本記事は、「冒色の性夢-11」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
前回の下書きの続きとなります。
大和撫子。
そんな言葉が、僕の脳裏によぎった。
実際その言葉は、もう一人の誘惑美女のイメージに合うと思う。
意思の強さを感じさせる力強い黒瞳。リボンでポニーテールにまとめられた、腰まで届く黒の髪。余分な飾り気のない顔立ちは美麗かつ凛々しくて、研磨された刀のような清らかさが漂う。
ただ、清らかだからといって彼女に色気が無いと言ったら大間違いだ。引き締まった躰が描く線はむしろ恐ろしく艶めかしい。特に凄まじいのが胸で、はだけたジャケットから見える谷間は僕の指が何本でも食い込みそうで――
「って、ちょっと待った! なんで学生服を脱ごうとしているんだ!?」
鏡に映る大和撫子、彼女が胸をはだけるのを見て僕はツッコんだ。
数秒前まで貴族っ娘と同じワンピースジャケットを着ていたのに、今、大和撫子はジャケットの襟元を豪快に開けたのだ。
半脱ぎとなった胸元から、ノーブラの豊満な乳房が露わになる。
ブルン! と、下着の無い二つの双丘が大きく揺れる。
鏡に映る大和撫子の悩ましい色気の爆弾を、思わず僕は視界に焼き付けてしまった。
「う、うわぁっ……す、すご……♡」
単純なバストサイズは貴族っ娘より上かもしれない。
視界に飛び込むたわわな乳房に僕は釘づけになる。
そんな僕に大和撫子はほのかに赤面して恥じらいながらも、一瞬だけ、表情に得意げな笑みをうかべた。
すると。
「え?」
正面の貴族っ娘が振り返って僕に向き合ってきた。
必然的に、鏡には貴族っ娘の後ろ姿が映る。
そして眼前、生で見る貴族っ娘は拗ねた目で僕を睨むと、細い指先を僕の顔に這わせ、弱い力で抱き寄せてきた。
「なんでスネて、……ッ!?」
ゆっくりと目を閉じて、貴族っ娘は唇をすぼませる。
触れるか触れないかの距離に、貴族っ娘の艷やかな唇が僕に迫ってきて――
「わぁっ!? ダメダメダメ~!!」
反発する磁石のように僕は貴族っ娘から飛び離れ、キスを回避。
『女の子は僕を能動的に射精させてはならない』ルールが解除されることを防ぐ。
少女を振りほどいてバックした僕だが、今度はもう一人の少女に捕まった。
大和撫子は僕を受け止めるとそのまま背後から抱きしめてきた。首に手を回し、力任せに僕を締めつける。
「ぐ、ぐるじッ! ちょ……ストッ……!」
これはハグじゃない、首絞めだ! 僕は相手の腕を手で三回叩いた。
背中に豊満な胸が強く密着しているが、それどころじゃない。
僕がタップしたことで大和撫子は自分が首を極めていたことに気づき、慌てふためいて僕を腕の中から開放した。
「ゲホッ、ゲホッ! けほっ、ふぅ、ふぅ」
咳き込んで息を整える時間が僕に許されたが、それは数秒のみ。
無防備に付け入り、またもや貴族っ娘が僕を抱き寄せてきた。
かと思えば大和撫子がまた僕を引き剥がし、力まかせのハグに僕が苦しむ所を貴族っ娘がまた抱き寄せ、その繰り返し。
「め、目が回るううぅぅぅッ!」
めまぐるしい争奪戦の様相に呑まれながら、僕は察した。
どうやら連携のとれていた前回の誘惑美女コンビと違い、今回の誘惑美女ふたりはライバル関係にあるようだ……。