本記事は、「冒色の性夢-06」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
ちなみに前作はこちらからどうぞ。
プールサイドステージ8番目に足を踏み入れるなり、僕は左右に目をむけた。
まっさきに確認しなければならない事がある。
「……あー、ダメだ。道幅は狭いままだ」
7番目ステージの時と同じだ。
プールサイドの道幅は、大人ひとり分。
1~6番目のプールサイドとちがって、道幅が狭い。
性的快感のためなら基本なんでもアリなのがこの淫夢の世界だ。僕に不都合な改築がそのままなのはうすうす予想していた。
はなはだ不本意だが、嘆いても状況は変わらない。
それより一番の問題は、このステージに誘惑女子がいるかどうかで――
「あ。いた……」
プールサイドの中央に視線を向けた時、僕は悪い予想の的中を実感した。
マットの上で仰向けに寝ている女性の姿を発見したのだ。
ふわふわしたウェーブがかかった、銀のロングヘアの女性のようだ。
距離が離れているため、くわしい容姿はまだわからない。ただ、遠目で見ても彼女が美人だということはなんとなくわかった。
ガラスの壁から射す陽光を浴びる寝姿がサマになっている。世界的な有名画家の絵画でありそうな構図だ。
「また、泳ごうかな? ……いや、ダメだ」
肌の接触を恐れて彼女を避ける案を検討するも、即座に却下。
プールの水には感度を倍増させる成分が含まれていることは、前回の誘惑で嫌というほど思い知った。
ただでさえ今も後遺症が残っているのに、さらに悪影響を重ねがけしたら、この先の誘惑で勝てなくなる。
プールサイドの道幅が狭いのはつらいが、仕方がない。
地雷を避けるように、寝ている彼女を避けて通るしかない。
「――――」
僕はプールサイドの道をゆっくりと歩き出した。
銀髪の美女を起こさないように、足音をたてないように、慎重に。
ハダカゆえの裸足、さらに柔らかいマットの床ということもあり、元から足音はでにくい。それでも、万全を期して――
――つるっ!
「うわっ!?」
足を滑らせた!
右足が地面にとられ、前に倒れてしまう!
とっさに僕は両手を前にやり、地面との激突を手のひらだけにとどめる。
――パシッ、パシッ。
「くっ!」
受け身で音を立ててしまった。大きな音、というほどでもないが。
寝ている銀髪美女は起きてしまっただろうか。
とりあえず、僕は歩行に戻るために立ち上がって――
――つるっ!
「うわわっ!?」
立ち上がろうと、地面を押した右手がまたもや滑った!
かわいた雑巾で床をふくように、手のひらを地面に滑らせてしまう。
そして、理解した。今いるプールサイドの床は、ただの床じゃない!
「ヌルついてて、滑る……!」
床が透明な、滑りやすい粘膜に覆われていたのだ。
何度か立ち上がろうとして、そのたびに滑って僕は痛感する。とても二足歩行なんてできるような地面じゃない。
やむをえず、僕は四つんばいの体勢をとった。ほふく前進、というより赤子の得意技・ハイハイで進むことにする。
両手・両肘・両膝・両つま先。計8点を接地させる。
滑りやすい地面に体重をかけながら、バランスを整える。
その最中で。
体を半分だけ起こしていた銀髪の美女と、僕は目が合った。
「――ッ!」
なにをやっているの? と、言わんばかりに。
銀髪美女は不思議そうな目で、小首をかしげていた。
僕は気恥ずかしくなる。遠目での予想とは比べ物にならないほどの美姫だ。
体格的に、僕より年上。カワイイというより、綺麗だ。
ふわふわしたウェーブがかかった銀の長髪の下には、お嬢様のような気品と色香をただよわせる顔立ちが在る。透き通るような白い肌はかしずきたくなるほど美しい。たわわに実った乳房と肉付きの良い腰つきも絶景だった。
着ている水着はフリルのついた白ビキニだ。セクシーさと清純さを両立するこの水着は、艶と美が同居する彼女に最高に似合っていた。
できればこの淫夢の世界ではなく、もっとまともな場所で彼女と出会いたかった。
「…………」
僕は四つん這いのまま彼女と見あって、動けずにいる。
白雪姫をはじめて見た七人の小人の一人みたいな心境だ。
のんきに例え話してる場合じゃない。
大人ひとり分のせまい道幅だけでも厳しかったのに、滑りやすい足場、さらに誘惑女子が動き出すとなったら。
地雷はひとりでには動かない。地雷を避けるように寝ている彼女を避けて通る、という想定はもう通用しな――
「……あれ?」
間の抜けた困惑が、僕の口からこぼれ出た。
意外なことに、銀髪美女は僕にそっぽを向いたのだ。
まるで僕の存在より、寝る方が重要だとばかりに。
起こした体を反転させ、彼女は寝そべってしまったのだ。
僕に足先を向け、頬杖をついて、背中を太陽光にさらして、うつぶせに寝ておとなしくなってしまう。
「…………ふーむ」
ちょっと釈然としない気分になるも、すぐに僕は切り替えた。
銀髪美女が動かないなら、やることは前の想定通りでいい。
地雷を避けるように、寝ている彼女を避けて通るべし。
「よし……行こう」
僕はハイハイの移動法で、前進を再開させた。
地面の粘膜で滑らないよう、慎重に重心をととのえながら。
ゆっくりと前に進んでいく。進んでいく。
進んでいって、やがて僕は銀髪美女のすぐ後ろまでたどり着いた。
自然に彼女の足先を見下ろす形となる。
「彼女の横を通るのは……ダメだ、やっぱりスペースが狭すぎる」
すぐ左にガラスの壁、すぐ右に感度倍増のプール。
やはり、前に進むしか道はない。
僕は四つん這いの姿勢で、自分の両腕と両足を大きく開いた。
うつぶせの姿勢で寝ている銀髪美女を、自分の手足の間でまたがるように避ける作戦だ。
道幅の狭さゆえに彼女の横を通れないがゆえの苦肉の策。
今まで僕は女の子が誘惑してくるたびに、最低1回は肌を重ねることを許してしまっている。
けど、だからといって接触なしでの脱出を諦めていい理由にはならない。
僕は手足を大きく開いたハイハイで前進して、うつぶせで寝そべっている銀髪美女の背後を通っていく。
その過程で。
前に進む都合上、目を閉じられない不可抗力で。
「ううっ……え、エロい……!」
銀髪美女の躰を、僕は間近で見てしまった。
ふわふわの銀の長髪は近くで見たらより艷やかで、胸についたふたつの乳房は背後からも形がわかるほど豊満。
だがそれら以上に銀髪美女を『女』たらしめているのは、彼女の肉付きのいい下半身。特に、尻にあった。
なにせ、大きい。美しくも豊満な銀髪美女の躰で、特にひときわ目立って尻が大きかった。豊潤な肉がパンツからはみ出ている。
この場で僕が腰を落としたら、彼女の尻はやさしく受け止めるだろう。やわらかい尻の感触で、僕を甘く蕩かしながら……。
「うう~っ……!」
下腹部に熱い滾りが集まるのを自覚して、僕は呻いた。
今までの誘惑の蓄積もあるとはいえ、まさかここまで欲情させられるとは。肉体的接触がまだ無い、女体のながめだけで!
寝ている彼女の真上を通るという状況もマズイ。間近にいるのに指一本すら触れあえないことをもどかしく感じてしまう。
「だ、ダメだ。前に進むことだけに集中しよう……!」
これ以上、銀髪美女を見たら色欲で気が狂いそうだ。
そんな危機感から、僕は目をそらして前だけを見た。
視界の端で、銀髪美女がまくら代わりに腕を組んでいるのが見える。
ちらっと、横目でこちらを見る彼女と目があった。
左手の親指と人差し指で、なにか銀色のものを持っていて――
「えっ!? 鍵!?」
見覚えのある銀の鍵を見て、過去の経験が僕の脳裏によぎった。
満員電車ステージの8号車、3人目の誘惑美女。
あのステージでは、次の扉に入るためには鍵が必要だった。豊満な修道女から鍵を奪うのに、僕は苦戦を強いられた。
まさか今回のステージでもあの時と同じように、誘惑美女の躰をまさぐって鍵を奪い取る必要があるのか?
「鍵を――」
反射的に、僕は鍵めがけて右腕を伸ばした。
この行動が、僕の最大のミスとなってしまう。
鍵に気を取られて下半身への警戒がゆるんだ瞬間、銀髪美女は腰を上げ、大きな尻を僕に押し付けてきた!
――むにゅっ!
「ふあぁんっ!?」
股間に生じた快感に驚き、僕は緊張を途切れさせてしまう。
その気のゆるみは、滑りやすい足場では致命的だ!
鍵に伸ばした右手を除く、ハイハイの姿勢で地面についた僕の左手と両膝と両足の指。
それらを全部一度に、僕は盛大に滑らせてしまった!
――つるっ!
「――ッ!?」
ヌルついた床に左手と両足を取られてしまった結果、僕はバンザイするように四肢を広げきってしまう。
ハイハイの姿勢が崩れ、僕の体は地面に倒れていく。
いや、訂正。倒れる先にあるのは地面ではない。
背中を向けた寝姿で、白ビキニの銀髪美女が、豊満な躰で僕を受け止めようと待ち構えていて。
「しまっ――!」
彼女が鍵を見せたのは、注意を散らすための罠。
それを僕が悟ったころには、すでに手遅れで。
――むにゅうううぅぅぅッ!
「!!!」
僕は銀髪美女の背面に倒れ込み、股間を彼女の美尻に埋めこんでしまった!
「う、あああぁぁぁ――ッ!!」
悦びの悲鳴が、プール中に響き渡る!
僕は銀髪美女の背中に身を預けながら、下腹部を襲う甘い快楽に震えた。
視覚だけでも凄艶だった銀髪美女の巨尻は、じかに密着したら期待以上の法悦を僕にあたえてくる。
こちらが体重をのせた股間をぷるんと押し返す柔らかい弾力が心地いい。押し返される快楽がさらに欲しくて、もっと巨尻に股間を押し付けたくなる。
自分の矮小さを知らしめるような麻薬じみた快楽を受けて、僕は彼女のお尻に腰を委ねきってしまいたくなる。
気持ちいい。お尻、きもちいいッ……!
もういっそ、このまま彼女を抱いてしまえば……。
「いや、ダメだ! 前に進まないと。ああ、でも鍵が……気持ちいいっ……!」
自重、義務、戦略、快楽。
これらがない交ぜになって僕の頭はしっちゃかめっちゃかだ。
銀髪美女が鍵を持ってると判明した時点で、このステージはもうゴールしたらクリアといった単純なものじゃなくなった。
色仕掛けにほだされずに奥へすすみ、出口からステージを脱出する。
だけど、銀髪美女が持つ鍵がないとそもそも出口の扉が開けられない。
僕は出口の扉を開ける鍵を手に入れるために、銀髪美女の躰をまさぐって彼女から鍵を奪わなければならない。
……できるのか? 今の僕に。
彼女の尻に股間を密着して、快楽で理性にヒビが入った今の僕に。
――すりっ、すりっ。
「あ、ああっ!? やめてぇ、お尻を動かさないでぇっ!?」
うつぶせの銀髪美女が、腰を左右にグラインドさせて責めてきた!
どうやら彼女は僕に迷う時間も与えてくれないらしい。
柔かな尻にうまった僕の肉棒がこね回される。下腹部から甘い刺激を受け、僕の理性にさらにヒビが入る!
おまけに彼女は自身の生脚を僕の脚にからめてきた。それほど固い拘束じゃないが、吸い付く柔肌がこすれて気持ちいい!
もはや下半身の攻防は銀髪美女が完全に主導権を握ってしまった。
その一方で、上半身はまだ僕の自由度が大きい。
左腕と右腕は銀髪美女から干渉を受けていない。まだ僕に勝機があるなら、この両腕の使い方にかかって――
「えっ?」
ふと、首をかたむけて横目でこっちを見る銀髪美女と目があう。二度目。
銀髪美女は無感情な目で僕を一瞥してから、これみよがしに銀の鍵を左手でつまんで見せてきた。
そのあと唇だけでわずかに微笑むと、鍵を持つ左手を自分の胸元にやってから、ふたたび僕に左手を見せてきた。
銀髪美女の左手に、もう鍵は無い。つまり彼女は――
「胸の中に鍵を隠してきた……!?」
谷間の中? 水着の中? どちらにせよ似たようなものだ。
鍵がなくなる直前、銀髪美女は鍵を持つ左手を胸元に隠した。あきらかにわざと、僕に見せつけるように。
つまり僕はこのステージの出口ドアを開けるために、銀髪美女の胸から鍵を奪わなければならない。
だけど、そんなコトしたら。
銀髪美女の誘いに乗ってしまったら。
うつぶせの彼女にのしかかって股間を尻に埋めた状態から、さらにおっぱいまで触ってしまったら、僕は――
――すりすりっ、ぐりぐり。
「ああっ……! また、お尻っ……きもちいっ……!」
うつぶせの銀髪美女が僕の股間に尻を強く押し付けてきた。ぐりぐりと尻肉をこね回し、僕の性欲を刺激する!
だめだ、臆しているヒマは無い。これ以上、彼女の尻で攻撃されたら僕の理性は本格的にダメになってしまう!
覚悟を決めるときだ。
僕はまだ自由な上半身で――
A. 銀髪美女の背中に体を完全にあずけ、両手でおっぱいを揉みしだいた。
B. 待った! このステージの出口って、本当に鍵がないと開かないタイプなのか?