本記事は、「冒色の性夢-03」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
ちなみに前作はこちらからどうぞ。
「うわあっ!?」
目の前の女の、あまりに突然な出現に僕は飛び上がった。
スーツ男の混雑であふれていて、女など影も形も無かったのに、この女は前触れなく僕の真後ろにいたのだ。
これがもし即死系のホラーゲームで、現れたのがゾンビだったら、間違いなく僕はデッドエンドになってたことだろう。
だけどここはホラーゲームではなく、クイーンサキュバスが生んだ淫夢の世界。
現れる敵は常に、僕の籠絡するための美女だ。
目の前のこの女も、例外ではなかった。
「――――」
大人の雰囲気をまとった修道女、という感じだ。
僕より頭半分ほど高く位置する頭に、まさしく修道女がかぶる白いかぶり物をかぶっている。首元のネックレス、身にまとう白布、腰に巻き付けた金具、すべての装飾が彼女を聖なる存在たらしめていた。
そして修道女の目元は、なぜか黒い帯で覆い隠されていた。聖なるイメージには唯一そぐわない、黒の目隠し。
この特長に、僕は見覚えがあった。例によって名前は思い出せないが、彼女もまた僕が読んだライトノベルのキャラの一人だ。
サキュバスがおりなす淫夢の世界に、なぜ聖なるイメージを持つ彼女が僕の目の前に現れたのか? その理由は――
「ッ、いけない!」
危うく修道女の肉体に意識が向きそうになり、僕は上を向く。これ以上は彼女のことについて深堀りしないほうがいい!
だけど立ち位置がまずい。
そもそも僕は鍵のかかったドアを、すなわち壁を背にした状態で修道女のド真ん前にいるのだ。
逃げ場のない壁を背に、修道女が至近距離にいる。こんな状態で彼女の豊満な身体を意識しないようにしても――
「……ん?」
修道女が、右手になにか持っていた。
僕に見せつけるように、親指と人差し指で銀色の小さいものをつまんでいて――
「あっ! 鍵!」
修道女は、まさしく鍵を持っていた。
彼女は鍵を豊満な胸の谷間にさし込むと、僕に背を向けた。
そのままスーツ男の混雑をかき分けて、僕からゆっくりと歩き去っていく。
「ま、待て!」
すぐに僕は追いかけた。
あれは間違いなく、この8号車の扉の鍵だ。直感的に浮かんだ考えだが、間違いないと僕は判断した。
そう考えれば、修道女が鍵を僕に見せつけた理由に説明がつくのだ。
修道女は僕に身体検査をさせる気だ。
今までのアクシデントじみた形ではなく、僕自身の意思で彼女の豊満な身体に触らせる気なのだ。
「ッ……!」
意識、してしまった。
優美さすら感じさせる、修道女の後ろ姿。その白衣に覆われた肢体を想像し、僕はどうしようもなく欲情した。
頭の被り物からこぼれる、美しい金の長髪。乳房の丸みは背中からわかるほど大きく、それでいて細い腰つきに、やわらかい曲線を描くお尻とふともも。
修道女の白衣はよく見るととんでもなく薄い生地のようで、豊満な彼女のボディラインがはっきりと強調されていた。
これが、聖職者でありながら彼女がサキュバスの淫夢に生み出された理由。
彼女の体は、扇情的すぎるのだ。
修道女なのに――いや、修道女だからこそと言うべきか。聖衣の内側に隠された豊満な肉体は、男の理性を奪うのに十分な破壊力を持っていた。
サキュバス側からしたら僕を誘惑するのに、彼女はまたとない絶好のカードなのだ。
「……ごくり」
混雑をかき分けながら、僕は生唾を飲む。
僕はあの蠱惑的な修道女をつかまえて、彼女から鍵を手に入れなければならない。
8号車の扉を開ける鍵を、彼女がさし込んだ乳房の谷間から奪わなければならないのだ。
誘惑に堕ちるにせよ、誘惑に屈せず先に進むにせよ、僕が彼女の豊満な肉体に触れることは避けられない。
……誘惑に堕ちるにせよ、ってなんだ!
爆乳エルフに、赤髪ツインテール。もうすでに2人もの誘惑を乗り切ったんだぞ!
大丈夫だ、自信を持て! 僕は、修道女の誘惑などには屈しない!
「いくぞ!」
スーツ男の混雑の中を歩いていって、ついに僕は修道女の真後ろに追いついた。
そして背後から――
A. 彼女の胸をつかんだ!
B. 彼女の二の腕をつかんだ!