今後の投稿のサンプルとして『アカツキ電光戦記』及び『エヌアイン完全世界』の鼎二尉が、ふたなりの部下をドSに可愛がって、最終的に妊娠してしまうお話を全体公開させていただきます(お題箱より参考にさせていただきました、ありがとうございます)。
もしも琴線に刺さるようでしたら、プラン登録を考えて頂けると嬉しいです!
それでは、下記よりご覧ください!
「んっ……」
内閣情報調査室と銘打たれている組織に身を置くにしても、本当に部屋の中で情報の精査ばかりする時間が続くと、どうにも“現場の軍人”としての意識の抜けない鼎は、弛緩の中で体がなまっていくのを感じる。
椅子に腰かけたままで背伸びや胸を張る機会が増え、そうやって凝り固まった体を伸ばしている時、鼎は視線を感じることがあった。
視線の方へ目を向けようとしたところで、ぴりっと足に僅かな違和感が走る。
パンティストッキングが伝線しており、鼎は溜息と共にそれを脱ぐと、新しいものに履き替えた……視線の熱さが増していくのに、気付かないフリをしながら。
かつて調査中に出会った兇手(=暗殺者)から「お前ならいい客がつくだろう」などと言われたこともある程度には、鼎は美しい女性だ。
ベレー帽の下の黒髪は日々の激務の中でも艶と張りを失わず、二十代半ばという若さも手伝い、その体つきは豊満かつ嫋やかなもの。
特異な感性を持つ者や枯れてしまった者を除けば、異性であれば鼎の容姿に心を奪われるのは当然と言ってもよい。
もっとも、鼎が現在作戦行動を共にしている相手は、同性なのだが。
「……なにか?」
「い、いえ、失礼しました、鼎二尉。あ……」
「……気にしないで。そこまで階級に拘っていたつもりはないけれど、自分でも時どき左遷されたことを忘れるから」
戦略的な業務を扱うことの多い幕僚監部において、まだ幹部としての鼎が名を連ねていたのは、特機戦力としての身体機能を期待されてのものもあったとはいえ、異例の若さでの出世と言っても過言では無かった。
しかし、大戦末期に失われた機密“電光機関”を巡る一連の事件の中で、彼女が提出した報告書は事故として闇に葬られ、左遷によって階級を失った。
その果てに現在、内調直属部隊に編制され、こうして部下と共に“人口調節審議会”を名乗る虐殺を目的とした秘密結社を追う任務についている。
かつての上司……“中身”は別人になってしまっていたが……からは“内調の犬”などと呼ばれたこともあるが、鼎としてはこうして共に過ごしている相手の方が犬のようだ、と思うことが多い。無論、好意的な意味でだが。
「か、鼎さん?」
「気にしないで。仕事を続けれてくれたらいい」
「はぁ……?」
階級を失った時に、幕僚監部時代の制服に似たデザインのものを、未練がましく身に付けていた(そして、今は単に着慣れたので着用を続けている)のだが、彼女は……内調直属となった鼎の部下である匂宮和子は、かつての鼎の制服と同じ色合いのものを纏っている。
彼女とは幕僚監部時代から秘書……というよりも、側仕えというか雑用という形で付き合いが続いており、鼎が二尉から左遷された際も彼女に付き従い、今はこうして世界の裏側で繰り広げられる暗闘に巻き込んでしまった。
ふわふわとした栗色の髪、幼さを感じさせる顔立ち、鼎よりは背が低いが豊満さは負けていない体つき……きっと表の世界で、程ほどの幸せを掴むことも出来たのだろうと思うと、鼎も少しばかり申し訳ない気持ちになる。
だが同時に、自衛軍の中に次々と味方がいなくなっていく環境の中、傍らに居続けてくれた彼女に対する自身の信用は厚く、わざと遠ざけるようなことはできないことも、鼎は理解していた。
「(“完全者”を名乗っていた存在ですらも、孤独からは逃げられなかった。牙なき民衆への使命感はあれど、組織への忠誠をかつてほどの精度で持ち合わせることのできない私にとって、彼女は外付けの良心のような存在なのかもしれない)」
未だに鼎を二尉呼びすることは気になるが、そんなことを考えながら和子を見つめていたら、気付けば手を伸ばしてその髪の端に触れていた。
自分でも予想外の行動で、和子の方も「ひゃぁっ!?」と悲鳴を上げていたが、なんと言い訳したらいいかが分からない。
「ごめんなさい、柔らかそうだったから」
「そ、そうですかぁ……」
あまりにもあまりな言い訳しか浮かんでこず、鼎は誤魔化すように立ち上がると、先にシャワーを使用しに向かった。
運び込まれた大量の資料や報告書の数々と、シャワーや食堂といった最低限の生活スペース、そして寝床。大型のコンテナを連結して仮設したそこが、現在の鼎と和子の戦場。
基本的には外出行動は許されておらず、定期的に大型輸送車かヘリによって仮設コンテナの場所は変更される。
それでも万が一襲撃者があった場合は、“現人神”を名乗った魔人も、“戦乙女”の名を冠した古代人をも打ち倒した、鼎自身が専守防衛を行う。
鼎が提出して破棄された報告書を含め、人調審撲滅の為の情報を纏める為とは言え、著しく人権を制限された状況に、不満を感じない訳ではない。
恐らく、和子以外の誰かと、あるいは一人で仕事を強要されていれば、早々に精神に限界を迎えていた可能性もある。
「(彼女には、何かの形で報いなければいけないわね)」
頭から熱い湯を被りながら考える鼎。ならば和子が何を喜ぶかと言うと、それはもう、分かりやすいほどに鼎だ。彼女は、鼎を心身共に慕っている。……心だけでなく、身体も。
和子も防衛の手段は持っておいた方がいいととでも言って、組手でもすればいいだろうか……そんな風に鼎は考えていたが、どうやらもう、和子の中の鬱屈はそれでどうにか出来るレベルを超えていたらしい。
気配を消して動くのは、特機戦力としての秘密行動の際に求められた癖なのでが、非戦闘員である和子には当然、鼎の気配を察知するなどということは出来ない。
既に鼎が行水を終えているなどとは気付かない和子は、ゴミ箱に捨てた鼎のストッキングを回収し、自身の愛らしい鼻先に押し付けて、ぐじゅっ♥ じゅずっ♥ と肉竿を擦り上げていた。
「ふぅ、んんっ♥ なにが“柔らかそうだった”ですかぁ……♥ 全身むちぽよのドスケベボディしておいてぇ♥ ふっ♥ ふっ♥ 柔らかそうで可愛いのは鼎さんですよぉ……♥ スケベ♥ スケベ女♥ 大好き♥ んくっ♥ ふぅぅっ♥」
そう、肉竿。男性器。
和子はいわゆる両性具有、ふたなりである。当然、そのことを鼎はとうに知っていたし、和子の性自認である女性として、尊重した付き合いを行ってきた。
だが、この任務についてから……二人きりで密閉空間で過ごすようになってからは、少しずつ和子は鼎への好意と、その裏側に張り付いた肉欲を隠せなくなっており、こうして目を盗んで発散することが少なからずあった。
「鼎さんっ♥ うぅっ、鼎さん♥ 孕ませたい♥ おマ〇コぱんぱんしたいぃっ♥ あのムチムチの太ももで、だいしゅきホールドされながら中出しキメたい♥ 絶対孕ます♥ 私の嫁っ♥ お嫁さんにするぅ♥ 結婚っ♥ 結婚んんっ♥」
「(……そこまで情熱的に好かれるようなこと、何かしたかしら?)」
ふたなりは性欲が男性よりも更に強いというし、これがセックスの機会が失われて、誰でもいいから挿入したいというなら別だが、身に纏っている服からしても和子は鼎を前々から……二尉時代に側近となった時から想っているようだ。
それに如何に表の世界の匂いがする年若い乙女とは言え、自衛軍に採用されるような人材である。その手の個人的欲求の制御は、常人よりは遥かに高い精度で出来ているはず。
それが抑えられないとなると……流石に“そういうこと”だと理解できないほどに、鼎は朴念仁ではない。
「(……大きい。経験が、無い訳ではないけれど……ふたなりは、あんなに肉竿が膨らむものなの? 全体で、私のことを……組み伏せて、犯すことを考えているの……?)」
「鼎さんの足ぃ……♥ ふぅぅっ……いい匂い♥ 鼎さんの足臭だけで十回はヌケる♥ 鼎さんの足、犯したい♥ どろどろのぐちゅぐちゅにして、一日仕事してほいぃっ……♥ 足だけでも、お嫁さんになってほしいよぉぉっ……♥」
「(そ、足臭って……に、匂わないわよね?)」
先にシャワーを浴びてきたばかりだが、鼎はすんすんと自分の体を嗅いでみせる。
その上で、和子の激しい自慰行為を見て……ごくん、と喉を鳴らした。
ケダモノめと見下すこともなく、性欲の制御もできないのかと軽蔑することも無く、その極太の肉竿と男の精と異なる何処か甘臭い先走りの匂いに、鼻はひくひくと動き、唾が口内に沸き上がる。
性欲は、かなり薄い方だと鼎は自覚しているが、それでもゼロではない。
電光機関を巡る事件以来、人調審との戦い、新聖堂騎士団やペルフェクティ教団による虐殺阻止、古代文明との対峙と、鼎は長らく個人的な時間など取れないままであり、己の中に疼きがあるのを自覚している。
二人きりの職場で一線を越えることは、百害あって一利も無い行いだと理解している。
理解した上で、鼎は和子に報いてやる、最も単純な方法を選んだ。
「うぅぅっ♥ 孕めっ♥ 鼎さん、孕めぇぇっ♥ 私の赤ちゃん産んでぇぇっ♥」
「──赤ん坊が欲しいのなら、中身のないそれに射精してしまっていいの?」
「はひいぃぃぃっ!?」
突然の鼎からの声がけに、和子は悲鳴を上げながら、ちょろっと先端から精液を零してしまっていた。
むわっ……♥ と雄のそれとも少し異なる、精臭が部屋の中に満ち溢れる。和子はこれを、誤魔化せるとでも思っていたのだろうか。
両手で顔を覆い真っ赤になった和子は、鼎から顔を背けて震えてしまっているが、鼎はそんな様子に特に慌てることなく、少し品が無いが机の上に腰かけると、そのしなやかで美しい脚線を、和子の腰に引っ掛けて引き寄せた。
「きゃあっ!」
「足だけでも嫁になってほしい、と言っていたかしら? 随分と、謙虚なこと……♥」
その耳を軽く食んでやりながら、足先で肉竿を挟み込み、ずりっ♥ ずりりっ♥ とパンスト越しに擦り上げてやる。ひくひくと震える肉の感触と熱が足裏に伝わり、和子の興奮を共有するようだと鼎は思う。
「ひっ、あっ♥ あっ、うぅぅっ……♥ か、かな、鼎さん……♥ 鼎、さっ……♥」
「心配しなくても、罰として潰してしまう──なんてことはしないわ♥」
「ひっ……♥」
わざと意識させるように口にした言葉で、怯えたように和子が体を震わせる。
その癖、肉竿は明らかに硬さと大きさを増している。犯したいなどと妄想しながら口にしていたのに、和子は被虐趣味のようだ。
自身にとって癒しであり、光差す世界との境界であり、ムラクモや完全者と違ってまだ己が人間の世界にいることを示す楔、そんな和子を弄り、犯している……そのことは鼎に、得体の知れない快感を齎す。
「一度、出しておきましょうか♥ あなたがしたいといったこと、全部叶えれあげるわ♥ そのためには、長くもたせないとね……♥」
「や、やぁぁっ……♥ 鼎さんの前で、射精ぃぃっ……♥」
「抵抗しても無駄よ♥ あなたと私、どちらが上かなんて決まっているでしょう……? 出しなさい♥ 命令よ、出せ♥ 出せ♥ 出せ……♥」
耳たぶを舐め回し、耳の後ろをじゅっ♥ と吸ってやり、首筋に吸血鬼のように軽く噛みつく。
つるつるのパンストが先走りで湿り、抵抗が大きくなっているのを感じながら、激しく足を擦り上げてやる。
和子は「わふぅぅぅっ♥」と本当に犬のような声を上げて、咄嗟に使いかけだったパンストを放り込んだゴミ箱へ、びゅるびゅると凄まじい量の精液を噴き出した。
小さなゴミ箱とは言え、三分の一程をなみなみと白いもので満たしてしまうほどの、絶倫ぶり。肉竿だけでなく、睾丸も鼎の握り拳ほどに大きな和子だが、これほどまでに鼎への孕ませ汁を溜め込んでいたのか。
「あんな量を足に出されていたら、妊娠してしまうわね……あなたのお嫁さんにされてしまう♥」
「か、鼎さん……むぐぅっ♥」
「──舐めて、綺麗にしなさい♥ 続きは、それから……♥」
和子が何をしてほしいのかを読み取っているのだろうか、今度は先走りで濡れた足裏を可愛らしい顔に押し付け、ぐにぐにと柔らかい頬をこね回してやる。
覗き込んだ和子の目はうっとりと潤んでおり、鼎の足裏を懸命にぺろぺろと舐め回し、それこそ犬のように鼻先を埋めて、好物でも与えられたように貪り続けていた。これなら、シャワーを浴びておかない方が良かったかもしれない。
「(そんなに私が好きなのね……♥ いいわ、満たしてあげる♥ )」
鼎の足裏と自分の先走りを舐めて、一度射精したとは思えないほどにギンギンに肉竿を回復させた和子の体の向きを、無理やりに変える。
和子の肉棒はあまりにも大きすぎて、少し目測を誤り、鼎の秘所に触れてしまった。
それだけで射精しそうになる和子の睾丸の根元を、手で以てぐりっ♥ と握りしめ、その喉から「いひぃぃぃぃ~っ♥」と声をひり出させながら、空いている方の手でストッキングの股間を破る……一日、二枚もダメにしてしまった。
「ここに、挿入したいの? ねえ、きちんと言って、和子さん……私を自分のモノにしたいのね?」
「あぎゅぅぅぅっ♥ は、はいぃぃっ♥ か、鼎さん、好きですぅぅぅっ♥ ずっと好きだったのぉぉぉっ♥ マ〇コ、マ〇コ、おマ〇コぉぉぉぉっ♥ 結婚する♥ 鼎さんと結婚させてくださいぃぃっ♥」
「……♥ いいわ、おいで……♥ でも、約束しなさい? これからも、あなただけは……ずっと、私の味方でいると……んっ♥」
「おほぉぉぉっ♥」
鼎の中に挿入した瞬間、情けない声を上げて和子は膣内の射精した。
これまで性行為の経験はあるし、作戦行動の一環として避妊具無しの性交も行ったことはある。
だが子宮を膨らませるほどの量の精液を注ぎ込み、その上で更に腰を振りたくるのは、前代未聞だった。
質問の答は返ってこなかったが、この腰振りが回答だと受け止めてもよいだろう。
「ふぅぅ……ふっ♥ いいわ……激しい……♥ んくっ……あなた、女を責めるのは……中々に上手なのね……♥ はっ……ふっ、はぁぁっ……♥」
「鼎さんの、なかぁっ……♥ あったかい……ひぅぅぅっ♥」
「もっと奥まで味わって……抱かれたかったのよね、私のこの足で……♥ むちむちだなんて言われて、少し傷ついたわ……♥」
「うぅぅ……ごめっ、なしゃいぃっ……♥」
「……冗談よ♥ 魅力的だと褒められれば、どんな形でも嬉しいわ……♥ もっと、して……♥ もっとよ……♥」
時に刀や拳銃で武装した相手すら拘束し、肉も髄も骨ごと砕く武器となる足で、壊さないように、けれど膣奥まで挿入するように、しっかりとホールドするのは、初めての経験だった。
とん、とんと子宮が突き上げられ、ぱちゅんっ♥ ぱちゅっ♥ と淫らな水音が室内には響く。
何処かで監視されているのかも知れないが、知ったことか。成果は出している。部下に報いて、何が悪い。
熱いのか、それとも擦れて痛いのか、和子が上着を脱ぎ捨て、乳首の勃起した豊かな胸を露わにする。鼎のそれと擦れ合い、女性同士でしか味わえない快感が背筋を這う。
鼎も上着を開けたが、彼女の方が胸は大きく、そして乳首は陥没気味だ。
鼎の陥没乳首を見た瞬間に、和子のピストンがあからさまに早まったので、彼女の部下は随分とマニアックな性癖の持ち主らしい。
「くすっ……♥ 和子さん……和子♥ もっと私に、挿入したくない……?」
「ふっ、へぇぇ……?」
「ほら、ここ……♥ あなたの乳首チ〇ポを待ってる、乳マ〇コ……♥ ここにも挿入したら、気持ちいいわ、きっと……♥ 私の三穴、支配したくない……?」
くちゅぅっ……♥ と乳首の穴を広げてやると、和子はむしゃぶりつくように鼎の体を抱きよせ、勃起した乳首を鼎の胸へとつぷぷ……♥と挿入してみせる。
思い付きで誘ってみたのに、あっという間に三つの穴を同時に犯されてしまった。
「あぁぁぁっ♥ いい、いいわっ……♥ 素敵よ、和子ぉ……♥ 私のマ〇コだけじゃなく、乳マ〇コも孕ませて♥」
「鼎さんっ♥ 鼎さんっ♥ 責任取りますから♥ あぁぁっ♥ 娶りますからぁぁっ♥」
「……調子に乗らないで♥ 私が、貴女を娶るの……貴女は、チ〇ポの生えたお嫁さんよ……♥ んっ……♥」
そう宣告してやると、鼎は四つ目の穴……上の口を重ね合い、犯した。
膣内に熱い液体が注ぎ込まれ、乳首が胸の中で膨れ、喉に甘い唾液がとくとくと流し込まれる。
「(あはぁぁぁっ……さい、こう……♥)」
戦いの日々でひび割れていた部位に、甘露が染みわたり潤いが戻っていくかのようだ。
ピンと足を延ばして、ふぅふぅと息を荒げる部下の頭を撫でてやりながら、最後の一滴まで搾り取り……ようやく鼎は「お、ほぉっ……♥」と自分の絶頂したのだった。
※
──任務柄持ち歩いていたピル……後付けの避妊剤を飲もうとして、鼎は少し迷う。
傍らでは、鼎の上着を被せられた和子がすやすやと眠っている。妊娠すれば、己の任務に支障をきたすかも知れないが……この娘の願いを叶えてやると言ったのに、約束を破ってよいものかと、思案したのだ。
「(新聖堂騎士団とペルフェクティ教団は、あの娘……カティの手で完全者が“救われた”今、活動を停止している。けれど、人調審は未だに暗躍を続けているし、多くの機関に紛れ込んだムラクモの複製體との戦いも続く……)」
あるいは、現行人類にはもう、明るい未来は存在しないのかも知れない。実際、ヴァルキュリアを名乗った古代人は、鼎と共に戦った少年・エヌアインの手で滅びる前に「旧人類の役目は終わった」と宣言していた。
それでも、生まれてきて、生きている以上は、虐殺には立ちむかい、弾圧には異を唱えなければいけない。それは、命の本能のようなものだ。
「(このお腹に宿るかもしれない命は……私に、朽ち逝く世界で戦う理由を、示してくれるかもしれない)」
鼎はピルケースごと避妊薬をゴミ箱に放る。
処理を忘れていた精液が底にたまっていて、沈んでいく様が少しだけ愉快だった。
もう少しだけ書類を整理しようと思っていたのをやめて、鼎は和子を……己の伴侶になるかも知れない相手を抱き上げると、寝室へと向かった。
今回の攻め(?)役
※匂宮和子(におうのみや わこ)
・鼎が陸上幕僚監部二尉であった頃から付き従っている側近……というと聞こえがいいが、要するにお世話係。入隊してすぐに鼎の側付きとなった為、階級については覚えていないらしく、鼎について内調に所属を移した後は階級無しとなっている。
・非常に愛らしい外見の持ち主であり、子犬系のふたなり。鼎への好意はほぼ一目惚れであり、性欲を抑え込むための「この人は上官なんだ」という自己暗示が抜けず、現在も時どき「鼎二尉」と呼んでしまっている。
・どうやら上層部は鼎が正義感や使命感で時に望まぬ動きをすると見切っていたようで、彼女を楔とする為に鼎の元へと送り込んでいた節がある。当然、和子自身は何も関与していないのだが。
・鼎の戦闘力が想定を遥かに超えていた為、和子は枷どころか「日常の象徴として守るべき最終防衛ライン」として機能してしまい、電光戦車、ムラクモ、完全者、ヴァルキュリアを悉く撃破する原動力になってしまった。
・和子の配属は、後にムラクモの転生先にされてしまった千家三佐の判断である為、あるいは彼はムラクモに抵抗しようとして、そしてある意味では勝ったのかも知れない……ムラクモ、相変わらず詰めの甘い男である。
・ちなみに鼎は徹底して和子を非戦闘員として扱っているが、一応は自衛軍の一員である為、格闘技や銃器の扱いは常人以上に卓越している。特に投擲術に関しては異常な才能があり、読み返してみると本編でも、ゴミ箱にストッキングを“振り返る前に”咄嗟に投げ込むという、割と難易度の高いことをこなしていたりする(=背中を向ける前に両手で顔を覆っている)。