本記事は「ずるい女(仮題)」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
今回の二次創作の題材は、漫画「彼女、お借りします」のメインヒロイン・水原千鶴です。2023年の夏アニメに出ていますね。
前回書いたやつがとびっきり重くてドロドロな話だったので、今回は私の脳を休めるべく、「細かいことを考えずエロいことをしまくる話」にする予定です。
ちなみに執筆するにあたって、この絵をモチーフにしています。
この絵の格好をした水原が和也に迫ってくる、と考えていただければ幸い。
それでは、お楽しみください。
前回の続きからです。
結局、俺が就寝するまでの間、水原は帰ってこなかった。
歯磨きやシャワーといった寝支度を終えてから、念のため俺は夜十時近くまで起きていたものの、玄関が開く音は鳴らず。
一瞬、なにか事故でも起きたんじゃないかと俺は不安になって、水原に電話したけれど繋がらず、チャットしても既読はつかず。
残念ながらこれ以上できることはもう無いと、俺は心配を押し殺して布団の中に入ったのだった。
短い夢を見る。
深い闇の中から、水原がこっちに向かって走ってくる。
――助けて! 和也くん、助けてっ……!!
「水原っ!?」
飛び起きた。
呼吸を荒くしながら、心臓が底冷えするような悪寒を全身に自覚する。
服の裏で、汗が滝のように流れていた。
なんだったんだ、今の夢は。予知夢? 虫の知らせ?
答えのわからない悪寒を心臓に抱きながら、俺は周囲に目を向けた。
暗い。真夜中だ。
窓から聞こえる雨の音は、一番ひどいときに比べたら多少マシになっているが、依然として土砂降りのまま。
就寝中だったから当然だが、照明はついていない。
闇に目が慣れるまで、俺は、自室の変化に気づくのに数秒かかった。
「――え?」
自分の部屋の、ドアが開いている。
いや待った、厳密には俺の部屋じゃない。ここはあくまで水原の家だ。俺はあくまで水原の家の一室を間借りしているだけだ。
だから、今こうして。
水原千鶴が、寝ている俺の部屋のドアを開けて、室内に入ってきていることなんて、なにも問題ない。
水原が寝ている俺に歩き寄ってきて、四つん這いになって濡れた躰を迫らせていることなんて、彼女は家主なんだから大した問題じゃ――
「――待った待った待った!?」
湧き上がる淫らな欲望を抑えつけながら、俺は手を伸ばした。
水原の肩を掴んで、これ以上の接近を阻止する。
……夢じゃない! 感触がある!
水原が、現実で、寝ている俺に迫ってきている!
「ただいま、ぁ」
「お、おかえり……? 水原、どうした?」
ただならぬ水原の様子に慄きながら、間近にある湿っぽい色香に俺は防戦する。
こんな時に欲情している場合じゃないのに、げに恐ろしきは、圧倒的な水原の美貌。対男性理性破壊兵器!
潤んだ瞳は吸い込まれるように綺麗で、濡れそぼった唇は甘そうで、雪のように白い柔肌は眺めも肉付きも極上で。服の隙間から谷間が覗く豊満な胸も、柔らかいカーブを描く腰つきと太ももも、俺の理知を罅割れさせてきて。
……いや、待った。
濡れそぼった唇? いくらなんでも濡れ過ぎだ。艶のある長髪も、白い柔肌も、いつも以上に瑞々しい――違和感を感じるほどに。
嫌な予感に促され、俺は「ごめん」と軽く断りを入れて水原の腕に触れた。
恐ろしく冷たかった。
「水原、風呂入ってないのか!?」
声を上げながら、水原の現状に俺は目を剥いた。
水原は、着替えていなかった。台風でずぶ濡れになったであろう服のままで、俺の部屋に来ていたのだ。
どおりで水気に溢れてるわけだ、実際に肌が水で濡れてるんだから。白を基調とした服が下着ともども透けて、中の体が見えてしまっている。
一番問題なのは、服が透けて肌が見えてしまっている事態を、水原がまったく気にしていないことだ。流し目で、しっとりしている。
扇状的だが、それ以上に危うい。
「風邪ひくぞ水原! お風呂、入らないと! いや、シャワーでもいいから、とにかく体を温めないと――」
柔肌から目を背け、水原に自愛を促す。
こういう風にトラブルが起きた時、昔は俺が駄々をこねる側で、水原が「仕方がないわね」だの「ダメ」だのと世話を焼く側だったのに。
立場が真逆なことに違和感を抱きながら、ああでも、迫ってくる豊満な胸が、唇が、潤んだ瞳が、とても艶めかしくて――
って、ちょっと待て――!!
「ふふ、和也くん。生きてた頃のおじいちゃんみたい」
「み、みずは、んっ――!?」
唇を奪われた。