本記事は、「冒色の性夢-11」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
前回の下書きの続きとなります。
大岡裁きという有名な昔話がある。
我こそが母だと親権を争う二人の女に、奉行が子供で綱引きをさせる話だ。
昔話では痛がる子供を案じて手を離した女こそが親にふさわしいと決着するが、この場ではどうか?
「目が回るってッ! ストップ、ストップうぅぅ~!」
残念。いくら僕が嫌がっても止まらない貴族っ娘と大和撫子の両者に、同じロジックが通じるとはとても思えない。
ちなみに現在、二人の少女は僕を独占するべく争っているが、僕にとって一番怖いのは二人が手を組むことにある。
大和撫子は武道でもやっているのか妙に力が強く、彼女の抱擁から僕は抜け出すことができない。だが性的な技巧には疎いようで、彼女の首絞めハグは快楽を台無しにしている。
対照的に貴族っ娘は色仕掛けの手練手管に詳しいようで、スキあらば僕を快楽で堕とそうとする。だが力は強くない。
大和撫子は力、貴族っ娘は技。この二人は互いの苦手をカバーできる関係だ。
この淫夢の世界には『女の子は僕を能動的に射精させてはならない』ルールがあるとはいえ、両者が手を組む光景を僕は見たくない。
なので急いで鍵を手に入れてこの場から逃げたい所だ。となると、問題はその鍵が今どの場所にあるか。
大和撫子と貴族っ娘が僕の身柄の取り合いに興じる中、貴族っ娘の胸元にあった鍵は今、はだけたジャケットの腰部分に引っかかっている。
取り合いの中で鍵がずり落ちて移動していたのだ。
落ちそうで落ちない、絶妙なバランスで服に引っかかっている。
「鍵を手に入れることさえできれば……って、ぐえーっ! ぐるじいっ」
大和撫子に背後から力任せに抱きつかれる、もとい首を締められる。
よほど僕を目の前の貴族っ娘に渡したくないらしい。
しかし、だからといって首を締められるのは非常に困る。僕は彼女の腕をタップして、こちらが苦しんでいることを伝えた。
「けほっ! はぁはぁ」
不服そうに口を結びながらも、大和撫子は僕の首を放した。こちらが嫌がればちゃんとやめてくれる点で、彼女は素直だ。
さて、問題はここからだ。
「そろそろ、鍵を……うわっ」
また僕は貴族っ娘に引っ張られ、抱き寄せられる。大和撫子から離れる。
もう何度目かもわからない局面の中、僕は貴族っ娘の鍵に意識を向けた。
今まで僕は官能を伴う接触を避けるために両手で股間をガードしていたが、今回は右手だけだ。
左手は防御ではなく攻撃に使う。
貴族っ娘のはだけたジャケット、その腰回りで引っかかった銀の鍵。
そこを狙って僕は左手を伸ばし、服の内側に指を侵入させる!
「――ッ」
柔肌や服の手触りの中から金属質な感触を探し、見つけたらすぐに指で掴む。この間、わずか一瞬。
僕が貴族っ娘のジャケットから左手を離したときには、手応え十分! 銀の鍵をきっちり左手に握っていた。
「獲ったッ――」
我ながらあざやかな早業だった。僕はスリの才能があるのかも。
そんな戯けたニュアンスの考えを、一瞬だけ僕は抱いた。
ほんの一瞬だけだ。油断と呼ぶには短すぎる考え事。
だが貴族っ娘は、知ってか知らずか、その一瞬を突いてきた。
股間をガードする僕の右手。その位置を、脇の間に腕を通すことでずらした。
さらに貴族っ娘はもう片方の腕も僕の脇の下を通して、背中に腕をまわして僕を抱きしめ、内股を開いて肉棒に跨った。
「――え?」
下半身を見て、自分のピンチを僕が自覚したころにはもう遅い。
すでに貴族っ娘は僕を抱きしめながら、スカートの下でキュッと生脚を閉じていた。
よって、僕は。
ぎゅぎゅうぅぅぅぅぅ~~~ッ♡♡
「!!!」
下半身の自分の分身を太ももに挟まれながら、トランジスタグラマーの豊満な女体と深く密着してしまった!
「う、うわあぁぁぁぁぁーーっ!!」
快楽の荒波に理性を揺らされ、僕は絶叫する!
今まで意識しないようにしていたが、前回の誘惑から休憩ほぼ無しで連戦、さらにここまでの性欲の我慢もあり、僕の股間は崖っぷちだ。
体が官能を伴う異性との接触を欲してやまない所に、肉厚な太ももにペニスを挟まれて、嬉しくないわけがなかった。
しかも抱きつかれているゆえ、貴族っ娘の魅力を間近に感じざるを得ない。
見た目と手触りで僕を悩ませたノーブラの豊満な胸が、今は僕の胸板にじかに密着して、より強く性欲を煽ってくる。
初見で僕が思わず見惚れた金髪碧眼の高貴な顔立ちは、間近でこちらを上目遣いで見てきて、淫らな欲求を助長していた。
「や、やばいぃーーッ♡♡」
気持ちいい!
きもちいい!!
キモチいい!!!
思考が快楽に蕩けていくのを自覚し、僕は悶える。
抱き返して、口づけして、自分から腰を振ってしまいたい。
そんな欲求が津波のように押し寄せてきて、僕は――
A. もう我慢できない♡ ラスボス行きの鍵なんか捨てて、誘惑に溺れたい♡
B. それでも鍵は手放さない。今すぐに逃げる!