本記事は、「冒色の性夢-13」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
ここはクイーンサキュバスが作り出した淫夢の世界。
美女が与える官能をもって、男を堕落に誘う甘い罠の世界。
特筆すべきこの世界の特徴は、出現する誘惑美女が男の見聞きした創作物からキャラの外見を写し取ってくること。
画面越しや紙媒体で見るのとは違う、物理的な肌艶、匂い、温かみをもって、二次元の美女が妖艶に迫ってくるのだ。
そんな、ある意味おっそろしすぎる危険極まりない淫夢の世界に、平凡な男子高校生の僕が手違いで召喚される――
それより過去の話に、時はさかのぼる。
五つ子の美少女が出てくる、とあるラブコメ漫画があった。
主人公は勉強のできる、貧乏な男子高校生。
日銭を稼ぐ目的で家庭教師のバイトを受けたのをきっかけに、落第寸前の五つ子美少女と出会い、交友を深めていくお話だ。
連載初期の頃、正直に言って僕はその漫画をナメていた。当時、六つ子が出てくるギャグアニメが一大ブームを起こしていて、それにあやかった二番煎じだと食わず嫌いを起こしていたのだ。
とんでもない。
実際に読むと、それは面白さの爆弾だった。
五つ子という設定をフルに生かした姉妹間の類似と差異の魅力。
慣れない女子たちとの交友に悪戦苦闘する主人公の苦悩。
なにより作者の優れた画力で描かれる五つ子は、全員が巨乳の美少女!
思春期男子の憧憬を具現化した魅力的な絵とキャラとストーリーをもって、五つ子のラブコメは漫画として成功のスターダムをのし上がった。
当然ながらアニメ化した。一期で終わらず、二期もやった。
淫夢の世界に僕が来る直前の時点では、たしか映画化も決まっていたはずだ。
僕が知りうる限り、今一番熱い、最大にして最強のラブコメ漫画。
そして繰り返すが、この世界で誘惑美女は男の知る創作物からキャラの容姿を写し取って現れる。
今までの道のりで、もし五つ子の漫画のヒロインが誘惑美女として道を阻んでいたら、僕は間違いなく苦戦を強いられていただろう。
だが、十二回の誘惑のうち、五つ子は一度も現れなかった。
それに、誘惑美女たちは誰も彼もが、五つ子にも負けない美女ぞろいだった。
僕は五つ子が淫夢の世界に現れないことに、今まで疑問を感じることは無かったし、そんな余裕も無かった。
なので、僕は予想だにしなかったのだ。
まさか――
「ちょ、まっ! いくらなんでも多勢に無勢! やめてやめて! わあああッ!?」
ラスボスが例の五つ子で、あんなエゲツない戦略を取ってくるなんて――!