本記事は、「えっちな夢にベルが出てきて悶絶するリュー」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
今回の二次創作の題材は、リュー・リオンという、ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」に出てくるヒロインです。
冬アニメで思いっきりメインヒロインしていましたね。
おかげで妄想および創作意欲が捗りました。
pixiv上の絵的にはこんな感じの雰囲気を目指したい。
前回の続きからとなります。
リューもベルも、突発的に互いの肢体が恋しくなって、こっそり二人で抜け出して時を過ごすことがあった。
前もって逢瀬の約束をしていない不義理に目をそむけて、一ヶ月に一回のルールを破る事態が、少なくない頻度で起こった。
本来、リューもベルも、二人とも隠し事に向かない性分だ。
こんな事を続けていたら、いつか誰かにバレるに決まっている。
脳裏で明滅する善性の警告に、しかし情事に耽る二人は、「やめよう」の一言が言えない。
リューもベルも、この関係の心地よさにずぶずぶと嵌まり込んで、手放せないでいた。
いつまでもこの関係は続かない、と思えば思うほど。
今のうちに楽しもうと、リューもベルも互いの躰に溺れ合って。
だけど、ある日。
どんな形であれ、区切りをつけないといけないと、取るべき責任をいい加減に取らないといけないと。
けじめをつけるために――ベル・クラネルが、動いた。
リューとベルのうち、この関係に一定の決着をつけようと行動したのは。
ベル・クラネルの方が、先だった。
青空が澄み渡る快晴。
今度は突発的ではない、前もって予定を組んだ上での、リューとベルの逢瀬。
オラリオの外。
二人で行こうと約束した、ある場所へ向かうための汽車の車両での一幕から、話を始めさせてもらおう。
* * *
「それにしても、随分すんなりとオラリオの外への外出許可が下りましたね」
この旅行を提案した僕が言うのもなんですけど、とベルが付け加える。
「アンドロメダに根回しを前もって頼んだのです。彼女に私は、何度か貸しを作っているので」
「アンドロメダ……あぁ、アスフィさんですか。ヘルメス・ファミリアの皆さんには、僕も何かとお世話になることが多いです」
背もたれに背を預け、落ち着いた心地で語らうリューとベル。
ガタンゴトン、と小気味よく音を鳴らす列車の揺れが、隣同士で座席に腰を掛けるリューとベルを微かに揺らしていた。
ベルの席は通路側、リューは窓側だ。
特に理由は無い。リューはベルと隣同士で座れればなんでも良くて、座席の細かい位置に深いこだわりなど無かった。
ただ、窓側に座っていることが功を奏して、リューは今、居心地がいい。
窓の外の流れゆく景色をぼーっと眺めて、たまにベルに目を向けて優しい顔を一瞥する。
そんな風にゆったりと過ごす時間に好感を覚えて、リューは自然と顔がほころんでいた。
隣にベルがいなかったらこうはいくまい。
「――――あ」
ふと、ベルがリューと肩同士をぴたっと密着させた。
肘掛けにあるリューの手に、ベルが自身の手を重ねる。
リューが隣に目を向けると、そこではベルが深紅の瞳を淡い緊張で伏せていた。ほのかに頬を赤らめながら。
(もう、手を握ることより恥ずかしいことを、私達は沢山やったのに)
いまだ色濃いベルの純真無垢な気質が嬉しくて、リューは微笑んだ。
勇気を出して自分から握ったであろうベルの手を、リューも握り返す。
手のひらが密着し、指の間に指が入り、リューとベルの手がひとつになって温もりを共有する。
恋人繋ぎが完成したとき、ベルはリューと目を合わせた。隣同士の席で座る男女が見つめ合う構図が完成した。
「――――ベル♡♡♡♡♡」
愛情をこめて、リューは名前を呼ぶ。
「ッ!♡♡♡♡♡」
どきんっと、ベルの肩が跳ねた。
赤面しながら、ベルは顔をリューに近づけ、唇を重ねる。
「「んっ……♡」」
舌は入れない。
唇を合わせるだけの、音を立てないソフトなキスだ。
向かいの席に誰もいないから、キス程度でならリューとベルはむつみ合える。
これが経験上リューが覚えた、というよりリューがベルに植え付けた、性癖。
哀願するように、愛情たっぷりに名前を呼ばれたら、ベルは欲情にスイッチが入ってしまう。間近で見つめ合いながらだと尚良し。
名前呼びフェチ、とでも呼ぶべきか。
今までリューは、要所でこのスイッチもとい性癖を突くことで、ベルの肉欲を点火してきた。
最初は無意識に。ベルの性癖を把握してからは意図的に。
ベルと唇を重ねるリューは、彼が興奮していることを熱で理解した。
「「――――ぷはっ」」
唇を離す。
柔らかくて湿った感触が離れて、味気ない空気の感触に取って代わるのが切ない。
顔を離して、ベルはキスの余韻で蕩けた目のまま呼吸を整えて、やがて落ち着きを取り戻すと、優しく笑って声を打つ。
「今日は、良い旅行になりそうですね」
ベルのまなざしにリューも微笑む。
やっぱり、ベルと一緒だと居心地が良い。
「ええ。そうですね」
短く返して、リューは座席に座り直す。
隣にいるベルの肩に、ぽすっと、頭を預けた。
ベルの白髪の匂いを鼻で感じ、ひだまりのような温もりに半身を委ねる。
もちろん、手は恋人繋ぎのままだ。
「「――――♡」」
心地の良い甘い雰囲気がリューとベルを包み込む。
向かいの席に誰もいないとはいえ、長く乳繰り合うとさすがに人目に付くかもしれない。
だから、横にくっつく程度で済ませている――今は。
リューは衣服の下から伸びる脚もさりげなくベルの脚に絡めて、照れるベルの顔を見て楽しみながら、安らいでいた。
相手がベルなら、スキンシップに抵抗感が無くなってきた自分の変化にしみじみと感傷を抱く。
そして、心の深層で、願う。
ずっとこんな日々が続けばいいのに、と。
叶うには無理のありすぎる、儚い願いを。