1.「あんたねぇ・・・」
彼女が狙っていた品はもう売り切れていた。さらに不機嫌になった彼女を必死になだめるために、彼女が店舗の前で足を止めるたびに、ほしいものはないか聞いて、いくつも買ってあげた。食事くらいは節約したいとフードコートに訪れたが、彼女は悪びれなく3000円もするステーキライスを注文した。俺が機嫌取りに必死なことを分かった上で、ここぞとばかりに贅沢しているのだ。彼女が満足する頃には身も心も疲れ果てていた。すっかり上機嫌になった彼女の後ろをとぼとぼとついていく。申し訳なさは消え去り、今となっては恨めしい気持ちが胸を渦巻いていた。
帰宅し、荷物を置いて、彼女の腕を雑に掴む。彼女が事態を把握できないうちに寝室に連れ込み、ベッドに押し倒すと、乱暴に服を剥ぎ取る。シャンプーと香水と、わずかに汗の香りがする。今日はよく歩いたから、かなりの汗をかいたはずだ。相変わらず展開についていけていない彼女だが、俺が鼻をすんすんとさせているのに気付いたのか、激しく抵抗してきた。怒るというより、顔を赤らめて恥ずかしがっているのを見ると、汗のことを気にしているらしい。俄然興奮してきて、あっという間に下着を脱がせ、肌に顔を埋めた。俺と同じくらい汗をかいているのに、なんでこんなに魅力的で良い匂いがするのか。俺の頭を両手で押して離そうとする彼女を無視して、身体を舐め回した。あちこちを経由して、膣にたどり着く頃には、彼女は力なく喘ぎ、膣は舐めるまでもなくびしょびしょになっていた。
すっかり抵抗しなくなった彼女の腕を掴み、引き寄せながら挿入した。彼女は気の抜けただらしない顔で、されるがままになっている。昼間の疲れと羞恥心で、すっかりダウンしてしまったようだ。

俺のほうがよほど疲れているのに、と理不尽な怒りが湧いてきて、思いっきり腰を突いた。突然の激しいピストンに、ぐったりしていた彼女もさすがに身体をよじらせ、大きく喘いだ。先程まで図に乗って強気に振る舞っていた彼女との差に、ざまあみろと笑いそうになったが、なんとか抑えた。限界が近い身体を酷使したせいで、フラフラする。もっと続けたいが、これ以上は倒れてしまいそうだ。最後の力を振り絞り、ガシガシと腰を押し付け、大量に射精した。
絶頂すると同時に完全に力が抜けてしまい、同じくイってしまい身体をのけぞらせている彼女の身体に倒れ込んだ。先程よりもさらに良い匂いがする。しばらくこのまま密着していたい。きっと俺は臭いだけだから申し訳ないが、今日の頑張りを思えばこれくらいは許してほしい。
2.「なに驚いてるんですか・・・自分から誘ったくせに」
結局全然集中できなかった。断られたと思い込んでいたのでプランを考えておらず、なんとなく入った駅前施設で食事をして、適当にウィンドウショッピングをするだけで時間が過ぎてしまった。彼女はこちらから話しかけない限り一切発言しない。かといって不機嫌ではないようで、食後のデザートが美味しかったのか嬉しそうに目を細めたり、キャラクターショップをじっと見てかすかに微笑んだりと、そこそこは楽しんでくれたようだった。とは言え、これは運が良かっただけだ。一目惚れしたものの、目で追うばかりで、彼女のことを全然知ろうとしなかった自分を恥じた。突然のデートであっても、彼女の好みを把握していればもっとうまく立ち回れたはずだ。一人反省していると、視線を感じて振り向くと、彼女が少し首をかしげながらこちらを見ていた。きっと気遣ってくれているのだ。こんな不甲斐ない自分に優しくしてくれるなんて、本当に感謝しかない。
「ごめん、ちょっと疲れただけだから・・・ちょっと休もうか」
「いいですよ・・・じゃああそこでいいですか?」
彼女が指さしたのは、昼間なのに爛々と輝く細長い建物だった。
「え・・・いや・・・あれは・・・」
挙動不審になった俺を見てくすっと笑った彼女は、そっと俺の手を取ると、まるでオフィスに入る時のようなスムーズさで、ラブホに入った。部屋についたものの、考えがまとまらない。彼女が極度の世間知らずで、ラブホがどういう場所か知らないのかと思ったが、さすがにそんなわけがない。やけに落ち着いた様子を見ても、明らかに慣れている。とりあえず頭を冷やそうとベッドに座ると、彼女がすっと俺の足の間に割り込んで、ベルトに手をかけて外してきた。言葉も出ず、思わず彼女の頭を掴むと、静かに微笑みながらこちらを見上げてきた。
「正直全然期待してなかったんですけど・・・意外と楽しめたので。そのお礼です」
躊躇なくペニスを取り出すと、流れるような動作でペニスを加えた。こんなに自然に、上品に咥えられると、なぜか罪悪感が湧いてくる。滑らかに舌が這うたび、腰が跳ね上がりそうになるほど気持ち良い。彼女が頭を俺の手に押し付けてきた。好きに動かしていいということだろうか。感情の起伏が薄い彼女の大胆な行動に、理性が抑えられなくなる。改めて頭をがっしりと掴み、腰を突き上げた。かなり激しく喉をピストンしているにもかかわらず、彼女は無表情を崩さない。だが、どことなく嬉しそうだ。

こんなことをされて苦しがるどころか喜ぶなんて、いったいこれまでどういう経験をしてきたのか。快感が高まるほど、心が重くなっていく。俺を特別視してラブホテルに来たわけではなく、これくらいは日常茶飯事なのかもしれない。もやもやする気持ちを性欲で誤魔化して、いっそう激しく喉を突いた。口に収まりきらなかったよだれと我慢汁が溢れ出てくるが、やはり彼女は余裕そうだ。淫らな口元と冷めた表情のギャップに興奮しながら、喉奥に向けて大量に注ぎ込んだ。
精液を当然のように飲み干し、お掃除フェラまでした彼女は、改めてこちらを見上げ、いつもと同じように微笑んだ。
「次お誘いしてくれるなら、もっと楽しませてくださいね。ちゃんとお礼もしますから」
精根尽き果てて起き上がれない俺の肩をぽんっと叩くと、洗面台で口をすすぎ、部屋から出ていった。ラブホテルの無駄に装飾されて豪華な照明を見上げながら、しばらくぼーっとしていた。彼女ともっと仲良くしたい気持ちはあるが、俺が望んでいたような関係になれるのだろうか。どちらにしろ、彼女をこのまま諦められる気はしなかった。
3.バイト先の生意気な後輩
ようやく仕事を終え休憩室に行くと、先に帰ったはずの彼女がイライラしながら座っていた。
「あれ?帰ったんじゃ・・・」
「待ち合わせしてた友達が残業になったんですよ・・・はぁ・・・」
舌打ちしながらスマホに目を戻し、乱暴にタップする彼女。下手に相手すると噛みつかれそうだ。そそくさと帰宅準備をしたが、話しかけられてしまった。
「普通可愛い後輩が退屈してたら相手してあげるかってなりません?」
「いや・・・俺に相手してもらって嬉しいか?」
最初は彼女のルックスに惹かれて仲良くなりたいと思ったが、毎回厳しく対応され早々に心が折れた。てっきり嫌われているものだと思っていたのに、こんなふうに引き止められるのは意外だった。
「全然嬉しくないです。でも暇つぶしくらいできるでしょ?何かしてみてくださいよ」
相変わらずの生意気すぎる様子に、仕事の疲れも相まって無性にイライラする。前傾姿勢で座る彼女は胸の谷間が丸見えだ。こんなの襲ってくれと言っているようなものだ。やけくそな思い込みで、彼女にずかずかと近付き、谷間に手を突っ込んだ。スマホを落としてしまうほど驚いた彼女は、目を見開いて俺を見上げている。
「・・・嫌なら止めていいから」
衝動的な行動だったが、今更後戻りもできず、そのまま胸を揉みしだく。意外にも彼女は何も抵抗せず、顔を赤らめ、目を伏せている。普段強気な子ほど、こうやって上から来られると弱いのかもしれない。欲が出てきてしまった。もうこれだけでは我慢できない。彼女の肩を掴んで立たせ、ロッカーに押し付ける。相変わらず彼女は恥ずかしそうにするだけで、何も言わず、目を合わせてくれない。好きにしていい、ということだろうか。そうじゃないとしても、もう止められない。慣れない手つきで服を剥ぎ取る。いつもバレないように視姦していた胸と太ももがあらわになった。思わず手で撫で回すと、しっとりとしながらも滑りが良く、手のひらによく馴染んだ。丁寧に身体中を弄る間、彼女は、はっ、はっ、という短い吐息と共に喘いだ。膣を指でなぞると、太ももを激しく震わせ、ロッカーに頭を押し付けた。きっと大きな声が出そうになるのを我慢しているのだろう。その場の勢いで手が出ただけだったのに、気付けばセックス目前まできてしまった。あれだけ強気ではっきりとした彼女だから、本当に嫌なら言うはずだ。そう思うものの、やはりこれ以上無断で手を出すのは怖い。
「・・・いれるから」
耳元で呟くと、びくっと体を震わせ、顔を反対に向けてしまった。これは恥ずかしがって答えられないということだろうか。きっとそうだ。そうに違いない。震える手でペニスを持ち、膣に押し付ける。押し付けるだけのつもりだったのに、ペニスも膣もぬるぬるだったせいで、そのまま挿入してしまった。
お互いに大声が出てしまい、同時に手で口を抑えた。残っているのは俺達だけとは言え、もし誰かにバレたら大変なことになる。改めて彼女をロッカーに押し付け、ゆっくりと腰を動かす。彼女は必死に声を抑えることにリソースを割きすぎているのか、とろんとした目で、口からはよだれが垂れていた。近年流行している、生意気な後輩を分からせる、という王道エロ展開が大好きになったのは多分彼女のせいだが、まさか,自ら経験できるとは思っていなかった。
今更とんでもない興奮が込み上げてきて、身体を制御できない。静かな休憩室に、ばつん、ばつん、という激しい音が響く。本能の赴くままにひたすら犯される彼女は、ペニスが奥に届くたび、激しく喘いで崩れ落ちそうになり、必死にロッカーに寄りかかっている。まさか演技ではないだろうし、ここまで余裕がなくなるほどの快感なのだろう。全く相手にしてくれなかった彼女が、俺に攻められ情けない姿を晒している。もうどうなってもいいと思えるほどの達成感だ。

我ながら童貞にしては頑張ったと思うが、もう限界だった。一気に込み上げてくる精液に、焦ってペニスを抜き、彼女の尻にぶちまけた。お互いしばらく動けなかった。彼女は床に座り込み、必死に息を整えようとしている。俺は壁に寄りかかり、精液にまみれた淫らな彼女を見下ろしていた。改めてとんでもないことをしてしまったと再認識する。
「ごめん・・・なんか・・・止まらなくて・・・」
言い訳にすらなっていない弁明をすると、彼女はバッグから取り出したポケットティッシュを取り出して尻を拭き、無言で服を着て、立ち上がった。俺から顔を背けたまま休憩室を出て姿が見えなくなった直後、口を開いた。
「仕事もセックスも下手なんて救いようがないですね。これ以上後輩に迷惑をかけないよう精進してください」
小走りで去っていく足音を聴きながら、ぼーっとする頭で考える。精進してくださいってことは、またセックスしてくれるのか?それとも、仕事に対してだけ言っているのか?彼女も余裕がなくてよくわからないことを言ってしまったのか?全く答えは出なかった。だが、自分が都合よく物事を解釈する人間だということだけは、今日ではっきりとわかった。きっとこれからも変わらないだろう。いや、変えるつもりもなかった。
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