本記事は、「えっちな夢にベルが出てきて悶絶するリュー」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
今回の二次創作の題材は、リュー・リオンという、ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」に出てくるヒロインです。
冬アニメで思いっきりメインヒロインしていましたね。
おかげで妄想および創作意欲が捗りました。
……なんだか積もり積もって、全体の文章量がだいぶ長くなっちゃってます。
pixiv上の絵的にはこんな感じの雰囲気を目指したい。
前回の続きからとなります。
半年が過ぎようとしていた。
率直に言って、リューとベルの関係は爛れたものになってしまっていた。
一ヶ月に最低一回、多くて三回の頻度で、リューとベルは時間を作り、事に及んでいる。
初めてリューとベルが『休暇』を共にしたあの日、リューはベルと取り決めを交わしたのだ。
今後も一ヶ月に一回、休暇を共にしようと。
頻度を一ヶ月に一回にしたのは、さすがに毎日毎日まぐわうのは、リューのエルフとしての矜持が許さなかったからだ。そこまで性に奔放になれない。
リューには、『豊穣の女主人』の従業員として、労働や仲間付き合いがある。
ベルにも、冒険者としてやるべきことや、ファミリアとの付き合いがある。
ないがしろにしてはいけないものをほっぽり捨ててまで性に溺れてはいけないと、リューとベルは己に制約をかけた。それが、一ヶ月に一回。
人生のメリハリを適切な範囲に収めるためのルールだ。
きちんと働く分、休むべき時は思いっきり羽根を伸ばす。
休むべき時、の部分で褥を共にしている点を見逃せば、リューとベルの関係は正常な範疇の……見逃したらダメ? やかましい。
厄介な問題が山積みで、全部詳細に語ったらキリが無いのだ。
リューとっては、シルという友の想い人に内緒で、ベルと不倫じみた関係を保っていることが一つ。
今のリューが知る由もないが、ベルにとっては、本来なら別に想い人がいるにも関わらずリューの身体に溺れていることが一つ。
そして、リューとベルが両者共に抱えている問題も、一つ。
冒頭に述べた通り、一ヶ月に最低一回、多くて三回。
一ヶ月に一回というルールを、そもそも守れていない。
例えば、『豊穣の女主人』の、店から抜け出した薄暗い路地裏で。
* * *
「んむっ♡♡♡♡♡ ん~っ♡♡♡♡♡ んちゅっ♡♡♡♡♡ んんんっ!♡♡♡♡♡」
「むちゅっ♡♡♡♡♡ ぷはっ、リューさん! まずいですよ、そろそろ流石に」
「分かっています。……だから、あと少しだけにします」
「いやいや、何回目ですかそれ言うの! 誰かに見られたら」
「シッ、騒ぐと余計に目立ちます。……それにベル、貴方も貴方だ。私の背に回された腕が、少しも緩まっていない。本気で拒絶するなら、抱き返すのをやめればいい」
「――できるわけ、ないですよ。僕がリューさんを拒絶だなんて」
「…………」
「…………」
「………………ベル♡♡♡♡♡」
「っっっっ、リューさんっ!♡♡♡♡♡」
ひしっと強く抱き合い、音を立てて唇を啜り合う。
『豊穣の女主人』の給仕服姿に興奮したベルの蕩け顔が、仕事仲間に見つかるかもしれないスリルと相まって、リューを悦ばせる。
きっかけは、ささいな事だった。
店のピークタイムが過ぎたおやつ時。
遅めの昼食を摂ろうとテーブル席に腰をかけたベルと、ちょうど休憩時間に入る所だったリューの、目が合った。
「「あっ」」と、声が揃った数瞬。
リューもベルも顔がほころんだ。
お互いに相手の肢体を思い出して、ほのかに顔が赤くなる。
しばし両者は見つめ合い、いったん衆目を気にして目をそらして、だけど幸い今はベルとリューしか店内にいないことに気づく。
他の人に内緒で抜け出すなら今だと、リューは魔が差した。
「ちょっと」とだけ言って、ベルの腕を引っ張って連れ出す。
ベルは戸惑いつつも抗わない。ベル自身も内心で、リューに連れ出された先の展開を期待していたのかもしれない。
路地裏の壁際に、リューはベルの体を押し込んだ。
壁を背にしたベルを、すぐリューは抱きしめて唇を重ねる。
少年は数瞬だけ戸惑うも、その深紅の瞳を蕩けさせ、給仕服に身を包む愛おしいエルフの肢体を抱き返した。
唇の柔らかさと、服越しの抱き心地を堪能しあう。
両者とも恍惚と理性の境目で彷徨いながら、今に至る。
「んむちゅっ♡♡♡♡♡ ふんんっ♡♡♡♡♡ んむうっ♡♡♡♡♡」
「んちゅっ♡♡♡♡♡ んー!♡♡♡♡♡ んふぅ♡♡♡♡♡」
無我夢中でぎゅうぎゅうに抱き合い、求め合うままに唇を重ねる。
至福の時間は、しかし場所が場所なだけに、長く続かない。
かつん、と。
「「――――!」」
足音が聞こえた瞬間、リューとベルは弾かれたように身体を離した。
銀色の糸が自分とベルの唇を繋げる光景に物足りなさを覚えながら、それでもリューは思う。ここまでだと。
引き際をわきまえる。
「――すいません。手間を取らせました」
「あ、いえ。……」
ベルはどこか上の空で、寂しげに視線を下げていた。
唇を結んだ少年のいじらしい困り顔に、リューは胸がきゅんと喜悦で高鳴るのを自覚するも、理性で抑える。
他の仕事仲間が、『豊穣の女主人』の店内に戻ってきている。休憩中のリューはともかく、いつまでもベルを路地裏に引き留めたら、ごまかせなくなる。
なのでリューは、ベルを店内に戻さなければならない。
これ以上ベルと逢瀬を楽しむわけにはいかないと、リューは自重する。
ただし――『今は』と、甘えた枕詞をつけて。
「ベル。……続きは夜に♡」
「ッ! は、はい……♡」
解散する。
この場を後にする際、ベルが物欲しげにゴクリと唾を飲む音が後ろから聞こえて、リューは両手で口元を隠した。
自分の躰の艶めかしさにベルが溺れている実感が嬉しい。
リューは、笑みになる自分の顔を止めることができなかった。
* * *
この後、『豊穣の女主人』での業務を終えたリューは、夜にベルと合流。
さっそく事に及ぼうとするも……二人だけの秘密を秘密のままにできる場所がなかなか見つからず、結局できないままで終わってしまう。
無念に打ちひしがれたリューは、今後は二人だけの内緒の場所や、リューとベルが時間を作っても誤魔化せる言い訳を日頃から備えることにした。
その反省が生かされた一幕。
それもまた、一ヶ月に一回というルールに抵触していた。