本記事は、「えっちな夢にベルが出てきて悶絶するリュー」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
今回の二次創作の題材は、リュー・リオンという、ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」に出てくるヒロインです。
冬アニメで思いっきりメインヒロインしていましたね。
おかげで妄想および創作意欲が捗りました。
普段は互いに生真面目で純真な筈の男女が、転がり落ちるように性に溺れていくギャップ萌えを目指していきます。
pixiv上の絵的にはこんな感じの雰囲気を目指したい。
それでは、御覧ください。
焚き火のまばゆい炎が、周囲を赤色に染め上げる。
炎のすぐそばには、蒼の燐光を放つ泉が、ダンジョンの岩壁や岩床に神秘的な雰囲気を彩っていた。
パチパチと炎が火花を散らす僅かな音しか鳴らない静寂の中で、二人の男女が疲弊した身体を休めている。
一つの外套を二人で共有して、身を寄せ合って、くっついて。
二人羽織に近い体勢で、女は男の胸に背中を委ねる。
座りながら、すっぽりと、男に片腕だけで抱かれる形で、人肌を重ね合って暖かさを共有しあう。
そんな、一時の安らぎを得る時間の中。
女は、リュー・リオンは、男の腕の中で、
(余計なことを考えてはいけない。余計なことを考えてはいけない……!)
その空色の瞳を、ふんだんな緊張と焦りに揺らしていた。
ドキドキという胸の高鳴りが、まったく収まってくれない。
体が熱いのは、炎で体を温めているから、だけではない。
肌を委ねる相手が別の人だったら、ここまで危うい事態にならなかった――というか、別の男に体を委ねるなんてリューは考えたくもない。
現状、リューとその同行者の男の着る服は濡れている。
服を乾かすまでの間、人肌で身体を温め合うのは、生き延びることを見据えるなら正しい判断だ。
ここはダンジョンの三十七階層における、唯一の安全地帯。今いる楽園を出れば、待ち受けるのは凶悪なモンスター達との常在戦場だ。
体温を失えば、疲れた今の体では致命的な事態になりかねない。
だから、身を寄せ合って暖を取るのは、生存戦略の上では正しいと言える。
言える、のだが――
(…………ベル)
リューにとって問題なのは、肌を委ねている相手が異性であること。
それもただの異性ではなく――ベル・クラネルという、尊敬できるヒューマンであること。
いや、尊敬どころか。
今、その好意はリュー自身にも抑えの効かない、未知の領域に達しつつある。
背後のベルの顔をまともに見られない。
(拙い……思い、出してしまう)
心を無にするのが限界に来て、リューの頭に情景がよぎる。
この安全地帯に来る前、ベルに救われたときの記憶。
ベルだけでも逃がそうと、身勝手な自己犠牲に走った自分を、必死な顔して助けに来てくれたときの、あの勇姿。
辛くもモンスターの大群を脱した後も、自分を捨て置けと、死なせてと、自罰的な我儘を言った自分を諭してくれたときの、優しい背中。
想い始めたら、もう駄目だ。切ない気持ちが、湯水のように。
初めて手を握られた時、過失で水浴びを覗かれた時。
共に戦った時、窮地を救った時、救われた時、語り合った時。
連鎖的に、加速的に、輝かしい記憶が想起されて。
(~~~~~~~~~~っっ……!)
思い出の全てが、愛おしさという、甘くて熱い情念に結びつく。
燃え盛る。胸が熱い。
感情の抑えが効かない。
羞恥から逃れるように、リューはぎゅっと目を瞑った。
考えてはいけない事まで考えてしまいそうで。
だけど、意識を邪念から逸らすための雑談は、もうあらかたベルと話してしまった。
話題が既に尽きてしまっている。
アストレア・ファミリアの事、ダンジョンから脱出した後の事、シルの事、ミア母さんの事、ベルのファミリアの事。
一度話した話題をまた蒸し返すのは、いささか躊躇われる。
かといって、なにもせずじっとしている事もできなくて――
「「――――」」
その停滞に、魔が入り込む余地が存在した。
もぞりと、無意識から腰を動かす。
「「――――あ」」
リューは、腰の下あたりになにか固いものが擦られた感触に。
ベルは、股間になにか柔いものが押し当てられた感触に。
二人同時に、間の抜けた反応を出した。
完全に同時だった。
リューとベルは、両者とも同時に腰を動かした。
片方だけが性衝動に負けていたのなら、ここで終わっていただろう。
もう片方に邪な欲を咎められるか、あるいは己を恥じて自粛するか。
しかし、そうはならなかった。
リューとベルは同時に肉を擦り合った。
まったく同時に、お互いに、「貴方が欲しい」と暗に示してしまった。
時折、リューは戦闘において、ベルと連携を行った際、ものすごく上手くいった実感に舌を巻いたことがある。
言葉にせずとも相方の意図がわかり、柔軟に互いが互いを補い合える。
そんな、ある種の官能すら伴う一体感が――よりにもよって、今のタイミングで。
「「…………」」
互いに、なにも言わないまま。
今度は、先程より露骨に体を重ね合う。
リューはベルの肩に頭を委ね、彼の胸に背中を預けきる。
ベルはリューの体重を受け止め、片手から両手で彼女を抱きとめる。
重なり合う人肌の面積が段違いに広がり、共有するぬくもりも増える――必要以上に。
(だめだ。……これは、いけない)
正面ではなく、背面からとはいえ。
抱き合うも同然の密着に、リューは顔を真っ赤にした。
(突き放さないと。それ以上はいけない、やめるべきだと)
互いに体温を刻み合う行為に、未練を抱くまいと必死になる。
(邪な想いを抱いてはいけないと、最初に言い出したのは私なのに)
両腕で抱きしめられる多幸感を、手放したくない自分に懊悩する。
(今なら、まだ引き返せる。はやく、突き放さないと)
誰よりも彼と繋がっている愛おしさを、もっと味わいたくてたまらない。
胸いっぱいに膨れ上がる切ない欲求をリューは必死に押し殺しながら、首を横に向けた。
面と向かってベルと話すためだ。
このとき、奇しくもベルもその真紅の瞳をリューの横顔に向けていて。
ここでリューが横を向いた事により、正面から目線がガチッと噛み合った。
ベルに背後から抱きしめられたリューが、背中ごと体重を預けた姿勢で、互いに顔を突き合わせる構図。
しばらくぶりに、リューはベルの顔を間近で見た。
「…………~っ」
ベルは、緊張していた。
白髪を震わせて、見開いた真紅の瞳を揺らしながら、羞恥で顔を真っ赤にして。
それでも目を逸らすことだけは絶対にしないとばかりに、背伸びした頑なさも纏いながら。
ベルはリューを、見つめ続けていた。
(…………貴方という人は…………なんて…………)
一方リューは、なんて頼もしい人に成長したんだ、と涙が出そうになる。
鍛錬を積んだ引き締まった肉体、修羅場を潜った強靭な精神。だけど、無垢な顔立ちに色褪せること無く残る清らかな真摯さ。
駆け出しの頃から変わらない優しい性格はそのままに、熟達した冒険者としての気風までベルは兼ね備えてしまった。
あまりにも、あまりにも。
リュー・リオンという女にとって、ベル・クラネルという男は魅力的すぎた。
「リュー、さん」
おぼつかない声で名前を呼ばれる。
唇にその響きを紡がれるだけで心が躍る。
「ベル」
できるだけの愛おしさを込めて、名前を返す。
びくりと、肩を震わせるベルのうぶな反応が、たまらなく嬉しい。
間近で見つめ合う顔の距離が、さらに近づいていく。
熱烈に見つめ合いながら、互いに瞳を潤ませながら。
唇と唇の距離が近づいていく。
抗いがたい強制力のようなものに、呑まれる。
(向こうからやめて欲しいと言われたら、やめる)
そんな都合のいい予防線を頭の中で張りながら。
熱に浮かされた心地の中、至近に感じる異性の存在感を受け入れる。
どちらも止まらない。
愛おしさが止まらない。
やがて、唇と唇は指先にも満たない距離に達し、そこからも互いに近づくのが止まらずに。
ほんの少し、心にチクリと切ない痛みを覚えながら、それでもリューは目を閉じた。
唇が重なる。
「「んっ…………」」
ベル。ベル。
ベル……!!
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