『親密な近所付き合い』(4)
Added 2024-05-21 12:33:33 +0000 UTC六章 児童公園にて 36 児童公園へ その児童公園の場所は、千夏もよく知っていた。 千夏はその公園へ向かいながら、何度も何度も自分のワンピースのスカートの裾を気にした。ふと気づくと裾がせり上がっていて、お尻のパンツがはみ出していたので、慌てて元に戻した。 「スカートの後ろ、めくれてないよね」 「大丈夫、大丈夫。パンツ見えてないよ」 「僕、こんな女の子の格好で外に出て、すごく恥ずかしい。心臓がドキドキしてる。もし男だってバレたどうしよう」 「傍から見たら、女の子にしか見えないよ」 「それならいいんだけど……」 「あっ、でも、千夏君、言葉遣いには気を付けてよね。スカートを穿いてるのに男言葉を使ったら、周りの人は変に思うでしょ。人前では『僕』とか言わないでよ」 「そ、そうだね。気を付けるよ」 「それと、私も人前では『千夏ちゃん』て呼ぶよからね。いいよね?千夏ちゃん。ふふふ」 千夏は、そのようにちゃん付で呼ばれると、それだけで、自分と佳奈の二人は同い年の女友達であるような気になった。 しばらくの間、千夏は佳奈とおしゃべりしながら歩いていた。ふとした瞬間に、千夏は自分が女装しているのを忘れる瞬間があった。慣れとは恐ろしいもので、ずっとこの格好をしているかのような錯覚さえ抱いた。 37 二人の女子の縄跳び 二人は公園に着いた。 そこは、ブランコやシーソーなどの遊具と、ちょっとした広場があるだけの小規模の公園だった。先客として二人の女の子がブランコを漕いでいた。 「あれ、佳奈ちゃんだ、おーい」 いきなり、その内の一人の女の子がブランコの上から大声を出したので、千夏はビックリした。 「えっ、佳奈ちゃん、あのブランコの子たちと知り合いなの?」 と千夏は慌てて訊いた。 「うん、そう。ちょっと間が悪いね……」 と佳奈は言って、千夏に微妙な顔を見せた。 「同級生なの?」 「いや、近所の子で、私より二つ下の学年の子なんだけどね」 その佳奈の口調からは、それほど親しくはなく顔見知り程度の仲らしかった。 「佳奈ちゃん、横の子はだあれ?」 と、何も知らないブランコの子は千夏の方を見ながら、無邪気に佳奈に訊いた。 「私の友達だよー」 佳奈はブランコを見上げて答えた。 「そうなんだ」 ブランコの子は小学生らしく簡単に返事した。 千夏はドギマギしながら、ぎこちない笑顔をブランコの二人へ見せた。そのの二人は空中を舞いながら、ニコリと無邪気な笑顔を返した。 彼女たちはブランコ遊びに夢中だったので、千夏と佳奈は広場の方へ移動して、そこで二人で遊ぶことにした。 「これ、一緒にしよう」 佳奈は持ってきた布袋から縄跳びを二本取り出して、千夏にも渡した。佳奈の小学校では今、縄跳び遊びが流行っているらしい。 (縄跳びか。小学生らしいな。そう言えば、僕の頃も、一時期流行ったことがあったな) 「やってみて」 と佳奈に言われて、千夏は年上らしく、運動神経の良い所を見せてやりたい思った。縄跳びなど久しぶりだし、最初はワンピースの裾が邪魔でやりにくかったが、いざ跳んでみると、すぐにカンを取り戻して、シュパパと見事な二重跳びを披露した。 「おー、すごいすごい、もっとできる?」 佳奈は無邪気にはしゃいだので、千夏も気合を入れ直して、さらに二重跳びを続けた。 しかし、膝と腰を曲げて、前屈みで飛び続けていると、ワンピースの裾は太ももとの摩擦で、またずり上がってきた。 (困るなぁ。このスカート、すぐにめくれ上がってしまう……) お尻はすでにパンツの下半分が露出している感じだった。見下ろすと、股間からもパンツがはみ出していた。 (うっ、裾がドンドンめくれて、パンツが丸見えになりそう……) しかし、佳奈は「八、九、十……」と回数を数え出していたので、千夏は急に止めるわけにもいかず、ずり上がったワンピースからパンツの下半分を晒しながら、二重跳びを続けた。 気持ちが焦ったせいで、その後すぐに引っかかって、十五回ほどで終わってしまった。千夏は慌てて、ワンピースのスカートの裾を下に引っぱった。そうしてから、屈んで足首に絡んだ縄跳びを解いて、再び立ち上がった。しかし、それだけのことで、もう裾はずり上がって、パンチラしそうな状態になっていたので、またまた裾を元に直さなくてはならなかった。 体格に合わない小さなワンピースを着ることの厄介さを、千夏は今さらながらに理解した。 38 女子たちと一緒に 千夏と佳奈が縄跳び遊びをやっていると、ブランコをしていた二人の女子はそれを見て、楽しそうだと思ったのか、彼女たちも広場の方へやってきた。 「佳奈ちゃーん、遊ぼう」 女装している今の千夏としては、見知らぬ女子たちと遊ぶのは、あまり気が乗らなかったが、佳奈は「うん、いいよ」と言って、受入れてしまった。 彼女たちは、初対面の千夏にも親し気だった。というよりも、馴れ馴れしいぐらいで、千夏のピタピタのワンピースが珍しいのか、その服装を無遠慮にジロジロと見つめたので、千夏は気が気でなかった。 彼女たち二人もスカートを穿いていたが、膝丈のフワリと余裕のあるもので、 (どうせなら、そんなスカートがの方がよかったな) と千夏はうらやましく思った。 「佳奈ちゃん、その子、違う学校の子?」 「うん、そうだよ。近所のおに……、お姉ちゃんだよ」 佳奈は千夏の顔をチラリと見た。それは (女の子の扱いをするからね。千夏君もそのつもりで振る舞ってよ) と言っているようだった。 「ふーん、そうなんだ」 この「お姉ちゃん」は、年上の割には、ミニスカートのパンツの見えそうなワンピースなんか着て、変に幼い格好だなと、彼女たちは思ったかも知れない。しかし、そこは二人とも幼い小学生なので、あまり深くは疑わなかったようだった。 千夏は一応は女子の振りをしようと試みた。しかし、照れてしまって、自分でも笑いそうになって、そう簡単に出来るものではなかった。女言葉を使おうにも、すぐに「僕」とか言いそうになって、アッと思って口をつぐんだ。佳奈もそれを傍で見ながら、「無理なら、もうその辺にしておいて」いうように苦笑していた。 あまりしゃべるとボロが出そうなので、無口で大人しいお姉さんという感じで通すことにした。ともかく、彼女たちは、千夏の女装を疑っていないようなので、その点は安心した。 ただ、一度、女子に、 「そのスカート短すぎない?年下のを穿いてるの?」 とズバリ指摘されて、千夏はギクリとしたが、訊いた当人には他意はないようだった。 千夏はごまかしてしまおうと思って、自分が着ているワンピースの裾を持ち上げて、パンチラさせながら、 「でも、このワンピース可愛いでしょ」 と言って、おどけたポーズを見せたら、彼女たちは、キャッキャッと喜んだ。 (小学生女子なんて、チョロいもんだな) と千夏は思った。 そんなおふざけをしながらも、千夏は自分が女子として普通に通用することに複雑な思いを抱いた。それは、不愉快な気持ちと一抹の喜びの混じったアンビバレントな感情だった。 39 大繩で遊ぶ 四人集まった「女子たち」は、大縄遊びをすることにした。縄跳びを結び合わせて、大繩を作って、回す方と跳ぶ方に別れた。 最初は女子二人を跳ばせてやって、千夏と佳奈はそれぞれ大繩の左右の端を握って、右左に往復させたり、グルグル回したりした。跳んだ回数を数え上げながら、中腰になって素早く縄を回すというのは、実際にやってみると、なかなか大変な力仕事だった。 体を動かしていると、千夏のスカートはすぐにめくれ上がった。女子たちは千夏の目と鼻氏の先で縄を跳んでいたので、彼女たちの視界の中には、パンチラしている千夏の姿がいやでも見えていたはずだった。 しばらくして、役割を交代して、千夏は跳ぶ方へなった。跳んでいるうちに、元に戻したワンピースの裾はやはりすぐにずり上がっていき、三人の女子に前後からパンチラを見られながら跳ぶハメになった。 それでも、跳んだ回数の記録を伸ばすため、我慢して跳んでいると、 「うわ、転びそう、千夏ちゃん、助けて」 と、千夏の後ろを一緒に跳んでいた女子が、千夏の背後から抱きつくようにくっ付いてきて、両手で腰の辺りをつかんで、辛うじて体勢を保った。 その女子は必死になって跳びながらの行為なので、故意ではないはずだが、彼女は千夏の服をつかみながら上下に跳んだので、千夏のワンピースはズルズル引き上げられて、お尻のパンツは丸見えの状態にさせられた。 (手、手を離してくれ……) 千夏は叫びたいところだったが、跳んだ回数で競っていたので、中断するわけにもいかず、そのような惨めな姿を晒しながら、一生懸命跳び続けた。 しかし、そんな調子で、スカートの裾を気にしながら跳んでいたので、千夏は二回連続で縄に引っかかってしまった。 「また引っかかっちゃった。ゴメン」 「あ~、残念」 「もう、ぼ……、もう、私、縄を回す方をするよ」 「ちょっと待って、その前に……」 佳奈と二人の女子はコショコショと小声で相談していたが、やがて顔を上げた。彼女たちは意味深げな笑いを浮かべていた。 「連続で引っかかった人には、罰ゲームがありまーす」 佳奈は芝居めいた口調でそんなセリフを言った。 (えっ、何のこと?) と戸惑っている千夏に、 「はい、千夏ちゃん、これを飛び越えて。できるかな?」 と女子たちは、大繩をピンと伸ばして、高跳びのように腰ぐらいの高さに水平に張った。 (いきなり何だよ……) 千夏は思いつつも、助走をつけて跳び上がった。しかし、あえなく失敗し、片足が引っかかって、転びそうになって、地面に手をついた。 「はい、しっぱーい」 またまた佳奈たちは大げさに囃し立てた。 (何これ?テレビかなんかの真似?) 千夏は思っていると、女子たちは、千夏の両足の間の縄をピンと張ったので、スカートの股間を大繩がビシッと直撃した。 「わわっ」 さらに彼女たちはその縄をグイグイと上に持ち上げたので、強制的にスカートをめくられ、千夏は思わずつま先立ちになった。しかも、大縄を右に左に引っぱったので、縄の結び目でパンツの股を直にゴリゴリこすられた。 「いやんっ」 千夏は思わず女の子みたいに艶めかしい悲鳴を上げてしまった。 「ふふ、千夏ちゃん、可愛い声だすのね」 佳奈はからかった。 千夏は恥じらいながら、半分演技、半分本気で、スカートの股間を両手で抑えながら、 「やめてよぉ、いやあ」 と大げさにいやがる振りをすると、佳奈たち三人の女子はキャッキャッ喜んだ。彼女たちはさも愉しそうに笑みを浮かべながら、千夏のスカートの股間に食い込んだ縄に、さらに力を込めてグイグイ引き上げた。 40 みんなでおしっこ 大縄跳びはもう飽きたので、次は何をして遊ぼうかと、女子たちは皆で話し合った。 千夏は股に刺激を受けたためか、ちょっとおしっこを催して、無意識的に手を前にやった。その様子を佳奈は見逃さず、千夏の状況を心配し出した。 「千夏ちゃん、おしっこしたいの?」 「いや、それほどもないけど……」 「でも、したいんだよね。じゃあ、しておこうよ」 佳奈は強く言い張った。千夏は、おしっこはまだまだ全然余裕だったが、さっきのおもらしのことがあるので、無下に退けるわけにはいかなかった。 「私も一緒に行くから」 佳奈にそこまで言われれば、「うん」と言うしかなかった。 「私たち、おしっこしてくるね」 佳奈は女子二人に向かって露骨に言った。それを聞いた女子たちの方も、「じゃあ私も」「私もおしっこ行きたい」と言い出して、結局は四人連れ立っての連れションということになった。 (女同士だと、おしっこするって、平気で言うんだな……) と千夏は驚きつつ、(でも、待てよ)と気になった。この公園には公衆便所はないことは千夏も知っていた。行くといっても、どこへ行くのかと思っていたが、先頭の佳奈はドンドン進んで、広場の隅っこの茂みへ分け入って行った。 (野外でおしっこするってこと?女子って男子のいない所では、結構大胆なことをするんだなぁ……) 千夏はさりげなく観察していると、女子二人はコンクリート塀の間際まで近寄って、特に恥ずかしがる様子もなく、当然のようにスカートの中からパンツを膝までずり下ろすと、その場で二人仲良く横に並んで、壁に向かってしゃがんだ。 彼女たちは首を曲げて、自分の股間を見つめていたが、次の瞬間、右の女子の両膝の間から一本の水流が飛び出した。少し遅れて、左の女子も放尿を開始した。女子二人は自分の出しているおしっこが地面を濡らしていく様子を真面目腐った表情で見つめていた。 (なんか、やりなれてるって感じだな。でも、おしっこしてるところをお互い見られて、恥ずかしくないのかな……) 千夏はもうちょっと近付いて観察しようかと迷っていると、二人のおしっこは呆気ないほどすぐに終わった。 (なんだ、もう終りか) 彼女たちは、フゥと溜め息をついて、同時に立ち上がって、二人揃って、はしたなくガニ股になってパンツを穿き直した。そして、 (私たちはもう済んだよ。そっちの二人はしないの?) というような表情をこちらに向けた。 しかし、しゃがんでおしっこなどしたことのない千夏は、どうしたものかと躊躇した。佳奈はそれを見かねて、横から小声でどうすればいいかを教えてくれた。 「いい?千夏ちゃん、私もするから、それと同じように一緒にして。まずは、、パンツおろして」 佳奈は大胆にスカートの中に両手を突っ込んで、白いパンツを膝まで引き下ろした。千夏はいきなりの展開に目を見張った。しかし、佳奈はたしなめるように促した。 「千夏ちゃんも私がしたようにして」 千夏もパンツを膝まで下ろした。股間が外気に触れてスッとして、尿意がグッと高まった。 「こんな風にしゃがんで」 佳奈は壁を前にしてしゃがんだので、千夏もその横にしゃがんだ。 「よし、いいよ、千夏ちゃん、おしっこして」 千夏はいつものように、おちんちんをつかんで、狙いを定めて出そうとした。しかし、ふと見ると、おしっこを終えた女の子二人は、こちらをジッと見ていたので、そうするわけにもいかず、手放しの状態出すことにした。 千夏は横から見下ろされていて、気になって、始めはチョロチョロとしか出なかったが、出始めると、段々と勢いを増してきて、やがてジャアジャアと出て、目の前の壁にぶち当たって、ビチャビチャと音を立てた。おしっこは意外にたくさん溜まっていたようで、出し切るまで長い時間がかかった。 (ふう、すっきりした) しかし、女子としてしゃがんでおしっこをしている身なので、あからさまにおちんちんを振るというわけにはいかない。 千夏はとっさにそれに気付いて、女子たちにお尻向けて立ち上がって、包皮の先からしずくが垂れているおちんちんをそのままパンツにおさめた。その直後パンツの前がジワッと濡れるのが分かった。 (うっ、ちょっとチビちゃった。まあこれぐらいなら、大丈夫か……) 傍ではすでに佳奈は立っていた。千夏はその足元を見たが、地面は濡れていなかった。 (あれ?しゃがんだだけで、おしっこはしなかったのか) 千夏は何だか、だまされたような気分になった。 地面には三つ水溜まりが残されていた。 「ふふ、千夏ちゃんのが一番大きいね」 女子二人はそれらを見比べて、そんな軽口を言った。 (女同士って、外でおしっこした後は、こんな比べっこなんてしてるのか……) 千夏はそう思いつつも、自分も地面を見下ろすと、彼女たちのおしっこの跡はこじんまりとしたものだったが、千夏の作った水溜まりはその倍ほどもあり、自分でも見ても気恥ずかしくなる程の大きさだった。 「だって、いっぱい我慢してたんだもの」 千夏は照れ隠しに、そんな出まかせを言ったが、その時ふと一つの疑問が頭をよぎった。 (あれ?そう言えば、この女子たちって、おしっこの後、股を拭いてたっけ?もしかして、拭いてない?) 千夏は非常に気になったが、そんなことを訊く勇気はなかった。 41 シーソーとブランコ おしっこを済ませてすっきりした後は、皆でシーソーで遊んだ。 体格差があるので、三対一に別れて、千夏は片側に一人だけで乗った。 (ここにまたがるのか……) 千夏は少し躊躇しながら、シーソーの座部に腰かけると、窮屈なワンピースはグッと引き上げられて、スカートの裾からはパンツがはみ出た。さらに左右のステップに足を乗せると、自然と股をガバリと開く格好になってしまった。パンツは自分でも見えたぐらいなので、対面の女子の位置からは、両足の間は全部見えていただろう。 しかし、それは千夏だけではなく、向かいに座っている女子も同じだった。彼女はスカートを穿いているくせに、大胆に大股を開いていたので、お互いにパンツを見合う形で、シーソー遊びが始まった。 ギッコンバッタンと上下に揺れるシーソーに乗って、両足で地面を蹴っては浮き上がるという動作を繰り返していると、ワンピースのスカートはドンドンめくれていく一方だった。千夏は乱れた裾を引っぱって直して、まためくれるというの忙しくを繰り返した。 もっとも、夏の心情としては、今日一日の経験のため、もう慣れてしまって、パンツを晒すぐらいのことは、気にならなくなっていた。だた、「お姉ちゃん」という立場上、小学生女子たちの目の前でパンツを丸見えにするのは、教育上マズいだろうと思って、形ばかりは隠すという配慮はしておいた。 「次は、ブランコに乗ろう」 シーソーの次はブランコで遊んだ。こういう小学生向きの遊具でも、たまにやると面白くて、千夏は熱中してしまった。力強く漕ぐと、ブランコはグングンと高く上がった。 千夏は立ち漕ぎで膝を曲げたり伸ばしたりをしたので、この時もまた、スカートは自然にずり上がって、パンチラの状態になった。ただし、ブランコを漕いでいる時は、両手を鎖から離せないので、そのままにするしかなかった。 ブランコの上でパンツをのぞかせながら、颯爽と立ち漕ぎで風を切って、股間と太ももに涼しさを感じて、爽快な気分だった その時、向こうの方から、ガヤガヤとガサツな話声が聞こえてきたので、千夏はブランコの上からそちらを見ると、小学生らしき数人の男子が公園へ入ってきた。 彼らはゾロゾロと歩いてきて、ブランコの下を通りかかると、頭上で揺れているブランコと、それを漕いでいる千夏を見上げた。 千夏も視線を下に向けると、彼らと視線が合った。その顔にはニヤニヤとイヤらしい表情が浮かんでいた。 (うっ、やつらにスカートの中をのぞかれてる……) 千夏は一瞬でそう直感した。年下の男子たちからそのような目を向けられて、恥ずかしくなって、ブランコの上で内股になった。男子に色目を使われる女子の気持ちが分かったような気がした。 (早くどこか行ってくれよ) 千夏は心の中で思っていたが、それとは裏腹に、男子たちはその場に立ち止まった。 (ブランコをやりたいの?しょうがないなぁ。じゃあ、代わってやるか……) 千夏はブランコを男子に譲っても全然構わなかったのだが、女子たちは反対のようで、下では男子とバチバチの状態になっていた。 「ブランコは私たちが使ってるんだから、男子はあっち行ってよ」 「男子は男子同士で遊べばいいでしょ。私たちは女子だけで遊んでいるんだから」 などと言って、女子たちは強気だった。 (これぐらいの年齢って、男子と女子って、仲が悪いんだよな) 彼らのやり取りを千夏はブランコの上から見下ろしていた。 邪険にされた男子はそれでも、「なんだよ」とか言って、しばらく粘っていたが、女子たちの剣幕に押され気味だった。それに、ブランコには年上のお姉さんらしき人物が乗っているということもあって、彼らは渋々とあきらめた。 「女子なんか放っておいて、あっち行こうぜ」 男子たちは負け惜しみのセリフを言いつつ、去って行った。 (おお、すごいな。男子を追い払ってしまったぞ。この年頃は女子の方が強いんだよな……) 千夏は感心しつつも、男子たちにちょっと同情した。 「私、男子ってホント嫌い」 「だって、乱暴だものね」 と女子たちはまだ男子の悪口言っていた。 ふと千夏は、そういえば自分も男子だったと思い出した。そして、今、自分が女子扱いをされているという奇妙な事実を、不可思議な思いで噛みしめた。 42 ようやくの帰宅 皆は時間を忘れて、楽しく遊んでいたが、佳奈は腕時計を見て少し表情を変えた。 「千夏ちゃん、私たち、もうそろそろ、帰らなきゃ」 「もうそんな時間?」 「もう服の乾燥は終わってると思うよ。あんまりグズグズしていると、ママが帰ってくるから、その前に帰っておこう」 佳奈は千夏だけに聞こえる小声で言った。 (そう言えば、時間潰しのために公園に来ているんだったな) 誰も見つからないように、洗濯機から乾いた服を回収するというのが、当初からの計画だった。千夏はそもそもの目的を思い出した。そして一旦それを思い出すと、出来るだけ早く帰らなければ、と思った。 「ねえ、私たちもう帰るね」 佳奈は女子たちに伝えた。 「佳奈ちゃんたち、もう帰るの?」 「うん、ごめんね、またね」 もっと遊びたかったが、千夏と佳奈は手を振って別れた。 (ワンピースを着た女装姿で、大っぴらに遊べるのはこれで最後か) 千夏はホッとしたような、名残り惜しいような複雑な気持ちになった。 帰り道、二人で並んで歩いていると、佳奈は千夏のワンピースの後ろを気にしていた。今日一日、それを着用しながら遊んだせいで、服に癖がついてしまい、ツンツルテンになっていた。千夏は普通に歩いているだけでも、スカートのお尻の裾からはパンツがのぞいた。 「またパンツはみ出してるよ。やっぱり私のワンピースでは、千夏ちゃんにはちょっと無理があったみたいね」 佳奈は裾を引っぱって直してやりながら、いまさらそんな感想をもらした。 二人は佳奈宅に到着した。 「あ、もう、ママはもう帰ってるみたい」 窓の明かりを見て、佳奈はつぶやいた。 「どうしよう?」 「うーん、とりあえず、家の中を見てくる。千夏ちゃんは、ここで待ってて」 佳奈は「ただいまー」と言って、家の中へ入っていった。 千夏は路上で一人で心細く待っていると、すぐに佳奈は玄関から出てきた。手には紙袋を持っていた。千夏はそれを見た瞬間、その中身を予想できた。 「はい、これ、千夏君の服ね。ちゃんと乾いてたよ。ママには見つかってないから安心して」 佳奈はそれを千夏に手渡しながら言った。 「ありがとう。で、このワンピースはどうしたらいい?」 「後で返してくれたいいよ。別に急がないし。洗濯なんかしなくていいからね」 「わかった。後、それと、えーと……」 「何?」 「あの、パンツは……」 「パンツがどうかしたの?」 「今穿いてるこのパンツはどうしようか?」 「そんなの返さなくてもいいよ、おバカさんね。もうあげるから、好きにして。ふふふ」 二人はニヤリと親密な笑みを交わした。千夏はもうしばらく佳奈としゃべっていたかったが、 「悪いけど、私もう戻らないと」 と佳奈は都合が悪いようだった。 「ゴメンね。引き留めて」 千夏は名残り惜しむように手を振って、二人は別れた。 43 部屋での一人の行為 千夏はすでに暗くなりかけた道を、ワンピース姿の女装のままで、自宅へ向かって歩き始めた。 (さて、この格好だからな、どうしようか……) 千夏は一人歩きながら考えたが、答えが出ないまま、自宅に到着した。家族には絶対にこんな格好をしている所を見られたくないので、忍び込むように自宅の庭に入った。 居間に照明は点いていなかったので、幸い家は無人のようだった。それでも一応は用心して、そっと玄関の扉を開けて、家の中の気配をうかがって、誰もいないのを確認して、十メートル程の廊下をドキドキしながら進んだ。 自分の部屋に入って、後ろ手にドアを閉めて、ようやくホッと溜息をついた。ワンピースを着ている自分を見下ろして、改めて変な気持ちになった。 (とりあえず、脱がなきゃな……) と思いつつも、それと同時に、脱ぐのはもったいという気持ちもあって、しばらくその場でたたずんでいた。 やがて、千夏は自分の意志を持たない夢遊病者のように、フラフラと部屋を出て、廊下を行き、気付くと洗面所の鏡の前に立っていた。鏡の中にはツンツルテンのワンピースに身を包んだ少女が立っていた。 (これが僕か……) しばらく、その姿に見とれてたが、無意識的にスカートの裾を上げて、その下に穿いている白いパンツを露出させた。 その前部分の布地には、公園でおしっこで濡らした恥ずかしい染みが残っていた。本当の女子ならそんな所には染みはできないだろうし、また、そんな膨らみもなかっただろう。 千夏は胸がドキドキしてきて、ゴクリと唾を飲み込んで、その膨らみを右手で覆った。女子用のパンツの下では、すでにおちんちんは勃起していた。千夏はその肉塊をパンツ越しに握りしめ、慣れた手付きで上下に扱き始めた。 鏡の中では、華奢な少女が自らワンピースをめくってパンツを晒して、パンツ越しにおちんちんを扱いているという奇妙な姿が写っていた。 千夏は頭の中に、佳奈や公園で出会った女子たちを思い浮かべていた。彼女たちに今の自分がしていることを観察されているという空想をした。 「佳奈ちゃん……。僕、男なのにワンピースを着て、女子用のパンツを穿いて、おちんちんを気持ち良くしてるよぉ……」 鏡の中の少女は切なそうな表情を浮かべると、ギュッと目をつぶった。千夏は呻き声をあげた。次の瞬間、女子用のパンツの中で、おちんちんはビクンビクンと律動し、ドクドクと精液をもらした。パンツの厚い布地の内側はタップリの白濁液で塗れた。 千夏はハァハァと息をつきながら、日中の疲労が一気にドッと出てくるのを感じた。 (今日一日、色んなことがあったな……) 佳奈は別れ際に、確かに「そのパンツを好きしていい」とは言っていた。しかし、もうこんな状態にしてしまって、さすがに千夏もちょっと悪い気がした。 その場でパンツもワンピースも脱いで、全裸になって、自分が汚したパンツを水洗いした。その後、全裸のまま廊下を歩いて、部屋に戻って、ブリーフに足を通した。 (ホント、今日は変な一日だったな) 千夏は普段の服装に着替え終わって、居間に行こうとした。その直前に、前髪を束ねているゴムを取り忘れていたことに気付いた。 「危ない、危ない、これを忘れていた」 焦って独り言を言いながら、そのゴムを頭から外して、半ズボンのポケットに入れた。