本記事は、「冒色の性夢EX 時間切れゲームオーバールート」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
前回の続きからとなります。
――見損なったわ。
そんな声が聞こえた気がして、僕は目が覚めた。
「……ん?」
なにやら、ひどく冷たい声音を耳にした気がして、僕は立ち上がって周囲を見渡す。
付近には誰もいない。声の主がいない。
それもそのはず、僕が今いるプールサイドステージ四番目は、まだ誘惑美女がいないエリア。僕以外、誰もいない。
左前方すぐ近くの、五番目ステージへ続く自動ドアも変わらない。
床の材質のビート板じみた柔らかさも、プールならではの塩素の香りも。
大きなプールの水たまりも、排水溝も、右側のプールサイドの通路も――
「――え」
心臓が、跳ね上がった。
動揺で、呼吸が止まった。
右側のすぐ近くに、胸元にとんでもない爆乳を携えた美女が佇んでいた。
頭の片方にリボンを結んだ可愛らしい顔立ちだ。髪は腰まで届くほど長く、その色は艶やかな紫色。おっとりした顔には可憐さのみならず無垢な雰囲気も同居していて、あどけない美少女といった第一印象だ。
ところが、首から下に目を向けると話がまるで変わってくる。
胸元で、片手どころか両手を使ってもまだ揉みきれそうにないほどばいんばいんに実った、たわわすぎる乳房。この反則的な胸を、サスペンダーのみで乳首だけしか隠していない衣装によって強調しているのだから、艶めかしさがたまらない。
女体における体型のステ振りがおっぱいに特化されている。
称して――爆乳リボン、の誘惑美女。
「す、すごすぎっ……♡」
魅惑の爆乳に目を奪われ、僕は間抜けにも涎を垂らしてしまう。
果てしなく無防備に、無目的に突っ立ってしまう。
本来なら、誘惑美女がいないはずのこのステージになぜ彼女が来たのか疑い、警戒を強めなければいけない場面なのに。
心奪われて僕が動けない中、爆乳リボンは両腕を左右に大きく広げると、それらを僕に向けてきた。
「えっ? ……手が無い?」
爆乳リボンの肘から先に、本来あるべき腕や手のひらが無かった。
代わりにあるのは大砲の砲口みたいな筒状の金細工。金色で、装飾のデザインが神話じみた荘厳な雰囲気を感じさせる。
筒の中は闇しか見えない空洞になっていて、とても人体の中身には見えなかった。
まるで砲台じみている両手を、爆乳リボンは大人しげな顔を崩さないまま僕に向けていた。
冷徹に、標的に狙いを定めるように。
「……ッ」
嫌な予感と、気のせいだという楽観が、脳裏でせめぎ合う。
その迷いで、僕は致命的な硬直を晒してしまう。
その隙に爆乳リボンは、腕から先に、瞬時に。
重厚感のある巨大なカギ爪を顕現させた。
「えっ」
戸惑いを僕は口に出す。
無から、瞬時に、本当に忽然と現れた。
黄金でできた、巨人を思わせるようなカギ爪が。
引っかかれたら引っかき傷どころか、ズタズタにされた上で内蔵の中身を散らされながら吹き飛ばさそうな、そんな物騒なカギ爪を。
爆乳リボンはみずからの腕先に具現化させると、それらを僕に向けて――
ドシュ、ドシュ! と音を立てて。
なんと、ロケットパンチみたいに、カギ爪を撃ってきた。
「!!? う、うわぐっ!!?」
ドカッ、ドガッ!! と、僕はカギ爪を避けられず、両肩に強い衝撃を受け、
「あ、ああああああああああ!?」
さらに、そのままカギ爪に掴まれながら、ギューンと後ろに連れて行かれる!
足が地面についてない! ロケットパンチの要領で運ばれている!
浮遊感を味わいながら僕は運ばれて、後方に飛ばされて――
ガチ、ガチィン!
「あがはッ!?」
壁にぶつかって止まる。
室内の壁に背を叩きつけられ、肺から空気を無理やり押し出される。
巨大なカギ爪は左右ともに僕の腕を手中に収めながら、深々と壁に突き刺さっていた。押しても引いてもビクともしない。
僕は腕をT字に開いた立ち姿のまま、ハリツケにされてしまった。カギ爪に自分の腕が囚われていて、逃げられない。
「ひ、ひどいじゃないか! なんでこんなことを――」
唐突な拘束にムッとして、僕は抗議の声を張り上げるが、
「――ひっ」
発言途中で、声を出せなくなる。
気圧される。
特大な肌色の乳が、乳首のみベルトで隠して僕に迫る。
爆乳リボンはゆっくりと、僕に向かって歩いていた。
両目を妖しげに細めながら、唇に笑みを浮かべて。
艶めかしさの裏に、ほのかに危険な気配も漂わせながら。
あと9メートル。動けない僕に発育の暴力が迫る。
途方もなく淫らな予感に、ゾクゾクと身の毛がよだつ――!
「ッ、ちょ、ちょっと待った! この世界だと、僕が手を出さない限り、君たち女の子からは僕に手を出さないルールだったろ?」
あと6メートル。
「待ってって! この世界は、僕が自分から誘惑に堕ちることがテーマだろう! こんな、無理やりになんて、話が違うって!」
あと3メートル。
爆乳リボンは僕の言葉に耳を貸さない。
ここよりずっと先のステージで明かされる秘密ゆえに今の僕は知る由もないが、爆乳リボンは反則者へのオシオキを担当する役目を持つ。
その立場ゆえに、爆乳リボンは最初から『女の子は僕を能動的に射精させてはならない』この世界独自のルールの例外である。
そんな特権を、使う口実を僕は彼女に与えてしまった。ひとつのステージに居座るという、時間切れの反則を犯したがゆえに。
よって僕は罰として、爆乳リボンに骨抜きにされるしか無い。
あと1メートル。
50センチ。
◆To Be Continued