──1%の希望は、99%の絶望に飲み込まれた。
最先端のVRRPG「ワールズ・オデッセイ」の制作中、ゲームの世界に取り込まれたプログラマー・二ノ宮しいなはプレイヤーとして脱出を目指し、同僚である水梨新と協力して崩壊したゲーム世界に挑戦していたが……襲ってくる様々な危機へ対応する為、しいなに無敵に近しい耐性を付けてしまったのが裏目に出た。
死ねないプレイヤーキャラを、散々ハッキングやプログラム改変をスルーしてきたセキュリティが今さらになって不正だと判断してしまい、しいなは何もない空間に飛ばされて、新との通信も途切れてしまったのだ。
「こんなことになるなんて……ごめんなさい、リリィ。あなたを巻き込んでしまって……」
このプログラムの裏側に存在する永遠の牢獄にいるのは、しいなを慕うNPCのリリィのみ。
しいなはリリィを巻き込んでしまったことに責任を感じている様子だったが……リリィの方は、まったく別の思惑を抱いていた。
「(つまり、この世界でシイナと永遠に二人きり……それも、決して死ぬことなどない状態で! これは、シイナがいなくなってしまうことよりも、ずっとずっと理想の終末なのではないでしょうか……♥)」
リリィも少なからずこの空間に囚われたことで動揺はしており、その結果しいなに抱いていた恋情が暴走状態に陥っていた。
そもそも、脱出を目指している時のしいなは、どれほどリリィが彼女を想って行動しても、水梨新と彼のアバターであるエニグマの方を信用して、重視しているようにしかリリィには感じられなかった。
献身は見返りを求めるものでないと訳知り顔で人は言うが、何も返さずに献身だけを受けようという方が都合が良すぎるというものだ。
しいなはまだ諦め悪く、空間から脱出する方法が無いかと足掻いているが……そんな彼女に背後から抱き着き、胸を強く揉み上げる。
「きゃあっ♥ り、リリィ、何を急に……」
「急に、ではありません♥ ずっとずっと、ずっとずっとずっと……シイナのことが大好きだって、あなたが可愛くて愛しくてたまらないって伝えてきたではないですか? なのに、急に……? 本当に今までの行いは軽く流されてきたんですね……」
「んんっ♥ やっ、あぁぁっ♥ や、やめて、リリィ……こんなこと、してる場合じゃ……あっ♥」
乳首をぎゅっと指で押しつぶされ、嬌声がしいなの喉から漏れる。
自分が同性相手に喘いでしまったことに真っ赤になりながら、しいなは顔を俯かせるが、その態度がリリィの興奮を更に高めていく。
「違う、違う、違います♥ シイナ、ずっとずっとこれから、こんなことをしている場合が続くんです♥ 私たちは永遠を共に過ごさなければいけないんですよ♥ この行為を拒否してはいけません……シイナ、可愛いシイナ、私を受け入れてください……♥」
「そんな、リリィ……わ、私はここから脱出して……きゃあっ!?」
リリィの体から、素早い何かが走った。
しいなの目に映るのは、リリィの体から生える複数本のマニュピレーターじみた触手……その名前が示す通り、植物の蔦に似た形状の複腕だ。しいなと同じくリリィも無敵状態でここにいるはずだが、彼女は事前に感染していたのか、それとも“愛の力”で法則を捻じ曲げたのか、自分の体を改変してみせている。
しいなの美しい体がギリギリと触手で拘束されて、その胸や尻が殊更に強調される。そのうえで、乳房の先端や陰核といった性感帯に触手の細い部分が巻き付き、強く縛り上げて背徳的な快感を与えていく。
「あぁぁぁぁっ♥ んっ、あぁぁっ♥ こ、こんなっ……あはぁぁっ♥ んあぁっ♥ ふあぁぁっ♥ り、リリィ、やめて……正気にもどっ……あひぃっ♥」
「この気持ちが正気で無いと言うんですか、シイナ♥ 私があなたに向ける気持ちを、恋だと認めてくれないんですか♥ そんなのは許せませんよ、シイナ……もっともっと、気持ちよくしてあげます♥ 私以外のことを忘れるくらいまで♥」
触手を使って無理やり開かせた足に、リリィ自身の秘所を重ねて、ぐちゅぐちゅと貝合わせの音が響く。
その間に触手を使って互いの胸をより合わせたり、陥没気味のリリィの乳首にしいなの勃起乳首を挿入したり、お尻の穴へ触手を挿入したりと、あらん限りの陵辱がしいなに向かって降りかかる。
「いやぁぁぁっ♥ あっ、あぁぁぁっ♥ ダメ、ダメなのぉぉっ……♥ わ、私は、諦める訳には……あっ、あぁぁぁっ♥ こ、こんなぁぁっ♥ リリィの中に、私が入ってるぅぅっ♥ あんっ、あうぅぅっ♥ そんなきゅうきゅうしめないでぇぇぇっ♥」
「シイナ、もっともっと私を感じてくださいっ♥ もう、エニグマなんかには絶対にシイナを渡しません……二度と姿を見せることだって許さないんです♥ ずっとずっと、永遠にここで愛し合うんです、シイナぁ……♥ ああ、なんて幸せな結末……♥」
「リリィ、お願いだから正気に戻って……んほぉぉぉぉっ♥」
「そんなに逃げ出そうとするなんて、シイナはもしかして私が嫌いなんですか? そうなんですね!? エニグマに何かを噴き込まれたんでしょう!? シイナこそ、正気に戻らないといけません……私が、ずっと付き合ってあげますからね♥ 永遠に……♥」
しいなの「いやぁぁぁっ……」という悲痛な声が、虚無の空間に響き渡る。
しかし、やがてその声にも甘い喘ぎが混ざり始め……しいなの声に覗く意思の強さは、みるみる内に弱まり、快楽に蕩けていった。
※
──虚無の空間の中で、珍しくリリィが一人で何かを考えていた。
勿論、次はどんな方法でリリィを愛し抜こうか、気持ちよくしようかということを考えているのだが……そんな彼女の前に、ゆらゆらと体を揺らす人影が現れる。
「ほぉぉっ♥ おほぉぉぉっ♥ リリィ♥ リリィ♥ よそ見しちゃダメなのぉぉっ♥ 私のことだけ考えてぇ♥ 私と愛し合うこと以外は考えるのダメ♥ 禁止なのぉぉっ♥ 私たち、恋人同士なんだからぁ♥ 四六時中、互いのことだけ考えて無きゃなのぉぉっ♥」
……それは、リリィの度重なる愛撫によってすっかりと胸も尻も太腿もムチムチといやらしく変化し、口の端から涎を垂らしつつ腰をヘコつかせ、リリィからの愛撫を求める……しいなの姿だった。
リリィから注がれ続ける無限大の愛を受けて、しいなはとっくに精神崩壊を迎え、今や彼女の愛情を諾々と受け入れるだけの存在に堕していた。それはある意味では、相思相愛だと言ってしまっても構わないかも知れない。
「シイナ、安心してください……次は、どんな方法でシイナに愛を伝えようと思っていただけです♥ 私たちは両思いなんですから、向ける感情も望むことも一緒なんです♥」
「ああ、よかった、リリィ……♥ あなたに飽きられたらと思うと、怖くて、こわくてぇ……♥ もっと、もっとあなた好みになるから、一人にしないで♥ この世界で、あなただけが私の光なの……あはあぁっ♥ おマ〇コ気持ちいいのぉぉっ♥」
リリィに手マンされ、しいなはすぐに表情を蕩かす。
二人の体が重なり、今日も泥濘の中で蕩け合うような終わりのない愛欲の時間がくる。
二人には、決して死は訪れない。そして、その愛情に終焉が来ることも、きっとないだろう。
デスエンドの先……レズエンドに、二人は辿り着いたのだから。