どうも、田村サブロウです。
本記事は「アマゾネス達から逃げたその先で_STAGE・2(仮題)」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
今回の二次創作の題材は、ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の7巻でメインに出てくる、イシュタル・ファミリアです。
アニメ2期でベルが体験したような「捕まれば犯されるアマゾネス達との鬼ごっこ」を読者の方々に追体験してもらうのがコンセプトです。
今回はイシュタル・ファミリアの事実上の司令塔、アイシャ・ベルカがメイン。
姉御肌的な妖艶美女で、pixivの絵的にはこんな感じです。
それでは、ごゆるりと。
前回の続きからです。
ぶっちゃけ今回のパートはほとんど戦闘シーンです。
エロはどこにいったどこに!?(次回以降です)
* * *
開戦より少し前に時は遡る。
頭に湧いて出た二者択一の選択肢から、僕はその一つを選び取った。
(……一撃入れてから、逃げよう)
今回の二つの選択肢で、最初から逃げることはどちらにも含まれていない。
つまり、戦いを避けた上で逃げるような楽な手段は、目の前の美麗なアマゾネス相手には通用しないということだ。
だったらもう、腹をくくって戦うしかない。
一撃入れて、弱らせるなり驚かせるなりして、逃げる。
もはや逃走経路は自力でこじ開けるしかない。相手の隙を伺うのではなく、相手から隙を奪い取るのだ。
「さあ、そろそろ始めようか!」
「ッ……!」
立ちはだかる難題。試される地力。
開戦を告げるアマゾネスに相対し、僕は黙って拳を構えた――
――そして現在。
格上の相手に一矢報いる一撃を、僕はアマゾネスの腹に叩き込もうとしている。
「うおおおおりゃああああああああああっ!!!」
全身のばねを躍動させ、体重を移動させ、速力を威力に上乗せさせ。
理想的な体勢で、渾身の力を込めた右拳を振り抜く!
ズドォン!!!
「かはっ……!!?」
アマゾネスの女戦士の腹を、弱者の矮小な拳が穿つ。
肺から押し出される空気。咳のような吐息の音。
奇しくもその一撃は、僕の冒険者人生で最高といっていいほどの完璧な出来栄えだった。
拳から伝わってくる、目の前のアマゾネスが地面に膝をつく予兆。
すぐに僕は腕を引き、彼女を横切る。
間違いなく、彼女を弱らせることができた!
「よし……よし……!」
ドサリ、と後ろで彼女が膝をついた音を聞いて、僕は高揚感で心が熱く滾るのを感じる。
走る足取りは、心なしかいつもより軽やかだ。
できすぎだ。ここまで上手くいくとは思わなかった。
あとは、もう逃げるだけ。
あの格上のアマゾネスを相手に、僕が逃げるだけの隙を無理やりこじ開けるという難題は、今の交戦で完璧にこなせた。
――後から思うと、完璧にこなしすぎたのがまずかった。
アマゾネスは、強い『男』に惹かれる習性があるという。
武力を誇る己を負かした男に、多くのアマゾネスは心を奪われる。
となると、武力をもって挑んできたアマゾネスを、まかり間違って真っ向勝負で打ち倒してしまうと、一体なにが起こるか――?
その危険性について、僕はあまりに無頓着だった。
「――わっ!?」
グイッ! と背後から肩を掴まれ、体が後ろに引き戻される。
まさか、もう回復した!?
と、僕が驚愕する間もなく、先程まで僕と戦っていたアマゾネスは、僕の肩を掴みながら腕を力任せに振り抜いて――
「――シッ!」
「うわあああああぁぁぁぐへっ!?」
僕の身体は、壁に叩きつけられてしまった。
けほっ、と軽くむせる。衝撃で背中が痺れる。
そして、僕の体勢回復より早く、アマゾネスは黒い長髪をなびかせて急迫し、身体を翻して、臀部を僕の下腹部に叩きつける!
「これで、終わりっ!」
ヒップアタック。
「――あぐっ!?」
ドシン、と張りのある臀部に下半身を激突され、壁に叩きつけられる。
僕の身体は、壁とアマゾネスの尻に挟まれるような体勢になってしまう。
彼女の下半身は大木が根を張るかのごとき強靭さで、僕の身体を浮かせるように臀部で持ち上げてしまった。
この尻と壁に挟まれた体勢からじゃ、僕は二足で着地できない。
腕を使おうにも、体勢が不十分で威力のある攻撃ができない。
「ま、負けた……!」
詰んでいると理解し、僕は歯がゆさを噛みしめる。
あと、もう少しだった。
途中までは善戦できていた。イシュタル・ファミリアの格上アマゾネスを相手に、レベル2程度の僕で防戦を維持できただけでも及第点だろう。
なにより、この美麗な格上アマゾネスを相手に、一矢報いるあの完璧な一撃。
もう一度やれと言われても二度と出来ないような、心技体の全てが噛み合った最高の一撃だったが。
それを持ってしても――
「届かなかった、かぁ……」
「いやいや、あんたは良くやったよ。大したもんさ」
「えっ」
予想外の称賛に、僕の喉から驚きがこぼれる。
僕の体を尻と壁で挟みこむ眼前のアマゾネス、その麗しい横顔の表情は好意的に輝いていた。
「私が油断してたことは言い訳にならない。仮にも【麗傑】(アンティアネイラ)なんて二つ名を頂戴した手前、私はあんたを圧倒していなければならなかった。あんたがこうして私に捕まっているのは、身も蓋もないレベルの差に過ぎない。実力差的に、私は無傷であんたを拘束できていなければならなかったんだ」
「?」
整った褐色の美貌に見惚れつつも、僕は脳内を疑問符で満たす。
なにやら、話の方向性が……変だ。
「効いたよ、あの一撃。……あれを受けて膝をついた時点で、私は負けた。レベルの差を除いて、技と駆け引きで完全に上を行かれたよ」
「え……ど、どうも?」
照れくさくなりながらも、奇妙な雰囲気に僕は緊張していた。
相手が真摯に僕を称賛してくれているのは伝わってくるし、素直に嬉しい。
嬉しいのだが……なんだろう。言い表し難い『違和感』を感じる。
密着する柔肌の感触に、あまりいい予感のしない胸騒ぎがこみ上げる。
「そういえば、名乗ってなかったね。私はアイシャ。アイシャ・ベルカ。あんたは?」
「――――」
嘘を言うのは憚られて、僕は素直に自分の名前を告げた。
「そうか、――――……」
記憶に刻むように、アイシャは僕の名前を呟く。
そして、ここからだった。
予兆から一転、この場の空気が明確に変わったのは。
「あんたは、私のモノにする♡♡♡♡♡」
今日最大の色香が、アイシャの眼差しから放たれる。
ギョッと目を見張って赤面する僕の前で、肉感的な柔肌がいやらしく揺れた。
◆To Be Continued