくれる幸福感も凄まじいのだけれど。


「……忘れとった。これ」


 風呂から上がって獣毛をフワフワになるまで乾かした猪股さんは僕をギュッと抱きしめて、首元に何かを結びつける。フッと離れた時に首元を見ると、そこには先ほど見た夕焼けのように橙色と赤色に輝く美しいトンボ玉の首飾りがかけられていた。


「これってもしかして、結構前に自分が作って置いてっちゃったやつですか?」


 そう聞いても、猪股さんはただ首を横に振るだけだ。でもこの前遊びに行った時に作ったトンボ玉はまだ作業場にそのまま残っているはずなんだけどな。


「……それは、オラが作ったやつだ」


 猪股さんの作品⁉︎ どおりで美しさというか、最初視界に入れた時の何かすごいオーラみたいなのが出ているように感じたのは勘違いではなかったようである。それにしても僕の作品は一体どこへ……あっ。


「……おめえの、もらったからよぉ。だから、お返しだ」


 エッチする時とか風呂に入る時にはつけていなかったのに、いつの間にやら猪股さんの首元で青紫色に輝くトンボ玉の首飾りが目に入る。少しだけ形がいびつでなんだか恥ずかしいのだが、そんなものを大事そうに首につけているのを見ると僕も外してと言えるはずもなく。いつのまにか作ったものを交換する形になってしまったのだが、こんな嬉しいことってあるのだろうか。絶対大事にしよう。これから毎日夕焼けの橙色を見たら、この首飾りを思い出してしまうんだろうな。……まるで恋する乙女じゃないか、うわああ僕のこれからの人生どうなってしまうんだ‼︎


 お互いの首飾りをマジマジと観察していると、縁側から淡い月の光が射し込む。今宵は三日月だ。猪股さんもまたその三日月と夜空を見ながら、僕の作った青と紫のトンボ玉を思い出すのだろうか。……猪股さんは、僕のことをどう思っているんだろう。


 その日の夜はいつもよりも長く、永遠に時が止まったままのような、そんな感覚がずっと続くのであった。隣に座る猪股さんに肩を寄せると、さっき風呂上りで乾かしたばかりの獣毛がしっかりと僕を包み込む。いい匂いだ。



 あたたかい。





猪股 角蔵

種族:猪

主人公の呼び方:おめえ

一人称:オラ

好きなもの:キレイなもの

テーマ:普段寡黙なタイプの職人


この街でガラス職人として、自宅にある作業場で今日も様々な作品を作っている。童貞……だったのだが、ゲイ向けの同人誌や雑誌をたくさん読むのでエッチに対しての知識は十分。だが、そこそこ内容がハード目なオラオラ系のを好んで読んでいたので、主人公との初交尾は激しいものとなってしまった。エッチする時は今までに読んだゲイ向けの同人誌や雑誌のセリフやシチュを頑張って思い出して行為に至る。


体格差が好きらしく、大きな自分の腕にすっぽりとおさまるサイズの獣人や人が好き。


昔は花屋さんや手芸に憧れていたが、結局父の仕事であるガラス職人を目指すこととなった。ちなみに猪股さんの父も同じく寡黙な猪獣人なのであるが、猪股さん以上に言葉を喋らない上にかなりのスケベらしく、タチが悪い親父だとの話である。歳のせいもあり奥さんとの夜の営みはないものの、猪股さんの父はフラッと出て色んなところで性欲を発散しているそうだ。実はそう遠くない場所に住んでいるので、もしかすると……??


ブリーフがお好き。主人公が褌好きなことに気がついて最近褌も履いているものの、猪獣人の間で一大ブームとなったブリーフはやはり外せない。今日も庭にシンプルな白いブリーフがヒラヒラと風に揺られて乾かされている。



リクエストしてくれた支援者に一言:

「……おう。その……なんだ。お菓子でも食べるか? ……何、腹がいっぱい? そうか。……今日はいい天気だな。……なんだ、眠いのか? 生憎オラが普段使ってる枕しかねえからよお、どうだ、この腹で寝てくれていいぞ。……最近またデカくなっちまってな、でもまあ……おめえがこの腹枕を使ってくれたら……その……育てた甲斐があるってもんだ。……よおしよし、オラが撫でてやる。……ねむたくなってきたな……一眠りすっか。起きたら、何が食べてえんだ? オラは……そうだな、焼きそば……。あっ、す、すまん、また麺類だと飽きるよな。……えっ、焼きそばでいいって? ……おめえは優しいなぁ。ああ、そういや買い置きしている焼きそば、四人分しかないからまた今度にすっかぁ。……なっ、普通は四人前も食べねえって……?」


Comments

お読みくださりありがとうございます! 好きな事には勉強熱心なので、最近より積極的になりました。猪や豚のその特性は本当にズルい、同人誌の為に生まれたような生物……。 猪股さんのお父さんは本当にやべー人らしいので、危険ですよ!?最悪、地下室で飼われてしまったり……ごにょごにょ。お楽しみいただけたようで私も嬉しいです('ω')bこれからも猪股さんや猪おっさんのお話、また書きますのでどうぞよろしくです!

ぱぱぱんだ🐼🐾ぱぱを

ふあぁ…猪股さん最高です 猪股さんとの子供だったら何人でも産みたいです 前は素だとオドオドした感じだったのに、積極的になってるのが堪らないですね 猪のゲル状の精液で蓋されるっていうのが最近どんどん好きになってきて、猪や豚にハマってます ご飯を食べてる姿をずっと見ていたいし、ブリーフ派なのにわざわざ褌を熟成しておいてくれるなんて…可愛い過ぎかよ… そのうち、猪股さんの親父さんと一緒に絡んで欲しい 二人の猪に前後からお腹いっぱいになるまで愛されて、二本刺ししながら豚鼻にサンドイッチでチューされてぇ…(*´ω`*) ごちそうさまでした! ありがとうございます!

ハチ公


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