この作品は「冒色の性夢-07 ホテルの一室に裸族の女神」で、主人公が誘惑に流されてしまった場合のIFルートを描いたものです。
ソードアート・オンラインとアドミニストレータのタグがあるのは、今回登場する女の子の外見のモデルになったからです。あくまで外見だけを参考にしているので、人格や話し方といった他の要素は取り入れてません。ご了承ください。
アドミニストレータってどんな娘? って方は参考までにこちらをご覧いただければ。
話の流れをわかりやすくするため、途中までは正規ルートと同じ文になっています。
それでは、ごゆるりと……。
勝利条件:
勇者が淫夢の世界から脱出すること
敗北条件:
射精によって勇者のレベルが0を下回ること。
敗北=理性崩壊。
現在の敗北までの射精回数はあと1回。1度でも出したらアウト。
(一度の射精につきレベルが10ダウン)
特殊条件:
サキュバス側から勇者を能動的に射精させることは無い。
勇者は射精したい場合、自分から女体に溺れなければならない。
↑勇者が女の子にキスすると、その女の子はルールの縛りから解き放たれる。
他に判明している情報:
・この淫夢の世界に出る女子の容姿は、勇者が見聞きした創作物のキャラクターの外見を借りた偶像である。外見だけ借りているので中身は元の創作物通りではない。
・全部で13人のキャラの誘惑をかわせば淫夢は終わる。あと7人。
* * *
ハァイ、人違いの勇者ちゃん♡
この手紙を読んでるということは、あなたはステージ2をすべて突破してきたということね?
まずは、おめでとうと言わせてもらうわ。
正直な話、かなり驚いたわよ!
やるじゃない!
ワタクシの予想じゃ五人目の誘惑あたりで堕ちると思ってたけど、見事に予想を裏切ってくれたわね。本気で感心したわ!
だけど、まだまだ油断は禁物よ。
これからの道のりはさらに険しさを増していくことになるわ。
なぜならそろそろ、【媚薬ガスの副作用】が出てくるから。
最初にあなたが媚薬ガスを吸ってから経過した時間をかんがみるに、もういつ副作用があなたを襲ってもおかしくないわ。
あなたは本物の勇者と違って、マヒや毒といった状態異常への耐性なんかはもちろん無いわよね?
その前提で考えると、副作用が出てきたら間違いなくあなたにとって不利になるわ。
覚悟なさい。
あ、そうそう。
前の手紙で「この世界の女の子はあなたを直接的に射精させない」ルールに例外があるって話したわよね?
あの時は例外の条件がわからなかったけど、今なら断言できるわ。
条件は【あなたから女の子にキスすること】。大体あなたの推測通りね。
ただ、【避けられるはずのキスをわざと避けなかった】場合でも条件達成となる仕様だからそこは気をつけなさい!
さて、最後に蛇足になるけど伝えておくことがひとつ。
あなたはこれからステージ3に向かうわけだけど、その後に控えるステージ4と最終ステージの様子が変なのよ。
具体的になにが変かと聞かれると、表現に困るけど……。
気になるから、この手紙を書いた後にワタクシが調べに行ってくるわね。
とりあえず、話しておくことはこんな所かしら。
それじゃあね、人違いの勇者ちゃん♡
割と本気で、健闘を祈っているわ♡
クイーンサキュバスの◆◆◆◆より
* * *
「……」
白い壁と白い天井しかない殺風景な個室の中、黙々と手紙を読む全裸の少年がいた。僕だ。
プールサイドステージからの脱出後、僕はこの部屋の床に落ちていたピンクの置き手紙を拾って読んでいた。
「なんか、クイーンサキュバスがいつの間にか相棒的ポジになってるなぁ」
僕がその相棒(仮)の顔も名前も知らないのはさておき。
ステージ4と最終ステージは、気にならないといったら嘘になるが、とりあえず今は心配しても仕方ない。
手紙の内容で重要度が高そうなのは次の2点。
①。女の子からの搾精解禁の条件は僕からのキスで確定。ただし女の子からのキスでも、わざと避けなかったら条件が満たされる。
②。これから先、媚薬ガスの副作用が出てくる可能性が高い。
「副作用、かぁ」
読み終えた手紙を床にポイ捨てして、僕はため息。
人体に蓄積するダメージは、わかりやすく痛みが伴うものばかりじゃない。たとえば過剰睡眠による片頭痛は、ストレスや疲労の蓄積が引き起こすという。
同様のケースが、今回の媚薬ガスの副作用でも起こるのだろうか。
いままで女の子の誘惑に耐えてきたことが、ストレスや疲労を蓄積したとすれば。
ここまで僕は必死に禁欲して13人中6人の誘惑に勝ったわけだけど、やはり無傷というわけにはいかなかったらしい。
時間をかけて僕の全身を蝕んだ媚薬ガス。その副作用は、今後どういった形で現れるのだろうか?
「とりあえず、進んでみないことにはわからない……か」
うーんと背伸びして深呼吸してから、僕は白い部屋の出口ドアに向かう。
あくまで自覚できる範囲の話だが、今の僕の体調は万全だ。
媚薬ガスの副作用が出ないうちに、できるだけ探索を進めておきたい。
「すぅーっ……んっ」
空気を吸って、息を止めてから僕は出口のドアノブを回した。
* * *
ぷしゅううぅぅ!!
媚薬ガスが噴出音をたてて、視界一面をピンク色に染める、
僕はあらかじめ息を止めたのが功を奏し、ガスを吸い込まずに済んだ。
三度も同じ手は食わない。
満員電車とプールサイド、過去二度もステージ開始時にガスをまかれたら警戒だってする。
僕はガスが晴れるまで息を止めて待っていた。数秒後、視界からモヤが無くなったところで呼吸を再開する。
「ふぅっ……ここは、どんな所だろう?」
とりあえず一番目につくのは、目の前にある大きなベッドだ。
清潔感のある白い色をした直方体状のマットレスに、木材の四本足がついていて床に自立している。マットレスを覆う掛け布団は触ってみると指が沈むほど柔らかい。寝心地は申し分なさそうだ。
まくらの数は二つ。どうやらダブルベッドのようだが、二人分にしてはやや狭い。一・七人分といったところか。
「ベッドがあるってことは、とりあえず寝室には違いないけど……」
頭を掻きながら、僕は歩いて周囲を見回しはじめた。
高級感ただよう雰囲気の部屋だ。
ベッドの脇の壁際には小さいサイドテーブルがあり、上に0:05と時間が表示されたデジタル時計が置かれている。
奥に進むと部屋がもうひとつあり、ドアを開けてみたらトイレと風呂が一緒のバスルームがあった。もちろんシャワーつきだ。
さらに奥に進むと玄関だ。くつ置き場のような箇所はなく、足場はカーペットの布地のみ。
扉のドアノブに丸い穴がついたドアプレートが掛けられていて、取ってみると表と裏に英文が書かれてるのを見つけた。
Please Don't Disturb.
Clean Up Please.
「『起こさないでください』と『清掃おねがいします』……ホテルだこれ!」
和訳して、僕はこの舞台のテーマがなんなのか思い当たった。
間違いない。ここはホテルの一室を再現した部屋なのだ。
便宜上、今後このステージは『ホテルステージ』と呼ぶことにしよう。
名づけて早々ぶしつけだが、僕は先を急ぐためドアを開けようとした。
「あれ? 開かない!」
より厳密に言うと、ドアノブが回らない。回せない。
僕はドアプレートを玄関ドアに掛けなおして、きびすを返した。
あのドアには鍵が必要なのか? それとも鍵以外の開閉手段があるのか?
どちらにせよ、この部屋を探索してなんらかの手がかりを見つけないと、先に進むのは無理そうだ。
まず僕はベッドから調べることにした。
「最初はまくらの下からだ。どれどれ……? なにも無い。次は……」
ピー! かちゃっ!
「ん?」
ベッドの上に乗りながら、僕は二つの音を聞いた。
アラームじみた電子音と、鍵が開くような金属音。
「……もしや」
僕は玄関まで歩いて、玄関ドアを開けてみる。
今度はドアノブが回せないなんて事は無く、ドアは開いた。
内側に扉が開いていき、次の部屋の光景が見える。
どうやら自覚のないうちにドアが開く条件を満たしたらしい。
「うーん。なんだかスッキリしないなぁ」
後味の悪いクリアに僕は嘆息した。
ドアの開放条件がわからないまま、運任せで勝ってしまった。
クイズの4択問題で、実力ではなく運頼みで選んだ選択肢が正解だったような、そんな複雑な気分。
「とはいえクリアはクリアだから、先に進むけどさ」
煮え切らない心境を押し殺しながら、僕は次の部屋のドアに入った。
* * *
「あれ? 通ってきたドアが無くなってる」
ホテルステージ2部屋目に入って、ふと後ろを見て僕は驚いた。
この部屋に来たときに開けたドアが、無くなっていたのだ。
ドアなんて最初から無かったと言わんばかりの壁を目にして、僕は自分が一時的に幽霊になったような想像をした。
ほら、幽霊なら壁を通り抜けられるだろうし。
戯言はともかく。
前回の部屋ではドアのロックが開くカラクリがわからないままだったから、今回こそはそれを解き明かしておきたい。
2部屋目にも誘惑美女はいないようなので、妨害される心配は無いのが幸いだ。
僕はさっそく部屋の探索にとりかかった。
「……ふむふむ」
ベッドも、家具の位置も、バスルームも、前回と変わりない。
過去のステージの例に漏れず、ホテルステージの2部屋目も部屋の間取りや構造は1部屋目と同じようだ。
唯一、違っていたのはサイドテーブルの上にあるデジタル時計の設定。
指している時間は1部屋目と違って、1:00だった。
「なんのためにあるんだろうな、これ」
デジタル時計を手に取りながら、僕はベッドに乗る。すると。
――1:00
――0:59
――0:58
――0:57
「おっ! 動いた!」
嬉しくなって、思わず僕はベッドから飛び降りる。
――0:56
――0:56
――0:56
「あれれ?」
今度はデジタル時計が動かなくなってしまう。
故障を疑って、僕はデジタル時計をいじってみる。
けど、どのボタンを押しても、しゃかしゃか振っても、うんともすんとも言わない。
どうなってるんだと悩みながら、僕がベッドで横になると。
――0:55
――0:54
――0:53
デジタル時計はまた動きだした。
「あ~、なるほどね。つまりはベッドに乗ってるかどうかか」
発見の喜びに、僕は横になったまま頬を緩ませる。
どうやらこのデジタル時計はタイマー機能を使っているようで、僕がベッドの上に乗っている間だけカウントを進める仕様らしい。
プールステージのステージのひとつに、タイマーを使った仕掛けがあったのを思い出す。
あの時は時間切れになると不利になる展開だった。
だけど今回は、僕の読みが正しければおそらく……。
――0:03
――0:02
――0:01
――0:00
ピー!
かちゃっ!
「うん、やっぱりだ」
聞き覚えのある音を聞いて、僕は読みの的中を確信した。
『僕がベッドに乗ってるときにデジタル時計のカウントが進んで、カウントがゼロを迎えると出口のロックが解除される』
直前のホテルステージ1部屋目で、僕がベッドの上にいたときにドアの施錠が解除されたことから浮かびあがった仮説だ。
そして今、仮説は正しいと実証された。
1部屋目でわからなかったドアを開く条件を僕は解き明かしたのだ。
「よし、次の部屋だ」
デジタル時計をベッドに置いて、僕は玄関に向かって歩き出した。
まだ媚薬ガスの副作用は体に出ていない。つらくならないうちに、できるだけ先に進んでおきたい。
そんな焦りにも若干似た考えを抱きながら歩いていて、
「えっ?」
ふと、バスルームの中の鏡が目について、僕は足を止めた。
鏡で見た自分の目。両方の瞳の中心部に、
「は、ハートマーク?」
ハートマークが瞳に浮かび上がっていた。目がハート。
漫画的な演出でよくある、性欲の虜になったキャラの瞳だ。
それが、自分の瞳に。自分の目が性欲の象徴。
「……不吉だなぁ」
たかが凶兆、たかがジンクス。そんなものに僕は惑わされない。
そう自分に言い聞かせながら、僕は次の部屋へのドアを開いた。
* * *
満員電車と違って、ここにはスーツ男のむさい臭いは無い。
プールサイドと違って、塩素の匂いも満ちていない。
このホテルステージは今まで僕が経験したステージと違って、初期状態ではにおいが無い。清掃されたホテルの一室を再現している。
その、清潔さゆえにわずかなにおいも際立つ環境では。
突入前の時点で女が部屋にいたら、ほのかな甘い匂いが残るのだ。
ちょうど今、僕が嗅いでいるみたいに。
「…………」
僕はベッドの上で足を広げて座っていた。
誘惑美女がここに来るのを待っているのだ。
まず大前提として、誘惑美女は間違いなくこの部屋にいる。
室内の匂いだけが根拠じゃない。数秒前までは水音も聞こえていた。
大量の水滴が一面を叩く、ジャーっとしたシャワーの使用音だ。
もうすぐシャワーを終えて艶っぽさを増した誘惑美女が、自分を誘惑するためにここにやってくる。
その危険は百も承知で、それでも僕はベッドで待っていた。待たなければならない理由があった。
別に最初から勝負を捨てて誘惑に溺れたくなったわけではない。
この部屋を脱出するのに、誘惑美女の協力が必要なのだ。
より厳密に言うと、誘惑美女の体重が必要なのだ。
「…………」
このホテルステージ3部屋目に入室した時点で、匂いと水音からここに誘惑美女がいることはすぐにわかった。
僕は出口を解錠するタイマーを動かすため、ベッドの上に乗った。
問題はこの後だ。今までの部屋と違って、サイドテーブルに設置されたタイマーは動かなかったのだ。
推測だが、ホテルステージ各所に設置されたベッドは体重計の機能があって、一定の重さを超えた時のみタイマーが動くのだろう。
ちなみに自分の体以外のものをベッドに乗っける案はダメだ。軽いものならともかく、家具のような重いものは溶接されたように動かない。
出口を開けるタイマーを動かすには、僕と誘惑美女がベッドに乗るしかないわけだ。
いかにも『誘惑からの自滅』を趣旨とする淫夢の世界がやりそうな手口だ。
ガチャッ。
「ッ!」
ドアを開ける音がした。
つづいて、タオルで体を拭く布擦れ音。
さらに数秒後、体を吹き終えた誘惑美女がこちらに近づく足音。
ゆっくりと、ゆっくりと。
ベッドで脚を広げて座る僕の前に、絶世の美女があらわれた。
「……女神?」
われにもなく、単純な感想を僕は口にする。
事実、彼女は女神と呼んで差し支えないほどの美貌があった。
腰を越えて膝の高さまで伸びる紫の長髪。上から目線で見据える目つきは不遜ながらも艶っぽい。濡れそぼった唇で口づけなどされた日には、理性など秒殺でとろけてしまいそうだ。
特筆すべきは、彼女が服を着ていないことだろう。
頭頂部の天使の輪を模した装飾と、首元に巻かれている白布の首飾り。彼女が身につけているものはこの2点だけだ。豊かな乳房とふっくらした太ももを誇る極上の女体が、シャワーを浴びたての柔肌を露出してこちらの欲情を誘ってくる。
そして、その全裸を恥ずかしがる様子は一切なく、超然としたたたずまいを彼女は崩さない。
「――――」
便宜上、今後は彼女を『女神』と呼称する。
僕は彼女の特徴には見覚えがあった。
他の誘惑美女の例にもれず女神の名前も思い出せないが、たしかVRMMOを題材としたライトノベルで登場したキャラだ。
見目麗しい美女なのに長い章のラスボスとなった、ライトノベルにしてはレアケースなキャラだったと記憶している。
そんな彼女に敵対し、信念を貫いた原作主人公を、僕はある意味とても恐ろしく思う。
だって…………。
「う、ううっ……!」
硬く張り詰め、勃起しきった自分のペニスを見て僕は実感する。
そうだ……敵に回すには、目の前の女神はあまりにもエロすぎる!
僕自身が裸であるゆえに、女神も裸なのはなおマズイ。
彼女の豊満な躰と抱きあい、太ももにペニスを挟まれたら、はだか同士の絡みで狂おしいほど気持ちいいと想像できてしまう。
「ね、寝間着とかパジャマとか、ここに無いのか……?」
神に近しい存在が裸なのは美術の世界じゃよくある話だが、せめて今だけでも服を着ていてほしかった。
原作主人公みたいに彼女と戦うなんて、とても僕にはマネできない。
戦闘力ではもちろん、精神面でも戦いになる気がしない。
僕にできることは今まで通り、禁欲して逃げることだけだ。
横目でちらと、サイドテーブルに置かれたデジタル時計を見る。
幸いなことに、制限時間は少ない。なにせ――
――0:15
十五秒。たった十五秒だ。
ベッドの上でたった十五秒、女神の誘惑を耐えれば僕の勝ちだ。
僕は改めて正面の女神に向き直る。
彼女は唇だけで微笑んでから、右手で掛け布団に体重をかけた。
そのまま左手、右足、左足の順にベッドに乗って、女神はゆっくりと、脚を開いた僕に近づいていく。
――0:15
――0:14
――0:13
女神が四つん這いでベッドの上に乗ったことで規定重量が満たされ、タイマーがカウントダウンを開始した。
そんな中、僕はされるがままに女神に覆いかぶさられ、首の後ろに手を回されて今にも抱きしめられようとしていた。
……あれ?
どうして僕は、されるがままに女神を受け入れてる?
どうして僕は、女神に押し倒されてピンチになってるのに……抗うどころか、自分からも女神の背に手を回しているんだ!?
「か、体が勝手に……!?」
変調を自覚したころには、もうすでに手遅れで。
僕は無抵抗どころか自分からも女神に覆いかぶさられ、そして。
ぎゅううぅぅ~っ♡
にゅるん♡
「!!?」
恋人のように正面から抱きあいながら、女神の太ももにペニスを挟まれてしまった!
「な、なんでええぇぇぇっ!?」
わけがわからないまま、女神と抱き合う法悦に僕は悶える!
予期していた以上に、シャワー上がりの柔肌は心地よかった。
こちらの胸板で女神の豊乳がむにゅっと広く押し潰れる。
火照った肌の色艶は彼女の艶やかさを高めつつ、太ももに挟まれた肉棒にもっと欲情しろと命じてくる。
女神が上である体位の都合上、抱き合う彼女の体重を感じられるのが僕は嬉しくてたまらなかった。
気持ちいい! 今すぐ、僕からも腰を突き上げて気持ちよくなりたい!
いや、快楽に呑まれてはダメだ。急いで彼女から体を離さないと!
誘惑に対する、堕落か拒絶かの二択。
今まで僕はピンチでこの二択を迫られるたび、心は屈することなく誘惑への拒絶を第一に選んできた。僕がこの淫夢の世界で生き残れた理由だ。
今回もその例にもれず、心は誘惑を拒んでいた。
だが。
心と体は必ずしも、方針を一致させるとは限らない。
僕は望んでないにも関わらず、みずから女神の背にしがみつき、彼女を抱きしめながら太もものせまい隙間にペニスを出し入れしてしまっていた!
ぎゅううぅぅぅぅ!
にゅるっ、にゅるっ、にゅるっ。
「う、嘘っ、なんで……!?」
下から腰を突き上げるという苦しい体勢ゆえか、速度はさほどでもない。
だがその弱い所作が不興を買ったのか、女神は反撃してきた。
彼女は膝をベッドに立てるとペニスを挟んだ腿の圧迫を強め、僕を抱きしめ返して、数倍の速さで腰を叩きつけてきたのだ!
むぎゅううぅぅぅぅ~!
パンパンパンパンパン!
「そ、そんな、ああぁぁぁぁぁーーっ!!」
とろける快感が何倍にもふくれあがり、僕は悲鳴を上げる。
お互いにハダカで強く抱きしめあう密着の一体感。たわわな乳房が僕の胸板で押し潰れる幸福感。
なにより、Y字を描く太ももの隙間で肉棒が往復することで、マシンガンのように連続する甘い快楽刺激。
気持ちよすぎる。しあわせすぎる。
こんな天国が続けば、そう遠くないうちに僕は射精する。
だが幸か不幸か、その展開にはならない。女神が腰振りを途中で止めたからだ。
「あっ……」
寸止め――。
僕は欲望を放出できないもどかしさに打ちのめされる。
この淫夢の世界のルール。女の子側からは僕を射精させない。
僕がみずから女体に溺れないと、けっして僕は射精できない。
――0:02
――0:01
――0:00
ピー!
かちゃっ!
女神の腰振り中断と同時にタイマーも時間切れを迎えたらしい。
金属の音をたてて、出口ドアのロックが解除される。
恐ろしく大変な15秒だったが、それももう終わりだ。もう僕に、タイマーを動かすためベッドにいる理由は無い。
だが……ベッドを降りて先を急ぐ選択を選んだ場合。
当然、僕は眼前の女神と絡み合うことは今後できなくなる。
クスッ。
ふと、ほんの少しだけ、女神が笑った。
唇をわずかにほころばせるだけの、悪戯っぽい微笑み。
ささいな「楽しい」という感情も、彼女の美貌で笑みの形になれば、どんな美術品にも勝る眩しさを誇る。
「ああ……きれいだ……」
そんな美しすぎるほほえみに、僕は見とれてしまった。
女神からすれば僕の無様っぷりが可笑しかったのだろうが、それでも。
次の部屋に行くより、目の前の美しい女神と一緒にいたいと、僕は心のどこかで思ってしまっていた。
そんな僕に、女神は首の後ろに手を回しなおすと、唇をすぼめさせてゆっくりと顔を近づけてきた。
ゆっくりと、あくまでゆっくりとだ。
愛おしい女神の唇が、ゆっくりと僕の唇に迫ってくる。
僕は近づいてくる女神の美貌にうっとりと見とれたまま、脳内で記憶がぐるぐると回っていた。
クイーンサキュバスからの置き手紙の情報。
避けられるはずのキスをわざと避けなかった場合も、僕からキスした場合と同じく、女の子がルールの縛りから解放される――
A. このまま女神に身を任せ、彼女に溺れてイカされたい……。
B. 逃げる。
このまま誘惑に流されて、女神の豊満な裸体に溺れたかった。
互いに強く抱き合い、太ももに挟まれたまま腰を振り、溜まりに溜まった欲望を吐き出したかった。
なにより――僕を魅了してやまない、整った顔立ち。
唇をすぼめてゆっくりと迫ってくる女神の顔に、僕は自分から飛びつきたくて仕方なかった。
唇を重ね、舌先を甘く絡めあい、お互いに口腔を貪り合いたかった。
そんな浅ましい気持ちが、性欲にまみれた気持ちが、僕に無いと言ったら嘘になる。
本音を言えば今すぐにでも女神と抱き合いたい。
柔らかく豊満な肉にむしゃぶりついてしまいたい。
それでも……ここは、あくまで夢の世界だ。
夢からは、醒めないといけないんだ。
現実世界の人生がかかっている以上、僕は誘惑に負けるわけにはいかない。
「……ごめんなさい!」
迫ってくる女神の唇に、僕は右手を添えて接吻を防いだ。
僕の唇が、僕の右手の甲でさえぎられる。
唇と唇の間に割って入った不純物に、女神は目を丸くした。冷や汗が一滴。
どうやら女神は自分の勝利を確信していたらしく、一転して僕が誘惑を拒んだのはかなり意外だったようだ。
驚きが表情に出ていて隠せてない。そんな女神の隙を僕は見逃さない。
僕は体に力をこめて、押し倒してきた女神ごとベッドの上でゴロンと横に転がった。
女性上位の体勢から、男性上位の体勢になる。
こうなってしまえば、重力はもう彼女に味方できない。
僕は腰を上げて、女神の内股の狭い隙間に挟まれたペニスを引き抜いた。
女神の肉体から自分の体を離して、彼女と密着する面積をゼロにして――。
「ッ!?」
ここで僕に、誤算が起きた。
ベッドから降りようとする直前のことだ。
女神の艶めかしい裸体、その全貌を僕は正面からまともに目撃してしまったのだ。
「ううっ……!」
ハダカになった女体の誘惑力を甘く見ていた!
抱きしめ合えば天国が約束される白い柔肌。
口づけを交わせば他の女など眼中に入らないであろう美貌。
妖艶な流し目、豊満な乳房、先ほどペニスで柔らかさを味わった太もも。
そして――
「ほ、本番に誘っているのか……!?」
女神はひっくり返ったカエルのように手足を開いていた。
自らの股間の恥部を僕に見せつけ、手招きして誘惑する。
濡れそぼったピンクの肉の隙間がヒクついて、僕をこの上なくみだらな行為に蠱惑していた。
もしあの中にペニスを入れて、抱き合いながら腰を振ったら、一体どれほど気持ちいいのだろうか……?
B-1. もう我慢できない♡♡♡
B-2. 我慢する! 逃げる!!
「う、ああっ……♡♡」
意味のない声を上げながら、僕は女神に向かっていった。
ふたたびベッドの上に乗り、女神と間近で向き合う。
頭は性欲でめちゃくちゃに暴走している。
とんでもない行為を妄想してしまった。
もし女神の肉壷にペニスを入れて、抱き合いながら腰を振ったら?
そんなの気持ちいいに決まっている。
気持ちよくなりたい!!
一度は誘惑に勝ったものの、崖っぷちのギリギリまで追い込まれていた理性が、ついに決壊する。
僕は脚を開いた女神の恥部に自分のペニスの先端を密着させ、膣内に入るように肉棒の狙いを定めた。
そして。
ずっぷん♡
「!!!」
腰を前に突き出すと、驚くほど簡単に女神の膣内に僕のペニスが収まってしまった!
「あああッ♡♡ き、きもちいいいぃぃぃッ♡♡」
悦びの悲鳴が、僕の喉から溢れ出る。
女神の膣内はとろけるように温かく、信じられないほど柔らかかった。濡れそぼった柔肉が僕の分身を締め付け、絡み付き、密着して歓迎する。
肉茎の先から根本まで膣に快楽まみれにされて、あっという間に僕は虜になってしまう。
ふと、女神が僕の背に手を回してきて、顔を近づけてきた。
キスの誘いだ。もちろん僕はこれに応じた。
ぎゅうっ!
んちゅううううぅぅ~~っ!!
「んんん~~~~ッッ♡♡」
互いに体を抱きしめ、濃厚な口づけを交わす。
僕は内心で今までの経緯を自嘲していた。
ああ、どうして僕は女神の誘惑を拒んでいたんだろう。
現実世界の人生? そんなもの、いらないじゃないか。
だってほら、女神の躰はこんなにも気持ちいいのだから。
「……ぷはっ♡」
ここで僕はいったん唇を離してキスを中断する。
直後、女神は僕の腰にギュッと両脚を回してきた。
この行為は通称・だいしゅきホールド――僕を膣内射精から逃さないための、脚でのハグだ。
すでに僕は女神に作為的にキスを行ったため、女神は『女性側から僕をイカせることを禁じる』ルールの対象外だ。
これで女神はなにかに気兼ねすることなく、彼女からも僕に快楽を叩き込むことができるようになった。
理性も自戒もルールも、なにもかも、僕と女神の交わりを邪魔するものはもう無い。
僕は女神と改めて唇を重ね、強く抱きしめあい、お互いに腰を振り乱して快楽を貪った!
ちゅく! ちゅぷっ! れろっ。 んぢゅっ! ぢゅうっ!
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!!
「んんん……ッ♡ んんんんん~~ッ♡♡」
濃厚すぎる快楽に頭がとろけていく。
腰を振る度に膣内のペニスに激しい快感が走るのが嬉しくて、僕は子宮を押しつぶさんばかりに腰を振りまくった。
欲情はとどまることを知らない。お互いのキス合戦も、抱きしめ合いも、歯止めがまったくかからない。
先ほど女神に素股で寸止めされていたこともあって、僕の絶頂が訪れるのは早かった。
ちゅく! ちゅぷっ! ちゅっ!
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!!
「んんんッ♡ 出るっ、ん♡ んんッ♡」
イク寸前、僕は女神を抱きしめながら口づけする――。
んちゅううううぅぅ~~!!
ぎゅうううううぅぅ~~!!
「んんんんん~~~~~ッ♡♡♡」
ぶびゅっ!! びゅるるうううぅぅぅぅぅ~!!
我を忘れ、頭を真っ白にしながら僕は放精した。
子宮がへしゃげそうなほど奥に肉棒を突きこんだ状態で、膣奥に白濁液をたっぷりと流し込む。蜜壺に搾り取られる甘美な密着感を、女神の豊満な躰と抱き合いキスしながら味わう。
この一連の快楽の流れが涙が出るほど気持ちよすぎて、僕の体は射精を終えても痙攣しつづけていた。
よって。
「……えっ?」
女神が僕を抱いたまま横にゴロンと転がった際、僕は抵抗できず、彼女にのしかかられてしまった。
男性上位の体勢から、女性上位の体勢になる。
女神は僕と繋がったままベッドに膝立ちになった。
マウントポジションを取りながら、女神は僕の唇に指を這わせ、クスリといたずらっぽい笑みをこぼす。
その様子は美しくも、なぜかカエルに狙いを定める蛇のような圧迫感が見え隠れしていて。
「……あ、あのー?」
思わず恐怖を抱いて、我にもなく僕は女神に呼びかけてみたが、彼女は返答しない。怖い気配をまとったままだ。
それでも女神は美しく、特に僕を見つめる妖艶な目つきはかしずきたくなるほどに綺麗で。
頭の中で「美しさと恐ろしさって両立できるんだなー」と僕が現実逃避じみた考えを浮かべていると。
「……ッ!」
女神は唇をすぼませ、両手で僕の顔を固定し、ゆっくりと彼女自身の顔を近づけてきた。
愛おしい美貌がキスしようと迫ってくるのに、なぜか処刑台が近づいてるような緊張がともなう。
僕はただただ無抵抗になって、諸手を挙げながら彼女を歓迎することしかできなくて。
「お、おかされる……」
そんな僕の、恐怖と期待をない交ぜにした言葉を皮切りに。
んちゅううううぅぅ~~!!
ぎゅううううぅぅぅ~~!!
「ん、んんん~~~ッ♡♡」
僕は女神と濃厚な接吻と抱擁を交わし。
ぱん、ぱん、……パンパンパンパンパン!!
「!!?」
女神の叩きつけるような容赦ない腰振りに、僕は度肝を抜かれてしまった!
パンパンパンパンパン!!
どびゅっ、どくどく!
「んんッ♡♡♡ う、うそおぉっ!?♡」
虚を突かれて精を暴発させてしまい、僕は自分に驚いた。
だがそんなことは、女神が寵愛をやめる理由にはならない。
上からプレスするように肉体を密着させながら、女神は僕と抱き合い、唇を重ね、激しく腰を上下させる。
パンパンパンパンパン!!
ぎゅううううぅぅぅ~~!!
ちゅっ! んちゅう! ちゅるん!
「んんんッ♡♡♡ んんんんッ♡♡♡」
どびゅうううっ! びゅるるうっ!!
二度目の暴発……いや、もう暴発射精と普通の射精の区別が自分ではつけられない。
重複された快感の総量が凄まじすぎて、僕の射精の機能が壊れ始めている。
そう思えるほどに目まぐるしい快楽の中、僕の頭ではネットで見た古い知識が蘇っていた。
たしか、女神が僕にやってる体位は『種搾りプレス』っていうんだっけ。
女性が男性に覆いかぶさってムリヤリ中出しさせる、騎乗位の亜種。
女神が『女性側から僕をイカせることを禁じる』ルールから解放されているからこそできる、逆レイプの体位だ。
すなわち、女が男を性的に捕食するための体位だ……。
パンパンパンパンパン!!
ぎゅううううぅぅぅ~~!!
ちゅっ! ちゅっ! んちゅう~!
「んんんッ♡♡ んんッ♡♡ た、すけ……んんッ♡♡」
一瞬、恐怖から助けを呼びかけたが、すぐに僕はやめた。
自分から誘惑に溺れておいて、なにを今更って感じだ。
だいいち、もし本当に助けが来たとして、僕は助けられたいと心から思えるのか?
答えは……NOだ。
女神に覆いかぶさられ、抱きあいキスしながら膣内射精する。
そんな天上の悦びを知ってしまって、僕が女神から離れられる道理はない。
今は、いや、この先もずっと、女神とのシアワセを楽しもう。
もう現実世界なんか、帰れなくていいや……。
パンパンパンパンパン!!
ぎゅううううぅぅぅ~~!!
ちゅっ! ちゅっ! ぶっちゅうう~~~~!!
「んッ♡♡ んんッ♡♡ んんん~~~~~~ッ♡♡♡」
ぶびゅううううううぅぅ!! びゅるるっ!
パンパンパンパンパン!!
ぎゅううううぅぅぅ~~!!
ちゅっ! ちゅぷっ! んむッちゅうううぅぅ~~!!
「んんッ♡♡ んんんッ♡♡ んんん~~~~ッ♡♡♡♡♡」
どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!
◆GAME OVER