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引きこもり女がユニークスキル「セルフュージョン」でダンジョン配信やってみた!2

処分が明けて、またダンジョンに潜れるようになった。うん、そう、アホやったダンジョン探索者には処分がある。前回、探索者なって一週間も経ってないのに単身ボス部屋へ突入して死にかけた挙句、救難を出すことすら忘れグロ配信をお届けしたかどで私はしばらくダンジョンに入ることができなくなる処分を受けていた。私は前回の事がトラウマになってもう二度とダンジョンなんか行かないと最初は思ったんだけど……。私を助けた動画がバズるお兄さんを見ていると嫉妬がメラメラ湧いてきた。なんでこっちが? 私の配信の映像なんですけど? ユニークスキルすげーって私もユニークスキル持ちなんですけど? 私だけ踏み台にされてお兄さんがひとかどの人物になることが理不尽で失当だと感じる。いや私が悪いんだけど。自分の曲がった性格から生じる承認欲求と、自分に向けられるべき注目を奪われたという被害者意識が、謹慎中に際限なく膨れ上がっていった。いや助けてもらえなかったら死んでたし、ドラゴンを使役するのが絵的に映えまくりでカッコいいのもわかる。わかるけど。でも……。じゃあこのまま引きこもりニートに戻るのかと自問すると、降りたくないという答えが現れる。私も世にも珍しいユニークスキル持ちで、冷静に考えたらかなりの急スピードでレベルアップだってしてたんだ。やれるはず。まだ……きっと。それに、チャンネルには復帰待ちのコメントもちょっとだけど来てるし。やろう。もう一度。ダンジョン内の怪我は魔法で治せるし。……陰な性格も魔法で治らないかな……。 一応、ボスを討伐した扱いになっている私は6階層へ突入する権利がある。受付いったら改めて色々注意されて死にたくなったけど。私はお付きのカメラモンスター通称カメモンを連れて、ワープゲートから6階層へ飛んだ。ボスを倒すとそこまでの階層は飛ばせるのだ。 初めて足を踏み入れる6階層。ダンジョン探索者向けの情報とか調べてみると、ここから本番という意見が多い。入った瞬間にわかった。こっからだ……。そこは森の中だった。地中(多分)なのに、明るい光で満たされた森が広がっている。道の定まったわかりやすい迷路でもなく、普通に森。ただ中央には木々がなく、先人たちが通っていったのであろう道が踏み固まっている。ここ歩いていけばいいのかな。 私はカメモンに脳内から指示だしして配信を開始した。 「あっ……あっ、の、ぶへへへ、ざ、材本融子です。処分解けたので、きょ今日からその……6階行こうと思います。もう来てますけど」 前日に予告は出していたので、割と早く視聴者が集まってきた。 『マジかい』『死にそう』『ソロ?』『死んでた人?』『グロ期待』 心にもないコメントが割合増えてる気がする。まあ……前回配信があれじゃね。 「この前はその……お見苦しいところをおみせしまいたし……ええと……あれ」 でも、意外にも視聴者数が……んん? なんか多くない? 「なんか……人多くない?」 『バズったし』『誰こいつ』『人多くね?』『これ助けられた方』 一応、映像の出所ということで知られはしたっぽい。あと助けられた子という……カッコ悪い覚えられ方で。ムクムクと対抗心と承認欲求が膨れて、私は言った。 「えっと、私もその、一応、ユニークスキル持ちなんで……ぶへ」 『マジ?』『どんなスキル?』『モンスターと融合』『セルフュージョン』 「えっ……と、セルフュージョンって言ってぇ……もモンスターとですね、融合……」 『はよいけ』『見せて』『テンポ悪』 あう。そうですね陰キャ女が入り口でぐじゅぐじゅしてるだけじゃダメだね。行こう。 とりあえず中央の道っぽいところを進んでいくと、草陰からモンスターが出現した。見た瞬間ぞわっと全身の毛が逆立った。 蜘蛛。でっかい……一メートルはありそうな、巨大な黒い蜘蛛だった。赤く光る眼が一つ二つ三つ四つ……キモ! きもおおおい! 「ちょっ待っ無理むりああああっば」 八本の足をカサカサ動かしながら蜘蛛が迫ってきた。私は声量の安定しない悲鳴を上げながら反射的に手をかざして叫んだ。 「セルフュージョン!」 体がグイっと蜘蛛に向かって引き寄せられ、飛んでいく。蜘蛛も私に向かって飛んでき……いやあああああああむりいいいいい! 白い光が瞬き、煙が充満する。身体の感覚が溶けて消え、なんだかよくわからなくなるこの一瞬。何だか懐かしく感じた。 光と煙が収まると、私は何事もなかったかのように地面に立っていた。 『キモ』『きた~』『えっろ』『すげー』『マジ?』 カメモンが斜め上から私を銀色の筒で捉え続けている。私は配信画面を自分の視界に映すようカメモンに指示した。すると……恐ろしく気持ち悪くなった私の姿が配信に乗っていた。下半身が黒い蜘蛛の女。八本の節足が側面から伸びて大地にさしている。腰から上は人間……つまり私だ。肌の色がくすんでやや黒っぽい。そして、目が多かった。赤い目が……何個も顔面に埋め込まれている。そして服を着ておらず、乳首丸出しだった。 「ぎゃあああ!?」 『エロ』『これこれ』『初めて見た』『このスキルすごくね?』『キッモ』 どことなく筋張った手で胸を隠しながら、私は自分のステータスを確認した。アラクネの……レベル7。モンスターのステータスだ。うぇ。視線を下ろすと自分の胴体が切れ目なく埋まった……いや、繋がっている蜘蛛部分が嫌でもデーンと目に入る。キモイよぉ……これが私? 融合解きたい。でも解いたら蜘蛛と素で戦闘か……。 「うう……とりあえずアラクネのまま進みます……」 もうちょっと見てくれのいいモンスターと融合したい。虫とか最悪……。歩き始めると、更にキモさが増した。八本の脚でカサカサ歩くのだ。生まれて初めての異常な感覚。足八本動かすなんて思ってもみなかったよ。でも融合した蜘蛛の感覚を引き継げているのか、上手く歩けないということはない。 『気持ち悪くて草』『これはモンスター』『どうみてもモンスターで草』『討伐されそう』 みんな酷い。 その後、歩を進めると何体かのモンスターと遭遇するも、大体虫系だったので再融合する気にはなれなかった。それに、アラクネ結構強いし。下腹部の口みたいなところから、白い糸を出せるのだ。出した時はものすごくアレなことをしている気がして血の気が引いたというか、硬直しちゃったけど、虫系のモンスターはこれで動きを止めて、あとは金属バットで殴れば倒せるので楽だった。ちなみにコメント欄は大盛り上がりだった。私が下腹部から糸をモンスター目掛けて噴射するたびに活気づく。これBANされない? 大丈夫? そしてアラクネのレベルが8に上がった。この調子だと早くレベル10行けそう。成長曲線は普通より段違いに早いんだよね私。これでも。腐ってもユニークスキルは強い。もっとこう……普通に評価というか、すごい新人来たぞみたいな話題にはならないのかな……。喋り方が良くないのかな。あと容姿とか。でも融合したら容姿もクソもないんだよね。私はたくさんの赤い複眼で道を探しながら思った。 しかし私のスキルには思わぬ弱点があったことを、すぐに私は思い知ることになる。それは初めて……お兄さんを除けば初めてダンジョン内で別の人と会った時だった。 獣道から整備された道に出れた時だった。作業服の上に色んな防具を纏ったおにい……おじさんと遭遇。人だ。ダンジョン探索者だ。私は思わず硬直した。 (ひっ……人) 引きこもりニートの私は挨拶の仕方がわからず、黙って顔を下に向けることしかできなかった。えっとどうすれば……なんていえば……うう。 おじさんは一瞬ギョッと目を見開き私と同じように動かなくなったけど、すぐバックステップして槍を構えた。てっきり向こうから挨拶してくれるよねと思っていた私は、その警戒心バリバリの目つきと雰囲気に驚き、混乱した。 (えっえっえっ) 『ヤバい』『これモンスターだと思われてるよね?』『声かけろ』『逃げ』 私はオーガの時からなんも成長してなかったかもしれない。コメントも目に入らず、自分の姿を見た人がどう思うかという思考も巡らせられず、ボーっとしたまま槍を胴体に突き刺されたのだ。 「おごっ」 反射的に下腹部から糸を発射した。槍が長いのでおじさんには当たらなかったけど地面に蜘蛛の糸がばら撒かれ、それ以上深く踏み込まれることは防げた。浅く刺さった槍から体を引き抜き、私も後ろに下がった。どっどっどうしよう。何で襲われたの!? 殺される!? 死ぬ!? なんで? この人殺人鬼!? 『誤解解け』『モンスターだと思われてる』『逃げろ』『ぶっ倒せ』『やれ』 視界の端に映るコメント群にようやく意識が向き、事態を把握した。おじさんは私をモンスターだと思って攻撃してきたのだ。胴体の痛みもどこか遠くに感じる中、私はかすれ声で精一杯の叫びをあげた。 「……って! 私人間です!」 金属バットを落とし両手を掲げて敵意がないことをアピール……したつもりだけど、おじさんの警戒は解けない。なんか構えだした。やばい。どうするどうするどうするコレ。逃げる? いっそ戦う? いや馬鹿。もっと何か……。 (そっそうだ!) 私は簡単な解決法を思いついた。私はすぐ融合を解いた。白い光が瞬き、私と蜘蛛のモンスターがはじき出されるように現れる。おじさんはビックリして更に後ろに飛びのいた。モンスターを前にしたヒリついた目つきから、困惑の目つきに変わっている。よし。助か……。 「っあああああいたあああい!」 私は槍で刺された箇所を肌色の手で押さえうずくまった。痛い痛い死ぬこれ。……変身中の経験値とダメージは両方とも私が引き継ぐのだ。 その後誤解が解け、おじさんは私に謝罪して治療用のポーションを使ってくれた。ああ怖かった。人が一番怖いかもしれない。……ていうか冷静になったらこの事態スキルわかった時点で想定できて当然だった気もする。なんでできなかったんだろう。……引きこもりだからか。「他人」が私の想像の中に欠けてる……んだ。 その後おじさんが謝罪を兼ねて一緒に行こうかと持ち掛けてくれたけど、断ってしまった。私にも非があるアクシデントで悪気がなかったのはわかるけど、自分を槍で刺してきた見ず知らずの人がどうしても怖くて無理だった。コメントはソロ危険だからおじさんと行け派が多かったけど、やっぱ無理。ていうか人と一緒にいるのが無理。何話せばいいわけ? ていうか足引っ張る気しかしないし。 おじさんと別れた後、フラフラ一人で歩いた先に蜂のモンスターと出会ったのでとりあえず融合した。ビーガールレベル8。やや前傾姿勢になって、お尻が大きく膨らんだ。黄色と黒の縞模様で、銀色の針がお尻の先から突き出せる。あとは手が虫の手になり、顔が蜂の被り物みたいになった。蜘蛛よりは人に近いかも。ギリコスプレで通る範疇かな……。こっちだったら誤解されなくても済んだかもね。しかし、すぐに私はアラクネに戻りたいと思うようになった。戦いにくい。お尻の針なんて狙って刺せるわけない。死ぬほど持ちにくくなった手で金属バットを振り回さなければならなくなった私は、蜘蛛さんともう一度会えることを心の底から願ったけど、遂にその日蜘蛛とは再エンカウントできなかった。 何とかかんとか6階層のゴールにたどり着いた私はダンジョンから撤退した。疲れた。めっちゃ疲れた。 「こ……これで今日はそのお終いにします……」 『お疲れ』『死ななくて良かった』『やっぱグロ』『人と組め』 組む相手なんていないし……。ていうか私人と組むとか無理だし……。でも確かにソロだと今日みたいな誤解を生む場面が今後も多そう……。誰か誘うべき? いや引きこもりニートだからそんな相手いないし。視聴者から募る……のも変なのツモりそう。ていうかやっぱし人一緒に何かするのが怖い。私のせいでその人が死んだり大怪我とかしたらどうしようって思っちゃう。 翌日。また6階層へ。ボス攻略までは飛ばせないので6階入り口からだ。めんど……。でも何度もやって道順や攻略法を作って覚えるのが普通なんだよね。私がセルフュージョンで適当プレイできちゃってるから基本をすっ飛ばしちゃってる。その階層のモンスターと融合すれば強制的に適正レベル化できるから割とズンズン行けちゃうのが良くない。そしてモンスターと戦ってる間に「私」のレベルも追いつくし。 また蜘蛛と融合してアラクネ化して6階層を踏破し、7階層へ進んだ。また森。少し進んだところで、狼のモンスターと出くわした。針みたいに鋭く尖った毛に包まれ、どす黒いオーラを放つウルフモンスター、通称ウルモン。糸を発射してもものともせず突進してきて、あっさり私にかみつき、足を一本食いちぎられた。 (ほぎゃああああ!?) 『グロきた』『相性最悪』『無理』『おじさーん!』『おじさん助けて』 パニクった私は融合を解いた。二本足に戻って地面に着地した瞬間、激痛で私は崩れ落ちた。右脚のふくらはぎがえぐれている。赤黒い断面が光ってる。それが自分の脚だと思えなかった。 「あっいっ、いいいいいたあああああ!」 立てない。逃げれない。やば……。ウルモンは突如出現した蜘蛛に気を取られ、そっちを優先していた。この間に体制を立て直せればいいんだろうけど……痛みでそれどころじゃない。 『ポーション』『おじさんの薬』『回復』『救難』 あっそうだ。昨日おじさんからもらったやつあった……。私はポーションをふくらはぎにかけた。すると見る間に再生していく。これダンジョン外に持ち出せたらすごいのにな……。魔法で治せるのは残念ながらダンジョン内の怪我だけで、元からの怪我や病気は適用外なのである。 痛みも引いたころ、私の下半身を務めてくれた蜘蛛さんが無残にバラバラにされていた。ウルモンがこっちを睨みつけている。ふ、ふふん。もう怖くないもんね。クールタイム終わったし。 「セルフュージョン!」 私とウルモンが勢いよく引っ張られぶつかる。衝突の瞬間に身体の感覚がなくなる。次の瞬間、私は四つん這いで地面に立っていた。 『きたー』『このスキル強くね?』『ボスにも通るんだよな』『エッッッ』 配信画面を確認すると、手足と胴体が銀色の毛で包まれた、犬耳の私が四つん這いしてるところが映し出された。お尻からは尻尾が垂れる。顔から伸びるノズルの先を赤くそめ、流石に恥ずかしくなって立とうとしたけど、立てるのは数秒で維持できない。おすわりポーズになってしまう。……恥ずかしいよお。これじゃ犬みたいじゃん。 「……ステータスオープン」 ウルフガール、レベル8。ううう。コスプレの範疇に留まる方が私という人間が痴女してるみたいで嫌かもしれない。……アラクネ良かったなあ……。 『犬』『おすわり』『ちんちん』『待て』 「犬じゃないよぉ!」 しかし流石に虫よりは強い。体が軽く、私じゃないみたいに素早く動ける。割とすぐに四本足で走るのに慣れてしまって、私は犬みたいにへっへっと息を弾ませながら、軽快な足取りで7階層を飛び回った。 そして道中で人の匂いをかぎ取れた。鼻が利く。探索者だ。二人組……かな? 昨日の失敗を活かし、今度は私から声をかけるかもしくは……会わないようにするか。私は当然のように後者を選び、獣道を行くことにした。しかし、それが間違いだった。途中で罠にはまった私は足をトラバサミに挟まれ、動けなくなってしまったのだ。 (えっ……な、なにこの罠……) ダンジョンに罠があるのを知ってるけど、これ……ダンジョンの罠、じゃないよね……? 融合を解けば抜け出せるかもしれない。でもウルモンと一対一無理だし……どうしよう。前足で外そうと躍起になっていると、人の匂いと話声が近づいてきた。 「あっ、かかってるかかってる」「な? 言ったろ?」 男女の二人組が草陰から現れた。探索者だ。私は昨日の夜にイメトレした挨拶をやってみようと考えた。 「あっ……の、初ぃ……めまして、私」 「テイム!」 「えっ」 足を捕らえるトラバサミと、男の方から投げられた首輪が共に光り、首輪が私の首を捕らえた。バチっと音がして首輪が閉まる。その瞬間、全身が言うことをきかなくなった。 (んなっ……!?) 『テイムきたー』『見たかったこれ』『できるんか』『モンスター扱いなんだ』 え? 何? テイム? それより体が動けないんだけど……。 融合を解こうとしても解けなかった。困惑していると、女の方がトラバサミを外してヒールしてくれた。 (あっ……りがとうございます) 声が出てこない。くぅーんと情けなく鳴くことしか。何が何だかわからない。私どうなっちゃったの!? 「よし。立て!」 男がそう言った瞬間、身体がビクッと震えた。そして……ひとりでに動き、立ち上がったのだ。 (えっ……!? うそ!?) 「おすわり!」 男の指示に合わせて、身体が勝手に動く。私はお座りして動けなくなってしまった。 『テイムはモンスターを支配下に置いて使役するスキル』『モンスターとしてテイムされたっぽい』『救難出せる?』『草』 視聴者たちが口々に教えてくれた。ゾッとした。私はどうやら……モンスターとしてこの人にテイムされたっぽい!? (ちょ……待って! 私……人間です! モンスターじゃ……ないです!) 「ていうかこれウルモンじゃないよな? 初めて見るんだけど。人間みたいな……」 (そう! そうなんです! ウルモンと融合……) 「ウルフガールだって。レアものゲットかも。すごくない?」 女の方が私のステータスを確認している。そこにはウルフガールレベル8の情報しかない。モンスター扱いの。 (あわわわ) ど、どうしよう。流石に救難かな。カメモンに救難を出すよう脳内で指示を出したけど、言うことをきいてくれない。テイムされたことで探索者じゃなく完全にこの人のモンスター扱いになっちゃったんだろうか。 (私、人間……です! 配信も……してて!) 説明したいけど、声が上手く出せない。罠を片付けた二人組が私に、斥候を指示したので私は四つ足でそれに従い、二人の前に出ていった。止められない。身体が勝手に命令をきいちゃう。 (待ってください! 私……違くて!) しかし、声も出せないし命令にも逆らえないし、何よりステータスがモンスターなのでどうしようもなかった。私はその日ずっと、男女二人組の斥候役として使役されてしまった。モンスターとも何度か戦わされたし、人生上手くいってそうな男女ペアからナチュラルに犬扱いされるのが死ぬほど悔しくて辛かった。最悪。 (私、これからどうなるんだろう) まさか一生こいつらの犬じゃないよね? ていうか配信してるんだし……それはないか……。ベテラン探索者ならカメモンが一匹私に追従しているのを見て何かおかしいと気づいたかもしれないけど、7階層をウロウロしているレベルの人だとまだそこまで察しは良くないらしい。 結局テイムが解かれることはなく、私は二人と一緒に7階層出口からダンジョン入り口にワープした。二人は私をモンスター扱いで預けようとした。ダンジョン内のモンスターを外に連れ出すことは制限されているので、ダンジョンの管理施設に預けるのが通例らしい。コメントによれば。そこで流石に私が人間であることが判明し、ようやく私はテイムを解かれた。すると融合も解けるようになったので解除。私はようやく、人間・材本融子に戻ることができた。二人組から今度はあっちが四つん這いになる勢いで死ぬほど謝られた後、私は懐かしい二本足で帰宅できた。 ベッドに突っ伏してから、自分がスキル的にはソロ向きじゃないというか、ソロだと周囲に迷惑をかけると痛感し、泣きたくなった。組む相手いないのにどうしよう。でも私という人間がチームプレイ向きじゃないのに。うう……。 そして今日の私の配信がそこそこバズったことがますます私を苦悩させた。犬扱いで使役される私の姿が……。


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