本記事は、「冒色の性夢-13」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
前回の下書きの続きとなります。
柔道畳の裏側をすべて調べようとして、五つの畳をひっくり返したところでやめた。不毛に感じたのだ。
探索を続けるうちに考えることが無くなり、今の僕は消去法的に、誘惑美女について考えていた。
「ここに来る前に会った、二人の女の子がラスボス……なのか?」
年の頃にして、僕と同年代の女子高生みたいだった。
一目見ただけで美少女とわかる、可愛いらしい顔立ちだった。
ただ、ラスボスという大役にしては二番煎じな気がする。女子高生二人がかりは学校ステージで二回も経験済みだ。
ちなみに初見の時点では、二人は壁から頭だけ出してこちらを見ていたので、下世話な言い方になるが僕は二人の躰のエロさをまだ見ていない。
けど、仮に二人が垂涎モノのナイスバディであろうと、まだ二番煎じだ。豊満な女体だって、ここまでの道のりで何度も見てきた。
今までの敵すべてを、なんらかの形で圧倒的に凌駕できる強さがあってこそのラスボスだ。あの二人に、それは無い。
そんな事を思いながら僕は探索を続けていく。
その一環で、僕が体育倉庫に足を踏み入れたとき。
「ん? マットが敷かれている……」
ギィィィ……ガァン。カシャン。
「えっ?」
重厚な二枚扉が左右から閉じられる金属音、その後に続いた扉の施錠音。
そして備品の陰から扉の前に現れた、二人ではなく、三人の美少女を目にして僕は震慄する。
「な、なるほど。ラスボスは三人がかりってことか……!」
身も蓋もないが、数では確かに今までの敵すべてを凌駕している。
僕はどこぞのラブコメ主人公の立場を追体験してるような気分になった。
ひとりは頭にうさ耳状のリボンをつけた、ボブカットの女の子だ。
スカートの短い学生服の上に、黄色いベストを着ている。
快活な気質を惜しみなく表情に出していて、こちらも思わず顔がほころびそうな、明るい雰囲気が魅力的な美少女だった。
もうひとりはウエーブのある長髪を、星型の髪飾りで飾っている。
学生服の上に着る赤いセーターが似合っていた。
おおらかな微笑みに物腰の柔らかさを感じさせる、常識人タイプの落ち着いた美少女だった。
二人の中央に陣取るのは、この中で唯一の初見となる女の子。
ツーサイドアップの髪を左右でまとめる、蝶の髪飾りが印象的だ。
黒い上着を羽織った制服は心なしか胸が強調されているように見え、自信に満ちた顔からは天然系メイクの存在を匂わせる。
おしゃれに細かく気を遣える、女子力バツグンの美少女だ。
雰囲気的に、この娘がラスボス三人組のリーダーなのだろう。
便宜上、僕は三人に「リボンの子」「星の髪飾りの子」「女子力の子」とそれぞれ呼び名をつけて記憶する。
さて、三人をどう対処したものか――
と、僕が対抗策を考えはじめたとき。
がしっ、がしっ――と。
「え?」
左右から、何者かに腕を掴まれた。
左には、ショートヘアーをしたお姉さんチックな美少女がいた。
上着にスカートを巻いていて、制服は胸元のボタンが空いている。
さりげなく扇情的な着崩し方といい、魅せてくる流し目といい。大人びた色香と、小悪魔的な魅力が共存していた。
そして右には、顔の右側を前髪で隠すセミロングヘアの美少女。
制服の上に青いセーターを着ており、脚を黒のストッキングで覆っている。
ヘッドホンを掛ける首の上には大人しめな顔が常在しており、他四人と違う控えめな気質に、僕は親近感に似た安心感を覚える。
便宜上、追加の二人を「長女の子」「片目隠れの子」と仮称する。
さて、改めて。合計五人となった美少女たちにどう対処したものか――
「……えっ? 五人?」
目を疑い、僕は何度かまばたきを行う。
だけど、周囲にいる美少女の人数が変わることはない。
ひとりじゃない。
ふたりでもない。
三人がかりですらない。
五人だ。
このラストステージにおいて、誘惑美女側はあろうことか男女比一対五の誘惑で、僕を底なしの骨抜きに籠絡する気なのだ。
「……って! ちょ、まっ!」
待った待った待った待った、待った待った待った待った!!
「いくらなんでも多勢に無勢! やめてやめて! わあああッ!?」
ウサギを囲む肉食獣の群れのように五人の美少女が迫ってきて、僕はなすすべなく体操用マットに押し倒されてしまった――!