『親密な近所付き合い』(3)
Added 2024-05-21 12:31:51 +0000 UTC五章 お風呂上がりの女装 29 佳奈のチラ見せ 体もきれいになったし、おしっこも出してスッキリして、千夏はちょっと心の余裕を取り戻した。ここまでの佳奈からの手ひどい扱いに対して、少しばかり仕返しをしてやろうと思った。 「佳奈ちゃんはどうなの?」 千夏は、自分のおちんちんを洗っている佳奈に、ある質問をぶつけてやろうと計画した。 「何が?」 「あれが」 「だから、あれって何?」 「佳奈は生えてるの?」 千夏は思い切って訊いた。もしかしたら、佳奈の機嫌を損なうのではないかと危惧した。しかし佳奈はニヤッとした。 「見せてあげようか」 「え?」 千夏は佳奈を困らせてやるつもりだったのに、そんなことを言われて、逆に千夏がたじろくハメになった。 佳奈はシャワーヘッドを壁のフックに戻すと、千夏の前で正面を向いて仁王立ちになった。「ふふふ」と不敵な笑みを浮かべながら、自らスカートの裾をクルリとまくり上げて、パンツを丸出しにした。 「か、佳奈ちゃん……」 その可愛らしいパンツを目の前で見せられて、千夏は目を白黒させた。 佳奈はそんな千夏を際置いて、左手でめくったスカートの裾を胸の上で抑え、右手でパンツのフチに指を掛けて、グイッと下にずらした。 (わっ) 千夏は体を硬直させて、視線をそこに釘付けにさせた。そこには、なだらかな丸みと、縦の線が見えた。薄い茂みが見えたような気もしたが、それは影かも知れなかった。数秒の後、スカートは下ろされて、その秘所は千夏の視線から隠された。 「どうだった?見えたでしょ。ふふふ。じゃあ、タオル取ってくるね」 佳奈はスカートの中でパンツを穿き直しながら、謎めいた微笑を浮かべて言うと、風呂場を出て行った。 風呂場に一人残された千夏は、突然の出来事に呆然となっていた。ふと気付くと、再びおちんちんは勃起していた。 (どうも、佳奈の方が一枚上手だなぁ……) 千夏はくやしいけど、怒る気にはならなかった。 30 洗面所で 佳奈は風呂場の千夏にタオルを渡した。佳奈の様子はいつもと同じで、ついさっき自ら陰部を露出したというのがウソのようだった。 「体を拭きなさい。自分で拭けるでしょ」 「……うん」 「千夏君が体を拭いてる間に、私、服を洗っておくから」 千夏はまだ呆気にとられていて、無言でそのタオルを無言で受け取った。 体はきれいに洗ってもらったが、おしっこで濡らした半ズボンとブリーフの始末はまだ残っていたのだと思い出した。千夏はテキパキと体を拭いて、さっさと風呂場から出て、脱衣所へ戻った。 脱衣所で周囲をキョロキョロと見渡すと、横の棚にカゴが置いてあって、その中には、さっき脱いだポロシャツだけが残されていた。 (とりあえず、これ着ようかな。でも、ブリーフも穿かず、下半身すっぽんぽんの状態で、上着だけを着るっていうのもヘンか……。ブリーフは今どこにあるんだ?) 千夏は全裸の姿のまま、脱衣所の横の洗面所へおそるおそる進んだ。 洗面所では、佳奈はシンクに水を張って、ジャブジャブと泡を立てながら、半ズボンを手洗いしていた。 (洗ってくれていたのか。きっと、あの中に僕のブリーフが沈んでいるんだな……) 「千夏君、体拭き終わった?今、洗ってるから、ちょっと待ってて」 佳奈は鏡越しに千夏の姿を見て言った。 千夏は裸のままで、その場に佇んで、 (やっぱり、上着だけでも着ようかな。どうしよう……) と迷ったが、とりあえずは、言われた通りに、そのまま立っていた。 洗面所で前屈みになって手洗いしている佳奈の姿を、千夏は後ろから眺めていると、ふと昔の古い記憶を思い出した。 千夏が幼稚園児の頃、おもらししてしまい、制服の半ズボンを脱がされて、先生に洗ってもらったことがあった。ちょうど今と同じように、その当時の千夏も下半身をすっぽんぽんの裸にされて、濡らした半ズボンを水道で洗っている先生の後ろ姿を見ていた その後、怒った先生にお立たせの罰を受けて、しばらくはその格好で、廊下でベソをかきながら、両手を背中で組んで、おちんちんを晒す姿を皆に見られた。千夏は、当時と今の状況を重ね合わせて、複雑な心境になった。 (あっ、もしかして、佳奈も、おもらしした僕にお立たせの罰をしているのだろうか?) そう思うと、今の状況がひどく屈辱的なものに思えてきた。しかし、すぐに千夏は、これもおもらしの報いなのだとあきらめて、あたかも、佳奈からお立たせの罰を受けているつもりになって、気を付きの姿勢で直立した。 変に興奮したせいか、おちんちんはちょっと大きくなってきたが、千夏は両手を背中で組んだままで、前を隠すようなことはしなかった。 31 二人で手洗い 佳奈は鏡越しに千夏の様子を何度かチラチラ見た。それは、千夏がちゃんと立っているか確認しているようだった。しばらくの間、千夏が素直に立っていたのを確認すると、佳奈はニコリとした笑顔で振り返った。 「ふう、半ズボンとブリーフと靴下を一人で洗うのって、結構大変。ねえ、千夏君も手伝ってくれない」 「もちろん、手伝うよ」 「じゃあ、千夏君は、これを洗って。半ズボンはもう大体洗ったから、私は、後は靴下を洗うね」 佳奈はシンクの泡の中から、水に浸かったブリーフを取り出して、千夏に渡した。 (ブリーフぐらい自分で洗わなきゃなダメだよな……) 千夏は、自発的に言い出すべきだったなと思いながら、さっきまで穿いていたその小さい布地を水の中で濯いだ。 広くもない洗面所で、窮屈に二人は腰をかがめて並んで、一緒に手洗いを続けた。 千夏の裸体は、ちょうど股間から上が鏡に写っていた。洗って体が動くたびに、おちんちんは左右に揺れた。それを佳奈は鏡越しに見てはニヤニヤした。 二人で分担すると、洗い物はすぐに終わった。 「よし、こんなもんかな。じゃあ軽く搾って」 「これは外に干すの?」 「ううん、一応は洗濯機でもう一回ちゃんと洗濯するよ」 「そういうことか」 「ポロシャツも、泥とか付いてたから、ついでに洗うね」 「えっと……」 佳奈は千夏の返事を待たず、全部をまとめて、洗濯機に放り込んだ。そのフタを閉めて、スイッチをピッと入れると、洗濯機は動き出した。 「これでよし。全自動だから、洗濯と乾燥であわせて五十分ぐらいかな。後は待つだけだよ」 佳奈は全裸の千夏を見ながら言った。 (つまり、あと五十分は裸でいなさいってことか……) 千夏は少し心細くなったが、それぐらいなら我慢できると思った。 「次は、千夏君の服を何とかしなしとね」 「えっ、服を着せてくれるの?」 「当たり前でしょ。千夏君、裸のままでいるつもりだったの?。もう、何言っているのよ。こっちにいらっしゃい」 「ど、どこへ?裸のままで?」 「今、家には誰もいないから、別にいいじゃない、おいでって」 全裸の千夏は、佳奈に手を取られて、脱衣所から廊下に連れ出された。他人の家の中を真っ裸で歩くというのは、何とも言えない気持ちだった。 32 誘惑の女子用のパンツ 「ここが私の部屋だよ。入って」 佳奈はドアを開けて、千夏を誘い入れた。 そこは八畳ほどの広さで、ベッドや勉強机やタンスが置いてあるという、よくある子供部屋だった。絨毯も壁紙もピンク色で女の子らしかった。その中で、千夏はおちんちんを丸出しの全裸の姿で立っていて、自分でも場違い感が甚だしかった。 「私の部屋に、裸の男子がいるって、すごく変な感じがする。うふふ」 佳奈も同じ印象を受けたようだった。 「……」 千夏は気まずい気持ちで、裸の両足をモジモジさせていた。 「そのままじゃ、あんまりだから、とりあえずパンツは穿きたいよね」 「う、うん、穿きたい」 「待ってて」 佳奈は部屋の隅のタンスを開けて、引き出しを漁り始めた。しばらく、あれこれと見比べていたが、やがて一枚の下着を選び出した。 「こんなのでいいかな。古いやつなんだけど」 佳奈はそう言って、小さく折りたたまれた白っぽい布を千夏に渡した。 「ありがとう。……。あれ?これって……」 千夏は一目見て、それは女子用のパンツだと分かって、驚きの声を上げた。 「どうかした?」 「これ女の子用のパンツだよね?」 「そうだよ」 佳奈は、千夏の咎めるような問い掛けに平然と真顔で答えた。 「……えーっと?」 「もうずっと穿いていないやつだよ」 「いや、そういうことじゃなくて……。というか、これって、佳奈ちゃんが穿いてたやつなの?」 「うーんと……。昔、穿いたかも。でも、穿かずにずっと保管していたから新品かも。よく覚えてないよ」 「そうなの……」 千夏はその漠然とした答えを聞き流しながら、とりあえずは、自分の手に握られているそのパンツをもっと観察した。 それは厚い布地の野暮ったいパンツだった。足回りや腰回りはゴムでクシャクシャになっていて、両手で広げると、サクランボなんかのイラストが全体的にあしらってあり、裏のお尻の所にもデカデカと英字のロゴがプリントされていた。女子用と言うよりは女児用と呼んだ方が相応しい代物だった。 (こんな幼稚なパンツを僕が穿くの?しかも、佳奈が昔穿いてたかも知れないっていうパンツを?) 千夏は頭が混乱した。佳奈は千夏の動揺を読み取った。 「だって、しょうがないじゃん。男子用のパンツを私が持ってるはずないでしょ」 佳奈に言われて、千夏は今さらながら、その点に気付いた。しかし、だからといって、「じゃあ、この女子用のパンツを穿きます」という風にはならなかった。女子用のパンツはいくらなんでも恥ずかしい。しかし、かとって、真っ裸のままでいるというわけにもいかない。つまるところ、その二つの選択肢のうち、どちらを取るかという問題だった。 「ねえ、佳奈ちゃん。佳奈ちゃんは自分のパンツを男子が穿くのって、イヤじゃないの?そんなことしていいの?」 「うん、いいよ。だって、私がそれを穿くことはもうないと思うから。だって、そのパンツって幼稚でダサいでしょ。まあ、千夏君に穿かせようとしているパンツをダサいっていうのはあれだけど。あはは」 「……」 千夏は佳奈の減らず口を聞いて、改めてそのパンツを見ると、確かにダサい。今時の低学年の小学生でも、もうちょっとおしゃれなパンツを穿いていることだろう。 「でも、大きさは大丈夫だと思うよ。そういうのって、結構伸びるから」 「あ、そうだね」 伸ばしてみると、柔らかくグイグイ伸びて、千夏の体格でも十分余裕がありそうだった。 (で、どうするの?) 佳奈はそう言うように、ジッと無言で千夏の顔を見つめていた。 (どうしようか……) 千夏の方は、依然として呆然としているだけで、定見はなかった。しかし、暗黙裡に追及する佳奈を間の前にして、どうするか決めなければと思って、千夏は焦った。 33 佳奈のパンツをはく 「女子用のパンツを穿くのが恥ずかしいっていうなら、無理強いはしないよ。でも、それだとずっとフルチンでしょ?それも可哀そうかなって思って、私、パンツを提供してあげただけだから。千夏君がすっぽんぽんでいても、別に私は困らないからね」 (そういうことか。せっかくの好意を無下に断るのは悪いかな……) 千夏は、じゃあ穿こうかという気持ちに傾いた。 「ちょっと穿いてみて。それで、きつかったりしたら、脱いだらいいじゃない」 佳奈に理詰めで来られて、もうイヤだとは言えない雰囲気になった。 「……分かった。じゃあ、ちょっと穿いてみる」 「ホントに?いやがるだろうなって思ってたんだけど、穿いてくれるんなら、よかった」 佳奈は意外なほどに喜んだ。千夏も、穿くと言ってよかったと思った。 しかし、いざ穿くとなると躊躇した。千夏は女子用パンツを両手で広げて、穴が開くほどにジッと見つめていた。 「千夏君。ここじゃあ、誰も見てないんだし、そんなに気にしなくていいじゃん」 (確かにそうだな。それにおちんちん丸出しの姿に比べたら、女子用のパンツでも穿いた方がマシか……。よし、もう、穿こう) 千夏は思い切って、女子用パンツに右足を通した。しかし、スネがその布地に触れると、その柔らかさにゾクッとして勃起しそうになった。 (うっ。ヤバい。女子用のパンツをはいて勃起してるのがバレた、変態と思われてしまう……) 千夏はそれを隠すために、さっと左足も通して、パンツを素早く引き上げた。そうしながらも、今、自分が女児向けのパンツを穿いているのだと思うと、めまいのするような不思議な感覚に陥った。 (ああ、穿いちゃった。僕、とうとう女子用のパンツを穿いちゃった……) 千夏は女児用パンツで覆われた自分の姿を見下ろして、取り返しのつかないことをしたような気持ちに襲われた。それはおちんちんを丸出しにするのとは、また別種の恥ずかしさだった。 今日、校庭でおもらして服を濡らし、佳奈の家に連れこまれて、全裸され、体を洗ってもらい、ついには女子用のパンツを穿かされたという、一連の出来事が、走馬灯のように思い起こされた。 しかし、自分の不運の嘆く一方で、女子用とはいえ、久しぶりにパンツを穿いて、安心感を覚えていた。その佳奈のパンツは思ったよりも大きな作りで、腰回りはヘソまで覆って、お尻もゆったりと覆って、なかなかの快適さだった (やっぱり、パンツをはくと安心できるな。ぴっちりのブリーフよりもいいかも知れない) 「とうとう穿いちゃったね。ちょっと見せてよ」 佳奈はニヤニヤしながら、女子用のパンツを穿いた千夏の周囲をグルリと回った。 「ど、どうかな……」 「似合ってるじゃない。大きさもピッタリでよかったね」 佳奈はそう言って、パンツ越しに千夏のお尻を愛撫するようにナデナデした。 (くすぐったいよ……) 「そうだ、思い出した。このパンツ、私が穿いてたやつだ。私が小三ぐらいの時まで穿いてたと思う。柄がちょっと幼稚だから、それ以降は、穿かなくなったんだけど」 佳奈は千夏の穿いているパンツをしげしげと見つめながら言った。 (そうなのか、これは佳奈が昔穿いていたパンツなのか……) それを今、自分が穿いているのだと思うと、恥ずかしさと興奮の両方が同時に湧いて、おちんちんもさらに勃起した。 「千夏君、せっかくなんだから、もうちょっと、ちゃんと穿いた方がいいよ」 佳奈はかつての自分のパンツのフチをつかんで、グイッとヘソが隠れるぐらいにまで引き上げた。パンツは股に食い込んで、おちんちんのふくらみも、お尻の丸みも、パンツ越しに強調された。 「わわっ」 「なんか千夏君って、痩せてるから、ホントの女の子みたいに見えるなぁ」 佳奈は驚嘆と感心の混じったような声色で褒めた。 千夏は佳奈から、仰ぎ見るような視線を向けられて、照れてしまった。羞恥に頬を染めて、両腕を裸の胸を隠すように交差させた。不思議なことに、女子用のパンツを穿いただけで、千夏の仕草は自然と女の子っぽくなっていた。 ただ、本当の女子ではない証拠に、女子用パンツの中では、千夏のおちんちんは痛いほどに勃起していた。 34 佳奈のワンピースを着る パンツ一枚という姿は、特にそれが女子用のパンツなので、おちんちん丸出しの全裸とはまた別の恥ずかしさがあって、千夏は早く服を着たいと思って、モジモジしていた。 「服、要る?」 佳奈は、その千夏の様子をニヤニヤしながら見て、からかうように言った。 「要るに決まってるだろ」 「ふふ、分かってるよ。上着も貸してあげる。あ、そのパンツは返さなくていいからね。千夏君にあげるよ」 (じゃあ、このパンツはもう僕の物なのか……) そう思うと、遠慮気味に穿いていたパンツだったが、急に愛着感が湧いた。 佳奈は再び部屋のタンスの引き出しや収納ボックスを開けて、その中を物色していた。 「私の千夏君とじゃ、体格は全然違うものね。でも何着かあるから、どれがいいかなって思って」 (いったいどんな服を着せられるんだろ……。やっぱり、女児向けの可愛らしいやつなんだろうか) 千夏は怖いような期待するような心境で胸をドキドキさせならが、佳奈があれこれ選んでいるのを見つめていた。 「どれにしようか。あ、これがいいかな」 (お、ついに決まったか) 「はい、これ」 佳奈は一着の上着を手に取って、千夏に見せた。それは柄も無く、ネズミ色の単色という地味な服で、広げるとゾロッとして意外に大き目の感じだった。 (これなら、十分着れそうだな) 「ここから、頭を通して」 佳奈はその上着の裾周りを広げて、千夏の頭から被せようとした。千夏はされるがままに、上着を頭に通して、上半身をスポリと覆われた。しかし、やはり若干窮屈で、肩に圧迫感を覚えた。 「自分で着れる?」 「うん、大丈夫」 佳奈に手伝ってもらいながら、千夏は上着の裾を引っぱって腰まで下ろし、上着の中で腕をグネグネと動かして、両手を袖に通した。 実際にその上着を着てみると、胴回りはキュッと細く締め付けられて、長袖は寸足らずで手首が五センチほど露出した。 (うーむ、やっぱり小さいなぁ。まあ、佳奈の服なんだから、僕が着たらツンツルテンになるのは当たり前だけど……) しかし、その上着は身丈だけは変に長くて、裾を下に引っぱると、ズルズルと伸びて、下腹部や股間を覆うぐらいだった。やけに縦長の上着だなと、千夏はちょっとした違和感を覚えた。 「千夏君、なんとか着れたね。よかった、よかった。まあ、こんなもんかな。もうちょっと裾を伸ばした方がいいかもね」 「上着はこれでいいけど、下は?」 「下って?」 「ズボンは無いのかな?半ズボンでも長ズボンでもいいんだけど……」 「千夏君が穿けるようなズボンなんて、私、持ってないよ」 「じゃあ、どうしよう」 「これでいいんだよ」 「これで?だって下半身はこのままって変だよ」 「あれ、何か誤解してない?千夏君が今着てるのって、ワンピースなんだよ。分かってる?」 「ワンピース?何だっけ、それ」 「ワンピースっていうのはね、上着とスカートが一緒になっている服ってことだよ」 「というと……?」 「裾をもっと伸ばしてごらん。今、パンツがちょっと見えちゃってるから」 「こ、こう?」 「そう、それでパンツは隠れたでしょ。それを着てれば、ズボンはいらないでしょ」 (ワンピースか。そういえば、女の子たちがよくこんな服を着ているな。僕もそれを着せられたのか……) 千夏は自分のワンピース姿を見下ろした。裾は十分な長さがあったで、パンツは完全に覆われていた。 裾は下に引っぱれば、太ももの中間の丈ぐらいだが、千夏の体格は小学生よりはガッシリしていたので、油断していると、いつの間にか裾はズリ上がっていた。裾の下からチラリと露出している女子用のパンツに気付くと、千夏は慌ててワンピースのスカート部分をグイとつかんで下ろした。 35 髪とリボンと靴下 千夏は落ち着かない様子で、ワンピースの裾ばかり気にしていた。 「お気に召さない?。私はその服、可愛いくてお気に入りなんだけどな。鏡でどんな風に見えてるか自分で確かめてみる?」 二人は部屋を出て、洗面所の鏡の前に立った。 千夏の鏡の中の自分の姿を見て驚いた。そこには我が目を疑うほどのスラリとした細身の少女がいた。窮屈なワンピースのおかげで、体つきはすごく華奢に見えた。 (え、これが僕?ウソ?) 「きれいね」 佳奈もほめた。それはおだてているのではなく、本心からの言葉だった。さらに佳奈は頼まれてもいないのに、勝手に千夏の髪を整え出した。 「髪、クシャクシャだね。私の美容液つけて整えてあげるから、ちょっとしゃがんでくれる?」 千夏は素直に佳奈に身を任せた。佳奈は千夏の乱れた癖毛を撫でつけて、短い前髪を無理に束ねて、器用にピンク色のゴムで留めた。頭のテッペンに小さなチョンマゲが立った。 「なんか変になったんじゃない?」 「全然変じゃないよ。鏡で見てごらん」 ほんの少し髪形を整えるだけで、顔の印象はガラリと変わった。鏡の中の人物は、誰がどう見ても、短髪の美少女だった。 (この美貌の人物が女子ではないと疑わう人は誰もいないだろうな……) 千夏は自分自身に見とれて、ナルシスティックに確信した。 「外へ遊びに行こうよ。近くに公園があるから、そこに行こう」 佳奈は千夏を誘った。 「また外へ?この格好のままで?」 「うん。だって、もしかしたら、ママは早めに帰ってくるかもしれないから。そうなったら、色々面倒でしょ?」 「うーん、確かに……」 千夏としても、女の子の服を着たままで、佳奈のママと顔を合わせるという状況は、できれば避けたかった。自分の服の方は乾燥機で乾くまでは待つ必要があるので、とりあえず外へ出て、時間を潰すことにした。 二人は玄関まで来て、靴を穿くためにしゃがんだ。そこで佳奈は、千夏がまだ裸足だと気付いた。 「そうだ、靴下を忘れてた。持ってくるから待ってて」 佳奈は靴下も貸してくれた。それも女子用らしく、フチにはひらひらのレースがあしらってあり、赤いリボンが縫い付けてあった。 千夏はお礼を言って、その靴下を受け取って足を通した。その可愛らしい靴下を穿く時、自分でも不思議に思ったが、何の抵抗感も覚えなかった。むしろより女子らしい格好になれることに、密かな喜びさえ覚えていた。ただ、しゃがんで靴下や靴を穿く時に、スカートの裾が捲れて、パンツの前部分がチラリと自分の視界に入った。 (わわっ、パンチラじゃないか。なんか惨めな姿だな) 千夏は自分のパンツを自分で見下ろして、我ながら自嘲した。しかし、それと同時に、下着をそんな形で露出することに若干の興奮も覚えた。 髪形もワンピースもパンツも靴下も、それらは可愛らしい女の子の装いだったが、足元の靴だけは自前の白色のスニーカーだったのが、ちょっとした違和感だった。 「これ持っていく」 佳奈は遊び道具がゴチャゴチャと入った布袋を手に持つと、玄関の扉を開いて、 「さあ、行こう」 と千夏を促した。 (女装で、外出……) 千夏はさすがにちょっと躊躇したが、スカートの裾を元に戻して、エイッと外へ踏み出した。 普段の半ズボンと違って、下着が直に外気と触れているので、一歩歩くごとに股の辺りはスースーして、落ち着かなかった。 (スカートってこんな不安な感じなんだな) 千夏は、少しは女子の気持ちがわかったような気になった。